そもそも、アイディアに著作権なんてないから

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A8(468×60)

ラベル

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2013年10月30日水曜日

デコレーション第一話

2011年は大変な厄災年であった。

津波、戦争・・・・多くの魂がこの世を離れた。



ところで、とある町の、とある家で、友達とテレビゲームで遊ぶ少年がいた。

名前は「ケイタ」。市立北滝小学校5年の、いたって普通の少年だ。

「今だ、必殺…≪ベノム・アターーーーック≫!!!」

ケイタが剣の形をしたコントローラーを振り下ろすと、最新式薄型テレビの中のモンスターは粉々に崩れ去った。

「よっしゃ!これで全クリや!」そう叫んだのは同級生の「ショウ」である。

「フン!相変わらずクソゲーだったぜ」そうつぶやいたのは、同じく同級生の「ヒロ」だ。

「そう言いながら、かなり楽しんでたやんか」ショウは言った。

「楽しいのは途中だけさ」ヒロが言った。

「まあまあ、次は何のゲームやろうか?」ケイタがゲームの入ったボックスをあさりはじめた時、ソファで黙って見ていた「カナ」が言った。

「みんな、見て。まだ続きがあるみたい」

その声に反応して、全員が一斉にテレビ画面を見た。そこにはいつのまにか、文字が書いてある。

「おめでとうございます!あなたは見事最終ボスを撃破されました。
その強さとチームワークを見込んで、ぜひお願いがあります。
つきましては、私たちの国《デゴテコ》においで下さい。」

「デコデコォ?」ケイタがうたぐり深そうに言った。

その文章の下に、いつものように「はい」「いいえ」の選択肢がある。

「まあ、いいや、面白そうだから、やってみよか」ショウがそう言って「はい」を選択した。

するとテレビ画面がまばゆい光を放ち、ケイタたちはその光に包まれた。

そして4人は、吸い込まれてしまった・・・・・。


「おい、いつまでゲームを…」

部屋に入ってきたのは、カナの兄、ヒカル。

部屋にはもちろん、誰もいなかった。



「いててて」

気がつくとケイ太は、荒涼とした大地に寝そべっていた。

「どこだろう、ここは…それにみんなは…?」

あたりを見渡すと、一人の少女が倒れていた。よく見るとカナだ。

「カナ!」

カナをゆり起すと、うっすらと目を開けた。

「ここは…? 私たち、どうなっちゃったの?」
「わからない。わからないけど、たぶん、ゲームの世界に来ちゃったんだ」

ケイ太とカナは、ふたたびあたりを見回した。

炭にほんのり土が混ざったような、ごつごつとした大地が広がっている。

はるか彼方にはこれまたごつごつとした、灰色がかった山が生えたようにいくつも建っている。

人どころか、建物も、生命の気配もない。

「寂しいところね」カナが言った。「あのゲームにこんなところ、出てきたかしら?」
「とにかくみんなを探さなくちゃ」ケイ太が歩きだしたその時、空から何かが降ってきた。

「うわっ、何だ!?」
「ニャーーーッ!!」

ボールのように丸々とした体が開いて、「ニャーーーッ」と叫んだ。猫のようにも見える。とにかく生き物のようだった。
ケイ太は、その生き物と目が合った。

「おマエが、デコモンの使いニャ?」
「使い?…ち、違うと思うけど、君は一体誰?」
「サンはこの世界を救う勇者、サンニャ!お前、市橋ケイ太ニャ?」
「そうだ」
「やっぱりそうニャ。さ、こっち来るニャ」

サンは2足歩行ですたすたと歩いて行ってしまう。あわてて付いて行く2人。

「ちょっと待ってよ。ここはどこなの?それから、デコデコとかデコモンとか、一体何が何だか」
「今、デコデコは創世史上最大の危機に見舞われているニャ。悪の大魔王《ダーノン》が、世界中の魂を集めて悪いことをたくらんでいるニャ。それを止めるためには、強い勇者が必要ニャ」
「意味わかんないよ。魂って何?どゆこと?」
「魂を集めて、そのエネルギーを吸い取って何か新しいモノを作り出そうとしてるニャ。そうはさせないニャ」

そう言いながら歩いていると、突然地響きが辺りを襲った。

「こ、今度は何だ!?」
「《ソウルハンター》のお出ましニャ!!チッ、こんなに早いとは!」

すると地面が割れ、中から10頭ほどの黒い馬が飛び出した。

「第1等ソウルハンター、《ダークホース》ニャ!!タイミングが悪いニャ。ケイ太、これを使え!ニャ!」

サンは自分のかぶっていた帽子の中からゴーグルを取り出し、ケイ太に投げた。

「これは!?」
「《サンライズ》ニャ!それをつけて変身するニャ!」
「変身!?」
「まぁ、つけてみればわかるニャ!」
「まったく、何だよもう・・・・ ≪変身≫!!」


ケイ太がそう叫ぶと、ゴーグルは光りだし、まわりの様子が変化した。
身体能力が上がり、気づけば右手には剣を持っていた。

「こっ、これは!?」
「戦闘スーツニャ!!さあ行け、ケイ太!そんな奴ら木端微塵にしてしまえ!!」
「お、おう!!」
「サンちゃん、私にはないの!?」
「残念ながら1人分しか持ってきてないニャ」

ケイ太はダークホースに斬りかかった。ダークホースは素早いわりに、目が悪いのか、他のダークホースとぶつかり、もみ合っている。

「今だ、《ベノム・アタック》!!」

ケイ太は早速一頭を両断した。

「いいぞケイ太!その調子で残りもやっちまえ!」
「サンちゃん!語尾が取れてる!」
「ハッ!しまったニャ」

ケイ太は続いて2匹を倒した。しかし剣がダークホースに付きささり、ケイ太は振り払われてしまった。

「うわっ!」
「ケイ太!」
「しょうがないニャ。サンも加勢するニャ…《封印解除》!!」

サンは炎に身を包み、大きな虎となった。

「おおっ!? サン、凄いな!」
「これが《解除》ニャ。でも今は30秒が限度ニャ」
「短っ!! あと、その低い声でニャって言うのキモイぞ!」
「くらえ、《バーニング・バクホーン》!!!」

サンのひと吐きで5頭のダークホースが一掃された。

「いいぞ!残り2頭だ…」
「やばいっ、ケイ太!」
「いやあああああっ!!」

ケイ太が見ると、カナの頭がダークホースの伸ばした触手につかまっていた。

「カナッ!!」
「あ・・・う…」

カナは苦しそうなうめき声を上げる。

「魂を奪おうとしているんだニャ!!」
「させるか!《ベノム》・・・うわっ!!」

触手はケイ太のゴーグルを跳ね、ケイ太は地面に叩きつけられた。

「いやああああああああーーーっ!!」

カナの叫び声が最高潮に達したかと思うと、不意に止んだ。
ケイ太が起き上がると、カナは地面に倒れ、すでにダークホースの姿はなかった。

「しっかりしろ、カナ、おい、大丈夫か!?」ケイ太はカナに駆け寄った。カナはぐったりして、何の反応もない。

「魂を抜かれてしまったニャ」
「そんな!!何とかならないのかよ!?」
「魂をとり返すしかないニャ」
「どうやるんだ!?」
「ダーノンを倒すニャ」

するとケイ太を呼ぶ声がして、ケイ太は振り向いた。
ヒロとショウが遠くから走ってきた。

「お前の声が聞こえて、走ってきたんや」
「カナの叫び声も聞こえた」

2人は倒れたカナに気がつき、駆け寄る。
必死に呼びかけたが、反応はなかった。





夜が来て、朝が来た。

ケイ太は夢うつつの中に、カナを見た。

「ケイ太君・・・助けて…」

「ケイ太!!いつまで寝てるニャ!!」
「ふがっ!!」

ケイ太は、小さなあずま屋で目覚めた。
サンの他に、見知らぬデコモンが2匹いた。一方はサメのような形をしていて、浮いている。もう一方はサンと似ていたが、耳が大きい。

「紹介するニャ。こっちはシャーク、もう一方はキャッキーニャ」
「ヨロシクダゼ」
「よろしくッキー。」
「おはよう。サンの右フックはけっこう痛いぞ」
「お前のために朝ごはんを用意しておいたニャ。さ、食べるニャ」

そう言ってサンは、一皿の炒め物を取り出した。黒ずんでいて、あまりおいしそうには見えない。

「たったこれだけ?」
「我慢するニャ。食糧難ニャ」

ケイ太はおずおずとスプーンを口に運んだ。

「……」
「どうニャ?」
「どうッキ?」
「どうダゼ?」
「まずい」

サンは明らかに悲しい顔をした。

「うまかったけどなあ」ショウが横から口をはさんだ。
「おはよう」
「おはよ、ケイ太。うまかへんの? ならもらうで」

言うが早いか、その皿はすでにショウの手元にあった。

「あっ、ちょ!待てよ。俺だってお腹すいてんだよ」
「わいもすいとるし」

ケイ太とショウが激しい喧嘩を繰り広げていると、一人あずま屋の隅にいたヒロが、シャークに話しかけた。

「ゲームの世界でも、腹は減るのか?」
「何言ってんダゼ。ここはゲームの世界なんかじゃないゼ」
「えっ?だって僕たち、ゲームの世界から吸い込まれてきたんだよ?」ケイ太が手を止めて言った。
「テレビゲームで、戦う才能のある者を探していただけダゼ。」
「ここは《デコデコ》と言って、お前らのいた世界とは別次元にある世界ッキ」
「べ…別次元??」
「つまりお前らは架空の人間ではなく、実際に腹を空かせたり死んだりするってことッキ」
「くだらねえ」ヒロが立ち上がった。「デコデコだか何だかしらねーが、俺は降りるぜ」

ヒロはそのまま、すたすたと出て行ってしまった。

「待てよ、ヒロ! 俺たちのチームワークがこれから必要なんじゃないか!?」
「知ったことかよ、とにかくこんな所からすぐ出てってやる」
「じゃあ… じゃあカナはどうすんだよ!!」

ヒロの足が止まった。

「…お前は友達を見捨てるのかよ」
「…… ああ、見捨てるね」

ヒロはケイ太の手をふりはらい、去ってしまった。

「おい、置いてくなダゼ」そのあとをシャークが追った。

ケイ太はしばらく茫然と立っていたが、しばらくして気付いた。

「はっ!そうだ、カナは!?」
「ずっとあそこに座っとる」

ショウの指さす先に、小さな原っぱがあった。そこでカナが1人、風を浴びている。
ケイ太は近寄ったが、彼女は気付かない。


「カナ、おはよう」
「…」
「カナ、お腹すかない?良かったらなんか、作ろうか?」
「…」
「…」
「…」
「カナッ」

ケイ太はカナを見た。
カナは、力を失った目で、宙を見つめていた。
まるで、人形みたいだった。

「カナ…。」

「それはもう、カナではないニャ。魂の抜かれたお人形ニャ」
「俺のせいだ…。」

カナはただ、前を見つめるだけだった。口元だけがわずかに、きゅっと結ばれて、はにかんでいるように見えなくもなかった。

「こうなってしまったからには、しゃあないやろ。もう、この世界救うしかあらへんのちゃう?」

その時突然、携帯の着信音が響いた。

「えっ!?」

ケイ太のポケットからだった。

「だ、誰がかけてるんだ?…もしもし」
「”もしもし、ケイ太!お前今どこにいるんだ!?”」
「ヒカルさん!?」

ケイ太たちは驚いた。ヒカルから電話がかかってきたのだ。

「ヒカルさんこそ今、どこにいるんです?」
「”どこって、お前の部屋だ。突然いなくなって、何してるんだ、もう3時だぞ!”」
「3時?…」

確か、ケイ太たちがいなくなったのは、2時頃だったはずである。

「おかしいな。もうまる1日くらい経ったと思うのに…」
「デコデコの1日は、地球の世界の1時間ニャ。伝わる電波速度だけが同じなので、デンワが繋がるのニャ」
「”おい、一体誰と話してるんだ?”」
「ヒカルさん、俺の話を聞いて下さい!」

ケイ太は今までの状況を、なるべく詳しくヒカルに伝えた。時にはショウにも変わり、代わる代わる説明した。

「”デコデコとかサンライズとか、いつまでそんなごっこ遊びをしてるつもりなんだ。カナデが塾に遅れるだろ”」
「だから、カナの魂がとられちゃったんですってば」
「”いいからカナに代われ。いるんだろう?そこに”」

ケイ太たちは顔を見合わせた。

「どうしても信じてくれへんみたいやな」
「写メでも送ろうか?」
「どうしたって同じやろ、この場合は」

ケイ太は仕方なく電話を切った。

「ニャ。ここは一旦、向こうに帰るといいニャ」
「えっ!? 帰れるのかよ!?」
「携帯デンワを貸すニャ」

ケイ太が携帯を手渡すと、サンは何やら入力し始めた。

「何してるんだ?」
「契約ニャ。サンとケイ太にパートナー契約を結ぶニャ」
「それをすると、どうなるんや?」
「サンの好きな時にケイ太を呼び出せる」
「俺召喚獣!?」
「契約成立ニャ!さ、ケイ太、画面に指を当てるニャ」
「おい、俺まだ内容も知ら…」

ケイ太は無理矢理指を抑えつけられた。すると画面いっぱいに赤い光が現れ、そのままケイ太を包み込んだ。

「うわーーーっ!?」

そして、気付くとテレビの前にいたのである。

「…!?」
「ケイ太?」
「あっ、ヒカルさん」
「お前、今…どこから?」
「デコデコから帰ってきました」
「はぁぁ??」

ラベルの解説(文字の大きさに意味はないです(なんか勝手に大きくなる))

言葉ベース
・AIEN≒ヘルズクイーン≒one-way=ルナ=盲目少女と吸血鬼=きゅうけつき

キャラクターベース

・悪役令嬢と神父=あくしん=あくぼく=いじうけ=誤解
・◆=悪役令嬢と猫=あくねこ=ロイジャペア=ターニア=トハ
・超能力者が入院する話=ETK=dr.ソロモン
・横井=VRChatの話
・建築の話=建築家とロボット
・BL2
・ですわけ
・テイマー
・ヒーロー部
・ソラヲトブ(-6なのに-3とくっつくから)
・小牧=オメガバース1=-3=植物ミステリ2=ツマミの話(小牧が低すぎる)

その他

・昼=排卵後=朝=プロゲステロン有り=オキシトシン無し=礒原
・排卵前=プロゲステロン無し=オキシトシン有り=久米
・ちかのこ=けもらいず=サンブライズ=バーチャライズ
・過去=かこ=essay=エッセイ
・photo=構図
・こじ=こじらせ、ス=スキ=スキゾタイパル、強=強迫、境=境界、回=回避、反=反社会、自=自己愛
・みんあつ

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