―――え、俺、死んだ?
交通事故の音。
死ぬのか?
意識が薄れる。
誰か近寄ってきた。
救急隊員だ。
「お名前はなんですか?」
名前? あ―――え?
名前?
俺の名前、なんだっけ?
ここは、どこだ?
なんで俺―――。
「記憶喪失だね」
「記憶喪失」
実は俺は人造人間で、目の前の医者は俺を作った博士で、俺に偽の記憶を植え付けようとしている―――とか、体が誰かと入れ替わった拍子に、記憶をなくした―――とか色々考えたのだが、両親を見た瞬間、その可能性は死んだ。
「きみの名前は、ルウェ・イリヤだ。タートルシティ2443番地に住む18歳の青年。仕事はせず毎日悪い友達とふらふら遊んでいたそうだ」
グレてたのか、昔の俺。それで髪がこんなに刈り上がっているんだな。グレた原因は、すぐ分かった。父親は酒びたりで、母親は頭がすこぶる悪く、料理すらまともにできなかった。
―――きっと、誰かに助けてもらいたくて、グレてたんだな。
だけど、今更またグレ直す気が、起きなかった。せっかく記憶をなくしたんだから、心機一転、Wikipediaに載るぐらいの著名人になってやるぜ。
そんで俺は家を出た。
このあと探偵事務所に…? ごみ清掃会社…コンビニはいいかもな
まあ教師も悪くないけど…あそっか、ヒーローショーだから…ピザの宅配人かなー。バカヘラヘラの。花房は熱血でエトワがちゃらおならokだろう。ばかのあなたにはわからないでしょうけどねと
にげるのがはやい、スクーターも出せるしな。