アーカム(婆)
アーカム(熟女)
コウ
フルート
リュウト
ダリル
モンスター(ドラゴン)
○舞台はダーク(ロー)ファンタジー。深い森で、一人の少年が目を覚ます。
コウ「う…こ、ここは…?」
コウ「僕は…僕は…誰だ? 何も…思い出せない…」
フルート「目を覚ましたのですか」
○見ると、目を見張るほど美しい少女がバケツを持って立っている。
コウ「きみは…きみが助けてくれたの…?」
フルート「いえ、祖母が…祖母のアーカムが貴方を見つけて連れてきたのです。私は今、お水を持ってこようと…」
コウ「ありがとう…助かったよ…」
アーカム「目が覚めたのかえ」
○しわくちゃのおばあさんが出てくる。
コウ「あなたが、アーカムさん…助けて頂き、ありがとうございます」
アーカム「困ったときはお互い様じゃよ…しかし旅人さん」
コウ「は、はい。旅人…」
アーカム「旅人さんじゃろ? この辺じゃ見ない顔だもの」
コウ「あ…はい…」
アーカム「もし良ければ、わしからの依頼に乗ってもらえんかのう」
コウ「何かお困り事ですか?」
アーカム「最近、わしらが住んでいる町に、モンスターが出るようになったのじゃ。あ奴らは、綺麗な女子が大好きじゃし、孫のフルートが狙われやしないかと心配で」
コウ「・・・・。」
アーカム「ここはひとつ、フルートの用心棒になってもらえんかのう」
コウ「ぼ、僕がですか!?」
アーカム「ああ。モンスターに取られるよりはよっぽどましじゃて。孫は目が見えんし、ワシはこの通りもう年じゃ。助けてくれる者が欲しいのじゃよ。勿論。お礼ははずむぞい」
コウ「無論、お受けいたします。モンスターは許せません。しかも、こんな美しい女性を狙うなんて、傍若余りあります」
アーカム「おお、その言葉、期待しておったぞい。では、宜しく頼む」
フルート「ありがとうございます、あの…」
コウ「名前…僕の名前は…」
アーカム「"コウ"じゃろ? エルレード共和国出身の没落騎士――コウ・シルヴァじゃ」
コウ「な、なぜ僕の名を――?」
フルート「おばあちゃんは、魔法使いなの。何でも分かってしまうのよ」
コウ「ありがとうございます、丁度、記憶が錯乱していて」
アーカム「フォフォフォ、ここでゆっくり精気を取り戻すがよい」
○剣の練習をしているコウ。
コウ「うまく感覚が戻らないな。記憶もかなりあやふやだし…そもそも、僕はなぜ記憶を失っていたんだろう? まさか、モンスターに…」
○遠くからフルートの悲鳴。
コウ「!」
○走って来るコウ。
コウ「どうされました!」
フルート「あっ、いえ、ごめんなさい。ちょっと、井戸の欄干のささくれに指がささってしまっただけなの」
○フルートの手を握るコウ。
コウ「本当だ。待ってください、今手当てをします」
○傷薬を出して塗ってあげる。
フルート「あ…ありがとう。あの、もういいですわ、私、男の人に手を握られるのは初めてで…少々気もちのやり場に…」
コウ「あっ、し、失礼しました…目が不自由では、何をするのも難しいだろうと勝手に出過ぎたことを…」
フルート「いいえ、嬉しいのは本当です。ありがとう」
○ふっと笑うフルート。
○遠くから悲鳴が聞こえる
コウ「!」
アーカム「モンスターじゃ。コウ、感覚は戻ったかえ?」
コウ「申し訳ありません、アーカムさん。ですが、例え感覚が今一つでも、僕は正々堂々と戦うつもりです」
アーカム「うむ…ひとつ、教えてやろう。お主の力の源は、"女のカケラ"じゃ」
コウ「―――お、何ですか?」
アーカム「女のカケラは、女の体の中にある。それを摂取――つまり食べるのじゃ」
コウ「え――」
フルート「コウ様、どうか私の"カケラ"、お使いください」
○フルートが股を広げる。
コウ「い、いえそんな、滅相もない。男の手に触れるのすら初めてな貴女と、そんな――」
フルート「私の覚悟は、できております…」
コウ「…できませんっ!」
アーカム「仕方ないねぇ…今回だけだよ」
○アーカムが美しい大人の女性に変身する。無理矢理股にコウの顔を押し付ける。
アーカム「さぁ、食らうのだ! "女のカケラ"は、その女が救われた時に分泌される。お主はわしの願いを聞き、わしを救ったじゃろう。じゃから、食らうのじゃ、それが、力の摂理なのじゃ!」
○コウ、アーカムの体の中に舌を入れ、"女のカケラ"を探す。
アーカム「そう…そうよ、もっと奥…ああっ、そこ、そこよ! それを食べて、さぁっ!!」
○コウ、取り出した"女のカケラ"を飲み込むと、急に苦しみ出す。そして魔法少女紅(くれない)に変身する。
コウ「こ、これは…!?」
アーカム「おお、それこそがお主の本当の姿、魔法少女の力じゃ…」
コウ「力がみなぎる…何だって倒せそうです!」
アーカム「行け、そして倒すのだ――そしてこの町の平和を守るのじゃ!!」
○爆速でモンスターのところまで行くコウ。
リュウト「くっ、このままではドラゴンが城に着いてしまう! 総員、出あえーっ!!」
○騎士たちがドラゴンと戦っているが、あっけ無くはじき返されている。そこに颯爽と現れるコウ。
リュウト「…!? あれは…!?」
○モンスターを倒すコウ。リュウトと目が合うが、アーカムの元へ去ってしまう。
ダリル「いてて…何だったんだ、いまの女? ハンパねぇ強さだ」
リュウト「…姫だ」
ダリル「はっ?」
リュウト「間違いない、行方不明になっているコウ姫様だ」
ダリル「…(ため息)」
○ダリル、リュウトの肩に手を置く。
ダリル「おいおい、リュウト、あのなぁ、姫様はモンスターを倒すおろか、剣さえまともに扱えないんだぞ。今のヤツがコウ様であるもんか」
○ダリルの言葉が耳に入らないリュウト、去った方向に走る。コウの後ろ姿が角を曲がるのが見える。その角を曲がると、コウ(少年)がいる。
リュウト「あ…きみ、ここに今女の子が来なかったかい」
コウ「――見てないね」
リュウト「そうか…ありがとう」
○去っていくリュウト。アーカム(婆)がやって来る
アーカム「言わなかったのかえ」
コウ「言えません、こんな――」
アーカム「なーに、お前さんの力だよ。理解する者は少ないかも知れぬが…これからも町を守ってくれるね?」
フルート「コウ様……」
○フルートを見て赤くなるコウ。
コウ「はい。このコウ・シルヴァ、命に替えてもあなたたちを守って見せます」
アーカム「何と優しいお人じゃ。お主ならそう言ってくれると思っておったぞ。して、コウよ。今夜、夕食後にわしの部屋へ来なさい。"特別レッスン"をしてやるからのう…ホホホ」
コウ「フルートさん、安心して下さい。あなたは僕が守ります」
フルート「コウさん…」
○涙を流すフルート。
フルート「ありがとう…。」
○場面転換。去ったアーカム、人気のないのを確認してから"美女"に変身し、隠し通路から城へ入る。
リュウト「女王様! ご報告がございます! アナタの娘――コウ姫様とよく似た少女を発見しました」
アーカム「おお、それで、その子はどうなったのじゃ?」
リュウト「申し訳ございません、見失ってしまいました…」
○怒って近くにある壺をリュウトに投げるアーカム。
アーカム「次こそ必ず連れて来なさい!!」
リュウト「はっ…」
○自室へ戻るアーカム。鏡を見ながら自分の美しさに見とれる。
○窓からミニ化したモンスターが入ってくる。
アーカム「おお、帰ってきたな」
○モンスターから"女のかけら"を受け取るアーカム。
アーカム「今回は収穫にはならなかったが、次からはコウがうまくこの町の女のカケラを集めてくれるだろう。そうすれば永遠の美貌はこの私のものさ…アハハハハハッ!!!」
<続く>
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