猫型ロボットを買った。
拾った。
正確には、猫耳ロボット。
体は青年だが、猫耳が付いている。
俺はこれを知っている。今、巷で人気の「ボーカロイド」ってやつだ。歌を歌わせたり、紅茶を淹れたり、整理整頓や、掃除、簡単な工事程度ならできるらしい。何故、うちのマンションの後見捨て場
何故、破格だったのかは知らないが、掃除をしてくれるのは有難い。ボーカロイドは少年型が一番人気なので、もしかしたら青年型は不人気なのかも知れない。
そんなわけで俺の家にボーカロイドがやって来た。
「俺の名前は北見信也。こう見えて小説家をやってる。歌を歌う必要はないから、取り敢えず掃除や料理をやってくれ」
植物園て手もありなん
青い髪のボーカロイドは答えた。「承知しました。ちなみに洗濯はできかねます。水は機械の敵ですので」
「いいよ」
「ひとつ伺ってもよろしいですか」
「なんだ」
「どのような小説を書かれるのですか?」
「何故そんなことを聞く?」
「雑談です。雑談機能もございますので」
「下らん。ミステリーだ。質問がないなら仕事に入ってくれ」
「かしこまりました」
ほかに何ができる?
「紅茶を淹れたり、歌を歌うことが可能です。簡単なものなら工事も可能。100kgまでのものを持ち上げられます。又、人工胎盤機能により、妊娠も可能となっております」
一人ぶんの遺伝子じゃあ、無理だろう?
可能です。
ん?やはりオメガとかのほうがいいのかな。
「肩をお揉みしましょうか」
「そんなこともできるのか?」
ここが問題なんじゃない?健康は確かに好きだけど…健康って…結果であって、そのー。ね。
そっか、じゃあいいや。
手指の細さに、少しドキッとする。
髪をかき上げる動作が、何となく色っぽい。
コイツは、男だし、そもそもロボットじゃないか?
ケモミミにして、えっと。
歌、それから、ええと
元気を出すツボか
「起こして差し上げましょうか?」
「ああ、頼む」
射精すると頭が冴えると言いますので
いらんことするなぁ!!
実験体のサイボーグかあ
で、
どうやって拾うかだな、問題は
まあサイボーグ…いやいや、
そういう仕事にたのめばいいのかな
家政夫を頼んだ
来たのはけもみみ
めかばれしてさいぼーぐ
ってかせいふじゃないんだった
医者でもある
うつ病を治すロボットだってさ
俺はうつ病なんかじゃないぞ。
ごめん人間なんだった
編集部から来たアシスタント
お手伝い
あ、編集さんでいいやんか
編集の仕事はできないか
編集部からきた…
いやもう拾ったでいいのでは?
それかあれだ、お隣さん。
小説家という職業柄、近所付き合いは多くなる。必然的に自宅周辺によく出没するからだ。
なんて自由な奴なんだ?好き勝手生きて、理解できん。
お前に起こされる筋合いはない!
俺とは真逆の奴…いや、俺よりも…
お前を見てると自分がいやになってくるんだよ!
ここでヘタウマ画家
きみは頭が良いんだねぇ!
それでも評価されてるんだろう?僕はただ好きなことをしてるだけだから、反応は何も返ってこない
実利に繋がらないことが多くてさ
コスプレ野郎
え、ロボット…?
違うよ、サイボーグだ
やりたいことをするために、たくさん体に手を入れた
メカバレはさすがにいれられないのでやめよ!
きみみたいにりっぱなひとと知り合いになるの初めてだよ!嬉しいなぁ
きみのまわりにはきみを尊敬する人がたくさんいて、僕はそのなかのひとりでしかないんだ
あいつみたいに
青山に会いたい
寂しい
期待に押し潰されそうになる
なんで書くのか分からなくなったとき
あいつの淹れた紅茶をのむと
気持ちが満たされるんだ