そもそも、アイディアに著作権なんてないから

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A8(468×60)

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2020年5月5日火曜日

 よく見れば、僕はこの人(ロボット)を知っているような気がする。
 がっしりした体つきに、鋭い目と精悍な顔つき、さっと浅黒く焼けたような色のボディ。


 図書館に居るには少々場違いな気がして、何度か目で追ったことがあった。
「…って、遊気くん!?」
「ん、瑞穂か」
 つまり、この人が例の遊気という人…。
 えーと、だから、つまり…、
 話が全く見えてこない。
「何しに来た」
「えっと、僕たちはここの探偵さんに依頼をしようと…」
「今、取り込み中だ」
「そ、そうだね。じゃあ僕たちは出直して…」
「待て」
 遊気の冷たく低い声が、否応なしに僕らの足を止める。
「もうお前らは事件に関わっている。今出ると危険だ。お前らが…加害者の可能性もあるしな」
「か、加害者って…遊気君がやったんじゃないの、その人!?」
「違う。俺が来たときにはもう既に死んでいた。まあ、入れ」
 どれだけ友好的に言われても、死体のある部屋に入れと言われて入る気にはまったくなれないが、今日の場合はどれだけ乱暴に言われてたとしても、従うしかないのだろうな。
 遊気という青年は、死体を目の前にしても全く動じず、僕たちをギロリと睨み付けていた。誰だ? イケメンのモテモテとか言った人は。屈強な体つきをしていて、どう見ても犯人という感じだった。どう見ても人を殺した犯人が、目撃者である僕らを監禁しているようにしか見えない。と言うか、実際その可能性が物凄く高い気がしているのだが…。
「それ、人間なの?」
「だろうな」
「おいおい、何だこれは。血生臭いな」
 外から、男の声が聞こえた。彼はタバコを吸って、同じようにフードの付いたパーカーを着ている。血生臭いと彼は言ったが、かすかに鉄臭い臭いと、タバコのものなのか、甘いにおいがするだけで、特に強い臭いがするわけではない。きっと、比喩のようなものだろう。
「おちおち、パチンコにも行けねーな、これじゃあ」
「青柳さん、この男は」
「遊気、お前がやったのか」
「違います」
「ああ、こいつは情報屋の[[rb:秦 > そう]]だな。すっかり死んでるねえ」
 まるで冷蔵庫の奥から、すっかりカビてしまった海苔を見つけたような物言いだった。
「俺が来た時には、もう誰も」
「まあ、大方組織の奴だろうが」
 どうしよう。
 間違って違うジャンルの小説に入り込んでしまったみたいだ。
 帰りたい。ワカメダニュータウンに帰りたい。
 ちょっと抜けてるラブコメの世界に帰りたい(そんな世界だったっけ?)。
 横にいる瑞穂さんをちらと見てみたが、彼女もそんな顔をしていた。
「えっちょっと、何これ!? 何で倒れてんの!? 死んでるの!?」
 僕が心の中でべそをかいていると、もう一人少女がやって来て言った。赤い髪を二つ結びにしていて、猫目の特徴的な少女だ。今までの新キャラの中では、いちばんまともな反応をしている。彼女が哉乞の妹だろうか? それだけで親近感が沸き、少し救われた気持ちになった。
「どうも組織の奴に殺られたらしい。だが、情報屋だから、あちこちの組織に恨まれてるだろう。さて、どこの組織かな。」
 青柳と呼ばれた男性はそう言ったが、動こうとせず、ドア付近につっ立っている。遊気を試しているのだろうか。
「右手で鏡の破片を持ってます。あと、右目に絆創膏が」
「目に絆創膏? 怪我でもしてたのかしら」
 哉乞の妹(?)が言う。
「いや、見た感じ何もないけど」
 死体に勝手に触るのは危ないかもしれないが、彼らはロボットだから良いのかもしれない。
「手に鏡、か…そう言やあ秦の奴は、鏡文字で暗号を作るのが好きだったな」
「鏡文字…じゃあ、目を鏡文字にすればいいのかしら」
「意味が分からんぞ」
 遊気がつぶやく。
「目に関係するもので何か鏡文字で読めるものはないの?」
「目、瞳、瞼、睫毛、瞳孔、虹彩…」
「虹彩(iris)は鏡文字で『siri』にならない事ないわ」
「『シリウス』という名の組織があったはずだ。ですよね、青柳さん」
 二人のやり取りをにやにやしながら見ていた青柳は何も言わずに、代わりにひと息ついてから言った。
「[[rb:風杏 > ふうあん]]、警察に連絡しとけ」
「了解」
 風杏と呼ばれた女がウェーブで通報している。
「で、依頼って? 和亀和君」
 探偵は、フーッと煙草を吐きながらソファに座り込んだ。
「え? あ、あの、何で僕が和亀和だって…」
「セレブの顔と名前を覚えるのも、探偵の仕事なんでね」
「は、はぁ…」
 僕は正直とにかくもういっぱいいっぱいで、とにかく帰りたい気持ちでもうとにかくいっぱいいっぱいだった。
 しかしこの人は、死体が転がっているすぐ近くで、警察が来る間のちょっとした時間で、サクッと依頼を受けようとしているらしい。
 そのくらい簡単に解決できるという事なのだろうか。それとも、見くびられているだけなのか…。
「ほう、母親探しか」
 彼は相変わらず、タバコをくゆらせている。臭い。人間の僕には、有害なんだけど…って、この人がロボットかどうか、まだ分からないけど。
「僕の母上が10年前に突然いなくなって…いなくなった理由と、今どこにいるかを調べてもらいたいんです」
「そいつは出来ないな」
「え、どうして」
 彼は、二本目のタバコに火を付けた。正確には、今日の何本目かは知らないが。ライターをテーブルに放ってから言った。
「口止めされてるからさ、本人に」
「えっ!?」
「探偵さん、和亀くんのお母さんの居場所を知っているんですか!?」
「まあ、比較的有名な事件だし、噂も入ってくるからな。そうだな、少しくらいなら教えてやる。アンタの母親は、元気でやってる。結婚はしていないし、子供もいない。それから…」
「それから?」
「探さない方がいい。俺からは以上だ」
 探さない方がいいって…、何かひどいことに巻き込まれているのか?
 僕は、母上のことをよく知らない。どんな人で、どんな事が好きなのかも。
 だけど、もし会えるなら、そして母上が一人でいるのなら、それがどんな状況であろうと、僕は母上と二人で生きていたい。
 いつ、父上からの仕送りが切られるかわからない。
 それまでにこの命を、母上を助けるために使うと誓う。
 待っててね、母上。
 僕がきっと見つけ出してみせる。
「今日はここまで。迷い猫もいるしな」
 猫?
 猫が嫌いなのかな、この人。
「口止めされてるって事は、知り合いなんですよね?」
「ああ、そうだ。彼女は」
 青柳が言い掛けたとき、パトカーのサイレンが聞こえてきた。バタバタと二階にかけ上がる音と、猫の鳴き声も聞こえる。
 せっかく、いい所だったのに…。まあ、またあとで聞くことにしよう。
「またユーか、青柳探偵!」
 真っ先に登場したのは直也だ。どうやら来たのはあのサングラスの刑事らしい。
「遊気君、まだこんな所で遊んでるのか。ここは学生の遊び場じゃないんだぜ」
「俺が見つけた」
「何!? そんな事言って、お前が殺ったんじゃないだろうな!? 殺し屋みたいなカオしてからに」
「顔は関係ない」
「騒ぐな、ガキ共」
 コツコツと革靴の音がして、軍服のようなタイトな制服を着た例の刑事と楼華がやって来た。
 先日は気付かなかったが、刑事は右の腰に電磁波抑制銃を携帯している。
「お前が第一発見者か」
 刑事が遊気に言った。
「ああ。右手で鏡の破片を持っていて、右目に絆創膏が貼ってある」
「絆創膏? ははっ、ものもらいでも作ったかな」
「剥がしてみたが特に異常はなかった」
「おい! 死体に勝手に触るな! それは警察の仕事だ」
「お前、警察向いてるんじゃないか? 偉そうに吠え回る所なんか、そっくりだぜ」
「この…」
「よしなさいよ、二人とも」
 遊気と直也の喧嘩を、楼華が珍しくぴしゃりと言い放つ。先日の一件で、少し反省しているのだろうか。
「犯人は『シリウス』の奴らじゃないかって」
「シリウス?」
「マフィアの一つだ」
「ふむ、確かに奴らは最近動きが怪しいからな。何か企んでるのかも知れん」
 ビノが納得しかけたのを見て、青柳が口を開いた。
「犯人はシリウスとは限らないぜ」
「なぜだ?」
「顔をよく見てみろ。…おっと、ビノは目が悪いんだったな」
 青柳がやっと腰を上げ、死体のほうに近づいた。
「顔が薄い桃色をしている。これは青酸性毒物の特徴だ。時間が経って、ほぼ分からない程度だが」
「青酸…」
 僕も聞いたことがある。ミステリーで定番の毒物だ。むしろ、ミステリーと言えば青酸カリ…みたいな所がある。そんな、ミステリー小説みたいなことが現実にあるなんて…僕はますます絶望した。
「毒殺となると、マフィアの線は薄いかもしれんな。」
 青柳がタバコをくわえたまま言う。
「つまり、殺した後わざわざ殴って、『シリウス』の仕業に偽装したって事ですか?」
 風杏が聞いた。
「もしそうなら、秦の暗号のクセまで知ってる近しい奴か、それともその道のプロか、って事になるが」
「その道」
 タバコって、どういう味がするんだろう。彼がうまそうにタバコを吸っているので、つい考えてしまった。そう言えば、お父様もタバコを吸う人だな。大人ってどうして、タバコなんか吸うんだろう。かっこいいからだろうか。
「『殺し』のな。お前ら、今日はもう帰れ。どうせこんな状態だ、しばらく依頼人も来れねぇし、学生に何かあっちゃ困るからな」
「出て行くのはお前もだ、青柳」
 ビノが仁王立ちで答えた。
「ここは俺の家だぞ?」
 青柳が手を広げてとぼける。
「ここは現場だ」
「大した事件じゃないんだ。自分の家でゆっくり寝かせてくれよ。それより、今度メシでもどうだい、ビノ」
「人間のメシを食う趣味はない」
「つれないな。一生独り身でも知らんぞ」
「こそ泥一人捕まえられん奴に言われたくないな。運べ」
 ビノという刑事は、直也と楼華、あとから来た別の制服の警察たちにそう指示した。なんだ、直也たち、敬礼、サマになってるんじゃない?
「今日中に捜査を終わらせろ。遊気」
 唐突に、ビノが遊気を見やった。
「青柳探偵にくれぐれも迷惑は掛けるなよ」
「…うっせ」
 ん? この二人、知り合いなのかな。
 まあ、いいや。僕はそんなことを考えている場合ではなかったし。
「お前ら、ビノの素顔を見たことあるかい?」
 調査が一通り終わり、ビノが居なくなってから、青柳が何気なく聞いた。
 彼はまたタバコに火を付けている。
「え? いいえ」
 風杏が答えた。
 それにしてもこの人は、タバコがないと喋れないのだろうか。
「拝んでおいて損はないぜ」
「あの、青柳さんは…ロボット、ですか?」
 僕がずっと疑問に思っていたことを聞いてみた。
 綺麗な機械の肺か、それとも人間の汚れた肺か、
「さあな、どっちだと思う?」
 どちらかから吐かれたそれで、僕の質問はけむに巻かれてしまった。
 前回の一件もあるし、人間は結構…ロボットのふりをしているものなのかもしれないな。
「さて…そんな所に隠れてないで、そろそろ出てきたらどうだい」
 隠れている?
 猫でもいるのか? そう言えばさっき、そんな事言ってたな。
 すると声に反応してか、一匹の子猫が――じゃなくて、男が、クローゼットの中から出てきた。
 逆光ではあったが、紫色の、顔が隠れるほど長い髪が見て取れた。どこかで見たことがある――そうだ、この間、ロボット学校て…えーと、確か、名前は…。
「え、エトワ…」
 その名前を口にしたのは僕、ではなく、青柳探偵でも、風杏や遊気たちでもなく、驚くべきことに、僕の隣にいた瑞穂だった。
「知り合い?」
「…弟なの」
「あっ、へぇ、おと…えっ!? おと、弟!?」
「エトワ! 宿舎にも帰っていないんでしょ。みんな心配してるよ」
「姉さん。久しぶりだね。心配ない。もう仕事は見つけた」
「仕事って…まさか…これのこと?」
 エトワは、不敵な笑みを口元に浮かべている。
「毒は使うなと言われてたけど、やっぱり良いな。人間が苦しむ様は」
 エトワは、冷たく不敵な笑みを浮かべた。心の底から人間を憎悪しているという感じだった。
「青柳探偵、僕のお土産は気に入ってくれた?」
「あなた、何のためにこんな事をするの!?」
 風杏が怒りを露わにして聞いた。
「何のため? ふふふ…君には関係のないことだ」
「エトワ…どうしてこんな事…」
「姉さん…」
 彼はじっと姉を見つめていた。もしかして、かなり久しぶりに会ったのではないだろうか?
「まだ学校を卒業できると思ってるの?」
「え?」
「どうせ卒業なんて出来やしない。どうせ死ぬ。それが僕ら亜赦の運命なんだ」
「そんな事…」
「これは俺の復讐なんだ。俺たちロボットを作った人間への復讐…ここにも人間がいるな」
 彼は僕をまっすぐに見つめた。
 僕は唐突に、目まいと吐き気に襲われた。
「まあ、良い。指示されていないしな。ではまた会おう、青柳探偵」
「待て!」
 風杏が殴り掛かるが、彼は蜃気楼のようにいなくなってしまった。彼女の握った拳が行き場を失くして空を割く。エトワの猟奇的な笑い声だけが残った。
「イタズラにしちゃ、少々趣味が悪いな」
「すみません青柳さん、犯人、間違えてたうえ、取り逃がしてしまいました…」
「いいっていいって。お前らももうちょっと勉強が必要だな、ハハハ」
「そう言えば、どうしてクローゼットに誰かいるって分かったんですか?ロボットのあたし達も気づかなかったのに…」
 ロボットには通常、ほかのロボットや生命体を感知するセンサーが備わっている。但しそれは常時稼働しているわけではないようだ。
「チーフだよ。あの猫、クローゼットの中がお気に入りなんだが、今日は一向に入ろうとしねーからさ。まさかほかに誰か入ってるのかと、思っただけのことさ」
「チーフって…猫ですか?」
 僕が聞いた。
「うちの事務所のチーフなんだよ、彼は」
「はあ」
 チーフと呼ばれた猫は、やっとお気に入りの場所が開いたと言った感じで、クローゼットの中に入った。

帰っていった。

僕らも帰ろう。

立ち上がったその時、さっき青柳探偵が何かを言いかけたのを思い出した。

僕も入り込みたい
猫になれたらいいのに
猫はいいよな。

殺し屋みたいな顔のゆうきさんは、
二人は頭も上がらないというかんじ
ゆうきさんが殺したんじゃなくてよかったけど、

「そう言えば、さっき言い掛けてましたよね、僕の母上に会ったことがあるって」
「ああ、お前の母親は、いつでも会いに」
俺のライバルだからな????
またそういうあからさまなミスリードみたいなこといわせるー
「ああ、お前の母親は…」
そう言い掛けて、彼はやめる。
「会った」
いつ会えるかわからん人だからな?
うーん。
青柳探偵のライバル…?
それってつまり、探偵とか、警察ってことだろうか。
いやごめんないわつまらん
「お前の母親は有名人だからな
えっ
僕の母上が有名人!?
「ぼ、僕も知ってる人でしょうか?」
「さあ、どうだかな」

またはぐらかされてしまった。
どこに行っていたのか、チーフが戻ってきて、

自分たちの居場所に。
斗紋と田中の待つ家に。
ちょっと抜けてるラブコメの世界に。

ラベルの解説(文字の大きさに意味はないです(なんか勝手に大きくなる))

言葉ベース
・AIEN≒ヘルズクイーン≒one-way=ルナ=盲目少女と吸血鬼=きゅうけつき

キャラクターベース

・悪役令嬢と神父=あくしん=あくぼく=いじうけ=誤解
・◆=悪役令嬢と猫=あくねこ=ロイジャペア=ターニア=トハ
・超能力者が入院する話=ETK=dr.ソロモン
・横井=VRChatの話
・建築の話=建築家とロボット
・BL2
・ですわけ
・テイマー
・ヒーロー部
・ソラヲトブ(-6なのに-3とくっつくから)
・小牧=オメガバース1=-3=植物ミステリ2=ツマミの話(小牧が低すぎる)

その他

・昼=排卵後=朝=プロゲステロン有り=オキシトシン無し=礒原
・排卵前=プロゲステロン無し=オキシトシン有り=久米
・ちかのこ=けもらいず=サンブライズ=バーチャライズ
・過去=かこ=essay=エッセイ
・photo=構図
・こじ=こじらせ、ス=スキ=スキゾタイパル、強=強迫、境=境界、回=回避、反=反社会、自=自己愛
・みんあつ

ラベルが付いてない記事もあるので検索すると確実