そもそも、アイディアに著作権なんてないから

そもそも、アイディアに著作権なんてないから
そもそも、アイディアに著作権なんてないから

A8(468×60)

ラベル

-2 -2の話 -3 +++ 30年後あったらいいなコンテスト 3Dモデル 3Dレンダリング AIEN ALS BL2 CLAP cluster dr.ソロモン DRIVE!! ETK feoyb@ floorplanner HTPP ITミステリ MONOPROTIMES Nサト ohmygods okのシチュエーション集 one-way photo piapro picrew pixiv project1 RPG SF SNS style2paints the queen of the hell todo UTAU UTAU音源 UTAU名前 VRChatの話 vroid vtuberキャラ Vtuber企画 waifulabs webサイト wishlist youtube アイネ・クエステ あくしん あじさい アジサイチャン あたしがこんなにモテすぎんのはどー考えてもお前らが悪い アテアク アテネ アフィリエイト アルケミストとアストロノミスト イアカイ いじうけ いそ いつか観る イラスト ウディタ エカント えすいさん エッセイ オキシトシンあり オキシトシンなし オチコボレ おにロリ オフィス兼自宅 オフカ オメガバース オメガバース1 お月3新聞社 がくルカ かこ ガジュマル カタクレ きおくをたよりに殺人きをさけて ギャグ キャラ キャラクター きゅうけつき グッズ くめ ゲーム ゲームシナリオ こあらずきっちん こじらせ コマキ ゴミ箱 コラム ザ・レジェンド・オブ・ヘルズ・クイーン さくさく さんとーか シェアハウス ジストロフィー シナリオ シノプシス ジャングルの建築家たち ジャンル ジャン建 ジャン建(新) ジョハデ シンデレラ スキゾタイパル スこじ すすめ!ヒーロー部伝説 スターライトプロダクション ストーリージェネレータ スランプ すること ス強 ス自 ソラヲトブ ソラヲトブ2 ターニア ちかのこ チャットストーリー ツマミの話 つらい ディズニー ディスレクシアボーイ テイマー デコレーション デザイン ですわ家(名前だけお嬢様と気概だけお嬢様の百合) デリヘルを呼んだがセックスしなかった話 デルハク デルミク トイレが玄関のすぐ横にある家 ドコモケータイデータリンク トハ とま とま2 なんか大事なことを書いた気がする なんか恋愛シミュレーションゲーム なんスタ ニコッとタウン ネーム ノート ノベル のりりな パーキンソン病 パーソナリティ パーソナリティ障害 バーチャル世界 バーテン バイアス バウンダリー パティニー パワーレンジャー パンデミックもの ビルの地下に住む ファッションデザイン ファンタジー ファンタジーギャグ ブービーリテラ ぷっちゃん プラディ ブルーウィロウ プロゲステロン無し プロゲステロン有り プロット ヘルズクイーン ボイコネ ボーカロイド ぼくうそのぶたいのかふぇ ぼくが人と違うこと ポケモン ポケモンオタクの話 ポケモンコロシアム ホテル マイナスこじらせ マクしん マクロコスモスの箴言録 マコメモ マンガでわかる ミステリ ミステリあらすじ ミツバチとマーガレット ミラーマター みんあつ みんなあつまれ! みんポケ メタ モデルハウス(妙に廊下が多い部屋) モノクロプログラム モノプロ モノプロコラム モノプロタイムス モノプロつうしん モノプロの話 ゆはりんのしぇあはうす らくがき らくがきHDD ラジオ ラジオで言う ララムー リンク集 ルナ レンキヨ ロゴジェネレーター ロボット編 わたモテ 亜赦 悪役令嬢と神父 悪役令嬢と牧師 異世界 移行期 移行期(久米→磯原) 一階につき一部屋のアパート 一度でいいからやってみたい仕事 英語 演劇部 俺的31アイドリーム 音声日記 化学 歌詞 火星の話 花咲く処に芽吹く罠 過去 回回 回自 回避 絵コンテ 絵本 絵本作家の話 気分変調症 貴族社会 久米 朽ち 旧理論 京都 京都日記 境界 境境 強々 強こじ 強迫 鏡の世界の話 近未来 建築 建築の話 研究BL 研究所BL 元悪役令嬢 孤立時代 語学 誤解 公募一括検索 工業高校 広瀬先輩はスキゾタイパル 構図 高校 合成音声SNS 桜田 三国さんはイッてない 散財ゲー 算法少女 思い出 自己愛 自己愛性人格障害 自自 失ったものリスト 失感情症 写真 社会学 将来はこういう家に住みたい 小学 小説 小瀧 小牧 上面視 植物ミステリ 植物ミステリ2 新企画 神話 人工知能もの 水族館 数学 数学記号擬人化 世界観 政治もの 生徒会長とアイドル 生物 精神科医の話 赤毛 専門学校の話1 線維筋痛症 相関図 葬儀屋の話 村主 太陽の下での暮らし方 台本 大学 地下のある家 中学 超能力者が入院する話 天国の話 転生ちゃん 電子ノート 電脳空間もの 電脳世界 等々力 統合失調症 透視図 透明人間が見える話 動画 二次創作 二次創作(キャラクター非創作) 虹わた 虹をわたろう 忍者オリンピック 忍者の話 猫と悪役令嬢 年賀状 排卵期 排卵後 排卵前 白花ジャスミン 白雪となんとか 発達障害 発達障害が受け入れられる話 発達障害フローチャート 反反 避雷針がすぐ近くにある家 百合 貧乳先輩 不老不死もの 普通の少女漫画1 武道 物理 平面図 保健体育から始まる恋愛授業 蜂とマーガレット 僕とアンディの宇宙ジャーニー 僕はスーパーヒーローになれない 僕らはうまく嘘がつけない 牧場物語 魔法理論 盲目少女と吸血鬼 役者の話 予定 来世の話 利き脳 利用規約 輪廻転生 恋愛の話 話さぬ恋 礒原 礒原ジェニー

2013年5月13日月曜日

アイネ・クエステ(evernote ________にあったやつ)

青字にした部分は多分友達が描いた

命を受けて生きている
責任を背負って歩く人
一人だけなんかじゃない
星の数でも足りない事情

自分を許すものは無いのに
やろうとする気持ちは有るのに
何もできないこの無力さで
有限の世界を恨んでいる

空から舞い落ちた言葉を
小さな手のひらでうけとめて
忘れないようにと心にとめた
大きな決心を胸にした


(間奏)


砂漠 吹き荒れる砂嵐
行きも帰りも示さない道
強い心 弱い体
動き出してる手足と唇

絶対的な正しさがないと知り
超えられない壁があると知り
仲間がいることの嬉しさや
だけどぶつかりあうことを知った

暗く光るこの空間に
確かに僕という人が立っていた
紫の翼に守られながら
新月を待つ君も確かにいた

あの時こうすればよかった
その時どうしなければよかった
そんなことを考えていても
時間に僕らは食べられるだけ


(間奏)


何が大切なのかを秤に
自分の生きがいを確かめて
今歩いている道の上の
空の雲の流れを目で追ってく


終わり。



イタリア語とかで歌ってもらったら雰囲気出そうで酢@M

僕ってチェロなのかな? 詩人だ!! チェロ詩人!!

チェロ詩人志望でもいいな!!

今で言う劇作家

ゲーテみたいな
現代の日本からAIENの世界にやってきた主人公のお話。
無気力だった少年は、次第に生きる意味と目的を模索するようになっていく。











ルーア「ミカンはな、こうやって食べる前に放り上げると甘くなるんだ」
チェロ「へぇ」
ルーア「ほら、たかいたかーい」
ドグシャッ(天井にあたってミカンがつぶれる)
ルーア「…ほらな」

? なにがほらな?





[newpage]

——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか? 見た目も性格も、だいぶ普段と違うようだが……」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。目指すはとにかく「動く寺」である。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ——チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。目指すはとにかく「動く寺」である。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ——チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ——チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ——チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、撮影中、何度も彼と「シンクロ」した。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
——頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。
「——チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ——チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。確かにわがままで、傍若無人な監督たちだが、彼らの書いた脚本、作り上げた撮影環境は一流だった。おかげか、撮影中、何度も彼とシンクロした。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「——霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ——チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
9×6=54だから……

1話につき6回
20分×6=120分
1話=1時間

全5話若しくは全30話

1〜6……旅立ち〜光の遺跡
7〜12……音の宮殿
13〜18……時の迷宮
19〜24……バスダ・フェグゼ
25〜30……鏡の神殿
全6枚
 
・トップイラスト
・1〜6話…旅立ち〜光の遺跡のイラスト
・7〜12話……音の宮殿のイラスト
・13〜18話……時の迷宮のイラスト
・19〜24話……バスダ・フェグゼのイラスト
・25〜30話……鏡の神殿のイラスト
 
具体的な指定が必要な場合は、お気軽に質問してください。基本的には、お渡しした資料を参照して頂いて、そこから得られたイメージで自由に描いて頂きたいと思っています。情報が少ない場合は、むしろ、らくまつさんのイラストからインスピレーションを得てストーリーを書きたいくらいに思っているので、どうぞ思いっきり描いて頂きたいと思っています!
裡隠さんへ

すみません、
補足説明は今日中にします

とりあえず、こんな感じのメールを送ってほしいと考え中!


らくまつ様

お久しぶりです!
ボイスドラマ「AIEN〜鏡の呼ぶ声〜」の英マコツです。

↑裡隠ですでもいいよ!

伝えてほしいこと

◆AIENのイラスト依頼

(5枚)

それをふまえてまだやってないキャラクターのデザイン

詳細は次のメールでやります

てな感じでお願いできますか!?
裡隠さんへ


補足説明って何すればいい?
おかえりなさいー。

ありがとう!!

>たぶん見たことあるよ(@ ̄ρ ̄@)

ok
今年の始めに交わしたメールだけあとで送るね

>それをふまえて、
>→のそれってどれのことだっけ?
>AIENのイラストであるということ?

イラストを描くにあたって、かな!
チェロ〜ルーアの5人以外を描くこともあるだろうから
ありがとう!
ごめん、やっぱりあと2,3年待とう!

まだちょっと早いような気がしてきた。

え……どう思う?

ストーリーは変わらないんだから、もうイラスト描いてもらえるし、早い方がいいかな?
でも具体的に話が完成してるわけじゃないんですよね……

ころころ変えてごめん。
こういうことがまだこれからもあると思うので宜しく!!

裡隠さんに相談してちょっと落ち着いてきました。
……!

さすがです……

>今度誰々を依頼してみてもいいですか!?位曖昧な感じでやり取りをしてみるのはどうでしょう。

なるほど……
それで行きましょう!!

>後は、こちらがお願いする側でこういうのは失礼かもしれないけど、下書きというか落書きというか、ラフな絵を見せて貰って気持ちを落ち着けるのはどうでしょう。絵チャ的な。

そうですね! それがいいな!

>企画が進んでいるのを報告するのはいい事だしね。

なるほど……

>ストーリー変わらないけど、どうしようか考えてる的なことを直接相談するのはどうかな。相手の仕事の合間をぬって進めてもらえるといいな的な。

いいですね!!


ありがとう!!

それで行きたいです!


>えみやんの誕生日

ぐは……!
なんてミステリアスな人なんだ!!
ありがとう!


なんか感嘆詞しかついてないな!

ありがとう。その方向でお願いしてもいいですか?
君は人が人の為に全力を尽くすなんて有り得ないと思っているんじゃないですか

チェロの発言:
とにかく今僕は全力で自分のお人よしさを考えた。
なぜ、僕は人のために自分を犠牲にしてしまうのだろう。
落ち着いて考えれば僕がそんなことをする義理はどこにも無いんだ。
そのくせみんなはお礼もないわけだし、僕が何かを貰うわけでも、何か恩返ししてくれるわけでもないし、どう考えたってアンフェアではある。
と、行動してから冷静になって考えて、後悔するんだよなあ。
人助けをして後悔するなんて変かもしれないけど、この大地で生きていくには、もっと冷徹にならなくちゃ!
このままじゃ、いくら命があっても足りなくなってしまう。
それとも僕は、実は世界で一番利己的な人間なのだろうか?
それも自分では気付かないほどの。
人助けをしている自分が好きなのだろうか?
どうだろう? 確かに、助けられる状態なのに助けないというのはとても腹が立つ。
そして助けなかった自分をとても憎むだろう。
それは裏返せば、助けている自分が好きということなのだろうか。
いや、助けることによって、むかしは母に褒められたから・・・・・・
きっとその習慣が残っているんだ・・・・・
犬と同じだね・・・・・・
きっとそういう反射的なところから、染み付いてしまってるんだろうなあ。
母の教育は、砂漠ではなかなか邪魔なものだな・・・・
永遠が好きだと言いながら
永遠じゃないところにとどまっている
こちらから向こうへ、そしてまたあちらへ……
生まれ育った場所に戻るすべもなく
永遠を求めてさまよっているんだ

チェロ ねえ、僕たちなら、きみの願い叶えられるかもしれない

天保さん!

天保さんの力で何とかなりませんか?


いや、生まれ故郷に戻るのはもう少し後にするよ

永遠を知ってからに……
思い付いたから書くだけ

チェロくん……ルマシャンカールに一時的に住んでいる5人の旅人の1人。13歳だというから驚き。うちの牧場のカフマン(筆者注:牛のようなもの)が病気になったとき、魔法で直してくれた恩人。
天保さん……5人の旅人の1人。天文学関係に詳しく、星夜祭の日取りを決めてくれた。

やっぱり全体に伝わる役職があると便利なんだけどなー。AIENの世界にそこまであるか疑問。

世界観説明

ここは流砂に囲まれた絶海の孤島ルマシャンカール。主人公(ジャヌ)は19歳の女の子で、牧場を営むことが自分の最高の仕事だと思っている。自分の牧場(村唯一の牧場)を持ち、1人暮らし。生まれた村ではないので、すこし皆から距離を置かれているが、尊敬も感謝もされている。
ジューク……バルナク・シンの王子。チェロ達の船に乗せてもらう。馬鹿だが優しい。しかしやはりわがまま。
・白いハエ
・黒衣の人物
・長剣流の反逆弟子
・機械人
・風の妖精
・枯れ木
・イノシシ男
・魂をかじる虫
・流砂獣
・チビ龍
・神秘の力で呼び起こされた亡霊
・ゾンビ
・フック船長
・尻尾が蛇の鳥
・実験体
・妖魔とはいえ、利用価値があるかもしれない
・蝋人形
・角を持った狼
・砂漠の人魚
・反逆の槍兵
・猛虎
・どんな妖魔だって若者しか食べないわよ。私達もそうでしょ?
・象牙みたいな妖魔から取れるもの
・尻尾で刺す
・彼女はほっといても死ぬの
・「刷り込み」
・死んでるように見えるけどじつは脱け殻だった
・異常な形をしている
・ツチノコ
・刺されて失神して妊娠(男が?)取りつかれる?
・レタスみたいな舌
高等生物
・宗教に凝り固まったカス
・本当の敵は金持ちの悪賢い才能だけで地位を確立してきたような奴だ
・指名手配犯
・略奪浪人
・海賊
・狩人
・覆面の刺客
・野人
・流浪の剣客
・殺し屋
・野盗
・盗人
・盗賊
・兵士/騎兵/逃亡兵/近衛兵/反逆の槍兵、刀兵、騎兵
・特殊民族
・私にとって敵は正義で、あなたにとって敵は悪。でもそれって、ほんとにそうかしら……
・タコ
・尻尾のあるオウム
・先住民
下等生物
・毒蛇、大蛇
・くらげ
・ただの木かと思ったら
・ピラルクと目が合った
・巨大蟹
・世界最大のだんごむし
・鮫みたいなモーターボートみたいな(砂の中に潜んでいる)
・張り付いてるエイ
・いそぎんちゃく
・イルカ、シャチ、サメ(ジョーズかよ)
・美しい岩とオアシスと鮮やかな魚と珊瑚、真っ青な魚、不思議な形の魚
・アシカ,オットセイ(だらだら(鳴き声がまるで狼)
・カピバラでけえwwウサギみたいな見た目してヤギくらいあるわ
・どうとも言い難いただの茶色の魚
・ペンギンの集団が微動だにしないので一体何をしているの?
・(動物図鑑見る/豹、蝙蝠、青蛇、白猿、猛虎、蜜蜂、バッファロー)
・アナグマ(アカハナグマ)
・イグアナ
・エンゼルフィッシュ
・砂漠を背泳ぎするラッコ(金色)
・大トカゲ
・毒蛙、毒蛇、毒ムカデ、毒蜘蛛、毒蠍、
・鬼
・赤い兎
・狐狼
・機械人
・骸骨
・トラアザラシ
・クモネズミ
・底辺の頭脳派人間
「誰か、助けてーッ」
 飛鳥はとあるゴシック建築の屋根の上にいた。下までの距離は約40m。飛鳥は下を覗き込んでからというもの、一歩も動けなかった。
「助けてよーッ」
「飛鳥ー」
天津の声がした。はるか下方に、点くらいの天津が見えた。
「降りられるかー?」天津が聞く。
「無理に決まってんでしょ!!」
飛鳥は、屋根のでこぼこした出っ張りにしがみついていた。本人にそんな余裕はないが、この聖堂は町で最も大きく、全ての町が見渡せた。空はどんより曇り、雨が降りだしてくる。こうなると飛鳥はもう、耐えることができなかった。結果から言えば、彼女は落ちてしまった。
地面にぶつかるかと思ったが、何故か減速して着地した。
「……?」
「飛鳥! 無事か」
「ええ、まあ……」
2人は雨宿りも兼ねて、寺の中へと足を踏み入れた。
「……常識的に考えれば、これは教会で、お寺ではないわね。そもそも動いてないし」
「まあ、こっちの世界にキリスト教やら異教やらの文化が通じてるか微妙だけどな」
今更だが、バクマツベルグの建物はみな現実世界にあるものをそのまま建てたように正確である。そこからも、この町があくまで「異世界から来た人間」用に作られた町であることが分かる。しかし、この世界は一体何で、誰が、何故、どのように作ったのだろうか。その謎はひとまず置いておくとして、飛鳥と天津は教会堂の奥へと進んだ。
すると祭壇で典礼か何かの準備をしていた僧侶がこちらに気付く。飛鳥を見た瞬間、彼の表情が一変した。
「天保様……!?」
彼は驚愕の表情のまま近づいてきた。飛鳥は後ずさりをする。
「天保様! 本当に天保様なのでございますか? あなたにお目にかかれて光栄です」と言って、こちらが何も言わないのに膝をついて頭を下げていた。飛鳥はしばらくどうしようか考えていたが、何も浮かばなかったのか、天津に助けを求めた。
「確かにこちらにおられるのは天保様である。しばし雨宿りの為こちらに座らせてもろうぞ」天津が意味ありげな言い方で僧侶に向かって言った。向こうは頭を上げると、
「……お前は……慶応戊辰!! 裏切り者め!!」と言って天津に掴みかかった。天津はあまりの気迫に負けて、あっさり倒され、首を絞められたり顔をつかまれたりした。必死に抵抗を続けていると、飛鳥が止めに入った。
「どうかそこまでに。殴るなら私も殴りなさい」
「天保様! こいつはあなたを何度も殺そうとした大悪人……」
「それでも私の大事な友です。その体をおどけなさい」
そうしてしぶしぶもとの体勢に戻った僧侶に、飛鳥は聞いた。
「ところでここはどこですか?」
「ここはバクマツベルグの大聖堂、サンピエトロ大聖堂です」
「なるほど。ところで、バクマツベルグとは、どこの国の所属ですか?」
「満州国ですけど」
「なるほど。満州国……満州国!?」
天保と戊辰が同時に叫んだ。
何故なんだ?

何故誰も受け入れてくれないんだ?

何故誰も認めてくれないんだ?
アイネの今までの話が携帯から消えていて流れを思い出せねー(笑)まあいいや

「満州って……」
「存在しない国だよな?」
「昔あった国だよね? どういう事?」
 と飛鳥たちが小声で話し合っていると、鐘が鳴り響いた。
 大聖堂の鐘もガンガン鳴り響いているが、どうやらここだけではないらしい。気になって外へ出てみると、町中の鳴り物が一斉に鳴り始めたようだった。
「何? 何何何何?? 何が始まるの!?」
 飛鳥が一人ヒステリックに叫んでいると、遠くからなにか巨大なものがやって来るのが見えた。
 巨人のように手足があるが、それは生物ではなく建築であった。
 まさしく「動く寺」である。
 中国か、日本かにあるような仏教寺院の要素を持ちながら、人がたをしている。それが雨の中をかき分け、飛鳥たちからも見通せる距離にまで歩いてきたところで止まった。
 それから中央部分にある上下開きの戸が開き、中から見知った人物が顔を出した。
「エヴァ!」


、僧侶が話しかけてきた。
それかチェロの伝記でもいいかな
AIENの時代から何億年も離れた時代————。

3000年に一度目覚める冥府の鏡【AIEN】はその後も死者を蘇らせ続けてきた。

彼だけは全ての生と死を知っていた。
















カンマ XXXXX年

東京





「AIENのデータは正常です」
「よし。計測を続けたまえ」



 広大な氷雪の大地の上で、一人の少年が天を見上げた。
 髪は薄い赤で、年はあのチェロと変わらぬほどである。しかし、その目付きは冷たく、なんの感情も映さない。
 彼はAIENの研究家の養子であった。名はイライジャ・P・フェルト。この時代、AIENの様子は激変していた。それは死者を蘇らせるだけの鏡では、もうすでになかった。それは日に日に巨大化し、鏡の向こうから、死んだ者たちがやって来るのだ。それも、見たこともない怪物と化して。
「満州?」飛鳥は声を裏返して言った。「満州って、あの満州?」
「満州とは、18世紀に日本が創建した社会主義国家のことだ」天心がつけ加えるように言う。「そもそも、ここは地球じゃないし、18世紀でもない。恐らく、この世界を作った誰かが、もじったんだ」
「じゃあ、その創造主に直接聞けば、この世界の意味も、私達がここに居る意味も分かるのね」
「そのためにもエヴァと落ち合うことが必要だ。2時間以内に『動く寺』を見つけなきゃならないらしいが、果たしてどこに何があるのかさっぱり分からん」
「お前らもびしょ濡れか」と、横からフェイの声が響いた。せっかくつけたおしろいも、微妙に落ちている。
「レン——エヴァは見つかったか?」フェイが聞いた。
「なんの手がかりも掴めない」天心が言った。「そちらこそ何かないか?」
「こっちが分かったのは、この国の軍隊は滅茶苦茶乱暴だってことだけだな」フェイは、髪を搾りながら言った。「まあ少なくとも、霊力が使えるというのは本当だ」
「つまり、……どういうこと? ここは本当に鏡の世界で、小松サトシは事実を小説にしていたって言いたいの?」
「他にどう説明する?」フェイも声を荒げた。「まさか、ここはバーチャル世界で、俺たちはゲームの世界に紛れ込んだとかそんなメンヘラなこと言わねえよな?」
「鏡の世界が実在するという考え方自体、充分危ないぞ」
「とにかく」フェイは言った。「エヴァの前に現れた日本人の女とは別に、なんらかの黒幕がいるはずなんだ。まずはそいつを探して問い質し、事と次第によっちゃ叩き潰すというのが今回のクエスト内容だと思うぜ」
「クエストの予想を立てるのはいいけど、結局エヴァはどこ? 私達こっちに来てからもう一時間くらいは経ってるはずよ。彼女待ちくたびれてるんじゃないかしら」
 その時、フェイの携帯が鳴った。
「もしもし」
「もしもし? あなた達、今大聖堂にいる?」
「よく分かるな」
「レーダーがあるから」エヴァは言った。「大聖堂はカテドラルで、テンプル(寺)じゃないじゃない。私の言ったこと聞こえてた?」
「定義なんかどうだっていいんだよ。それでこれから何をどうすりゃ良いんだ?」
「とにかくそこにいて。私が今から向かうから」
 フェイは、電話を切って振り向くと、そこに神父らしい人間がいたことに改めて気付いた。
「? おっさん、俺たちの顔になんか付いてんの?」
「いや別に……」彼はほとんど聞き取れない声でぶつぶつとつぶやいた。「ただ、似た人を知っているだけです」



皆さん、私からの忠告ですが、」
Pフェルト出すわ(え)
AIENでは、昔の社会がよく出てくるので、とても参考になります。
「それで、お前はそのアイエンというものを、探しに出たいというのだね?」芭遜は言った。「その、何でも願いが叶うという魔法の鏡を」
「何でも願いが叶うわけではありません」レンは言った。「ただ、死者が蘇るそうです」
「へぇ」
 芭遜は自分の靴の縄を結びながら考えた。それから言った。
「もし、本当にあるのなら、わたしも一緒に探したいが……願いが叶うのは1人なのかい?」
「わかりません」少し考えてから、レンはもう一度言った。「分かりません」
「世界には、様々な人がいるだろう。憎しみのためにアイエンを探す人、思い出のためにアイエンを探す人、絶望からアイエンを探す人。お前が自らの夢を叶えることによって、他の全ての人間の夢を潰すことになるかもしれぬ。そんな道を、お前は自ら選ぶというのかね?」
「師匠」レンは静かに言った。「私はただアイエンを探すだけです」
「ならばお行きなさい。」芭遜の目は明るくなかった。これから苦難の道を進むであろう友のことを考えると、自然と涙が出ずにはいられなかった。「お行きなさい、レンよ。」
「師匠。あなたのご恩は決して忘れません」レンの目にも涙が浮かんでいた。芭遜は小さくうなずいた。
「そして師匠と私は別れた」レンは言った。「私はアイエンを探すために。師匠は世界の本質を探すために」
 チェロはしばらく黙っていた。ひとつだけ引っかかることがあった。
「あの……」チェロは考え考え言った。「レンさんは、アイエンを前にしたら、どうするんですか?」
「使うよ」凛とした声で言った。「母さんを蘇らせて……そのあとのことは分からない。」
「僕たちと一緒にいる時は? もし、アイエンを使えるのが1人だけだったら?」
「その時は、あんたに譲る」レンはくすっと笑った。チェロの心配を感じ取ったのだろう。「私よりもあんたの方が、アイエンを使うにふさわしいから。その時は2人で一緒に天保を倒そう」
 チェロは苦笑した。本当にそんな未来が来るのだと、半ば考えずにはいられなかったからだ。そう、本当にレンと2人で、天保やクロさんと戦う時が来るのかもしれないと……そして、彼女が裏切るのかもしれないという不安すらぬぐえなかった。

レンって結局誰を蘇らせるのか不明なんやけど
アイエンの物語は万華鏡のように広がってゆく
美しくはかなく……。
「P・フェルト、準備はできたのかね」
 埃まみれの茶室に座っていた一人の赤い髪の少年に向かって、羚司は戸から声を掛けた。返事はなく、彼は無言のまま正座していた。
「Pくん」羚司はふたたび声を掛けた。「背中のネジを回してあげようか?」
「いや、結構」品のある声が響いた。「薬師院様のご容態は」
「落ち着いている。しかし今月中に命は終わるだろう」羚司は背を丸めて戸をくぐった。Pと目が合う。
「それで準備は」
「『翠楼レン』の数寄屋エーテルはすでに駆動テストが終わり、今から動かすところです」
「なるほど。でまずは何をさせる?」
「チェロ達の記憶を入れ換えますよ。本物のチェロ・A・ダートになるように」
チェロのスキル
天保のスキル
レンのスキル
クロのスキル
ルーアのスキル

武器
装備
アイテム
ピンクの髪の少年に見覚えのある方もおられるかもしれない。彼の名はP.イルネフェルト。AIENで、リュートを演じていた少年である。
「神流と柊に連絡は?」
「連絡? 一体なんの?」
「馬鹿。新人が来るのに、事前連絡もなしでは示しがつかないだろ」
 鳳凰院は本当に気付かなかったらしく、一瞬固まって言った。
「ではすぐに」
「3人には鳥山とわたしが会おう」
 そう言ってPは立ち上がった。

 フェイたちが待機していると、ふと遠くからオモチャのラッパのような音が聞こえてきて、それはブウブウいいながら自分たちの方向に近づいているようであった。目を凝らして見ていればなんと、日本か中国あたりにありそうな木造の寺が、ぎしぎしと体をゆらしながら滑ってくる。寺の形をした車、と言えなくもなかったし、ハウルの動く城とも言えた。それはまるで着陸直後の飛行機みたいに減速し、オナラの音も止んだ。コックピットのような場所のすだれが上がり、中からは鳥山とPが出てきた。次回、この世界の説明が恐らくPによってなされると思うので、読者の皆さんは一応期待しておいていいと思う。
「P! Pじゃないか!」フェイはPの姿を見るなりかけ寄った。ふたりは撮影現場ではほんとうの兄弟のように仲が良く、Pはフェイを普段からも「兄さん」と呼ぶほどであった。
「兄さん。」と彼は言った。「久しぶりだね。僕のクランクアップはだいぶ前だったから……」
「お前がいるって事は、他のやつらも居るんだろ? 一体なんの真似だ?」
「そう、兄さんたちは、鳥山さんから詳しい説明を受けていないみたいだね。ここは、そうだね、天国と言ったらいいかもね」
「天国……だって? ふ、ふざけるな。じゃあ俺たちはみんなもう死んだという事か?」
「そういう意味ではない。ここは地上を監視する場所。つまり神様の住む場所……そういう意味で僕は天国と言ったんだ」
「意味が分からない」天津が言った。「神様とは誰のことだ?」
「もうすぐ会えるだろう。但し神といっても、監視役をしているただの人間だが……まあ、説明はこのくらいにして、君たちが呼ばれた理由を話そう。君たちの後ろにそびえ建っているその教会」
・未来の世界で、唯一残された本AIENをもとに再構成された世界
・ピーチはエヴァで言うわらわのやつ(つまり舞台は幕府に行く予定)

「満州なんて出てこなかったぞ?」
「続編でも出したんじゃない!?」
 所変わって、1960年代の東京・中野。
 ここにとある店があった。
 看板には「黒百合白薔薇図解」と書いてある。木でできた押し戸を開けると、中では料理と酒が振る舞われ、ステージではきらびやかなドレスを身に纏った女が歌を歌っている。フランスの流行歌である。
 そこで働いている金髪でサングラスのギャルソンが、店の奥へ入っていった。
 楽屋のドアを開けると、その先には衣裳部屋。そして、その先には鏡の間があった。
 ギャルソン——鳳凰院羚司。彼はそっと後ろ手で鏡の間のドアを閉める。目の前には大きな鏡がそびえ立っていた。
「薬師院様」彼は鏡の前に膝まづき、聞こえるか聞こえないかくらいの小声で言った。
 そして鏡が波打った。
「わらわの名を呼ぶのは誰ぞ」
 薬師院蓮の声が聞こえてきた。暗い鏡に薬師院の姿がかろうじて見える。
「世にも奇妙なエクソシスト、鳳凰院で御座います」
「悪魔を飼っている悪魔祓い師か。お前がわらわに何用であるか」
「はっ。実は、うちのPが知らぬ間に、異世界に手紙を送ったようにございます」
「どの世界であるか?」
「あなた様――レン様の世界にございます」
「桜田という謎の男が――いや、女かもしれませぬが――そいつに鏡の世界の存在を知られました」
「それは、Pの行動と関係があるのか」
「御座います。桜田が、P――小牧を唆し、手紙を書かせたようなのです」
「桜田という者は何奴であるか?」
「存じ上げませぬ。只弾き手として雇った侭、いっこうに姿を表しませぬで」
「よかろう。わらわが直接確かめておく。そちは引き続き、店を。跡継ぎは決まらぬか?」
「未だ、これといった者は」
「急げ。お前の命火も残り少ないぞ」
——わたしの村のこと、教えてあげる。
——村に来たら、その村の決まりをちゃんと守らなくちゃだめよ。
現代日本では日本全国どこ行っても東京本位でいいです
てかアビはたぶんチェロ達に最初心を開かないと思う
じゃどうすんのって?
信じさせる
このあたりの荒野は、クロさんの話によるとすでに乾季に入っているようだった。今はポツポツと葉をつけている茂みや、葉のとげとげした木なんかは、雨季が過ぎると次第に枯れていくんだというルーアさんの話を聞いた僕は、なんだか悲しくなって、ここに住む植物に、どうしてこんなところに住むことを選んだのと心の中で問いかけてみるのだった。もちろん返答なんて来やしないのだけれど。
「クロ。方角合ってんだろうな。さっきから1時間ほど歩いたがちっともロッジなんて見えて来やしねえ」
ルーアさんが額の汗をかきながら、クロさんに不満をぶつける。
「あなた時間間隔おかしくなったんじゃないの?まだ30分しか歩いてないわよ。もう30分歩いたら見えてくるわ」
「さっきご丁寧に道案内してくださったヘンクツジジイが、嘘つきのトーヘンボクじゃなきゃな」
ルーアさんは口調を荒立てているが、クロさんはいつも通りの顔をしている。ただ僕だけが、未だにこの場の雰囲気に慣れず、ぎこちない表情をしていた。
「だいたいトリット荒野の乾季は長いことで有名なのに、そんなとこに宿舎立てて営業してる馬鹿がいるかってんだ」
珍しくモノを考えているじゃない、とクロさんは皮肉を言ったきり、黙り込んで地図を見ながら歩き続ける。
「いいか、お前、まわり見てみろ。お得意の千里眼でよ!」
体を大げさにのけぞらせながら、ルーアさんはあたりを見回し、大声でどなりたてた。
「ほら、あんなとこに突っ立ってボーっと空でも眺めてるやつがどこにいるんだよ…!って、ええ!?」
ルーアさんは驚きのあまり、体をのけぞらせたまま砂地に倒れこんでしまった。
「あらホント。人がいるわね。何してるのかしら」
クロさんは倒れたルーアさんの視線の先をじっと見つめ、ひげをピョコピョコと動かした。
僕もその先を見つめると、確かに何もないところで誰かが一人で立っていた。
「行ってみようぜ。道でも聞いて俺の理論の正しさを証明してくる」
言いながらルーアさんは起き上がって、自慢げに鼻をならしながら、遠くで一人佇む人のもとへ駆けて行った。

---
「よお、お前こんなとこで何してるんだ?」
ルーアさんに声をかけられ、青年はくるりとこちらに目を向けた。
「ああ、俺はルーアってんだ。まあ、なんだこの先にあるお仲間が経営しているロッジに向かう最中でな」
青年が一瞬怪訝そうな表情をしたのをみて、ルーアさんが慌てて自己紹介をする。
「初めまして。僕はティックといいます」
ティックと名乗った青年は軽く頭を下げ、軽く笑って見せた。僕は、その顔になんだか見覚えがあるような気がしたが、それは彼が僕と同じように耳と尻尾を持っていない人種だからかもしれなかった。ティックさんはずいぶんと長い間外で生活しているようで、砂漠を照らす真っ赤な太陽に焼けた顔の黒さがそれを物語っていた。
「すみません、こんなとこで人に会うなんて滅多にないものですから、緊張しちゃって」
ティックは礼儀正しく、ルーアさんに微笑んで、握手を求めた。
「私はクロよ。彼の付添人」
「よろしくお願いします」
「そいで、こっちはチェロ」
「よろしく、ぼうや」
ティックさんが腰を低くし、視線を僕に合わせる。彼の優しい眼差しは、何故か前に会ったクロのお師匠さんの目と似ている気がした。いっぱいいろんなことを見てきた目だ。そんな気がした。
「私は、ここで写真を撮っていたんです」
先ほどのルーアさんの質問に答えるように、ティックが話し始めた。大きな大きな空を仰ぎ、両手をいっぱいに広げて深呼吸する。ルーアさんがそれをみて同じように青空を見上げた。
「今日は綺麗に晴れましたよね」
ティックさんが気持ちよさそうに伸びをしながら、ルーアさんに話しかける。
「お?おお、いつもと変わんない気がするけどな」
クロさんも二人にならって伸びをしていた。しっぽがピンと張って、少しルーアさんよりも背が高くなった印象を与える。
「」



続きは?@M








彼らが通されたのは、寺の内部であった。豪華な宝飾品がごてごてと並び、予想していた電気コードの類いはない。
 フェイは、その辺にあった、椅子なのか置物なのか分からない動物の像の埃をフーッと払いどっかと腰を下ろした。
「それで? レン。この国は何なんだ? 実はエイトスタジオとか言うなよ?」
「ここはスタジオじゃない。本物の町だ。社会だ。国だ。但し地球ではない」
 フェイは絶句して椅子から立ち上がった。
「――地球じゃ、ない?」
「名はミトロン。地球とよく似た星で、文明も栄えていた。――ある時までは」
 鳥山は説明を続けた。
「日本が満州国家を作り上げたのは、西暦1860年代。その時は、翠楼レンが鏡の世界に行ってから約400年後になるの」
「ちょっ――ちょっと待て、お前、虚構と現実が倒錯してるぞ」
「最後まで聞いて。始まりは60年に降り立ったルシフェトフェレスという名の悪魔だったの。彼がこの星と地球を鏡で繋いだ。そして西暦1960年、桜田とその息子がAIENを著した」
「今は――2060年だ」
「私たちは繋がった鏡から、ミトロンに来てしまった。1860年代の大規模な戦争で未だ遺体の上がらない人々は、繋がれた鏡からミトロンにやって来ていたのよ」
 突然、飛鳥がぼやっとした声を出した。
「ルシフェトフェレスって、悪魔書とかによく書いてある例の堕天使のこと~?」
「飛鳥、よく知ってるわね」
「AIENの役作りの時に、図書館でちらっと見たのよ~」
 鳥山エヴァはこの時、自らの名前に運命を感じていた。楽園を追放された女が、いま、楽園に戻ろうとしている。
「AIENの世界に行くしかない」
「はぁ?」フェイが言った。「正気か? おれはまだお前の言った話を30%も信じてねーぞ。地球の外に来たってだけで充分ドッキリだ。いい加減カメラ出てこい!」
「この満州で、彼らは英雄なの」フェイのことは構わずエヴァは続けた。「鏡をテレビのようにして、私たちのドラマがずっと放送されていたらしいのよ」
 フェイはふたたび絶句した。
「今一度暴れ出したルシフェトフェレスを封印するには、また私たちがやるしかない」
気がつけば、服は同じままに、自分たちのトレーラーに横になっていた。
 朦朧とした意識を振りかぶり、辺りを見回す。ホーさんがホーと鳴いた。
 ――どれだけ寝ていたんだろう? いやに現実っぽい触覚の夢だった。だが、あんな意味の不明なこと、我ながらよく思いつくものだ。やはり夢というのは、不思議なもんだ。意味の分からない話が次々と起こってくる――フェイはここで煙草を探して、初めて自分がチェロの服装をしている事に気付いた。馬鹿な、着替えたはずだ、なのに何故また着ている? まさか――
sakurada ni aini iku
西暦2060年・夏。世の中は夏休み真っ最中であった。さりげなくクーラーの効いたトレーラーの中で、4人の役者が顔を合わせていた。
「こりゃ、聞いてみるのが一番早い」フェイが出し抜けに言った。
「聞くって、誰に?」天津が聞いた。
「決まってるだろう、あいつだよ、あいつ。こんなやくざみたいな話を書いた張本人、小松サトシとかいう奴だよ」
夏の京都の暑さは、寒冷なドイツでの撮影に体が慣れ切ってしまっている4人には堪えた。日傘をさして、小松の家へと向かう。結論から言えば、彼らは小松には会えなかった。しかし慧子と呼ばれる少女に面会し、事情を聞くことになる。
「小松は母親から聞いた話をもとにAIENを著したようです」ゆかりのアルバムをめくりながら、慧子が話した。
「母親の?」フェイが聞いた。
「母親の名は、桜田春奈。彼女はルシフェトフェレスと友達でしたの」
 4人はどよめいた。まさか、悪魔ルシフェトフェレスに友達と呼ばれる者が居ようとは。
「ルシフェトフェレスをご存知なのですか?」
 慧子が不思議そうな顔で、4人を代わる代わる見た。
「私が、鳳凰院という、満州の地下に住む男から聞いたの。その男によれば、薬師院と呼ばれる女性が、いまの満州――ミトロンを治めていて、ルシフェトフェレスがふたたび動き出して人間を鏡の世界に取り込んでいると言うことらしい」
 鳥山が足早に説明した。
「それで、かつてルシフェトフェレスを封印した翠楼レン達に助けを請うたということ」
 慧子は立ち上がって、アルバムから服に附着したかびを払った。三つ編みのおさげを左右に垂らし、服は明治期の制服のような——まさに満州のころのような出で立ちだった。瞳は真っ黒で、そこには異国の血は微塵も見られない。
「よろしゅおます」
 聞き慣れない日本語で言った。
「百聞は一見に如かずと申しましょう。今からあなた方を、ルシフェトフェレスのところまでご案内します」
「ルシフェトフェレスの居場所が、分かるのか?」
「分かりますとも——小松の父親ですから」
 
手紙
  

アビは歌姫
 
歌う小鳥
 
囁く小鳥
 
飛べない小鳥
 
夢だけ見る小鳥
アビとチェロが仲良く笑い合っているのを見て、クロはほっとため息をついた。
「あの子もちゃんと子供だったのね」
「見りゃ分かるだろ?」と、ルーア。
 辺りの木々を一瞥してから、クロは再び地図帖に目を落とす。暗い紙に、細かい線が幾つも交錯していた。
「かの有名なサンヴァクン戦役が繰り広げられるクシャア山脈沿いを進まなければならないようね。戦禍に巻き込まれないようにしなければ」
 クロは、そう言って懐中時計をパチンと閉めた。湖で遊んでいるチェロとアビに向かって呼びかける。
「明日はアクラ・ホマ山脈に着くわよね?」
「ええ、クロさん!」スカートの裾を繰り上げながら、アビがばしゃばしゃと近づいてきた。
「明日の夕方には、コガクレの森を抜けられると思います」
 コガクレの森を抜けた先にあるのがアクラ・ホマ山脈、その山を越えると、2番目の山脈、クシャア山脈が見えてくる。その山脈沿いに太陽の沈む方角に行けば、バルナク国、ひいてはバルナク大河にたどり着くはずであった。
中野。
 町中のとあるキャバレーでマリアンヌが歌っている。拍手。
 マリアンヌは舞台から降り、きせるを取り出してふかす。
「マリアンヌさま。」
 Pが酒をすすめに来る。
「結構よ。今何時?」
「6時でございます、マリアンヌさま。」
 マリアンヌはうなずいて楽屋に戻る。2階は彼女の私室。ベッドで休んでいるとジョアンナが入ってくる。
「立ちなさい」何十歳も年上のマリアンヌに向かってなんという粗雑な言い方だろうか。マリアンヌは言われた通り立つ。2人がもみ合う。
「なぜ、後継者を辞めた!?」
 なおも揉み合いは続く。
「なぜ私なんだ!」
「ジョーちゃん! ジョーちゃん! ジョーちゃん!」感情が高ぶって3回叫ぶ。
「子供ができたのよ」
 マリアンヌが言う。戸惑ったジョアンナ。
「誰の!?」
「あなたの知らない、しがない物理学者よ。さあ分かったら行って。これを持って」
 マリアンヌはジョアンナに鍵をつき出した。
「the key called bakey」
 ジョアンナはそれを持って部屋を出る。
屋敷に入っていくジョアンナ。
 以後、マリアンヌの歌のショットと交互でもよい。
 地下室への階段を降りるジョアンナ(ここまでは桜田の案内がある)
 地下室の鍵を開けるジョアンナ
 地下室の扉を開けるジョアンナ
 そこには巨大なスーパーコンピュータ……を思わせるような黒光りした箱が幾つも並んでいる
 初めて見たらしい。驚いたまま歩く。
 扉が自動的に閉まり、開かない。
“私を呼ぶのは誰だ”
 どこからともなく声。扉をガチャガチャやるジョアンナの手が止まる。
「呼んでないわよ!」
“私を呼ぶのは誰だ”
「とにかくここから出して!」
 風が下から吹く。
“新たな後継者よ――我々悪魔と冥約を――”
 思わず変身を解くジョー。
「待て! 俺は――」
 息が吹きかかる。
「かつて悪魔ルシフェトフェレスと契約が交わされたのは皆さんのご存知の通りです」
「ああ」
「そして鏡を巡る万華鏡の世界」
「なぜあるのかは分からないけど、あるわ」
 慧子と鳥山達が話している。
「ルシフェトフェレスはこの地下です」
 4人は目を丸くさせた。
「今すぐ会いますか?」
 先ほどと同じ地下室だが、どこか古びている。地下室への鍵を開ける慧子。中に入っていく4人。慧子は入らず、扉を閉める。
「おい!」フェイが立ち戻るが、無駄と早々に気づき止める。
“私を呼ぶのは誰だ”
 先ほどと同じ声。そしてフェイには見覚えがあった。
「私を呼ぶのは誰だ」
「僕の名前はチェロだ!」
 あの冒頭シーンと同じ台詞である。
「畜生! 小松サトシ! 見つけたら100発殴ってやる!」
「フィクションじゃなかったんだ…」飛鳥が目を丸くしている。
“私を呼ぶのは誰だ”
 鳥山が一歩前に出た。
「私の名前は鳥山エヴァ。あなたの冥約の後継者、薬師院レンに頼まれてやって来た。」
“あの女か……鏡の世界に逃げ込んだ……”
「あなたとの冥約を解除し、世界に平和をもたらすと約束した」
 ルシフェトフェレスの怒声がこだました。
“どうなるか——分かっているのか?”
「分からない。」鳥山は言った。
“ならば鏡の世界で——お前たちを待っていよう”
 
町が破壊されて……戦争が始まる
チェロのコスプレさせる暇ないな
チェロや天保のほうが言うこと聞かせやすいとみんな気づく
僕はあの時一度死んだんだ。例え……リュート、それでも僕はここまで生きてこれた。
小松は死にかけていた。
 病院のベッドに横たわり、うつろな目、髪は全てが抜けていた。
「小松先生」
 やって来たのは桜田であった。
「彼女たちは――行ったのですか?」
「はい。ミトロンに」
「ではこれで――神のご意志は果たされた?」
「そうですよ、小松先生。全て神の思し召すままです」
 夕焼けに染まった病室内の壁は、まるで印象派のキャンバスのようであった。ゆっくりとした時間が流れてゆく。
「ではもう、思い残すことは、何もない」
あーもうガルさん出そうぜ
「1860年と1960年、そして2060年が融合を始めているのです! このままでは再び戦争が起こってしまいます!」
っていうかどこまで書いたっけ?
なんかたぶんフェイが殺されかけて
あの辺からだな再び
結局鳥山が1人でミトロンに行った時何を見たのか?
でっかい宇宙人?(エヴァだ)
一機のプロペラ飛行機が空を滑空していた。
 それはある海岸で着地し、中から40代くらいであろう赤髪の男が出てきた。
 彼は一度大空を見上げると、街のキャバレーに足を運んだ。
 名は「ブラック・ビネガー」。
「久々のご帰還ね」
 奥から女が出てきた。
「日本海は一触即発の状態だ。そううかつにフライトはできん」
「あら。ならどうやって来たの?」
「セブンスベルトを使った」
「そう」
 マリアンヌはタバコを灰皿に落としながら言った。
「白漣会の連中は?」
「異常はない。一時、裏切り者が出て騒がしくなったが、俺が収めた」
「さすが、スパイ先でも有能ね」
「それが宿命さ」
 マリアンヌはバーカウンターから酒を取り、注いだ。乾杯しようとした瞬間、何かに反応したようにグラスを止めた。
「どうした?」
「ミトロンに誰かが侵入した。桜田、確認に行ってくれるか?」
「マリアンヌ様のご命令とあれば」
 桜田は置かれたグラスに乾杯した。
一機のプロペラ飛行機が空を滑空していた。
 それはある海岸で着地し、中から40代くらいであろう赤髪の男が出てきた。
 彼は一度大空を見上げると、街のキャバレーに足を運んだ。
 名は「ブラック・ビネガー」。
「久々のご帰還ね」
 奥から女が出てきた。
「日本海は一触即発の状態だ。そううかつにフライトはできん」
「あら。ならどうやって来たの?」
「セブンスベルトを使った」
「そう」
 マリアンヌはタバコを灰皿に落としながら言った。
「白漣会の連中は?」
「異常はない。一時、裏切り者が出て騒がしくなったが、俺が収めた」
「さすが、スパイ先でも有能ね」
「それが宿命さ」
 マリアンヌはバーカウンターから酒を取り、注いだ。乾杯しようとした瞬間、何かに反応したようにグラスを止めた。
「どうした?」
「ミトロンに誰かが侵入した。桜田、確認に行ってくれるか?」
「マリアンヌ様のご命令とあれば」
 桜田は置かれたグラスに乾杯した。
はあ知らん
最後は……いや知らん
マリアンヌがフェイたちを騙して送り出すのならどういうことになる?
「そこだな!」フェイが持っていた石を投げつけると、うめき声が聞こえ、誰かが倒れた。4人は恐る恐る近づいてみる。背の高い男で、髪は金髪、茶色いサングラスをしており、ゴシックとオリエンタルを混ぜ合わせたような奇妙なファッションをしている。
「死んじゃったのかしら」飛鳥が不安そうに、木の枝で小突いてみたが動きそうにもない。
「いや~ん、死体なんて初めてよ! 無理無理無理」
「落ち着け」天津がそう言いながら脈を測ろうと手を伸ばしたとき、男は奇声を発しながら飛び起きたので、天津まで叫んだ。
「ぎゃー! エクソシスト!! 殺される!! 助けて!! 助けてママ~!!!」
のたうち回る男を見ながら、助けてほしいのはこっちの方だと同時に思った4人だった。
「死界に入り込んだエクソシストって、お前たちのことだろう!?」
「待って、たしかに私たちはエクソシスト役をしているけど、決して……」
聞く耳を持たず戦闘姿勢に入る男に、フェイが再び石を投げつけた。
「罠?」鳥山が言った。落ち着きを取り戻した金髪男性は、4人に囲まれている。
「ママが、人間界中のエクソシストを騙して誘き寄せて、一刀両断するらしいんです」
「お前のママって、誰だ?」
「名前は言えないけど……この世界の女王さ」
「じゃあ、その人に言えば、この世界から出してくれるわね?」と鳥山。
「お前、名前は?」
「今は言えない」
「なんだよ、そればっかだな。じゃあ金髪だからキンだな。キン、お前のお母様のところに案内しやがれ」
「代わりに仲間を探してくれるか?」
「仲間だと?」
「ここに来る途中ではぐれたんだ。彼らを探してくれたら、お母様のところへ案内してやってもいい」
「なんでえ、『ママ~』って泣き叫んでたくせに。『案内してやってもいい』と来たもんだ」
「いいわ。よろしくね」鳥山のこの一言で決まる。
一行は「死界」(キンに言わせるところの)を歩き続けた。辺りは針金でできたような木々が並び、仄黒い霧が深く射しかかっていた。気をつけなければ、すぐに転んでしまう。
「あなたのお父さんは、この国の王様なの?」
鳥山がキンに聞いた。「あなたは王子?」
「政治があればね」キンは臆病そうに答えた。「あまり喋らない方がいい。悪魔が集まってくるから」
「おーおー、悪魔か。悪魔は神のいる証拠ってか」フェイが茶化していると
小説でアクションは無理
鍵を差し込むと動くとかね?
モンスター飛び出す!→チッ行くぜ召喚→勝つ→なにか登場して引き が王道
です
小さなブロックが巨大ロボを形成するとか?
詳しくは割愛するが、いわゆる合体して倒すような技である。
何もかも物語の通りだった。違うのは、カットもカメラもカチンコもない事である。
「一体どういうこと……? 花丸が実在するなんて!」鳥山が言った。花丸とは彼女のロボットの名前である。
「あのオメオロチを一撃で倒すなんて……君たちは強いんだな!」キンは意外そうであった。
「いいから早く友達を探せよ」フェイが言った。
「うん。おーい! メフィスト! 出てこいよ!」
「メフィスト? って、敵キャラでいたわよね?」
「べつに、出会い方さえ違えば、敵が味方になる事だってあるだろ」
そうしているうちに、小さなカエルが出てきて、ゲロゲロと鳴いた。
「メフィストはカエルに返信したのよね」
「何もかも話の通りだ」
なんかメフィスト系で
そう、おれたちはエクソシストじゃないんだよ
お前が……小松か
戦争が起きる
だめだ、もう……
チョコレート
マリアンヌたおす
アカデミー賞!
「お前が……小松か」
心電計の音が響いている。小松サトシは病院のベッドに横たわっていた。
「『心臓がゆっくり止まるなら、痛くも苦しくもなく、眠るように死ぬのかもしれない?それとも先に冷たさで痛くてたまらないのかな?息を吸っても息苦しくて、苦しいのかな?』」小松が弱々しく唱えた。そしてフェイの方を向いて、「お前の台詞だ、フェイ……いや、チェロ」
「小松サトシ。なぜこんな事をした?」
「戦争を止めるためには、生半可な人間では、だめだ。敵を全員を殺せるほどの、殺傷力を持つか、それとも別のアイデアで戦争を止められる者か」
「私達に、それができるとでも?」
「とにかく強さを……。強さのある者しか世界を平和にはできないからな。ところで、あの扇風機を見てみろ」
フェイが見れば、そこにはギシギシと音を立てて回るひとつの扇風機があった。
「おれはあの扇風機と同じさ」小松は言った。「時々油をさして大切に扱えばもっと長持ちしたものを、だれも気遣わず、だれも手入れせずに使われてきたせいで、あのざまさ」
「小松。あの『AIEN』を書いたのも、これを予想してのことなのか?」
小松はすぐには答えなかった。少しだけうなずくと、安らかに目を閉じた。心電図が鳴り響く。
「もう、ここには用がない。帰ろう」
「この人のお葬式は? 出てあげなくていいの?」飛鳥が聞いた。
「戦争を終わらせる。それだけでじゅうぶんだ」
扇風機の羽がガタンと外れて、床に落ちた。
小松が死んでendでもいいよな?ご愛読ありがとうございました!



> From: morinari-2204@etude.ocn.ne.jp
> To: makotsu_@docomo.co.jp
> Subject:
> Date: Fri, 29 Apr 2011 19:38:21 +0900
>
> スキャナなおったっぽい!
> 下書きが必要になったらいってくれ。しばらくは清書で忙しい…のかな?



From: morinari-2204@docomo.co.jp
To: makotsu_@docomo.co.jp
Subject: RE:
Date: Mon, 21 Mar 2011 10:23:21 +0900

ネーム確認しました!面白くなってる!
それで描き進めてもらって大丈夫です!
韓国物語はこれで最後です。5はなかったでした。ごめんなさい。
あとちょっとしたら次のネーム送りますね。
タイトルロゴそれでOKです!適宜使い分けたいと思います。




> From: morinari-2204@docomo.co.jp
> To: makotsu_@docomo.co.jp
> Subject:
> Date: Sun, 13 Mar 2011 00:14:30 -0800
>
> テスト前のあるある問題ないです
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/09/14 19:05:36
「P・フェルト、準備はできたのかね」
 埃まみれの茶室に座っていた一人の赤い髪の少年に向かって、羚司は戸から声を掛けた。返事はなく、彼は無言のまま正座していた。
「Pくん」羚司はふたたび声を掛けた。「背中のネジを回してあげようか?」
「いや、結構」品のある声が響いた。「薬師院様のご容態は」
「落ち着いている。しかし今月中に命は終わるだろう」羚司は背を丸めて戸をくぐった。Pと目が合う。
「それで準備は」
「『翠楼レン』の数寄屋エーテルはすでに駆動テストが終わり、今から動かすところです」
「なるほど。でまずは何をさせる?」
「チェロ達の記憶を入れ換えますよ。本物のチェロ・A・ダートになるように」
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com
Date Sent: 2013/07/16 8:29:09
「誰か、助けてーッ」
 飛鳥はとあるゴシック建築の屋根の上にいた。下までの距離は約40m。飛鳥は下を覗き込んでからというもの、一歩も動けなかった。
「助けてよーッ」
「飛鳥ー」
天津の声がした。はるか下方に、点くらいの天津が見えた。
「降りられるかー?」天津が聞く。 
「無理に決まってんでしょ!!」
飛鳥は、屋根のでこぼこした出っ張りにしがみついていた。本人にそんな余裕はないが、この聖堂は町で最も大きく、全ての町が見渡せた。空はどんより曇り、雨が降りだしてくる。こうなると飛鳥はもう、耐えることができなかった。結果から言えば、彼女は落ちてしまった。
地面にぶつかるかと思ったが、何故か減速して着地した。
「……?」
「飛鳥! 無事か」
「ええ、まあ……」
2人は雨宿りも兼ねて、寺の中へと足を踏み入れた。
「……常識的に考えれば、これは教会で、お寺ではないわね。そもそも動いてないし」
「まあ、こっちの世界にキリスト教やら異教やらの文化が通じてるか微妙だけどな」
今更だが、バクマツベルグの建物はみな現実世界にあるものをそのまま建てたように正確である。そこからも、この町があくまで「異世界から来た人間」用に作られた町であることが分かる。しかし、この世界は一体何で、誰が、何故、どのように作ったのだろうか。その謎はひとまず置いておくとして、飛鳥と天津は教会堂の奥へと進んだ。
すると祭壇で典礼か何かの準備をしていた僧侶がこちらに気付く。飛鳥を見た瞬間、彼の表情が一変した。
「天保様……!?」
彼は驚愕の表情のまま近づいてきた。飛鳥は後ずさりをする。
「天保様! 本当に天保様なのでございますか? あなたにお目にかかれて光栄です」と言って、こちらが何も言わないのに膝をついて頭を下げていた。飛鳥はしばらくどうしようか考えていたが、何も浮かばなかったのか、天津に助けを求めた。
「確かにこちらにおられるのは天保様である。しばし雨宿りの為こちらに座らせてもろうぞ」天津が意味ありげな言い方で僧侶に向かって言った。向こうは頭を上げると、
「……お前は……慶応戊辰!! 裏切り者め!!」と言って天津に掴みかかった。天津はあまりの気迫に負けて、あっさり倒され、首を絞められたり顔をつかまれたりした。必死に抵抗を続けていると、飛鳥が止めに入った。
「どうかそこまでに。殴るなら私も殴りなさい」
「天保様! こいつはあなたを何度も殺そうとした大悪人……」
「それでも私の大事な友です。その体をおどけなさい」
そうしてしぶしぶもとの体勢に戻った僧侶に、飛鳥は聞いた。
「ところでここはどこですか?」
「ここはバクマツベルグの大聖堂、サンピエトロ大聖堂です」
「なるほど。ところで、バクマツベルグとは、どこの国の所属ですか?」
「満州国ですけど」
「なるほど。満州国……満州国!?」
天保と戊辰が同時に叫んだ。
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com; makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/05/19 2:36:56
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。確かにわがままで、傍若無人な監督たちだが、彼らの書いた脚本、作り上げた撮影環境は一流だった。おかげか、撮影中、何度も彼とシンクロした。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com; makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/05/19 2:33:27
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、撮影中、何度も彼と「シンクロ」した。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ
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Date Sent: 2013/05/19 1:52:51
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「毎回こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com; makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/05/19 0:54:02
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com; makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/05/19 0:45:56
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が見事に反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。目指すはとにかく「動く寺」である。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中のチェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ
From: makotsu_@docomo.ne.jp
To: monopro.ea2ae@m.evernote.com; makotsu_@docomo.co.jp
Date Sent: 2013/05/19 0:24:45
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。彼だけが救いだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたんだぜ」
 自分の声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろ。返事ぐらいしろよ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃねえ。願いだ。聞いてないのか、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「俺は鏡の向こうのお前だよ。分かってねえみたいだな。そもそも、お前、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのか? 見た目も性格も、だいぶ普段と違うようだが……」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談だ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 即死でなかったのは、ひとえにチェロの霊力のおかげであったが、フェイはまだ気づいていない。彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。目指すはとにかく「動く寺」である。
「とんでもねえ旅の始まりだな、こりゃ」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
「寺ってな、あれに違えねえ」
 フェイがよろめく足をそちらに向けた頃、飛鳥もまた「動く寺」と思しき場所に足を踏み入れていた。
Subject: アイネ・クエステ3
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Date Sent: 2013/02/24 21:24:49
「駄目駄目、ファンタジーはお断りだよ」
 天津が言った。「AIENでもう充分堪能したろ?」
 鳥山の話は、天津を始めとする仲間の一笑に伏された。鏡が光って鏡の世界に行ったなど、あまりの役への入り込みに現実と作品を混同している、最近寝ずの撮影だから変な夢か幻覚かを見たに違いないなどと言いたい放題に言われた。
「とにかく来てみなって」鳥山は言った。「すぐ隣の部屋なんだから。私の楽屋の鏡から行けるの」
 言っているうちに、鳥山自身がだんだん恥ずかしくなってきた。
「エヴァの話が本当だとして」フェイがニンテンドー3DSをやりながら、だらしのないしゃべり方で言った。「そいつ、かなりヤバいファンだと見たね。関わらない方がいいよ」
「ファンじゃない。鏡の世界の人間だから、少し話がズレてるだけなんだ」
「だってつまりコスプレしていけって事だろ? そんな事してやる義理がどこにあるんだし。なあホーさん」
 ホーさん(アウルさん役のフクロウ)は、その問いかけに答えるように「ホーッ」といった。窓際の簡素なゲージに入れられている。
 今まで黙って聞いていた飛鳥は、ふと思いたったようにリビングの椅子を立ち、ふらふらと鳥山の楽屋に入っていった。
「とにかく入ってみましょうよぉ」
「おおおい、クロとルーアはどうすんだよ。あいつら、ぬいぐるみだろ」
「どうする? デジタル編集したスクリーンでも持ってくか?」天津が鼻で笑った。
「仕方無い、そこは妥協してもらうしかないな」鳥山はため息をついた。
「なんでさぁ、エヴァ、そんなにやる気なわけ」フェイが言った。「仕事じゃないんだからやる必要ないだろ」
「分からないの?」鳥山にしては珍しく、頬を上気させていた。「鏡の世界は実在するのよ!」
「ロマンチスト乙」DSから安っぽい爆撃音がした。
「バクマツベルクは私たちの故郷を模したゲストシティーなんだよ」鳥山は説明を続けた。「鏡の国ではそういうこともできるんだ」
「バクマ……何?」フェイが聞いた。
「バクマツベルク。首都の名前だよ」鳥山は答えた。「とにかくみんなメイクしたら、役になり切って集まってね」
「げえ、大嫌いなアドリブだよ」フェイはまだ文句を言っていた。
 それから各々は着替えに楽屋に籠った。撮影用の気合いの入ったものではなく、あくまで服を着替えたくらいの程度であった。
 隣の壁越しに、飛鳥の声が聞こえてくる。
「それで私たちはぁ、向こうで何すればいいのぉー?」
「ある妖魔と戦ってほしいんだって」
「なんだ、それならいつもと同じ……え!?」
 鳥山がドアを開けた。「いつもと同じよ。あなたはただ『小春』とか『満蜜』とか言って技の名前を唱えてればいいの」
 天保の姿の飛鳥が、振り返って言った。「わたし、そんなことできないわよぅ」
「行くぞ天保」鳥山は言った。「チェロ、準備は?」
 その言葉を聞いて、フェイも隣接のドアから入ってきた。「はいっ! 準備万端ですっ!」
「じゃあ、行くぞ」
 鳥山、飛鳥、フェイの3人は、鏡台と向かい合った。
「メネ!」
 鳥山が謎の短い言葉を発すると、鏡は瞬く間に橙色に光り出した。それはさながらコピー機のように、上下に動きながら、また途切れ途切れに光り、3人は目が眩んだ。
 後ろでドアの開く音が聞こえ、戊辰の格好をした天津が3人に加わった。
「俺も行くからな」
「おやおや、この機にレギュラーに昇格する気ですね?」
「ああそうだよ」
「みんな、着いた先ではバラバラになるから、『動く寺』の前で会おう!」
「何ですか、それ?」チェロが聞いた。
「見れば分かる」レンが言った。「2時間でいいな?」
 全員が最後に聞いたのはその言葉だったが、それが意味するところは知らなかった。




「また貴方がたとの愉快な冒険が始まるわけですね」天保の一言を最後に、全員は

「いつもと同じよ。妖魔と戦って、アイネを手にする為の」
発声練習をしている。
「さあ、行きましょうか」←あとでアドリブなんかできなくなってきてキャラ崩壊する


もうクランクアウトしたし、メーキャップしなきゃ駄目だろ」
「クロもルーアも連れて来いなんてな酔狂もいいとこだろ。あんな」
Subject: アイネ・クエステ2
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Date Sent: 2013/02/24 4:10:27
 鳥山の視界がはっきりしてくると、そこは――
「宿泊日数は?」
「え?」
 目の前に、汚いなりの男がいた。頭に鉢巻きを巻いて、緑の褪せた着物を着ている。鳥山の耳に間違いがなければ、今彼は日本語で「宿泊日数は?」と言った。
 戸惑っている鳥山をいぶかしげに見つめる男に気付き、彼女はあわてて答えた。
「明日発ちます」
「あいよ。部屋は2階だ。おうい! おヨネ! 客だよ! 案内してくれ!」
 男が上に向かって叫ぶ。甲高い返事が2階から響いて、これまた汚い服の女がバタバタと降りてきた。片手に雑巾を持っている。
 鳥山は言われるままに案内され、部屋をあてがわれた。典型的な江戸町屋であり、6畳の畳が敷いてあった。床の間などはなく、隣部屋とは襖一枚で区切られた、典型的な日本の――それも江戸末期のような部屋だった。
「それではごゆっくり、翠楼様」
 気づけば鳥山は刀を持っていた。女は一礼して襖を閉めて出ていった。
 鳥山はまだ、これは何かの夢か、撮影の舞台セットだと思っていた。記憶が錯乱しているだけで、今は何かの撮影中だったかもしれないとさえ考えた。しかし、左手にはまだファンから貰ったチョコレートの箱が固く握られていた。彼女はそれで、ここが鏡の世界だと直感的に悟った。
「鏡の世界が、どうして幕末の日本なのかしら」鳥山はつぶやいた。
 日はまだ高いのか、窓の障子から光が漏れてくる。気候も穏やかで、少々肌寒い程度だった。鳥山は外の景色を見ようと障子を開けた。乾いた風が一気に部屋に吹き込み、彼女の髪が揺れる。鳥山は見下ろした光景に息を飲んだ。
 そこは江戸の日本ではなかった。日本家屋が建っていると思えば、その隣に石造りの古いアパートが建っている。かと思えば向こうにはバロック式の教会堂が見え、仏閣とおぼしき瓦も町屋の奥に見えていた。
 彼女はそのまま宿を飛び出した。道を行き交う人々は、大半が日本人だが、当然のように西洋の服を来た白人、また民族衣装を着た東洋人、黒人、様々な人間がいた。
「一体ここはどこなの?」
 不安な気持ちで通りを歩いていると、瓦葺きの塀につき当たった。左右を見回すと、それは神社の境内であることが分かった。
 鳥山は急ぎ足で神社に入り、水の張ってあるところがないか探した。鏡になると思ったのである。しかし、池はおろか、鳥居の横にある石の槽にも水はなかった。
 しかし、彼女は境内へと進んだ。神棚に鏡があるはず――
「わらわを見つけたか」
 小さい鏡から、鏡の鳥山が話しかけてきた。目しか見えない。鳥山は誰もいないことを確かめてから、恐る恐るその鏡を手に取った。丸い鏡だ。飾りに漆工芸がほどこされている。
「私は一体どうなったの?」鳥山はまず聞いた。
「鏡の世界に連れていくと言ったであろう」
「鏡の世界なのはいいとして、私はどうなるの? 帰れるの?」
「しばらくすれば元の世界に帰れるであろう」
 鏡の鳥山の言うことは本当だった。2時間ほどすると、突然気が遠くなり、気づけばまたもとの楽屋に戻っていたのだ。この2時間のうちに起きた出来事については、あとにするとして、彼女はとにかく無事に現代に戻ってきた。
 気づけば目の前にはふたたび彼女がいた。
「そちの旅の仲間を集めて参れ」相変わらず偉そうな口の利き方をする。扇子を口元に当て、女らしく節をつけた動きをする。
「仲間?」鳥山は聞いた。
「いつも連れ立っている者がおるであろう」鏡の鳥山は少々むっとしたのか、語気を強めて言った。「あの4人よ」
「あの4人」鳥山は復唱した。「フェイ……いや……チェロ……達のこと?」
「チェロ・A・ダート、庚丑天保、クロ=スフィアランテ、ルーア=シルベトス。他に誰がおるのだ。時間がない。今すぐ連れて参れ。それからそちも、いつもの服はどうした。前のほうがよい。急ぎ仕度せよ」そう言うと、鏡の鳥山は幽霊のようにすうっと消え、鳥山自身が鏡に映った。
Subject: あいね第1話、アイネ・クエステ
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Date Sent: 2013/02/23 3:17:45
お疲れ様ですレンの鏡が光り……旅モンスター勝つレン天、生まれ天皇ほんとにあるんだ鏡の世界は戻ってくる戊辰あらわる
◆◆登場人物紹介
鳥山エヴァ……レン役の女優
フェイ・アルベルト……チェロ役の子役。イタリア史上最大の大物
お笑いコンビ「飛天」の飛鳥……天保役
飛天の天野……戊辰役
ホーさん……アウルさん役
 
 現代。
 ドイツ。
 日本生まれのファンタジー「AIEN」の収録が行われていた。
 重いドアの向こうから、今やスターとなった3人の顔ぶれが出てくる。
 名前をいちいち言うまでもなかろう。
 出待ちをしていたファンがどっと押し寄せる。
 サインもしてやるのだから、子役にしてはやり手だ。
 鳥山が化粧室へ。
 鏡を見る鳥山。
すると鏡が揺れて……
 
「わらわはそちの鏡の世界の姿」
 
 一瞬、わけがわからない鳥山。
 助けてほしい等。
「VFXじゃないの……!?」
一旦一人で鏡の国に行く鳥山、そこでは「レン」と呼ばれる。
バクマツベルクの説明
帰ってきて慌てている
ファンタジーはお断りだよ
戊辰言う
とにかく来てみな
バクマツベルクはあなたがたの故郷を折衷した迎賓街です
歩く日本建築
モンスターを倒すにはパズルを解かなきゃいけない、いつも解いてるあなたたちなら簡単なはず
解いていく
モンスターと戦ったり、チェロが治したり鳥山と飛鳥イケメン
「あのねえ、私たちは役者であって」←絶望
わらわは皇女……鏡の国のそちもまた何かその素質があるはず
ぎく!
↓傷ついてとかでも可だな、それかデータバグ
世界の終わりを目撃してここがバーチャル世界だと気付く
バグマツベルクかシャレ
モンスター倒す(ファンに貰ったもので)
帰ってきたー
戊辰、気付く
ここも鏡の世界だ!!
 
続く
Subject: アイネ・クエステ1
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Date Sent: 2013/02/23 4:21:31
 現代。
 ドイツ。
 今、ここでは、日本生まれのファンタジー映画「AIEN」の収録が行われていた。
「AIEN」とは、日本を代表するファンタジー作家小松英の書いた、砂漠を舞台にしたファンタジー小説である。
 収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そしてチェロの故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われていた。
 スタジオの重いドアの向こうから、今やスターとなった3人の顔ぶれが出てくる。名前をいちいち言うまでもなかろうが、左からフェイ・アルベルト、飛天の飛鳥、鳥山エヴァである。出待ちをしていたファンたちがどっと押し寄せてきた。
 彼らのマネージャーでもあり、戊辰役でもある、茶髪で眼光の鋭いビジネスマン、天津が止めに入る。
「押さないようお願い致します、サインは順番に致しますので、押さないよう……」
「いいじゃんかよォ」と後ろから声をかけたのはフェイ・アルベルト(チェロ役の少年)である。今はおしろいを落としているので本来の色黒の肌が露出している。「熱狂を静めるよか、高ぶらせねえとな。えい! みんなァ! サインよりもいい事してやるから、今晩ステージに集まっつくれや!」
 ファンから応答の声が上がる。フェイはローブのポケットから紙煙草とライターを出して、慣れた手つきで吸い始めた。天津に「ちょろいぜ」と言っている。
「フェイくぅん、ダメよぉ、子供はタバコ吸っちゃダメなのよぉ」飛鳥が言った。つなぎのデニムを着て、フェイとは逆に化粧をしている。いかにもニューハーフ的な身ぶりで、フェイから煙草をつまみ上げた。
 そんなことをしている間に、鳥山はすでに3人分のサインを書いてあげていた。彼女は役柄とさして変わらずと言うか、より大人しい、物静かな少女である。
「あのう、これ、受け取って下さい!」
「私にくれるの?」
 鳥山に手渡されたのは、ハートの形をしたピンクの紙箱であった。本日はバレンタインデーであることから、似たような箱を持ったファンが無数にいた。
 天津が、きりっとした目をさらに釣り上げて、「食べ物は受け取れません」と声高に叫んだが、聞こえやしない。
「ありがとう。本当はもっとしてあげたいけど、サインは今日は終わりね」と、優しげな口調で話す鳥山。3人は共用のトレーラーに入っていった。

 外は寒かったが、車内は暖房が効いていた。フェイは飛び込むようにソファに倒れ込んだ。
「もうたくさんだ。AIEN探しなんかやってらんねえ、毎日毎日俺だけ長い台詞ばっかり読ませられるし、すぐ血出すから着替えめんどいし」
「主人公なんだから我慢我慢」飛鳥が言った。「フェイ君なら何でもできるってアタシ思うわ! だってイタリアでは最高の役者(エル・プレイヤーノ)って呼ばれてるんでしょ、あなたが涙をこぼした瞬間のあのシーン、どんな芸術品よりも美しかった! 本当よ! 悔しいけど!」と言って、飛鳥は自分の個室に入っていった。
 鳥山は何も言わず、たださりげなく自分の部屋の中に入り、ドアを閉める。それから深くて悲しいため息をついた。
 彼女を落ち込ませる要素は、特にある訳ではなかった。ただ彼女はメランコリー気質で、鏡台に映る彼女の目は憂いに満ちていた。その目が、彼女の役者としての魅力でもあった。
 鏡が波打つように揺れたのは、メイクを落とそうと、鏡台に向き直った時だった。
「な、何……?」
 鏡のゆらぎは押さえようのないほどに激しさを増していた。鳥山は恐怖を覚え、天津を呼ぼうとドアノブに手をかけた。その時、鏡の向こうに、黒髪の女が見えてきた。鳥山ではない。頭には黄金の飾りかんざし、そして十二単の着物を着て、肌にはおしろいを、口には真っ赤な紅を塗っていた。
「わらわはそちの鏡の世界の姿」
 一瞬、わけがわからない鳥山。
「わらわはそちに助けを求めたいと思うておる」
「VFXじゃないの……!?」
 鏡から後ずさる鳥山だったが、目は「鏡の世界の鳥山」をジッと見つめていた。
「来てくれもうすか?」鏡の鳥山が問うた。「来てくれもうすか? 翠楼 レンよ」
「翠楼レン……!? それは私の役柄の名だ、私の名前じゃない!」
 鏡の鳥山は聞いているのかそうでないのか、小さく頷き、息を大きく吸った。かんざしがキラキラ輝いた。
「これよりそちを、鏡の世界に招待たまう」
「……し“たまう”……!? いいご身分だな……」
 鏡はまばゆい光を――橙色の光を放ち、鳥山は目をふさいだ。暖かな風が全身を掴み、彼女をどこかへ運んでいくような感覚がした。
 その通り、鳥山エヴァは鏡の世界に飛ばされたのである。
Subject: アイネ・クエステ@アイネクエステのネタ
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Date Sent: 2014/02/16 18:18:20
一行は「死界」(キンに言わせるところの)を歩き続けた。辺りは針金でできたような木々が並び、仄黒い霧が深く射しかかっていた。気をつけなければ、すぐに転んでしまう。
「あなたのお父さんは、この国の王様なの?」
鳥山がキンに聞いた。「あなたは王子?」
「政治があればね」キンは臆病そうに答えた。「あまり喋らない方がいい。悪魔が集まってくるから」
「おーおー、悪魔か。悪魔は神のいる証拠ってか」フェイが茶化していると
小説でアクションは無理
Subject: アイネ・クエステ@アイネクエステのネタ
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Date Sent: 2014/02/16 17:18:18
「そこだな!」フェイが持っていた石を投げつけると、うめき声が聞こえ、誰かが倒れた。4人は恐る恐る近づいてみる。背の高い男で、髪は金髪、茶色いサングラスをしており、ゴシックとオリエンタルを混ぜ合わせたような奇妙なファッションをしている。
「死んじゃったのかしら」飛鳥が不安そうに、木の枝で小突いてみたが動きそうにもない。
「いや~ん、死体なんて初めてよ! 無理無理無理」
「落ち着け」天津がそう言いながら脈を測ろうと手を伸ばしたとき、男は奇声を発しながら飛び起きたので、天津まで叫んだ。
「ぎゃー! エクソシスト!! 殺される!! 助けて!! 助けてママ~!!!」
のたうち回る男を見ながら、助けてほしいのはこっちの方だと同時に思った4人だった。
「死界に入り込んだエクソシストって、お前たちのことだろう!?」
「待って、たしかに私たちはエクソシスト役をしているけど、決して……」
聞く耳を持たず戦闘姿勢に入る男に、フェイが再び石を投げつけた。
「罠?」鳥山が言った。落ち着きを取り戻した金髪男性は、4人に囲まれている。
「ママが、人間界中のエクソシストを騙して誘き寄せて、一刀両断するらしいんです」
「お前のママって、誰だ?」
「名前は言えないけど……この世界の女王さ」
「じゃあ、その人に言えば、この世界から出してくれるわね?」と鳥山。
「お前、名前は?」
「今は言えない」
「なんだよ、そればっかだな。じゃあ金髪だからキンだな。キン、お前のお母様のところに案内しやがれ」
「代わりに仲間を探してくれるか?」
「仲間だと?」
「ここに来る途中ではぐれたんだ。彼らを探してくれたら、お母様のところへ案内してやってもいい」
「なんでえ、『ママ~』って泣き叫んでたくせに。『案内してやってもいい』と来たもんだ」
「いいわ。よろしくね」鳥山のこの一言で決まる。
Subject: アイネ・クエステ@アイエンのネタ
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Date Sent: 2014/01/04 20:48:08
 小松は死にかけていた。
 病院のベッドに横たわり、うつろな目、髪は全てが抜けていた。
「小松先生」
 やって来たのは桜田であった。
「彼女たちは――行ったのですか?」
「はい。ミトロンに」
「ではこれで――神のご意志は果たされた?」
「そうですよ、小松先生。全て神の思し召すままです」
 夕焼けに染まった病室内の壁は、まるで印象派のキャンバスのようであった。ゆっくりとした時間が流れてゆく。
「ではもう、思い残すことは、何もない」
Subject: アイネ・クエステ@アイエンのネタ
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Date Sent: 2013/12/12 21:38:42
「それで、かつてルシフェトフェレスを封印した翠楼レン達に助けを請うたということ」
 慧子は立ち上がって、アルバムから服に附着したかびを払った。三つ編みのおさげを左右に垂らし、服は明治期の制服のような――まさに満州のころのような出で立ちだった。瞳は真っ黒で、そこには異国の血は微塵も見られない。
「よろしゅおます」
 聞き慣れない日本語で言った。
「百聞は一見に如かずと申しましょう。今からあなた方を、ルシフェトフェレスのところまでご案内します」
「ルシフェトフェレスの居場所が、分かるのか?」
「分かりますとも――小松の父親ですから」
 
Subject: アイネ・クエステ@アイエンのネタ
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Date Sent: 2013/12/12 21:26:46
 夏の京都の暑さは、寒冷なドイツでの撮影に体が慣れ切ってしまっている4人には堪えた。日傘をさして、小松の家へと向かう。結論から言えば、彼らは小松には会えなかった。しかし慧子と呼ばれる少女に面会し、事情を聞くことになる。
「小松は母親から聞いた話をもとにAIENを著したようです」ゆかりのアルバムをめくりながら、慧子が話した。
「母親の?」フェイが聞いた。
「母親の名は、桜田春奈。彼女はルシフェトフェレスと友達でしたの」
 4人はどよめいた。まさか、悪魔ルシフェトフェレスに友達と呼ばれる者が居ようとは。
「ルシフェトフェレスをご存知なのですか?」
 慧子が不思議そうな顔で、4人を代わる代わる見た。
「私が、鳳凰院という、満州の地下に住む男から聞いたの。その男によれば、薬師院と呼ばれる女性が、いまの満州――ミトロンを治めていて、ルシフェトフェレスがふたたび動き出して人間を鏡の世界に取り込んでいると言うことらしい」
 鳥山が足早に説明した。
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Date Sent: 2013/12/12 21:04:04
 西暦2060年・夏。世の中は夏休み真っ最中であった。さりげなくクーラーの効いたトレーラーの中で、4人の役者が顔を合わせていた。
「こりゃ、聞いてみるのが一番早い」フェイが出し抜けに言った。
「聞くって、誰に?」天津が聞いた。
「決まってるだろう、あいつだよ、あいつ。こんなやくざみたいな話を書いた張本人、小松サトシとかいう奴だよ」
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Date Sent: 2013/12/11 22:52:14
 気がつけば、服は同じままに、自分たちのトレーラーに横になっていた。
 朦朧とした意識を振りかぶり、辺りを見回す。ホーさんがホーと鳴いた。
 ――どれだけ寝ていたんだろう? いやに現実っぽい触覚の夢だった。だが、あんな意味の不明なこと、我ながらよく思いつくものだ。やはり夢というのは、不思議なもんだ。意味の分からない話が次々と起こってくる――フェイはここで煙草を探して、初めて自分がチェロの服装をしている事に気付いた。馬鹿な、着替えたはずだ、なのに何故また着ている? まさか――
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Date Sent: 2013/12/11 22:42:46
 彼らが通されたのは、寺の内部であった。豪華な宝飾品がごてごてと並び、予想していた電気コードの類いはない。
 フェイは、その辺にあった、椅子なのか置物なのか分からない動物の像の埃をフーッと払いどっかと腰を下ろした。
「それで? レン。この国は何なんだ? 実はエイトスタジオとか言うなよ?」
「ここはスタジオじゃない。本物の町だ。社会だ。国だ。但し地球ではない」
 フェイは絶句して椅子から立ち上がった。
「――地球じゃ、ない?」
「名はミトロン。地球とよく似た星で、文明も栄えていた。――ある時までは」
 鳥山は説明を続けた。
「日本が満州国家を作り上げたのは、西暦1860年代。その時は、翠楼レンが鏡の世界に行ってから約400年後になるの」
「ちょっ――ちょっと待て、お前、虚構と現実が倒錯してるぞ」
「最後まで聞いて。始まりは60年に降り立ったルシフェトフェレスという名の悪魔だったの。彼がこの星と地球を鏡で繋いだ。そして西暦1960年、桜田とその息子がAIENを著した」
「今は――2060年だ」
「私たちは繋がった鏡から、ミトロンに来てしまった。1860年代の大規模な戦争で未だ遺体の上がらない人々は、繋がれた鏡からミトロンにやって来ていたのよ」
 突然、飛鳥がぼやっとした声を出した。
「ルシフェトフェレスって、悪魔書とかによく書いてある例の堕天使のこと~?」
「飛鳥、よく知ってるわね」
「AIENの役作りの時に、図書館でちらっと見たのよ~」
 鳥山エヴァはこの時、自らの名前に運命を感じていた。楽園を追放された女が、いま、楽園に戻ろうとしている。
「AIENの世界に行くしかない」
「はぁ?」フェイが言った。「正気か? おれはまだお前の言った話を30%も信じてねーぞ。地球の外に来たってだけで充分ドッキリだ。いい加減カメラ出てこい!」
「この満州で、彼らは英雄なの」フェイのことは構わずエヴァは続けた。「鏡をテレビのようにして、私たちのドラマがずっと放送されていたらしいのよ」
 フェイはふたたび絶句した。
「今一度暴れ出したルシフェトフェレスを封印するには、また私たちがやるしかない」
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Date Sent: 2013/12/04 21:39:24
「わらわの名を呼ぶのは誰ぞ」
 薬師院蓮の声が聞こえてきた。暗い鏡に薬師院の姿がかろうじて見える。
「世にも奇妙なエクソシスト、鳳凰院で御座います」
「悪魔を飼っている悪魔祓い師か。お前がわらわに何用であるか」
「はっ。実は、うちのPが知らぬ間に、異世界に手紙を送ったようにございます」
「どの世界であるか?」
「あなた様――レン様の世界にございます」
Subject: アイネ・クエステ@アイエンのネタ
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Date Sent: 2013/12/04 20:35:14
 所変わって、1960年代の東京・中野。
 ここにとある店があった。
 看板には「黒百合白薔薇図解」と書いてある。木でできた押し戸を開けると、中では料理と酒が振る舞われ、ステージではきらびやかなドレスを身に纏った女が歌を歌っている。フランスの流行歌である。
 そこで働いている金髪でサングラスのギャルソンが、店の奥へ入っていった。
 楽屋のドアを開けると、その先には衣裳部屋。そして、その先には鏡の間があった。
 ギャルソン――鳳凰院羚司。彼はそっと後ろ手で鏡の間のドアを閉める。目の前には大きな鏡がそびえ立っていた。
「薬師院様」彼は鏡の前に膝まづき、聞こえるか聞こえないかくらいの小声で言った。
 そして鏡が波打った。
Subject: アイネ・クエステ
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Date Sent: 2013/10/11 3:34:44
 ピンクの髪の少年に見覚えのある方もおられるかもしれない。彼の名はP.イルネフェルト。AIENで、リュートを演じていた少年である。
「神流と柊に連絡は?」
「連絡? 一体なんの?」
「馬鹿。新人が来るのに、事前連絡もなしでは示しがつかないだろ」
 鳳凰院は本当に気付かなかったらしく、一瞬固まって言った。
「ではすぐに」
「3人には鳥山とわたしが会おう」
 そう言ってPは立ち上がった。

 フェイたちが待機していると、ふと遠くからオモチャのラッパのような音が聞こえてきて、それはブウブウいいながら自分たちの方向に近づいているようであった。目を凝らして見ていればなんと、日本か中国あたりにありそうな木造の寺が、ぎしぎしと体をゆらしながら滑ってくる。寺の形をした車、と言えなくもなかったし、ハウルの動く城とも言えた。それはまるで着陸直後の飛行機みたいに減速し、オナラの音も止んだ。コックピットのような場所のすだれが上がり、中からは鳥山とPが出てきた。次回、この世界の説明が恐らくPによってなされると思うので、読者の皆さんは一応期待しておいていいと思う。
Subject: アイネ・クエステ
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Date Sent: 2013/10/11 3:55:45
「P! Pじゃないか!」フェイはPの姿を見るなりかけ寄った。ふたりは撮影現場ではほんとうの兄弟のように仲が良く、Pはフェイを普段からも「兄さん」と呼ぶほどであった。
「兄さん。」と彼は言った。「久しぶりだね。僕のクランクアップはだいぶ前だったから……」
「お前がいるって事は、他のやつらも居るんだろ? 一体なんの真似だ?」
「そう、兄さんたちは、鳥山さんから詳しい説明を受けていないみたいだね。ここは、そうだね、天国と言ったらいいかもね」
「天国……だって? ふ、ふざけるな。じゃあ俺たちはみんなもう死んだという事か?」
「そういう意味ではない。ここは地上を監視する場所。つまり神様の住む場所……そういう意味で僕は天国と言ったんだ」
「意味が分からない」天津が言った。「神様とは誰のことだ?」
「もうすぐ会えるだろう。但し神といっても、監視役をしているただの人間だが……まあ、説明はこのくらいにして、君たちが呼ばれた理由を話そう。君たちの後ろにそびえ建っているその教会」
Subject: アイネ・クエステ@アイエンのネタ
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Date Sent: 2013/12/04 21:48:30
「桜田という謎の男が――いや、女かもしれませぬが――そいつに鏡の世界の存在を知られました」
「それは、Pの行動と関係があるのか」
「御座います。桜田が、P――小牧を唆し、手紙を書かせたようなのです」
「桜田という者は何奴であるか?」
「存じ上げませぬ。只弾き手として雇った侭、いっこうに姿を表しませぬで」
「よかろう。わらわが直接確かめておく。そちは引き続き、店を。跡継ぎは決まらぬか?」
「未だ、これといった者は」
「急げ。お前の命火も残り少ないぞ」
Subject: アイネ・クエステ4(失敗)
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Date Sent: 2013/04/09 19:58:23
「では、解剖を始めます」
 フェイが次の瞬間気が付くと、どこかに寝ていた。
 真上からライトが当たっていて、まぶしくて何も見えない。
 体は、あるのか、ないのか分からないほど、感覚がない。
「まず、内臓を取り出します。開附手順は、まずこうです」
 そのとき、フェイの体にナイフが入れられているのだが、彼は知るよしもなかった。
 とにかくここが鏡の世界だってんなら、AIENの世界で言う、霊子だか霊力だってやつもあるはずだ。
 フェイは自分の野性的な勘で、
Subject: アイネ・クエステ@アイネクエステのネタ
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Date Sent: 2014/02/18 20:59:02
詳しくは割愛するが、いわゆる合体して倒すような技である。
何もかも物語の通りだった。違うのは、カットもカメラもカチンコもない事である。
「一体どういうこと……? 花丸が実在するなんて!」鳥山が言った。花丸とは彼女のロボットの名前である。
「あのオメオロチを一撃で倒すなんて……君たちは強いんだな!」キンは意外そうであった。
「いいから早く友達を探せよ」フェイが言った。
「うん。おーい! メフィスト! 出てこいよ!」
「メフィスト? って、敵キャラでいたわよね?」
「べつに、出会い方さえ違えば、敵が味方になる事だってあるだろ」
そうしているうちに、小さなカエルが出てきて、ゲロゲロと鳴いた。
「メフィストはカエルに返信したのよね」
「何もかも話の通りだ」

帝竜:「よく来たね!
    ここでは、ボクの仲間である仲間たちを紹介するよ!
    見たい仔竜の名前をクリックすると、
    イラストと詳しい説明が見られるよ!」
『帝竜』の説明を見る。
『ティアト』の説明を見る。

『フィーナ』の説明を見る。

『ドラン』の説明を見る。

『フォーリア』の説明を見る。

『メアリー』の説明を見る。

『ロール』の説明を見る。

『ヴァルツ』の説明を見る。

『駿牙』の説明を見る。

『アグネス』の説明を見る。

『リース』の説明を見る。

『ジェネ』の説明を見る。

戻る!


鳥山が待ち合わせ場所に指定した「動く寺」に乗ると、鳳凰院たちのアジトまで案内される。それからこの世界の説明だからつまり、
「『デコデコ』やほかの階層世界のことについてはもう見てきているから分かるだろう」鳳凰院は、右手の団扇で顔を仰ぎながら、左手で珈琲を飲んでいた。
あいどらはけいたたちでやる!ややこしいから
「ここは何という世界なんだ?」
「ここは異世界ではない。お前たちと地続きの世界だ。名前はケト・ヒーシィ………恒星北緯27度線上にある惑星だ」
「それを異世界って言うんだろ!?」地球にする
「そうか?」鳳凰院は襟を指でなぞりながら、「とにかくこの星では今、かつて『ムル』で起きた戦争が再び起こりつつある。あの時とは違い、今は兵器も殺傷能力が高い。人類滅亡の危機なのだ………それには、ムルに描かれた勇者の生まれ変わりである君たちに、頼むしかない。」
・ルーン
「俺達だって、ガキじゃない。めんどくせぇと言えばそれまでだが、やってやるよ。敵襲はいつだ? ジェフ」
「ジェフって?」鳥山が聞いた。
「ジェフ・トレイシーさ」
「敵は今も着々と東京計画を進めている。行け! そして奴らを食い止めるのだ!」
・ここでサン出すか?
 現代。
 ドイツ。
 今、ここでは、日本生まれのファンタジー映画「AIEN」の収録が行われていた。
「AIEN」とは、日本を代表するファンタジー作家小松英の書いた、砂漠を舞台にしたファンタジー小説である。
 収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そしてチェロの故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われていた。
 スタジオの重いドアの向こうから、今やスターとなった3人の顔ぶれが出てくる。名前をいちいち言うまでもなかろうが、左からフェイ・アルベルト、飛天の飛鳥、鳥山エヴァである。出待ちをしていたファンたちがどっと押し寄せてきた。
 彼らのマネージャーでもあり、戊辰役でもある、茶髪で眼光の鋭いビジネスマン、天津が止めに入る。
「押さないようお願い致します、サインは順番に致しますので、押さないよう……」
「いいじゃんかよォ」と後ろから声をかけたのはフェイ・アルベルトである。今はおしろいを落としているので本来の色黒の肌が露出している。「熱狂を静めるよか、高ぶらせねえとな。えい! みんなァ! サインよりもいい事してやるから、今晩ステージに集まっつくれや!」
 ファンから応答の声が上がる。フェイはローブのポケットから紙煙草とライターを出して、慣れた手つきで吸い始めた。天津に「ちょろいぜ」と言っている。
「フェイくぅん、ダメよぉ、子供はタバコ吸っちゃダメなのよぉ」飛鳥が言った。つなぎのデニムを着て、フェイとは逆に化粧をしている。いかにもニューハーフ的な身ぶりで、フェイから煙草をつまみ上げた。
 そんなことをしている間に、鳥山はすでに3人分のサインを書いてあげていた。彼女は役柄とさして変わらずと言うか、より大人しい、物静かな少女である。
「あのう、これ、受け取って下さい!」
「私にくれるの?」
 鳥山に手渡されたのは、ハートの形をしたピンクの紙箱であった。本日はバレンタインデーであることから、似たような箱を持ったファンが無数にいた。
 天津が、きりっとした目をさらに釣り上げて、「食べ物は受け取れません」と声高に叫んだが、聞こえやしない。
「ありがとう。本当はもっとしてあげたいけど、サインは今日は終わりね」と、優しげな口調で話す鳥山。3人は共用のトレーラーに入っていった。
 外は寒かったが、車内は暖房が効いていた。フェイは飛び込むようにソファに倒れ込んだ。
「もうたくさんだ。AIEN探しなんかやってらんねえ、毎日毎日俺だけ長い台詞ばっかり読ませられるし、すぐ血出すから着替えめんどいし」
「主人公なんだから我慢我慢」飛鳥が言った。「フェイ君なら何でもできるってアタシ思うわ! だってイタリアでは最高の役者って呼ばれてるんでしょ、あなたが涙をこぼした瞬間のあのシーン、どんな芸術品よりも美しかった! 本当よ! 悔しいけど!」と言って、飛鳥は自分の個室に入っていった。
 鳥山は何も言わず、たださりげなく自分の部屋の中に入り、ドアを閉める。それから深くて悲しいため息をついた。
 彼女を落ち込ませる要素は、特にある訳ではなかった。ただ彼女はメランコリー気質で、鏡台に映る彼女の目は憂いに満ちていた。その目が、彼女の役者としての魅力でもあった。
 鏡が波打つように揺れたのは、メイクを落とそうと、鏡台に向き直った時だった。
「な、何……?」
 鏡のゆらぎは押さえようのないほどに激しさを増していた。鳥山は恐怖を覚え、天津を呼ぼうとドアノブに手をかけた。その時、鏡の向こうに、黒髪の女が見えてきた。鳥山ではない。頭には黄金の飾りかんざし、そして十二単の着物を着て、肌にはおしろいを、口には真っ赤な紅を塗っていた。
「わらわはそちの鏡の世界の姿」
 一瞬、わけがわからない鳥山。
「わらわはそちに助けを求めたいと思うておる」
「VFXじゃないの……!?」
 鏡から後ずさる鳥山だったが、目は「鏡の世界の鳥山」をジッと見つめていた。
「来てくれもうすか?」鏡の鳥山が問うた。「来てくれもうすか? 翠楼 レンよ」
「翠楼レン……!? それは私の役柄の名だ、私の名前じゃない!」
 鏡の鳥山は聞いているのかそうでないのか、小さく頷き、息を大きく吸った。かんざしがキラキラ輝いた。
「これよりそちを、鏡の世界に招待たまう」
「……し“たまう”……!? いいご身分だな……」
 鏡はまばゆい光を――橙色の光を放ち、鳥山は目をふさいだ。暖かな風が全身を掴み、彼女をどこかへ運んでいくような感覚がした。
 その通り、鳥山エヴァは鏡の世界に飛ばされたのである。
「鳥山さんがいない?」
 スタジオではすでに、鳥山の失踪が問題になっていた。

フェイが
どこで合流させる?
どこまでリアルにさせる?
女になっちゃった
満州はたぶん、「満州が続いていたら」ということだからなくていい
いつ合流する?
学園
数学の問題
魔法少女モノ
ナゾトキ
サンとの出会い方をどうするか
やくざの息子










「鳥山さんがいない?」
 スタジオではすでに、鳥山の失踪が問題になっていた。
「どうせ、またシャワーだろ。あいつ一旦シャワー浴びだすと何時間も……」
「いや、いなかった。シャワーも、トイレも、どこにもいない」言ったのは、マネージャーの天津である。
「知らね」フェイは、休憩時間を邪魔された怒りだけが頭を占め、ほかの事は考えていなかった。例えば、鳥山がいなければ撮影が進まず、従ってギャラももらえない事とか。彼が一生懸命やっていた携帯ゲーム機から、かわいい爆発音が鳴った。「撃沈乙」フェイがつぶやく。
「スタジオの方のトイレかも。あなたじゃ入らないでしょ、私探してくる。5分後には戻るから」飛鳥はそう言ってフェイとの共同楽屋から出ていった。フェイと共同ということは、当然スタジオ側は彼女を男性扱いしているのだが、めげてない。
「俺も、屋上とか探してくるから、フェイはここにいろよ」
「んー」
 静かになったスタジオで、フェイは一人、アクションゲームをしていた。さきほどからドレッサーの鏡が揺れているが、気づかない。
「かーっ」再びゲームオーバーになったので、ふと目をあげる。
「いたニャ……ゆうしゃが………」
「本当に、あれが勇者なのでしょうか………?」
 こそこそした話し声が気になり、何気なく鏡に向かう。
目の前には、チェス盤が広がっていた。
「何だ………? 謎解きか?」
 フェイは、難なくそれを解く。
「やはり求めていた勇者ニャ!! チェロ・A・ダート!!! お前をケトの勇者として未来世界に招待するから、ありがたく受け取るニャ。こんどは悪魔なんかじゃなく………ヒーシィの王子直々の勅命だニャ!!」
「はぁ? 何、いつ」


から、フェイの腕をつかみ、フェイの叫びとともに、鏡の中へひきずり混んだ。

飛鳥は飛鳥でなんかあるのかな。…………女の人………ろうかさんてきなキャラとか?まぁ本人の好みとしては乞也
DS
パズル
サンとの出会い方をどうする…?
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。
 毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。
 俺は正直、役者にはもううんざりだった。
 それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。
 偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。
 しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。
 だから、自分の演じる相手が、毎回俺の代わりに自分の人生を歩んでくれるんだ。
 その点、チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、俺にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたニャ」
 声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろニャ。返事ぐらいしろニャ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。
 フェイ・アルベルトは訊いた。しかし、返事は返ってこない。フェイはさらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃないニャ。願いだニャ。聞いてなかったのかニャ、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「ケト・ヒーシィの王子、サンニャ。分かってニャイみたいニャな。そもそも、おミャエ、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのかニャ?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談ニャ」
 相手の、こちらの意見をまったく聞き入れようとしない態度は、フェイを怒らせるどころか、逆に彼の気に入った。
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。
 そしてフェイは夢から醒めた。
 気がついたことは確かだったが、目の前は何も見えない。どうやら何か、白い紙のようなものが目の前にあるらしかった。それは自分の頭をすっぽり覆っている。分かるのは、今が昼間で、手足を縛られ、硬いものに乗って、上下に揺れながら移動していることだけだった。
 自分の今の状況について考えあぐねていると、不意にバランスが崩れ、フェイは正面から地面に倒れた。早速、鼻と顎を強打した。何者かに引っ立てられ、フェイは方向も分からず、しびれた足でよろけながら歩く。ポール状のものにぶつかると、フェイの両手はそこに縛りつけられた。
 ここまで来れば、自分の置かれている状況にはかなり察しがついた。マスクを外され、辺りに焦点を合わせる。色彩のない場所だった。暗い黄土色の土、彩度の低い軍服の男が、20人ほどフェイを取り囲んでいた。晴天とはいえない空。乾燥した空気。遠くには鬱蒼とした森と、幾つかの納屋が見えるだけであった。嗅いだことのない独特な臭いが漂っていた。
 フェイが確認するのを待ったかのように、隣でマスクを外した男が、ふたたびマスクを被せた。フェイは当然抵抗したが、大の男に敵うはずなかった。
「(構え)」という声が聞こえて、あたりには静寂が漂った。断っておくが、フェイはこの時まだ、鏡の世界というものを信じていなかった。むしろこれはアトラクションのようなものだと考えていたし、早く言えば、自分が本当に殺されるわけがないと勘違いしていたのである。
 フェイのそんな寝ぼけた幻想は、胸に受けた銃弾で一気に弾け飛んだ。
 彼の死体は、10分ほど運ばれた後、鳥葬墓地に放り置かれた。
 ――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。
 過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、彼はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。
 AIENだって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それを見事に映像化したことの監督たちの有能さも相まってか何なのか、撮影中、何度も彼と「シンクロ」した。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――霊力を使ってよ」
 しばらくして、頭の中から声がした。
「きみはまだ死んでなんかいないよ」
 ――チェロ、あんたなのか?
「君ならできる。さあ、はやくしないと、本当に死んでしまうよ。死んだら、生き返れないよ」
 フェイは、自分の中にチェロが乗り移ってくるような感覚がした。いい演技ができるときと、同じ状態である。フェイは、使ったこともないのに、まるで使い慣れたように、自分の傷をあっという間に塞いでしまった。
 フェイはにやりと笑い、まぶたを開いた。ゆっくりと腐った死体の山から起き上がった。たかる虫けらを払い落とし、べとつく体をぬぐいながら歩き出した。途中、自分の顔に被せられていたと思われる白いマスクを見つけたので、手土産にしようと思い立ち、拾った。
 チェロの声はもう聞こえなかった。
 フェイは、自分の中の(だろ? だってチェロは現実には存在しないんだから)チェロが助けてくれたことに、半ば自嘲しながらも感謝した。
「こんな始まり方するんじゃ、二度と来たくねえな」
 と彼が独りごちていると、向こうに神殿建築の屋根が見えた。
 ケト・ヒーシィ、城。
「王子」端正な顔立ちの執事が、サンに傅きながら言った。
「チェロ・アルベイル・ダートが、来ております」
「いよいよ来たかニャ」玉座に座っていた、まだ、声変わりもしていない(この星に声変わりがあるのか?)年端も行かない(と、地球人には見える)少年王子が、ふんぞり返って言った。偉そうさでは、フェイとどっこいどっこいである。
 フェイは不機嫌そうに入ってきて、やぶからぼうに言う。「お前が俺をこの星に連れて来た張本人か」
「そうだニャ。ケト・ヒーシィの王子、サンニャ」
「俺に頼みがあんのなら、まずその悪趣味な展望台から臭い足をどけてからするんだな、ガキ」
「おのれ! 言うに事欠いてなんという無礼な事を! ここにおわすのはケトの王子だぞ!」
「よい、トーチェ、気にするニャ」サンが言った。「学典とはずいぶん違うが、許そう。歴史家というものは、いつも多分にフィクションを交えると聞くからニャ。おい、チェロ・アルベイル・ダートよ。聞いたように今、ケトはふたたび、悪の化身アダネスが地底より蘇っているニャ。持ち前の知恵と勇気で、この時代でもふたたびケトを救ってほしいニャ」
「ニャっていうのは王子の威厳でも表してるのか?」フェイがニヤニヤして言った。「パパはどうした、パパニャンは。王子には会えるが、王には会えないってか」
「父上は今行方不明だニャ………」
「へぇ、AIENと………おっと、俺のいた時代と同じですね、王子。もっとチェロになり切った方がよろしいですか?」
「それニャ!! やはりお主がチェロ・アルベイル・ダート………間違いないニャ!!」
 フェイの気まぐれを本気にしたサンだが、フェイにはまだ確信が持てなかった。つまり、これはどのタイプのドッキリで、これからどんなネタバレが来るのか? と。銃殺も、火薬をフェイが気絶していた時に体に取り付ければいいし、麻薬のようなものを使えば朦朧とさせることも簡単だ。ここまで大掛かりなセットを使うのだから、何か大きな犯罪に関係している可能性もある。考えがすぐ犯罪や、疑いの方向に走るのは、父親がイタリアのマフィアだったからであり、彼自身が相当荒んだ生い立ちをしているからであった。
「恐縮です、王子。では早速、旅立ちます。と、その前に、おいしいお料理を……お願いします」
「うむ、当然ニャ。」パンと手を打って、サンが叫んだ。「勇者たちに、最高のおもてなしを!」

たち?→天保はあれだからいじめられる。飛鳥ほんとにすさんで天保化?いや、飛鳥もう要らんわそもそも呼ばんだろ面白そうだから来ちゃったとかでトリックスターするのはありだけど
飛鳥も面白そうだからついてくシーンかなー。
てか、カヤ編はわんうぇいの方ならこっちでは要らないだろ?じゃ鳥山と早いとこ合流させるべきか?それとも鳥山………なんか………なんかやるか………?
てかイタリア人なら学園系の話無理だよね?DRIVEをこれ、やるみたいな話じゃなかった?無理だよね?
あ、だから学園ものにするん………だっけ?
もう明らかに水族館とか車とか出すの無理だな
まぁイタリアの学校ってことにしてもいいけどさ!
でももう雰囲気的にこいつ地球帰らないよ。
指輪のくだりはどこで出そうかな…………。今か?
入らない→追い出される→負けるから学園入学?
こっそり逃げる?→負けるからこっそり学園入学?
「俺は本物のチェロじゃない! フェイクだ、にせものなんだよ! ただのクラウン上がりの役者なんだ!!」
「お前は………お前だニャン。誰でもニャい、フェイ・アルベルトだニャ………。もう、無理に演じなくてもいいニャ………。」
 ケト・ヒーシィ、城。
「王子」端正な顔立ちの執事が、サンに傅きながら言った。
「チェロ・アルベイル・ダートが、来ております」
「いよいよ来たかニャ」玉座に座っていた、まだ、声変わりもしていない(この星に声変わりがあるのか?)年端も行かない(と、地球人には見える)少年王子が、ふんぞり返って言った。偉そうさでは、フェイとどっこいどっこいである。
 フェイは不機嫌そうに入ってきて、やぶからぼうに言う。「お前が俺をこの星に連れて来た張本人か」
「そうだニャ。ケト・ヒーシィの王子、サンニャ」
「俺に頼みがあんのなら、まずその悪趣味な展望台から臭い足をどけてからするんだな、ガキ」
「おのれ! 言うに事欠いてなんという無礼な事を! ここにおわすのはケトの王子だぞ!」
「よい、トーチェ、気にするニャ」サンが言った。「学典とはずいぶん違うが、許そう。歴史家というものは、いつも多分にフィクションを交えると聞くからニャ。おい、チェロ・アルベイル・ダートよ。聞いたように今、ケトはふたたび、悪の化身アダネスが地底より蘇っているニャ。持ち前の知恵と勇気で、この時代でもふたたびケトを救ってほしいニャ」
「ニャっていうのは王子の威厳でも表してるのか?」フェイがニヤニヤして言った。「パパはどうした、パパニャンは。王子には会えるが、王には会えないってか」
「父上は今行方不明だニャ………」
「へぇ、AIENと………おっと、俺のいた時代と同じですね、王子。もっとチェロになり切った方がよろしいですか?」
「それニャ!! やはりお主がチェロ・アルベイル・ダート………間違いないニャ!!」
 フェイの気まぐれを本気にしたサンだが、フェイにはまだ確信が持てなかった。つまり、これはどのタイプのドッキリで、これからどんなネタバレが来るのか? と。銃殺も、火薬をフェイが気絶していた時に体に取り付ければいいし、麻薬のようなものを使えば朦朧とさせることも簡単だ。ここまで大掛かりなセットを使うのだから、何か大きな犯罪に関係している可能性もある。考えがすぐ犯罪や、疑いの方向に走るのは、父親がイタリアのマフィアだったからであり、彼自身が相当荒んだ生い立ちをしているからであった。
「恐縮です、王子。では早速、旅立ちます。と、その前に、おいしいお料理を……お願いします」
「うむ、当然ニャ。」パンと手を打って、サンが叫んだ。「勇者に、最高のもてなしを!」
「準備は既にできております、王子。チェロ様。どうぞ、このままご移動を。」
 フェイが、サンの家臣・ダロア・トーチェに連れられて、広間を出ようとすると、急にサンが呼び止め、光るものを投げてよこした。
「これって………。」
「我が星の秘宝………そしてお主もよく知っている、『勇者の指輪』だニャ。お主が、修羅場山で神から頂いた………」
「ああ、ああ、これね。はめればいいんだよな」
 だが、フェイがはめても、何ともない。
「おかしいニャ。勇者の力が開放されて、巨万の力が得られるハズなのに………。さびついているのかニャ」
「そんなはずはございません、城の全誠意を傾けて保全致しております」
 フェイクの俺がはめたって、何も起こるワケねえだろと思いながら、フェイは「勇者の力を思い出すのにしばらく時間がかかってるのかも…」などと、お茶を濁した。「ハードディスクも、古いと重いし」

「あなたがあのチェロ様だから我慢しているが………万に一つでももし違っていたら、間違いなくこの鉄剣は貴様の首をかき斬ってくれる!」
「落ち着け、トーチェ。」
 フェイは今、考えていた。チェロ・アルベイル・ダートは実在の人物だったのだと。小松が、どのような経緯でそれを知ったのかは知らないが、何かを元に戯曲を書き、それを演じているのを、何らかの拍子に、……恐らく、チェロを探している時に見つけ、時代を間違えたのか、星を間違えたのか、何かを勘違いして、俺達を連れて来ちまったが、まさか自分たちが間違っているとは思いもよらず、そのままにしているのだろう。
もし、バレたら死刑かもな、とフェイは笑った。
旅に出てい
「まぁ、よい。今日は食って、寝て、出立は明日にするがよいニャ」
 
 その晩、フェイは
 チェロには天才的な剣術の才能があるという設定だった。恐らく、伝説でもそうなっているだろう。フェイは、あまり運動は得意ではなかった。ただ、相手が台本通りに、いい加減の所で負けてくれるだけだった。全てがフェイクなのだ。フェイは、自信などはなかった。だが、やれるところまでやろうと、決意を固めていた。
 だから翌日、アリランと出会ったときのフェイには、自信があふらていた。

クソして寝るんだろ
トーチェ「君か…。決闘の話は聞いた。早く、指環の力が戻るといいな」
「………いいのか? そんな呑気なことを言って」
「私は………学典は好きだ。何度も読んでいる。特にチェロ・アルベイル・ダートが………ただの少年から勇者になった過程が好きだ。お前も、きっと中身は普通なのだろう、運命のいたずらで、たまたまそうなっただけで………。」
「運命の………ね。それは確かにそうだな。」
「このギルドには、お前と同じ世代の剣士や魔術師が揃っている。また仲間を集めるがよい」
ルーアの封印
「困ったことがあれば、海の孤島の不老長寿のトモン様に言うか、修羅場の神に聞くがよい。今は魔鏡の時期ではないゆえ、ドラゴンもいるだろう。旅先の飲み食いもこのギルドなら無償で受けられる」
「お前って、根はいいやつなのか?」
「……王子にお前の世話を仰せつかっているだけだ」
「あの男は?」
「ジャック………ギルドの古参だ。気難しいが……誘うのか?」
「考えてみよう」フェイが言った。
サンも冒険に出ることに
人物紹介はさくっとね………
「僕の名前は哉乞。得意なことは料理です! 連れて行ってくれるんですか?」
飛鳥出す〜?
「やはりサンも冒険の旅に参加するニャ!」
「王子! ご公務がございますでしょう!」
「うぐぐ………じゃあとっとと公務を終わらして………時間がゆるせばまた来るニャ! 待ってろニャ!」
「待たねえよ」
「まずは、修羅場の神に会ってきてはどうでしょう? 指環のことも分かるかも知れませんし」
「修羅場………ね。地図は………」
「そうよね! 地理関係だけはわからないわね!」飛鳥が言った。
「案内はするさ………。行こう」
「………ああ」
 いよいよ、始まるのだ。
 歴史と、過去をめぐる、冒険の旅が。
 そして、フェイの初めての「現実」が。







「そうか、チェロは魔鏡の力で不老長寿になっている………だからこの世界に生きていてもおかしくないのか! 俺達と同じ少年の姿で………」
「サンたちもそう思って召集したんニャが、昔のことだし、不老不死病になって自ら死んだといううわさだしニャ」
「不老不死病……か。」
[newpage]
望屋「おや、きみがうわさの『能無し』か」

○望屋登場

ケイタ「!?」
望屋「おおっと自己紹介が遅れたねえ。ボクの名前は望屋直也。この学校一番の」

○SE:キラキラ

望屋「貴公子さ」
ケイタ「今の言葉は聞き捨てならねぇな。これでも現実の世界では『暗黒界の王子』として名の知れた、非道で非情で卑怯なマフィアの息子だ! しかも、この世界を救う勇者だぜ!!」
望屋「出た、ゆうしゃ発言。聞いたところによれば、君は違ったそうじゃないか。ゆうしゃのリングをはめることは、出来なかったとか? それなのにまだ勇者取りとは、とんだ夢見人間のようだ」
ケイタ「それは……」
「その威勢の良さだけは認めてやろう。しかし、ニセモノじゃねえ………。」
「ニセモノなんかじゃねえ!! なら決闘だ、やり方は知ってるだろ!?」
「フフフ………身の程知らずめ。いいだろう、抜け!」

面白いバトルシステムそれとも格ゲー?
「ルールは単純、どちらかが死ぬまで戦うか、降参するまでだ。ジャッジャーは、そこにいるメイドだ。行くぞ!!」
 死闘が繰り広げられる。
「がはっ………!」
「てんで……相手にならない! これで勇者とは………」
「く………指輪の力さえあれば………。」
「フフフ、伝説の男なんて所詮、そんな程度さ。アハハハハ………。」
 このまま、「人違い」と言って期待を裏切る勇気はなかった。例え本物のチェロ・アルベイル・ダートが、実在したとしても………いや、その可能性は低いだろう。わからない。人違いだと言って、この、降って湧いた「本物」の主役になるチャンスを手放すのか? 例え戻っても、また徹夜と罵倒と、ギャラの奪い合いを繰り返すあの世界に戻るだけだ。なら………、
「強く………なってやる。俺が本物のチェロに………なれるさ」
 治癒の霊力は使えたのだ。
 旅に出よう。
 その前に、装備を揃えるのだ。
「あ! チェロよ、そんな所にいたのかニャ」
「王子か……」
 合わせる顔はない。
「お主、この時代のこと何も知らないニャ? トーチェか誰かを案内役に付けたいが……ギルドに行ってみるとよい。サンのはじめたギルドニャから、みんな協力するはずニャ。気の合う仲間を集めるがよいニャ」
修羅場に向かう途中のエピソードが書ければ挿入する。
ナルという役者をめざす子登場。
収穫祭。
「ふーん」
「ふーんて何よそのそっけない態度は」
「飛鳥。今の俺のジョブは、『役者』じゃない。『ゆうしゃ』なんだぜ? 関係あるかい」

「」
 まるで、

てかやこはさんだろ
もちやおまえなんさい

/場面転換 教室

ジャック「力の定義がなされるずっと前から、力という言葉は存在していた。そもそも、力とは何か? 和亀」
和亀「……はい」

○席を立つ和亀

和亀「えと……力とは……」

○間

和亀「分かりません」
ジャック「何故分からんのだ。教科書をちゃんと読んできたのか?」
和亀「う……」
ジャック「何故教科書を読んでこない?」
和亀「……」
ジャック「魔法とは、離れた場所に及ぼすことのできる唯一の力である。その存在理由はまだ解明されていない。君たちの使命は、その魔法を使うために先人たちが発見してきた「呪文」の文法を理解し、記憶し、使っていくことにある。現在までに解明されてきた呪文は400種を越えるが、これからも増えていくことだろう。君たちの中には将来、新たな文法法則を研究する者も出てくるかもしれない。この授業はその基礎となる大切なものだ。また力の法則自体を学ぶ魔法物理学の授業の知識も必要となるから、怠ることのないように。では教科書116ページを……和亀、音読したまえ。」
和亀「う……」

○席を立つ和亀

和亀「今から150億年前、突如として一筋の光が現れ、世界の全てのオームはその光から生成された。全てのオームは他のエネルギーに変換されながら循環していて……」
ジャック「もっと声を大きくして読め! しゃきっとしろ!! 王子だろ!」

○笑い声

和亀「くっ……」

/場面転換 食堂

和亀「何もあんなふうに言わなくても……ほんのちょっとさぼってただけなのに。」
斗紋「お前がなんべんも教科書読み忘れるのがいけないんだ」
和亀「なんだ、君までそんなこと言うのか!? そうか、ようし、分かった!」
哉乞「和亀さん、何する気ですか……」

○間

全員「学校を辞める!?」
和亀「もう、決めたんだ。僕に勉強は合わないと思うんだ」

○間

哉乞「い……いや……和亀さん……それは……ダメですよ」
斗紋「ばかなまねはよせ」
夜己「楼華ちゃんはちゃんと行ってるじゃない」
和亀「でも僕は無理だね、向いてないんだよ。そもそも僕は転校生だからといって注目されたりするのは嫌いだ。その上、分からないと分かってて当ててくる、あのトウヘンボクで仏頂面のジャック・スリッパー……」
ジャック「私がなんだって?」
5人「おわ!?」
ジャック「悪かったな、トウヘンボクで仏頂面のジャック・スリッパーで」
夜己「あ……いやいや別に……ねえ和亀!」
和亀「…………。」
ジャック「お前が私をどう言おうと勝手だが、授業には休まず出ることだな。落ちこぼれはこの世界では死を意味する事となる。特に南の丘の墓場には、そんな授業を放棄して死んでいった愚かな者達の亡霊が大量に自縛しているぞ、いずれその話もしてやろう」

○去っていくジヤック

和亀「……何だよ、偉そうにさあ。あいつだって左耳を怪我してるのに」
哉乞「あっあれ怪我だったんだすか! オシャレかと……」
夜己「とにかく私は先生のお盆の上のコーヒーの隣に角砂糖が5個乗ってるのしか見てなかったわ」
斗紋「甘党にも程があるだろ」

/場面転換 教室

先生「かつて世界は1つだったと言いましたね。私たちの学園の総長――コトイ=ワシモカ様はその世界を『ド・ラ=イーヴ』――5つの理想の共存する世界と名付けました。さあ、5つの理想とは?」
斗紋「はい! 上品さ」(Delicate)
哉乞「落ち着き!」(Relax)
夜己「想像!」(idea)
哉乞「音楽!」(voice)
先生「はい、いいですよ~。最後の1つは? 和亀くん、分かるかな~? ってあれ、和亀君は!?」

/場面転換 城の外

和亀「こんな時のために哉乞から盗んでおいた……『魔法のカーペット』!! 呪文なしでも空を飛べる!」

○カーペットに乗る和亀

和亀「さあ! 僕をどこか遠くへ連れて行ってくれ!!」

○飛ぶ音

和亀「みんな、びっくりするだろうな。いいきみだ」

○間

和亀「どこへ行こう……見つかって連れ戻されちゃたまんないし。いっそ、ひとけのない無人島に行きたいな。でもそんな島が簡単に見つかるわけないしな……」

○間

和亀「あ、ここなんていいや。着陸!」

○歩く音

和亀「なかなか、良さそうなところじゃないか。はあー、くたびれたあ。探検は明日にして、今日は寝よう。」

○寝転がる和亀

和亀「暖かいや、かなり南の島だな。やわらかな草むら……」

○いびき

/場面転換 夜

○波の音

/場面転換 朝

和亀「ふあぁ……。」

○おきる和亀

和亀「よく寝た。あっしまった寝坊……って、そうだった。家出したんだっけ。」

○たって見渡す和亀

和亀「あの丘に登ったら、島を見渡せそうだぞ。」

○風の音

和亀「わあ……」

○丘の上に立って

和亀「綺麗な島だなあ……僕ひとりだけの島だ!! 今日からここで自由にのびのびと暮らすんだ!」

○間

和亀「さて、哉乞の部屋から色々奪ってはきたものの……何が何なのかよく分からないや」

カーペット使えない

必死に生きていくことを決意する和亀

和亀「明日はきっと来てくれるさ」
5年、10年と経つ
永遠に……来てくれないのかも……



我々は、戦に散っていった亡霊……お前のことをずっと見ていた……。

1度だけ、時を戻す魔法をかけてやる、もう二度とこんな間違いを起こすことのないように。





和亀「先生!! 遅れてすみません!!」





先生「かつて世界は1つだったと言いましたね。私たちの学園の総長――コトイ=ワシモカ様はその世界を『ド・ラ=イーヴ』――5つの理想の共存する世界と名付けました。さあ、5つの理想とは?」
斗紋「はい! 上品さ」(Delicate)
哉乞「落ち着き!」(Relax)
夜己「想像!」(idea)
哉乞「音楽!」(voice)
先生「はい、いいですよ~。最後の1つは? 和亀くん、分かるかな~?」
和亀「分かりませ~ん」
先生「では、皆さんで言いましょう。せーのっ」
全員「喜びー!」
先生「そうですね。上品さと、落ち着きと、想像と、音楽と、そして喜びが共存する、理想郷だったのです。なぜ、今のように、戦ばかり続く世になったのでしょうか。教科書37ページですよ。忘れた人は隣の人に見せてもらってください。『シャル・ル・マンヌ帝』――通称三世界の王が、反逆者によって暗殺されてしまったからです。反逆者の名は魔王『ハ・ナヴーサ』――なぜ、どのように生まれたのか??それは分かっていません。巨大な体を持ち、異臭と悪臭に身を包まれ、今なお地下深くに生き続けています。魔王は自らの手で様々なしもべを作り出し、私たちの世界を征服しようとしているのです。我々はそれに何とか対抗し、この世界を守っていかなければなりません。あなたがたはそのために今、修行を積んでいるのですよ。」
和亀「あのう」
先生「なんですか? 和亀さん。」
和亀「天上世界は、いつ、どのように作られたのですか?」
先生「天上世界は――私たちは『マギナ』と呼んでいますが――『剣』によって作り出されました。」
和亀「剣で何故世界ができるんですか?」
先生「学園の北にある『磨道火山』の頂上にある剣は、剣といえど、最初は人を傷つけるものではありませんでした。それは『シャル・ル・マンヌ帝』の力、命そのものなのです。彼は自らの命をその剣に変えたのです。そこから生まれたオームが、世界――つまりいのちを生んだのです。だから、あなた達はみなシャル・ル・マンヌ帝によって生み出された命なのですよ。分かりましたか?」
和亀「はい。ありがとうございます。最後に1ついいですか。三世界の王の後継者とは、なんですか?」
先生「王が唯一お作りになった、選ばれし者のことです。その者がシグマを手にすれば、その者は王の記憶を得て、魔王を滅ぼすために蓄えてきた力を使うことができると、言い伝えられているのです。」
夜己「誰が言い伝えてきたのですか?」
先生「『ムーシャ』――祈り、伝える者達です。」
夜己「先生、ムーシャになるにはどうしたらいいのですか?」
先生「そうですね……彼らに弟子入りしたり、するのが一般的でしょうね。夜己さん、あなたはムーシャになりたいのですか?」
夜己「え、ええ……まあ……ちょっとそういうのもいいかなみたいな……」
和亀「へえ……夜己さんにも夢なんてあったんだ……」
夜己「何よその言い方は!!」
和亀「いでででで」
哉乞「夜己さん!! 授業中ですよ!!」

○笑い声的なもの

/場面転換 放課後

○チャイム

斗紋「わーかーめー。部活決まったか~?」
和亀「斗紋!」
遊気「今日の授業分かったか?」
和亀「遊気」
夜己「分からないことがあったら何でもいつでも聞いてね!」
哉乞「僕たちに任せてください!!」
和亀「夜己さん……哉乞……みんなあああ!! 会いたかったよおおお!!!」
斗紋「うおお、ちょ、ちよっと! 何だよ気持ち悪いな! たかが小一時間会ってなかっただけじゃねーかよ!」
哉乞「それでも戻ってきてくれる気になってよかったですよね!」
斗紋「そうだな。じゃあそれを祝して、今日は羽目を外してパーッと行こうぜ!!」
夜己「それ良いわね! バーに行きましょうバーに!! たまにはカクテルもいいわよね!!」
和亀「また……いや、いいね! 行こう!!」

<おわり>

/場面 教室

和亀「はぁ……」
哉乞「あれ、和亀さん、どうしたんですかそんなに落ち込んで」
和亀「いや……別に……」
夜己「うふふ、分かった。席替えでしょ? こないだの席替えに不満があるのよね」
哉乞「え~? 和亀さんいい席じゃないですか~」
和亀「席自体はいいけど、班が嫌なんだ」
夜己「王野君と同じ班になったのよ」

○間

哉乞「なんだそんなこと。どうだっていいや」
和亀「どうだってよくないよ!! これから班行動と言われたら何をするにもあいつと一緒にやると思うと……」
王野「わ~か~め~く~ん」
和亀「……」
王野「今週は給食当番だろ? ほら、色々教えてやるから、さっさと行くぜ」
和亀「はあ……給食当番か。いやだな。料理なんてできないよ」
夜己「ファイト」
哉乞「がんばれ~」

/場面転換 厨房

○紙を置かれる

和亀「!?」
王野「これが全生徒のオーダーメニューだ。君は班の人数分だけ割ったこのぶんを作ってくれ」
和亀「え……ぼ、僕は料理はちょっと……」
王野「まずは材料集めから……」
楼華「あらあらお2人とも、仲良くやっていらっしゃるようね」
王野「マイハニー。こんな所に何の用だい?」
楼華「あたくし、『黄金のキノコ』が食べたいですわ」
和亀「は?」
楼華「雑誌に載ってましたの。黄金のキノコは、世界で1番おいしくて、その粉を料理にふりかければ、どんなものも絶品になり、しかも美容によく、食べればお肌が若々しくみずみずしくなるって」
和亀「楼華さんまだ若々しいでしょ……」
楼華「何? まさかあなた……この私に向かって口答えする気? 休職当番は生徒の要望には必ず答えなくちゃいけないのよ!! 『カシュカ』!」

○電撃の音

和亀「ア゛ーーー!!」
楼華「口答えするとこうなりますわよ」
和亀「ヴ……魔法を使うとは……ますます雌豹……」
王野「もちろん、君のためなら何だってするさ」
楼華「うふん……ありがと、直也。じゃよろしくねえ」

○立ち去る楼華

王野「そんなわけで君、取りに行ってくれたまえ」
和亀「はぁ!?」
王野「黄金のキノコは、学園西にある黄金の森で採れる。まあ、比較的安全な地帯だ。まあ、どんな安全地帯でも、君のようにドジならどこでも危険かもしれないがねえ」
和亀「行ってくれば良いんでしょ」

/場面転換 黄金の森

和亀「まったく……いつも一言多いんだよあいつは……それにしても楼華さん……あの性格で魔法を身につけて、さらに恐ろしくなったな……まるでガキ大将だ。王野は気にしてないみたいだけど」

○歩いてる

和亀「それにしても……何で僕が取りに行かなきゃならないんだ? あいつが行けばいいじゃないか! いつも偉そうにしてて、顔はいいし頭もそこそこ良いし……なんかお金もあるみたいだし……なんか落ち込んできたな……。いや、こうなったら何としても黄金のキノコを見つけて、あいつに目にモノ見せてやろう。と言っても、そんな簡単に見つかるわけないしな……」

○草の音

和亀「簡単に見つかっちゃった!」

○キラキラ

和亀「おお……」

和亀<黄金のキノコは、それ自体がまるで芸術品みたいに美しかった。傘には、白い粉のようなものが散りばめられ、根元は人の肌みたいにすべっとしていた。>

○もぎ取る音

和亀「生えてるぶん全部取ってっちゃおう。」

/場面転換 帰り道

和亀「こんだけあれば……」
哉乞「あ、和亀さん~。こんな所で何してるんですか?」
和亀「王野のお使いだよ」
哉乞「これは……『黄金のキノコ』!?!? 何てことだ……和亀さん、まさかこれを料理の中に入れるつもりですか!?!?」
和亀「え? う、うん……」
哉乞「や、やめなさい!! よく聞いて下さい、黄金のキノコには『ホンワカニナール』という要素が含まれていて、食べると頭がボーッとして、クラクラして、気持ちよくなって、最後はアホになってしまうんです!! 先生達もこれは禁止しているハズ!! 没収します!!」
和亀「あ、ちょ……返してよ!」
哉乞「駄目!!」

○立ち去る哉乞

和亀「なんだよ、いい気持ちになるならいいじゃない。まあ、ポケットにまだ幾つかあるし、良いけどね。最後はアホに……あっ、いいこと思いついたっ。」

/場面転換 哉乞たちのドミトリー

○哉乞、和亀から没収した籠を持って歩いている

哉乞「まったく、ちょっと目を離すととんでもない事をするんですから。それにしてもこんなにたくさん、よく見つけたなあ。粉にして売りさばいたらけっこうお金に……」
夜己「何それ~? なんかおいしそうねえ!」
哉乞「あっ!!」

○食べる夜己

/場面転換 厨房

和亀「なかった」
王野「おやおや君はお使い一つろくにできないようだねえ。まあ、仕方ない。さっ、楼華のぶんの料理は任せなさい。きみはどうでもいい生徒のぶんを。ああ、君の料理を食べさせられる人たちが可愛そうだが、これも決まり。仕方あるまいねえ」
和亀「うっ……」

○移動する和亀

和亀「まあ、見てろ。僕にはこの『黄金のキノコ』というものがついているのさ……」

/場面転換 夜己たちのドミトリー

○ステージが作られ、夜己がその上に立っている

夜己(マイク越し)「みんにゃあ、あたしの歌お聴けえ!!!」

○夜己がグデグデになって歌っている

○ドミトリーの人たちの悲鳴やうめき声

斗紋「誰だ~夜己に黄金のキノコ食わせた奴は」
哉乞「ぼ、僕じゃないですよう~」
夜己「今日は特別サービスとして……人肌脱いじゃうわ……名づけて、ストリップ・ショー・オブ・夜己」

○チャックの音

哉乞&斗紋「あ゛ーっ!!」
哉乞「だだだ駄目ですーーー!! 夜己さんーーー!! DRIVE!!は健全な青少年の為の教育的なボイスドラマなんですーーー!!」
斗紋「駄目!! それ以上は脱ぐなーーーー!!」
夜己「みんなも……見たいでしょーーーー??」
哉乞「見たいけどーーーー」

○銅鑼の音

アナウンス「皆さん、夕食の時間です。すみやかに食堂に集まってください。くり返します、(このへんから台詞かぶる)夕食の時間です。すみやかに食堂に集まってください。」
夜己「あっ、ご飯だ」(伴奏やむ)
斗紋「助かった……」

/場面転換 食堂

○和亀達はウェイター姿で出迎える

王野「いらっしゃいませ」
和亀「いらっしゃいませ」
斗紋「よお」
夜己「めしだ~」
和亀「夜己さん……まさか」
哉乞「ご飯楽しみですね~ね遊気さん」
遊気「おう」

/数十分後

○グラスを叩く音

楼華「ウェイター。」
王野「はい」
和亀「はい。」
楼華「これが黄金のキノコですの?」
王野「左様でございます。」
楼華「ふーん、あたくし、料理の目は肥えてますの。これは誰がどう見ても……シイタケじゃないのよーーーーーーーッ!!! 『カシュカ』!!」

○電撃の音

王野「イギャーーーーーッ!!!」和亀「オガアアァァァーーーーッ!!」
楼華「あたくしを騙そうとした罰ですわ」
和亀「ぐ……王野!! 勝負だ!! どちらがより美味しい料理を作ったか、お互い食べて確認する!! 黄金のキノコなんていうものはなしに、実力で真剣勝負をしよう!!」
王野「ほう……和亀君にしてはいい心がけだ。いいだろう。では、勝ったほうが楼華のキスを貰えることにしよう」
和亀「え」
楼華「え!? ちょ、ちょちょ、直也には良いけど、和亀には嫌よ!!」
王野「どうせ僕が勝つからいいさ。」
和亀「ふふふふ……決まりだな……では1時間後にまた会おう!!」

/場面転換 厨房

和亀「キヒヒヒ……そう言っておいて僕は黄金のキノコを使うというこのブラックプリンスならでわの作戦……ってあ!?」

○間

和亀「な……ない!? ここに置いておいた黄金のキノコが……ない!!」
夜己「ワカメ~」
和亀「おわ!?」
夜己「もっとちょうだい~ゲプッ」
和亀「まさか……そんな……これじゃ勝てるわけ……」
斗紋「そんなことだろうと思ったぜ」

○間

斗紋「こうなりゃ仕方ないだろ。料理くらいできるようになるさ。みんなにできて、お前にだけできないなんてことがあるもんか。」
遊気「そうだ。俺たちがついてる。やろうぜ」
和亀「みんな……うん」

/1時間後

○オーブンの音

和亀「できた!」

○取り出す和亀

斗紋「おっ!! うまそうじゃねーか!!」
哉乞「和亀さん! やればできるんですよ!」
和亀「こんな簡単なことが……なぜ今までできなかったんだろう!」
斗紋「よし、じゃこれを王野に食わせ……」

○王野の悲鳴

和亀たち「!?」

○食堂に行ってみる

楼華「キャハハハハハ!! 楽しいわね~!! 『カシュカ』! 『カシュカ』! 『カシュカ~』!!」

○雷が落ちる音とみんなの悲鳴

夜己「ゴメ~ン、楼華ちゃんに分けてあげたの~」
楼華「和亀~、キスしてあげる~」
和亀「え!? いや……ほ、ほんと……!?」

○楼華、ほっぺにキスをする

楼華「あたしの為に取ってきてくれて……ありがと☆」
和亀「…………」

○和亀失神する

哉乞「あ!! 和亀さんが倒れた!!」
斗紋「和亀には電撃より、こっちの方がしびれたみたいだな。」
遊気「うまい(食べながら)」

<おわり>
さらっと書くつもりが何故かこんなに長くなった……

/場面 教室

ヨシ「今日も新しい先生を紹介します。アンディ先生です」
アンディ「――アンディデス ヨロシク」

/場面転換 食堂

斗紋「なあ、新しく入ってきた先生、なんかおかしくね?」
遊気「しかもこんな時期に……」
哉乞「なんか変です! かちこちで、ロボットみたいです~」
和亀「田中もそういう人だけど?」
夜己「まあ、そういう人もいるんじゃない?」

/エトワ視点

エトワ「……『我は……邪道を……許さぬ……きじょに……何度降りかかろうと、そのよい……』ん? よい……」

○コーヒーをこぼしてしまうエトワ

エトワ「あっ!!!」
和亀「あ……」
エトワ「あっ……あああああごごごごめん!!! 前を見てなかったんだ!! ど……どうしよう……」
和亀「気にしないで。服は替えがあるから」
エトワ「じゃあ、何か別のお詫びをするよ……」
夜己「あら、ほんと? じゃ私はワインを20本……」
斗紋「夜己にじゃねーよ」
和亀「大丈夫だから。上着だけだから脱げばいいし。それより、いっしょにご飯食べない?」

/数分後

哉乞「え~! エトワさんって僕たちと同じクラスだったんですか!?」
エトワ「うん……」
夜己「申し訳ないけど全然知らなかった!!」
エトワ「か、影が薄いからね……。」
斗紋「まあ良いや。こうして仲良くなったことだし、これからもよろしくな!」
エトワ「う、うん、よろしく……。」
夜己「ところで何を読んでたの?」
エトワ「ああ。舞台の台本……」
松長「エトワ君!!」

○間

松長「何してるさぁ!? はやく練習始めないと、明日の出し物に間に合わないさ!!」
エトワ「う、うん……」
和亀「あ……思い出した! エトワくんって、感謝祭の演劇で、主役をやる事になった子だ!」
全員「ええええええええ!!??」

/場面転換 体育館

哉乞「ここが劇場ですかー」
斗紋「ひろー。ヤッホー」

○響いてる

○しばらくヤッホー遊び

斗紋と哉乞「おぉ~」
夜己「何馬鹿な事やってんのよ。練習中なんだから静かにしなさい」
斗紋と哉乞「は~い……」

/視点 舞台

女子生徒「どうか後生で御座います! 行かないでくださいませ!」

○間

○まだ間

楼華「ちょっと!! 何黙りこくってるんですの!? あなたの台詞ですわよっ!!」
エトワ「ごご、ごめんなさい……あの……やっぱり僕には無理ですよ」
男子生徒「今更何言ってんだよ! 役を引き当てた奴はどんな事があろうとそれをやんなくちゃいけないんだぞ!!」
エトワ「だだだって、無理だよ……英雄『シャルル』の役なんて……だって……」
松長「だって何さ?」
エトワ「い……いや……」

/視点変換

和亀「英雄シャルル?」
哉乞「説明しよう! 英雄シャルルとは、今なお現役で活躍中の凄腕の剣士である!! どこから来たのか不明、いつも仮面で顔を隠し、宵闇に紛れて敵をバッサバッサと斬り殺す、別名『月光仮面』!!」(背景に戦争の音)
和亀「月光仮面……。」
夜己「今年の演劇は、そのシャルルの武勇を題材にしたみたいね」

/場面転換

シャルル「私の首は誰にも渡さぬ……この土地もこの体も……全てはソンナの栄光の為にある!! 渡すものか!!」

○シャルルに続いて大勢の兵士が敵に立ち向かっていく音(雄たけび)

/場面転換

哉乞「とまあ本来ならばこのようにめちゃめちゃカッコよくてオイシイ役なのです」
和亀「へ~」
松長「とにかく、もう一度やるさぁ! 私が出てくる場面から……」

○間

○歌う松長

松長「ねえ、そうでしょ?」

○歌う松長

松長「あなたがそう望むのなら……あっ」(空いてた奈落に落ちる松長)
エトワ「あっ、危ない!!」

○エトワが止めようとするが一緒に落ちる

○ぎゃー

夜己「あ!」
和亀「大変だ!!」

○駆け寄るみんな

松長「いたたたた……」
エトワ「いてて……」
松長「なんで奈落が開いてたんさ……? さっきまで上がってたのに……」
エトワ「僕に聞かないで……」
松長「ちょ……ちょっと! 近いさぁ! もっと離れてよ!」
エトワ「む、無茶言わないでよ、狭いんだから……」
和亀「おーい、大丈夫?」
松長「大丈夫ー」
エトワ「大丈夫」

/場面転換 研究室

○アンディ、歩いている

○とあるドアの前で止まって、ドアを開ける

○中には研究用のネオ・レプリッカーが

アンディ「……ミツケタ……同志ヨ……コンナ地下深クに閉ジ込メラレテイタノカ……イマ……開放シテヤル……」

○操作音

○起動音

/場面転換 廊下

○エトワ、アンディがあやしい行動をしているのを見かける

エトワ「あれは……新しく入ってきた……アンディ先生だ! あそこは機械室……? あんな所に何の用が……」

○停電する

エトワ「!?」

○ざわつく学校

○しかし、すぐに点く

アンディ「コレデヨシ。ジュンビハトトノッタ。全テハ明日……フッフッフッフッフ……」
エトワ「……。」

/場面転換 次の日

○祝祭の音

全員「うおーっ!!」
哉乞「今日は感謝祭だーーーー!!! 夜己さんーーーー!! いつもありがとーーーー!!」
夜己「哉乞ーーーー!! いつもいろんな意味でありがとーーーー☆」
和亀「……みんなテンション上がりまくってるね。」
斗紋「ま、そういう日だからな。今日は演劇をはじめ、露店やらゲームやら、いろんな生徒が出し物をやってるから、好きに見て回れるぜ。和亀、どこから行く?」
和亀「どうしよっかなぁ」
男子生徒「さぁさぁ皆さんもうすぐ毎年恒例の舞台演劇が始まるよ!! 今年の演目は『月光仮面シャルル』だよーッ!!」
女子生徒「え~! あのシャルル様の舞台!? 観た~い!!」
女子生徒2「行こ行こ!」

○間

和亀「……エトワ君、心配だなぁ。僕たちも行こうか?」

/場面転換 幕の下りてる舞台

○混雑を極める

斗紋「うわっ、すっごい人じゃねーか」
夜己「これは、普通の人でもアガっちゃいそうね」
哉乞「エトワさん、失神するかもです~」
アナ「皆さん、本日はお集まりいただき、ありがとうございます。これより『月光仮面シャルル』を開演致します」

○ブーッ

○拍手

○間(30秒くらい)

男子生徒「……フロンティア・ダーエ! どこに居る!? フロンティア・ダーエ!」
女子生徒「はい、だんな様」
男子生徒「件の赤子はどうした?」
女子生徒「はい、もうすぐお生まれになります。」

○あかんぼうの声

○2人、歓喜の声

○悲鳴

2人「!?」
乳母「だんな様!! 赤子の顔が……顔が!!」

○音楽

松長「彼の顔は生まれたときからか、そうでないのか、見ることが敵わないほどの形相。生きていくことへの焦燥。いつしか彼の生きがいは、戦うことへと限定されていった。」

○松長歌、盛り上がっていく

○拍手

/場面転換 客席

夜己「そろそろエトワくん出てくるわね!」
哉乞「がんばれー!」

/舞台

○エトワ登場

エトワ「……た」

○間

エトワ「た、たすけを求むるものは」(声裏返る)

○笑い声

エトワ「われの名を叫ぶがよい! さすれば……」

○まっつんの悲鳴

エトワ「!?」
松長「エトワくん!! 助けて!!」

○アンディ、まっつんを捕まえた状態で奈落から登場

エトワ「アンディ先生!? あの、今公演中……」
アンディ「ダマレ!!」

○間

アンディ「ミナノ者、ヨク聞ケ。ワレハ魔王サマヨリ使ワサレシ悪魔デアル!! 今日ヨリ、コノ学校ハワレラ魔王様ノモノトナル!!」

○ざわつく

アンディ「コノ学園ノ地下深クに存在スル研究施設……ソコニハ大量のワレラノ同士が眠ラサレテイル。ワレハソノ眠リヲイマ、解キ放ツ!!」
エトワ「何……だと!?」
アンディ「『オンス・カハトラータ・シュカ……』」

○魔法発動音

松長「ダメっっ!!!」

○アンディに飛び掛かる松長

アンディ「!?」
松長「悪魔だか同志だか知らないけど、この学校は征服させない!!」
アンディ「ジャマダ!!」

○松長を跳ね飛ばすアンディ

○松長、床に突き飛ばされる

アンディ「ギャアギャアトワメクハエダ。殺シテヤロウ。ハァッ!!」

○なんか発せられる

エトワ「危ないッ!!」

○エトワ盾になる

エトワ「ぐはっ!!」

/観客席

夜己「エトワくん!」
哉乞「あっ!」

/舞台

松長「エトワくん!! エトワくん大丈夫!? しっかりして!!」
エトワ「……我は……邪道を……許さぬ……! 貴女に何度降り懸ろうと、その宵魔の首私が、掻き切ってくれる」

○立ち上がるエトワ

エトワ「はァッ!!」
アンディ「餓鬼ガ1人デ立チ向カッテ敵ウモノカ! 英雄シャルルデモナイ限りナ!!」

○剣をかわしていくアンディ

○しかし刺さる(●「あの時わざと急所を外していたのさ」)

○間

アンディ「ナン……ダト……」
エトワ「まぐれじゃない。何故なら、私の名は……王と同じ、シャルルだからだ!」

○剣を抜くエトワ

○よろけながら後退アンディ

アンディ「……グ、マサカ、キサマ……オノレ、覚エテイロ……」

○煙幕が立ち込め、アンディは消える

○間

○間

○歓声

エトワ「あ」
松長「エトワくん!!」

○間

松長「エトワくん、ありがとう!!」

○エトワーッ! カッコイイよーっ!

エトワ「あ、あ、あ、あ、あ、あわ……」
松長「私……好きになっちゃいそうかも」

/観客席

哉乞「イーッ!! 何だと!! まっつんのハートを奪うとは!! エトワこのやろう!! 謀反者だ!!」
男子生徒「裏切り者!!」
男子生徒「非国民!!」
エトワ「ええ!?」

○男子生徒がエトワをリンチにしようと流れ込んでくる

エトワ「うわ~っ! た、助けて! 和亀く~ん!」
和亀「嬉しい悲鳴ってやつだね」
松長「テヘッ☆」

<つづく>

/場面 マジコンドー部

遊気「みんな。」

○間

遊気「今日から新入部員となった、村上エトワ君だ。」
エトワ「み、みなさん、宜しくお願いします。今は弱いけど、頑張ります」

/場面転換 文芸部

哉乞「夜己さぁ~ん!! 新刊の表紙できましたか!?」
夜己「待って! 今描いてるとこ! これは……コミケで旋風を巻き起こすわよ!!」

/場面転換 バル

○斗紋がステージで歌いながら給仕している

斗紋「マドモワゼル、どうぞ召し上がれ」
女子生徒「きゃ~ん!! 斗紋君かっこいい~!」

/場面転換 グラウンド

○サッカーの音

○蹴る音と笛の音

松長「やったー!!」
女子生徒「いやーん!! まっつんグッジョブ!!」
男子生徒「まっつーん!! 愛してるー!!」
男子生徒2「結婚してくれー!」

/場面転換 和亀

和亀「あの……楼華さん」
楼華「何ですの?」
和亀「これ……前に見つけた宝石で作ったんだ。君にどうかな」
楼華「まぁ。イヤリングですの? 可愛い。まっまああなたがどうしてもって言うなら、貰ってあげてもよくってよ!」
和亀「へへ……」

/場面転換 噴水のところ

女子生徒「あっ、ジャック先生、お早うございます」
ジャック「おはよう」
女子生徒「ジャズミン先生おはようございます」
ジャズミン「はいおはよう」

○間

ジャズミン「平和ね……。この平和がいつまでも続けば良いのだけど。」
ジャック「戦争が終わったからとて、安心はできない。この学園の外では、飢えや貧困に苦しんでいる者が沢山いるのだ。私は彼らを助けなければならない」
ジャズミン「あらあら、すっかり王様っぽいこと言っちゃって……私は子供が欲しいわ。この学園の生徒のように、頭がよくて、元気で、強い子が……」
ジャック「子供……」

○学園長がやって来る

ジャック「……学園長先生? どうかなされたのですか?」
ヨシ「…………。」
ジャック「先生?」
ジャズミン「あなた、様子がおかしいわ。」
ヨシ「…………コノガクエンは……スデに……ワレラノ手中に収まッタ……喘ぎ苦しむが良い……今までの幸福ぶん……苦しみヲ噛み締めるガ良い……」
ジャック「……まさか……!」

○ジャック駆け出す

ジャズミン「あなた!? どこへ行くの!?」

/場面転換 ジャングル

○掻き分けている

ジャック「なっ……」

○研究所のバラック建物は魔法陣で埋め尽くされ、異様なオーラを放っている

○ジャズミン追いつく

ジャズミン「これは……研究所の中から、邪悪なものを感じます!」
ジャック「しまった……眠らされていたレプリッカー達が再生したのだ……ジャズミン、私はこれから中に入って様子をさぐる。お前は……」

○リスナーには何の音か分からない物音

ジャック「何!? 何だって!?」

○ジャックの叫び声

/場面転換 学園内

○みんな、そぞろ歩きをしている

夜己「あ、おはよ……」

○無視して歩いていく(ブツブツ喋っていてもよい)

夜己「……?」
和亀「あ、夜己さん、おはよう」
夜己「おはよう和亀。ねえなんか、学校の様子がおかしくない?」
和亀「え、そう?」
楼華「おはようございますわ」
夜己「おはよう楼華ちゃん」
楼華「ねえ、朝から直也の様子がおかしいんですの。何か病気にかかってしまったのかしら……」
斗紋「俺の知り合いもなんだかおかしいぜ」
遊気「みんな、何か、魂が抜けたような感じだ」
和亀「とにかく王野くんの様子を見に行ってみようよ」

/場面転換 王野の部屋

○王野がヨダレを垂らしてボケェとしている

楼華「直也、みんなを連れてきましたわよ。……直也、ちょっと直也ってば」(王野の反応はもうアドリブで宜しくお願いします☆)
和亀「これがあの王野くんとは思えないな……」
斗紋「一体何なんだ? こいつらも俺たちと同じマギナなのか?」

○王野の耳から触手が伸びてくる

夜己「これはマギナの症状じゃないわよ!」
斗紋「じゃあ一体何だって言うんだよ?」
夜己「それは……」

○楼華の悲鳴

全員「!?」

○楼華、触手に首を絞められている

夜己「な、何!?」
和亀「王野君から謎の触手が……」
村上(掛けてきて)「そいつは王野君じゃない!」
全員「え!?」
村上「はやく!! でないと楼華さんもレプリッカーにさせられてしまう!!」

○楼華の耳に触手が入り込もうとしている

○和亀が手近な剣で触手を切断する

○楼華ゲホゲホとむせながら落ちる

村上「ここから逃げるんだ、早く!」
夜己「え、でも王野君は……」
村上「そいつはもう王野君じゃない! 悪魔に洗脳されてしまった、レプリッカーだ!!」

○駆け足

和亀「エトワくん、レプリッカーって何!?」
エトワ「レプリッカーとは、魔王の作り出した悪魔によって洗脳されてしまった人間たちのことだ。彼らはああやって人間を洗脳し、領土を広げているんだ」
夜己「へえ、詳しいのね」

○行く手にジャック登場

夜己「あっ、ジャック先生! 先生! 聞いて下さい、みんなが……」

○ジャック、夜己の首を絞める

夜己「はぐっ……」
楼華「夜己ちゃん!!」
和亀「ハァッ!!」

○剣で切る和亀

○ジャック、弓を抜いて近づいてくる

和亀「みんな、ここは任せて逃げるんだ!」
斗紋「逃げるってどこに!?」
和亀「あ……えと……」
遊気「隠れ家だ、あそこがいい」

/場面転換 マジコンドー部 部室

○ドアを閉める

哉乞「あっ、皆さん!」
ファンファン「みんな!」

○みんな、息上がってる

夜己「ジャズミン先生」
ジャズミン「皆さんご無事で何よりだわ……」
ファンファン「何がおきてるの?」
斗紋「それが……」

○和亀入ってくる

和亀「駄目だ。ぜんぜん歯が立たないんで逃げてきた」
哉乞「逃げ足だけは世界一ですもんね~」
斗紋「そんな事言ってる場合じゃないぜ。一体何かどうなって……」

○ドアを蹴破る音

全員「!?」
和亀「ジャック先生!! うぐあっ!?」

○和亀、触手によって壁に張り付けられる

全員「和亀!!」

○ジャックが近づいてくる足音

和亀「うぐ……」
エトワ「このっ……」

○エトワが襲い掛かるがあしらわれる

エトワ「うぐあっ」
夜己「エトワくん!」

○弓のしなる音

和亀「先生!!」

○間

和亀「息子がいたんじゃないのか!! このまま再会せずに、なすすべも無く洗脳されてしまっていいのかッ!?」
ジャック「…………に、げろ……」
ジャズミン「!?」
ジャック「逃げろ和亀!!」

○弓を放つ音

ジャズミン「ぐはぁっ!!!」
夜己「ジャズミン先生!!」
ジャズミン「……ぐ……洗脳が緩むとは……サスガダ、ジャック・スリッパー……侮っていたようだな」
ファンファン「こいつ……」

○瓶が投げられる音

夜己「これは!?」
ジャック「この小瓶に、マギナの魂を4つ入れるのだ。今、再びお前達に命じる。マギナへ行き、本当の王の世継ぎと、本物の剣を探してくるのだ!!」
夜己「そんな……」
ジャック「地下に……封印されし扉がある。遠回りになるが、そこからマギナへ行ける。」
斗紋「でも……」
ジャック「時間がない! 早く行け!!」

○間

○みんな走る

ジャズミン「うふふふ……やっと気付いたか……自分が虚構の王である事に……」
ジャック「……情け無用!!」

○斬る

ジャズミン「アタシを倒したところで……この学園はもう……元には戻らない……そして本物の剣の在り処は謎のまま……アハハハハ……キャハハハハハハハ!!!」

○ジャズミン溶ける

/場面転換 研究所内

○レプリッカーたちがうようよしているのでそれを全員で倒しながら進んでいる

楼華「どこ!? 扉はどこなのよ!?」
夜己「遊気、あなた自分の縄張りでしょ!? 分からないの!?」
遊気「こっちの方はあまり来ないから分からん!!」
哉乞「じゃあカンで案内して下さい!」
遊気「カンか。こっちだ!!」

○結構長い足音

○扉発見

和亀「あっ!」

○ドア、開かない

和亀「ツタにおおわれていて、取れない」

○エトワがツタを払う

○ドア開かない

エトワ「鍵が掛かっているんだ。鍵がなきゃ開かないよ!」
夜己「何ですって……!?」

○レプリッカーたちが襲ってくる

斗紋「もう逃げ場はねぇぞ!!」
楼華「いやーー!! もう駄目!! 助けてーーー!!」
レプリッカー「キシャアアアーーッ!」
和亀「鍵……あっそうだ」

○間

和亀「前落ちてたのを……」

○回すと開いた

全員「開いたッ!!」
斗紋「急げ!!」

○ドアの向こうは白い光に包まれている。

チョップ「わん!」

○チョップも入る

○扉閉まる

/場面転換 光の中

和亀「ここは……」
夜己「マギナじゃないわ……どこ、ここは?」
哉乞「真っ白で、よく分からないです……」
エトワ「僕もここは知らないな……」
楼華「あっ、何か書いてありますわ!」

○駆け寄る

エトワ「……ゴーキューコロンニーヨン、ドットダブルオー……古代文字で数字が書いてある」
夜己「59:24.00? 何の数字?」
哉乞「座標じゃないですか? 59は北緯、西経は自転により自動計算、24.00は自転を24分割したときの24時間前という意味で……昔先人達が作ったタイム・マシンの本に同じ記述が……」
全員「タイム・マシン!?」

○ダイヤルを回す音

哉乞「ここで数字が変えられるみたいです。」
夜己「タイムスリップなんてされても困るわ。現代のマギナに行きたいのよ私たちは」
斗紋「哉乞、何とかしろ!」

○いろいろやっている哉乞

哉乞「え~そんなこと言われても、法則性が分かりませんよぉ~はい適当に入れました! どこに飛ばされるかは神のみぞ知るです! 行きますよ!!」
夜己「え!?」
斗紋「今か!?」
和亀「心の準備が……」
哉乞「発動!!」

○魔法発動音

○飛ばされる和亀達。

<つづく>

やぁおはよう12話は捨て駒だ

え、いや・・・・・・・・何

/場面 城下町ワカメポリス

○街はまだ魔王の支配が及んでいないためか、賑やかで平和であった。

○チョップは1匹でその街を歩いている

別の犬「やっ、おい見ろ。見かけない犬だな」
別の犬2「お前、名を名乗れ」
チョップ「わん」
別の犬「なんだ、喋れないのか?」
別の犬2「この街の犬じゃないな。おい、ここは俺たちの縄張りだ! さっさと出て行け!」
チョップ「わん!」
別の犬「おい、こいつ、人間の匂いがするぞ」
別の犬2「お前、実は人間だな! 呪いの力で犬に変えられてしまったんだ、だから喋ることさえできないのさ」
チョップ「わん!!」
別の犬「行こうぜ。こんな奴にかまってらんないぜ」
別の犬2「せいぜい呪いを解いてくれる奴を見つけるんだな!」

/場面転換 雨

○雨の音

チョップ「クゥーン……」

○チョップのお腹が鳴る

○雨の中の街、1分ほど

○足音

サツキ「あらあら、可愛いワンちゃん。どうしたの?」

○間

サツキ「こんなに濡れて……可哀相に。うちへいらっしゃいな。」

/場面転換 サツキの家

いや展開早い早いちょとまてここにですね、如月=王の侍女であったという伏線でも入れようかと思うねんですよ

それを今の今まで考えておらなんだ

なんかシンデレラみたいなすっごくひどい生活をしていると、いいよね!!

○ドアの音

サツキ「お母様、ただいま帰りました。」
継母「おやおや、なんだいその汚い雑巾は? 早いとこ捨ててきな!」
サツキ「道でびしょぬれになっていたのです。野良犬だと思いますが、せめて暖かい所に入れてあげたくて……」
継母「捨・て・て・き・な!」

○ドアの音

サツキ「ゴメンね、そうだ、名前を付けてあげなくっちゃ。●」

とりあえず、ここに隠れていてね。いま、ミルクとご飯を持ってきてあげる。

音楽でチョップの気持ちを是非表現させてあげてください。もういっそチョップが歌ってもいいや(はっ!?)

○皿を割るような音

継母「このクソ娘が! 皿洗い1つ満足に出来ないのかいッ!!」
サツキ「す……すみません……。」

しかも今の今更だけどこの人もともと和亀の城で女中をしていたドジっ子メイドとかにしたほうがいいよね。
和亀いなくなっちゃったんで別のところで働いてる? 実家に戻っている?

「ひどい仕打ち」がなかなかちゃんと書けない……。言葉の暴力を書きたいんだけど語彙がなくて書けない(笑)

こんどシンデレラを片っ端から研究させてもらいます。

アンデルセンとかもいいかもしんない。

○しくしくと泣いているサツキ

○チョップ、彼女の手を舐める

サツキ「慰めてくれているの? ありがとう。お前は優しいね。」

○抱きしめる

サツキ「あったかい……あの人みたいだわ……」

○門の音

サツキ「! お母様が出かけるみたい! 今だわ、さあ入って!」

いや風呂のシーン入れなくていいし!!!!(笑)

サツキに恋人かなんか居てその人にさえも裏切られるとか・・・・? ややこしいか

あっ思い出した、だれか病気になるんだった。

サツキ家出を決心するが、直後継母が病気になったことを知り舞い戻る

それでもお母さんだから……

しかし継母は病気が治ったとたん犬のことや家出をしようとしたことなどに怒り今までよりもひどい仕打ちをする

怒ったチョップが継母に牙を向いたことで捕まって殺されかけてしまう

しかしそこでサツキが何かをすることによって魔法が解ける

犬とキスするの難しいぞ……なんか別のでもいい 言葉とか

まあお腹あたりにキスだったらいけるかな


○魔法の音!! どう考えても美女と野獣

○チョップは実は田中だった

田中「はあ、やっと戻れた……。」
サツキ「たっ……田中さん……!?!?」
田中「サツキ、ありがとう。あなたのお陰で、無事人間に戻ることができました」
サツキ「じ……じゃあ……私は今まで、田中さんと……あんなことやこんなことを……」
田中「……?」
サツキ「きゃああああああっ」

○立ち上がるサツキ

田中「?」
サツキ「バカーーーッ!!」
田中「おがぁーーーーっ!?!?」

○突き飛ばされる田中

○サツキ、どっかへ行く

田中「ちょ……」

○間

田中「仕方がありませんね。まずは職を探しましょう。何たって私は敏腕執事なのです」

<つづく>

○追走曲(最後とループするように始める)

●ヅラくん⇒ここにレミさんっぽいナレーション入れてあげて

/場面 羽華目暦1932年 哉乞の故郷の近く

○魔法の音

○哉乞吐き出される

哉乞「ぎゃふん」

○間

哉乞「イデデデ……ここはドコですか……そしていつですか……皆さ……あれ!? みんなは!?!?」

○間

哉乞「しまった、離れ離れになってしまったみたいですね。と言う事はつまり……今回はボクが主役……」

○哉乞の喜びの表現(途中でぶち切る)

/場面転換 道

○歩く音

哉乞「み……み……ず……」

○歩く音

哉乞「疲れた……喉渇いた……暑い……お腹すいた……街はどこだ……あ! あった!」

○駆け足~

/場面転換 とある村『ブルー・フォレスト』

哉乞「ってあれ!?」

○空っ風

哉乞「誰もいない……ゴーストタウンです!!」

○遠くから少女の泣き声が

○哉乞の足音と共に声大きくなっていく

ヤコ「ふぇ~っえっえっ……」
哉乞「こんにちは」

○間

哉乞「どうしたんですか?」
ヤコ「…………」

○立ち上がってどっか行ってしまう

哉乞「あれっ!? ちょ……」

○間

/場面転換 オルゴール職人の工房

○がちゃがちゃとしたオルゴールの音

○ヤコ、入ってくる

白い髪の男「ヤコか」
ヤコ「少年が一人」
白い髪の男「連れて来なさい」

/場面転換 街

○哉乞、歩いている

哉乞「あの子、夜己さんにそっくりだったな。こんな暑いところにいるのに、真っ青だったし……」

○ちょっとがやがやした音

哉乞「? なにか聞こえる。この階段の下からだ」

/場面転換 『嘆きの洞窟』

○ドアの音

○オルゴール職人の作ったオルゴールたちが楽器を鳴らしている

哉乞「おおっ!?」
人形1「いらっしゃいませ。ご注文はお決まりでしょうか」
哉乞「あっ! えと、じゃポポエイリエスの……じゃなくて、なんかお薦めを下さい」
人形!「かしこまりました」

○席に座る哉乞

哉乞「こんにちは」
ボッコ「あたしボッコちゃん」
哉乞「素敵なお店ですね」
ボッコ「そうね」
哉乞「きれいな服ですね」
ボッコ「きれいな服でしょ」
哉乞「なにが好きですか?」
ボッコ「なにが好きかしら」
哉乞「ジンフィーズなんてどうです」
ボッコ「ジンフィーズ飲むわ」

○ジンフィーズを飲む2人

哉乞「あっしまった! 僕お金持ってないんだった!」
人形1「困りますね、お客さん。もう飲んでしまわれましたか」
哉乞「えーーーと、スミマセン……」
人形1「では、仕方ありませんね。」

○店の奥について来るよう促す店員

○カーテンを開けると、ズラッと衣装が並んでいる

人形1「ここで働いて返して頂きましょう」

/シーン 哉乞のステージ

○哉乞が舞台で歌ったり踊ったりします。このように、13~16話では各話につき1人ピンアップで歌を1曲フルコーラス歌ってもらいます。

○歓声

ロボット「下手クソだー」
ロボット2「いいぞいいぞー」
ロボット3「ヒュー」

(↑もっとたくさんいろいろなガヤ)

/シーン 哉乞のステージを、歌詞を微妙に変えながら連続してモンタージュ

どのように変えるかと言うと、来る日も来る日も……みたいな形にして、カノン形式のモンタージュにしていく

/場面 ある日

○ドアの音

店員1「いらっしゃい。おや……ヤコじゃないか」
ヤコ「少年を返して」
店員1「あっはっはっ……彼はもう、すでに僕たちの仲間さ。」
ヤコ「パパの魔力がなきゃ生きていけない、でくの坊のくせに」

○歩いていこうとするヤコを人形達が止める

店員1「私たちはお前のパパによって作られた。望んでもいない生を受け、その上でく呼ばわりをされるとは、もう我慢がならない。ボッコ、あれをおくれ」
ボッコ「はい」
ヤコ「いや、やめて!」

○ヤコの悲鳴

○哉乞出てくる

○ヤコの血のドットが続いている

哉乞「血……?」

/場面転換 オルゴール職人の家

○ドアの音

○オルゴールのがちゃがちゃとした音

白い髪の男「来たね……」
哉乞「やっと人間に出会えました。あの女の子はどこですか? ここはどこなんですか? そしていつですか?」
白い髪の男「ここは羽華目暦1932年の『ブルー・フォレスト』」
哉乞「『ブルー・フォレスト』? ここのどこが森なんですか?」
白い髪の男「ふふふふ……ナンセンスな質問をしないでくれたまえ、哉乞君。」
哉乞「え……どうして僕の名前を……。」
ヤコ「錬金術とは、他の物質から他の物質を作る技のこと。」
哉乞「えっ?」
ヤコ「こっちよ」

○男は工房の中へと案内を始める。

○足音

○赤ちゃんの鳴き声

哉乞「これは……」
白い髪の男「君だ、哉乞君」
哉乞「え……!?」
ヤコ「ここはあなたの生まれ故郷……そして生まれた家」
哉乞「馬鹿な」
白い髪の男「信じられないか? ならば私はこの赤子を殺そう。するとお前はこの世から消える」
哉乞「信じるよ」
ヤコ「あなたがこの家にやって来る事は分かっていた。何故なら……」

○玄関のほうが騒がしい

/場面転換 ロボット達が反乱を起こしている

白い髪の男「私の作った失敗作たちが、いよいよおかしくなったようだ」
人形「殺す」
人形2「殺す」
人形3「殺す」
人形4「殺さ」
人形5「殺し」
人形6「殺す」
人形7「殺す」
人形8「殺せ」
人形9「殺せよ」
人形10「上二段活用」

○武器は不明ですが、楽器を振り回すとかでいいんじゃないですか? 破壊している音

○赤ちゃんに剣がふりかざされる

哉乞「あっ、体が……」(ゆらぐ音)
白い髪の男「うぐっ……」(ゆらぐ音)
哉乞「えっ……!? あなた、まさか……」
白い髪の男「哉乞! タイムマシンにこの子を連れて行け!」
哉乞「え!?」
白い髪の男「過去へ……」
哉乞「そ……そっか……そういう事だったのか」
ヤコ「こっちよ」

○哉乞とヤコが出て行く

○ドアが蹴破られる

○銃の装填音

白い髪の男「子供達よ。これで仕舞いだ」

○安全装置を外す音

白い髪の男「今、行きますね……夜己さん」(「夜己」はかき消されて聞こえない)

○銃の音

/場面転換 吹雪(昔のブルーフォレスト)

○ヤコ、立てひざをつく

哉乞「!?」
ヤコ「……パパ……」
哉乞「ヤコ?」
ヤコ「死んだわ。パパの魔力で動いている私も死ぬ」
哉乞「そんな……!」

/場面転換 小屋

ヤコ「赤ちゃんは……」
哉乞「わかった、分かったからもう喋らないで」

○小瓶に魂が収集される音

哉乞「あっ」
ジャック(回想)「この小瓶に、マギナの魂を4つ入れるのだ。今、再びお前達に命じる。マギナへ行き、本当の王の世継ぎと、本物の剣を探してくるのだ!!」
哉乞「そうだ、僕は……」
ヤコ「泣かないで、ピエロさん……せっかくのおかしな顔が……台無しだから……」

○死ぬヤコ

哉乞「おやすみヤコ。可愛い赤ちゃん」

○ドア閉める音とともに赤ちゃんの鳴き声やむ

○追走曲(冒頭とループするように止める)

●ヅラくん⇒ここにレミさんっぽいナレーション入れてあげて

<つづく>

/場面 塹壕の中

○気がつく斗紋

斗紋「う……イテテテテ……ここはどこだ……みんな……」
楼華「はぁ~もう何なんですの、ここはどこなんですの?」
斗紋「堀の中みたいだけど……」

○大砲の弾の爆発音

○2人の悲鳴

○爆発音続く

斗紋「わーーーー!!! なんだなんだここは!?」
楼華「戦争ですわ!! あたくし達戦争の前線に飛ばされてしまったんですわーーーー」
斗紋「クソーーーなんでよりによってそんなとこにーーーー」

楼華が捕まる

連れ戻すために戦争を終わらせるという話

しかも斗紋の歌シーンを何にしようか
戦いの歌でよいでしょうか(本当はBeMyGuestみたいなのにしようと思っていたんだけどゴメン)

高貴な戦争なんか……ありゃしねえんだよッ!!!!!!



戦争をしている動機は何にしよう。

王政か領主の統制に応じない人への軋轢……



斗紋「俺の親父は……戦争で死んだんだ。」

斗紋「『高貴な戦争だ』っつってな……」

同じように哉乞が最後に現れて連れて行っておわり









あとカヤに任せる(本人が書けッ!!)








/場面 武道館

○ヘリコプターの音

アナ「私は今、地球最大のイベント『夜己のスターギャラクシーツアー』に来ております! すごい人です!! ニューヨーク中の人が詰め掛けているのではないかという程です!」

○歓声

○照明落ちる

○悲鳴にも似た歓声

○前奏

夜己「……お願い。」

○歌始まる

/場面転換 終わり

夜己「みんなーーーーーー!! 今日はありがとーーーーー!! 地球さいこーーーーーーー!!」

/場面転換

スマン ムリかもしれん

夜己さんって一番よく書くのに一番人格がよく分からない……

本音が見えてこない……

太郎「馬鹿者!! 歌とはそもそも、祈りの為にあるのだ!! 人に聞かせるためにあるのではないッ!!」
夜己「で、でも……」


(はい後は補間してー)


夜己「私の父はムーシャだったらしいの。」



ちなみに潤もアイドルです



潤「今夜、僕と一緒に過ごして頂けませんか?」

/場面転換 潤の家

○ベルの音

○ドアの音

潤「お待ちし……わっ」
夜己「な、何よ」
潤「い、いえ……いつも、泥まみれの服ばかり着ていらっしゃるので……そういう服もお持ちだったのかと」
夜己「何ですとーーー!?」

○耳を……ってこれじゃ哉乞だ

すみませんもっとちゃんと……

夜己「もう食べられにゃい~」
潤「やれやれ……」

○夜己、勝手に寝る

潤「あっそこ、僕のベッド……」

○夜己の寝息

潤「……」

/場面転換 さらに夜更け

○潤、ワイングラス片手に窓際で星を見ている

○夜己は寝ている

潤「……夜己さん。そろそろ起きないと、朝になっちゃいますよ」
夜己「ん~…………。」

○手が潤に当たる

潤「…………。」

○手を握る潤

潤「夜己さん」

○寝返りを打つ夜己

夜己「何よ……んっ……」

ジュエペたち「あっ!!」
ジュエペたち「ひゃああぁあ~」
ジュエペたち「おきて! 起きて夜己ちゃん!!」

アルト君みたいなキャラでもよかったなあ。

まあ、サービスサービス

マコサンが珍しく真面目に色気のあるものを書こうと……書けてる!?

夜己「ん……誰……潤くん!?」
潤「起きましたか」
夜己「あ……あ、あ、ゴメンなさい。私勝手に寝てたのね。今何時? もう帰らなくちゃ!」

○あわてて準備する夜己

夜己「今日はありがとう。料理とっても美味しかったわ!」
潤「いえ、僕の方こそ、夜己さんと過ごせて幸せでした。本当はもっと居たかったけど……」
夜己「じゃあね!」

/場面転換 外(海岸)

○ヒールの音

ジュエペ「夜己ちゃん! アナタあの子に気を許しすぎよッ!」
夜己「え?」
ジュエペ2「カレ、寝てる間にアナタにキスしてたでしゅ!」
夜己「えええええッ!?!?」

もっと上手く書ける人代わりに書いて・・・・・

帰宅するとおじいさん死んでる

又は訃報・・・・・

/場面転換 夜己の家の前

グレイス「夜己ちゃん! どこ行ってたの!?」
夜己「え?」
グレイス「夜己ちゃん、よく聞いて。さっき、太郎さんが……亡くなったわ」
夜己「えッ!!??」

/場面転換 太郎の家

○激しくドアを開ける音とバタバタとした足音

夜己「爺さん!!」

○本当に屍

○間

○古時計はまだ鳴っている

グレイス「……夜己」
夜己「一人にして……」

○間

○ドアの音

○夜己の歌フルコーラス(と共に時計止まる)

夜己「あなたと会えたことで、お父さんに会えたみたいだったわ。ありがとう、爺さん」

○小瓶に魂が収集される音

亡霊「夜……己……」
夜己「えっ……?」

○間

○魔法の音

○タイムマシン登場!!

○ドアの音

哉乞「夜己さん!!」
夜己「哉乞!!! 来てくれたのねッ!!」
哉乞「さあ、行きましょう! 僕たちのいた世界に!」

○ドアの音

潤「夜己!」
夜己「潤……」
潤「お爺さんが亡くなったと聞いて……君は……」
夜己「潤……ゴメンね。その時が来たみたい。あなたとの思い出は、決して忘れないわ」
潤「そんな……行かないでくれ!」
夜己「私には行くべきところがあるの。じゃあね……」

○魔法の音

潤「夜己ーーーーーーーッ」

/場面転換 タイムマシンの中

哉乞「なんだか、かぐや姫みたいですね」
夜己「え?」
哉乞「じゃ、月に帰りましょ~ッ」

○魔法の音

<つづく>

古文書が2つあってハズル





なんだこの唐突な虚無感……

僕って何でDRIVE書いてんだろ……

こんなの書いてもどうせ……ボイスドラマにもならなきゃ……誰か読んでくれる事もないのに……

それでも僕には……書くことしかできない……

書くという行為しか……この世に僕が出来ることは、ないんだよ。

あまあ歌は歌うけど。

/場面 絶海の孤島『プロスペロー』

○さざ波

遊気「………………………。」

○遠くからお婆さんが歩いてくる

遊気「……………………………………。」
テンペ「時は満ちた。ついに現れたか……彼らの子が…………」

今更だけどシェイクスピアとかRevoとかのあの何て言うのでしょうストーリーと何ら関係ない装飾的な言葉の数々?
エミリーロッダもホントに舐めるように読むと物凄い細かい描写がなされていて本当にね、小説って文字だけなんだから簡単じゃんとか思わないほうがいいよね(シェイクスピア小説じゃないけど)漫画のほうがずっとラクだと思ったわマジでRevoなんか曲まで書いてもう何なんだって
いやだから僕もそういう意味不明で綺麗で装飾的な言葉紡げたらいいなあってちょっと思ったけど僕には絵があるから別にいいやという流れでした。ちゃんちゃんっ☆ミ

/場面転換 遊気の夢の中

○これより『遊気の記憶の中にある音階』を『Aimo』と仮定する。Aimoの鉄琴音

○雫が落ちる音

遊気「…………………懐かしい香りがする。」

○さざなみ

遊気「……潮風の……」
遊気の母「……………遊気………」

○遊気、はっと目覚める

/場面転換 ガラスの宮殿

遊気「…………………」
テンペ「起きたかえ」

○テンペがスープを持ってやって来る

テンペ「お食べ」
遊気「……………どうも……。」

○間

○遊気、テンペの部屋にある様々なものを見回す

テンペ「ここは絶海の孤島プロスペロー。そしてここは、私の作ったガラスの宮殿。お前が何故、今、この場所に来たか。その答えを話す前に…………」

○宮殿内にレプリッカー達が突入してくる

遊気「あれは、レプリッカー!?」
テンペ「行け、この城を守るのじゃ!」
遊気「一体……何なんだ!」

○遊気『マジコンドー』で敵を倒していく

遊気「キリがねぇ! 婆さん! 見た感じ魔女っぽいが、魔法使って蹴散らしたりしねーのか!?」
テンペ「そうしたいのは山々じゃが……」

○レプリッカーの『火ぶくれ弾』をくらうテンペ

○テンペの悲鳴

遊気「婆さんッ!! 畜生! 『●●●●●●●●●●●(なんか長い技名)』!!!」

○レプリッカー一掃する

遊気「マジコンドの奥義だ。」

○近づいて

遊気「婆さん、大丈夫か?」
テンペ「………………………………」
遊気「婆さん」
テンペ「…………………………」
遊気「婆さん」
テンペ「…………………………よ」
遊気「え?」
テンペ「ジャック……スリッパーと……名乗るがよい………」
遊気「????」
テンペ「う………」
●もっと台詞書く
○目を覚ますテンペ

テンペ「何者じゃ!!」
遊気「何者って……俺だよ、婆さん」
テンペ「いつの間に私の住居に入った!! おのれ邪悪なネオ・レプリッカーめ!!」
遊気「何だと!? ぐおっ!!」

○婆さんの杖で首を押される

遊気「…・・・婆さん……記憶喪失か……!?」

遊気「婆さん! 俺は人間だ! ネオレプリッカーじゃない!!」

テンペ「ならば……わたしの下で働け。助手として……この世界最高の魔女の下で働けることを幸せに思うがいい」

かつて2人の夫婦が、この海の嵐で命を失った。彼らはこの島で、ワカメ王国の天文方として働く天文学者であった。

遊気はカナヅチ

遊気「魔法? ありゃただの水じゃないか。」

遊気「あの婆さん、きっと何かの理由で魔法が使えなくなっちまったんだ。でも自分自身はまだ魔法使いだと信じきってる……」

○遊気、本を発見する

遊気「?」

○めくる音

テンペ「ならぬ!!」

○奪い取る

テンペ「これは、お前ごときが読んでいいものではない。」


勇者族の話


・ここは遊気の生まれ故郷で、テンペは遊気の両親に頼まれてこの島で遊気を育てることにした。しかしジャックスリッパーがやって来て、彼女は彼の記憶を奪いソンナに飛ばし、そのときに遊気を連れていかせた。

「ここに丁度良い少年が居る。きっと強い少年に育つであろう。お前を守る盾となり、また、お前の記憶を戻す手助けもするであろう」
「今しばらくは身を潜めておるが良い。きっと今にお前の時代となる。その時になれば……私がまた力を貸してやろうぞ」



遊気「じゃあ、あんたが『三世界の勇者』を殺した張本人なのか……!?!?」

狂っていくばあさん

海に飛び込む遊気

あの星の名を知ってる……?

遊気


遊気に手を伸ばしたのは斗紋

ぶはっ

行くぞ遊気

テンペもついて行く




<つづく>

/ガタゴトという木馬の音

和亀<僕たちは、ワカメキャッスルに侵入するため、木馬の中に身を隠して進んでいた。>

松長「ちょっと! もう少しスペースを空けてさあ!?」
エトワ「せ、狭いんだからしょうがないでしょ」
ジャック「静かにしろ。レプリッカーたちにばれてしまうぞ」

○フィリがエトワの服の中から出てくる

フィリ「きゅー」
エトワ「あ、ちょ……」
松長「何さあ、その生き物!?」
和亀「可愛いねえ」
フィリ「きゅん」
松長「ほんとだ、可愛いー」
エトワ「さっき拾ったんだ。良かったらあげるよ……」
松長「ほんと!? わーいっ」

/場面転換 4人

哉乞「せ~んろはつづく~よ~ど~こま~で~も~」
斗紋「分かったからもうその歌やめろって」
遊気「(哉乞に合わせて口笛を吹いている)」
斗紋「遊気もやけに上機嫌だな……」
哉乞「テンペさん、この時代に和亀さんたちが飛ばされたことは、本当なんですか?」
テンペ「間違いない。」
楼華「でも、どこに居るのか分からないんじゃあねえ」
夜己「あ、みんなちょっと見て!」

○かけ足

夜己「これ、和亀のマフラーじゃない?」
哉乞「ああ~!! そうです! 和亀さんのマフラーです~!!」
斗紋「ってことは……近くに和亀が居たんだな」
楼華「まさか……レプリッカーに襲われたってことは……」

○間

夜己「大丈夫よ。この道を進めばきっと和亀に出会える。行きましょう!」

/場面転換 和亀達

ジャック「よし、この辺で休憩しよう」

○木馬から降りるみんな

和亀「あ~疲れた」
ジャック「こら、あまり大声を出すんじゃない。レプリッカーに見つかったらどうする」
和亀「ところでここは……」
松長「うわ~きれいな湖!」

○駆けていく松長

松長「水浴びした~い」
ファンファン「そうね。この所大変なこと続きで体中汚れちゃったし」
和亀「はぁ……めんどくさいなぁ」
ジャック「まあ……少しくらいなら良いだろう。静かにだぞ」
松長「は~い」

エトワの過去ここでやったらあまりに後過ぎ?

僕の両親は、1年前にレプリッカーによって連れ去られてしまったんだ

まあ、エトワの過去でなくてもいい。なんか会話して……

○松長の悲鳴

2人「!!?」
エトワ「瑞穂!!」

○素早く向かう   (メモ:8/176:14のツイート)

○和亀が向かうと、瑞穂が倒れている

和亀「松長さん……どうしたんだ!?」
エトワ「分からない……」
ジャック「どうした!?」
エトワ「松長さんが動かないんだ」
ジャック「何だと……!?」

○松長の脈を取る

ジャック「……まずい、この湖には、毒をもった生物が生息していたようだ」
エトワと和亀「何だって!?」
ジャック「急いで解毒剤を処方しないと、彼女は死んでしまう」
ファンファン「ごめん……私が見ていたのに……」

○雨が降ってくる

和亀「雨だ!」
ジャック「木馬じゃ駄目だ。もっとちゃんとした場所に寝かせてやらねば……」
和亀「じゃあ、僕の城しかない。この近くにあるのは僕の城以外にないよ。あそこならいくらかのものはあるし、薬もある。レプリッカーたちに占拠されているかどうかは……賭けだ」
ジャック「私が様子を見てこよう」

○ジャックが烏のようなものを召還して飛ばす

松長「……う……」
エトワ「松長さん……死なないで……」
松長「……エトワ……くん……やっぱり……か……」
和亀「何? 聞こえないよ」
エトワ「何も言わなくていいから」
ジャック「お前達。安心しろ。城にはレプリッカーは居ないようだ」

/場面転換 和亀城

○ドアの音

○松長を運び込む和亀たち

和亀「うわ……すごい埃だ」
ファンファン「幽霊が出てきそうだな」

/場面転換 部屋

○寝かせ終わった

和亀「あとは薬だ。」
エトワ「和亀くん、早く! 薬の場所を教えて!」
和亀「わ、分かった。ついて来て!」

○出て行く2人

○ジャックは、ファンファンを疑いの眼差しで見つめている

和亀<それから僕たちは、来る日も来る日も松長さんの看病をした。エトワくんの必死の看病もむなしく、彼女の容態は日に日に悪くなり……そして……>

エトワ「嘘だ…………嘘だああああああああ!!!!!!」




田中がやって来て和亀の父親の首を書き取ったり~と王様がやってることを告げる?

しかし嘘と分かる

哉乞たち到着

お願いだから……助けて……!

これはただの毒じゃありません! ネオ・レプリッカーの毒です!!

松長再生してみんなを殺し出すとか・・・・・・

でエトワがころしちゃうとか・・・・・・(おいおいおいおいおいAIENじゃあるまいし)

弔いのシーン

瓶が割れて魂が融合して指輪ができる

和亀「希望はまだある。きっと世界を平和にしてみせる……」

まさか、エトワくんが・・・・・・?

/場面 『いましめの谷』

○とても不気味な谷を、和亀、瑞穂、ファンファンが歩いている

和亀「ここは城の西にある『らんらん崖』に違いない。どうしてこんなに深い霧が……」
松長「きっと、魔法に支配されてしまったのよ」
和亀「でも、僕がこの世界を発ってからそんなに時間は経ってないはずだ。それなのにもうこんな」
ファンファン「! 誰かやって来る!」
松長「誰!? 哉乞くん達かしら?」
和亀「敵? 味方?」
ファンファン「分からない」

○遠くからジャックとエトワが来る

和亀「エトワ君だ!」
松長「お~い!! えとわ~ん!!」

○エトワが手を振る

和亀「ジャック。あなたはジャズミンに洗脳されたんじゃ?」
ジャック「何を言っている。あれくらい、何の問題もない。お前達、随分遅かったな。あれから2年の歳月が経っているぞ」
3人「2年!?」
和亀「そんな……」
ジャック「行くぞ」
和亀「ちょ、行くって……どこへ!?」
エトワ「この先に僕達のアジトがあるんだ……。魔王に見つからないように隠れた場所にね」

/場面転換 ベク村

○和亀が入ってくると、マギナの人々がざわめく

「あれ、和亀王子では?」
「本当だ、和亀王子だ!」
「2年間行方不明だった……」
「無事だったんだ……」
ファンファン「あ、そうか。この世界ではあんた、王子なんだっけ……」
松長「すっかり忘れてたさぁ……」
和亀「忘れないでよ……。」
ジャック「あの4人はどうした……?」
松長「4人と楼華ちゃんだけは、別のところに飛ばされちゃったみたいさぁ」
和亀「まだ、出会えてないんだ」
ジャック「そうか。さて……久しぶりに出会えたことだし、君達の成果を聞かせてもらおうか」
和亀「ちょっと待ってよ。それよりもあなたたちの話を聞かせてよ」
松長「そうよ。私達は2年前からすぐにこっちに飛ばされてるんだから、成果といってもそんなにないさぁ」
ジャック「……貴様らが学園を去って間もなくの頃だった。」


もういい伏線入れとく(最終話書いてから)



レプリッカーに居場所がバレる

襲われて和亀、殺されかける⇒逃げ出す

何故ばれたんだ? 誰か魔王と密通している者でも居るんじゃないのか!?

急いで剣を探さなくては

(和亀=世継ぎであることは確信させる、あとは剣さえあればいい)

古文書『ムル』に何か書かれているかも

~~~~~~~古文書『ムル』~~~~~~~~~~~~

はーいマコさんの古文書『ムル』についての講義だよ

この書物は昔、歴史家である『マコマコーレⅡ世』が書いたもので

遊気の父とかでもいいけど

ただの歴史書で手引書ではないのだ!

それでも魔王をかつてどのように倒したか、その英雄伝説が語られているから、誰かがまたその英雄になれば良いってコトね!

その時に使われた魔法の剣『シクマー』―――まずこれを探し出さなければならないと和亀たちは考えたのだ。

この剣は初代英雄『シャル・ルマーニュ』の記憶と魂が封じ込められていて、これでないと魔王は倒せないのではないかと思う! べつにそう明記されてるわけじゃないけど

で、その剣の場所を突き止めたのはマギナの『4つの心のカケラ』が封じ込められた指輪で、それは純粋な鉄と、4つの魂が融合することで完成する。

4つの魂は誰のでもいいのではなく、マギナでないとだめだし、純粋な心でないと駄目なのだ。

悲しみの象徴――

祈りの象徴――

勇気の象徴――

そして愛の象徴――

この4つが『意味なす一体』となるとき・・・・・・ぐわあああああ





歴史書ではなくここをサイエンスで書けたらボクはうはうはでした・・・・

なんだと



ちょとまてそれでもいいか




なんかパズルみたいなの解いて、指輪をここで完成させて下されば和亀をそれで助けることができそうなものなんですが

それか哉乞たちがやってきて和亀助ける

みんな来てくれたんだねー

落ちが書いてない…………

さぁ、行こう! 剣のある場所へ!!

・・・・・・・あれ指輪動かない

いや、まだだ。密通者の犯人が分かっていない・・・・

そんなこと言ってあなた自身なんじゃ・・・・

まあいいけど。





なんか別個で1つ話あったほうがいいと思う

次の話でいきなりまっつん死ぬのおかしいからここでも誰か死にかけてくれると有難いなー

和亀にとって大切な人が……15話に楼華出さないならここで楼華出しておいて……ってこともできるけどうーん

それともエトワかなー

それとも田中?





●和亀の父親がワカメキャッスルの西に居るかもしれない
ちょ……DRIVE書くために何故4時起き……あほかわしは
なんか面倒になってきたよ……

/場面 丘

○丘なので風の音

和亀<ついに、ドライーヴの指輪が完成した。それは5月の朝露のようにしっとりときらめき、その持ち主がはめるのを今か今かと待っているようだった>

和亀「みんな。」

○間

和亀「提案がある。二度とこんな過ちを犯さないよう、みんなで誓いを立てよう」
斗紋「誓い?」
和亀「うん。僕たちは一致団結して、剣を探し出し、魔王を倒さなければならない。その為には、仲間の誓いが必要だ」
楼華「そんな事して何になるんですの? そんな暇があったら、剣を探しにサッサと旅立ったほうがましですわ!」
哉乞「え~、いいじゃないですか。面白そうですし~」
夜己「そうね。これから最後の戦いに向けて、ここで儀式をするのも悪くないわね」
和亀「じゃあ……いくよ。各々名前を言っていって」

○間

松長「松長瑞穂」
ファンファン「不安風杏」
哉乞「魔灘魔哉乞」
夜己「崔華夜己」
楼華「牙上楼華」
エトワ「村上・ジャン・ピエル・エトワ・シャルロッテ」
斗紋「琉架斗紋」
遊気「沼上遊気」
全員「我ら8人は、ド・ラ=イーヴの英雄シャルル=マーニュ帝に忠誠を近い、その後継者である和亀との永遠の絆を誓います」

○デルトラのベ……指輪が輝き出す

和亀「!?!?」
哉乞「ゆ、指輪が……」
夜己「何!? 何かした私たち!?」
テンペ「5つの魂のうちどれか……もしかしたら幾つかが、英雄の子孫の存在に反応しているのじゃ」
夜己「和亀……指輪をはめてみたら?」
哉乞「そ、そうですよ! きっと何かが起こるはずです!」
和亀「あ……うん、分かった。」

○ゆっくり指輪をはめようとする和亀

夜己「どうしたの、早くはめなさいよ」
和亀「分かってるけど……なんか……僕じゃないような気がしているんだ」
哉乞「どういうことですか?」
和亀「僕は、この指輪に似合う人物か? いや、そうじゃない。指輪に似合う人物は……」







エトワ「………みんな」

○エトワが前に出る

エトワ「今まで黙っていて、ごめん……。」
ファンファン「え……」
斗紋「お前、まさか……」
和亀「村上・ジャン・ピエル・エトワ・シャルロッテ……シャルロッテ? まさか……え! まさか……」
楼華「そうですわ……レプリッカーや悪魔のことに詳しいのにも理由がつく……。あの演劇の時に見せた彼……あれが本物のエトワ君なんですわ!!」
エトワ「剣を見つけるまでは、決して誰にも言ってはならないと……両親に言われていたんだ……。みんなにも黙っていて、ごめん……」
和亀「エトワくん……いや、英雄エトワ様」

○立てひざをつく和亀

和亀「指輪を……」
ファンファン「……ククク……アハハハハハッ」
全員「!?」
ファンファン「成る程ねぇ。そういうシナリオになるのかい。分かった。分かったよ」
和亀「何がおかしい!?」
ジャック「やはり、お前がスパイだったのだな!!」
ファンファン「ヒャッハッハッハッハッハ…………」

○ファンファンがジャズミンに変身する

和亀「お前は……ネオ・レプリッカーのジャズミン!?!」
ジャズミン「この時を待っていたのさ。さぁ、英雄と呼ばれし者よ!! 私の魔手にかかるがいい……」
エトワ「うわあああああっ」
和亀「エトワくん!!」
エトワ「和亀……くん……助けて……城に……きて……」

○2人、消える

○間

和亀「くそっ!!」

○和亀、うなだれる

和亀「あと少しで……指輪をはめる事ができたのに……世界に平和を取り戻すことができたのに!」
フィリ「きゅー」
和亀「お前……」
夜己「和亀、行きましょう」
和亀「夜己さん……」
斗紋「そうだ。行こうぜ。手遅れにならないうちに」
和亀「ああ。そうだね。」

/場面転換 夜

○木馬の音

和亀<僕たちは木馬の中に入り、城の城壁までやって来た。あたりはすでに暗く、城内は夜間外出禁止令が出されていて、入ることができない。仕方なく僕たちは夜明けまで足止めされることになった。>

○和亀がこっそりと出て行こうとしている音

楼華「和亀!?」(以降全部小声です)
和亀「起こしたかい? ごめんよ」
楼華「どこに行くつもりですの?」
和亀「僕はこの城には何度も来たことがある。詳しいんだ。抜け道くらい幾つも知ってる」
楼華「だからって、一人で行くんですの?」
和亀「一人のほうが身動きがとりやすいし、敵にも見つかりにくい。それに……誓い合った仲間にこんなことを言うのは辛いけど、まだ仲間のうちにスパイがいないとも限らないから。」
楼華「和亀……」
和亀「エトワくんに指輪を渡せなかったのは、僕の責任だ。だから……僕がこの手で彼を取り戻す」
楼華「和亀。気をつけて」
和亀「……うん」

/場面転換 城壁内





エトワ「和亀くん!! 逃げて……」
和亀「え……」
魔王「エサにつられてのこのことやって来たな……和亀和……」
和亀「え? うわあああああああああ!?!?」

○奈落の底へと落ちていく

和亀<様々な情景が走馬灯のように過ぎていった……田中の顔、楼華さんの顔、学園でのこと、いろんな景色が……>

○間

○和亀、気がつく

和亀「う……ここは……」
魔王「ここは地下世界……『アシュナ』……」
和亀「なん……だと……」
魔王「そしてこの私こそ、貴様らが何度も思い描いてきた最大の敵、魔王『ハ・ナヴーサ』だ……」←これがヅラリンでもいいや
和亀「う……僕は……もう、逃げない!! 負けるものか!!」
フィリ「キャーッ!!」
和亀「!? うぐぁっ!?」

○フィリが指を噛むことでひるんだ和亀に魔王が打撃をくらわせる

和亀「お前……」
回想松長「キャーッ」
回想松長「エトワくん……やっぱり……レプリッカー……だったんだね」
和亀「まさか……」
エトワ「クククククク……」
和亀「嘘だ……ろ……エトワくん……」
エトワ「あっははははは!! 傑作だ!! こんなに簡単に罠にはまるなんて!!」




割愛


デスノート

これは罠だ→あれは自白したのと同じだ→エトワ、あなたの負けだ→あなたがキラです→ボクがキラだならばどうするここで殺すか
あなたはただの人殺しです
きっかけは仕込んだノートを囲うと・・・
あれ劇場版がないなあようつべにつかえねえ


和亀「指輪が……大きくなった……」

○指輪、巨大化し、エトワをしめつける

エトワ「何……だと……ぐぬ……や、や、やめろ!! 熱い!! ぐるじい……ご主人様……助けて……助けろ!!」
魔王「下らん……」
松長「和亀くん……」
和亀「松長さん!?」
松長「今よ! ……橋を渡って!!」
和亀「う、うん!」はいはい伏線ね

○間

あっ!? 田中たち如月んとこ行くのはいいけど



田中「いい場所があります。ついて来て下さい」

<つづく>
※劇中劇 台本形式

チェロ「はぁ…………はぁ…………」
ヴィオラ「あーびのあのじはどうかくのっ」
アビ「こーかいてこーかいてこーかくのっ・・・って何やらせんじゃー!」
ヴィオラ「へっへっへおさきにー♪」
アビ「ぎゃーっくやしーっ! ヴィオラのヴーのじはどーかくのっ」
ヴィオラ「こーかいてこーかいてこーかくのっ」
アビ「おさきーっ」
ヴィオラ「うがーっ」
ゼイゼイゼイ・・・・・・
アビ「ヴ・・・・ヴィオラの・・・・ヴの字は・・・・」
ヴィオラ「こ・・・・こーかいて・・・・こーかいて・・・・・こーかく・・・・」
アビ「チェロ………大丈夫?」
チェロ「………(息切れしながら)大丈夫です………こんなの………リュートがいない苦しみに比べたら………」
ニール「……熱を入れすぎて体を壊すなよ」
月が3回のぼって・・・・・
頂上に着く。
アビ「見て! 頂上よ!」
かけ上がる。
ヴィオラ「ダァッハァッハッハッ・・・・・つ・・・・着いた・・・・俺このまま一生着かないのかと思った・・・・・」
アビ「もうこの上にAIENがあっても文句ないって感じ・・・・・」
アリオン「あ~肩もみ………」
アビ「こ……ここが……108の山を越える方法を教えてくれる人のいるところ………!?」
ヴィオラ「そりゃこんだけ頑張れば108の山だって越えられるかもな」
輝騎「あ~っだれかしんでる しんでるよ鏡水~」
鏡水「あんまり近づくな!本当に死んでたら汚いだろ」
ヴィオラ「だ……だれだお前らは………」
輝騎「誰だだって!?口を慎め!!我々はこのケト・ヒーシィを統べる神の一族だぞ!!」
アリオン「オー……マイ………ゴッド」
※ここまで
 目の前に、第11話の建物が、そびえ建っている。
 はじめて来る場所なのに、なぜかなつかしい。
「もしもし神よ神さんよォー」持ち前の演技力で、なんとか疲れをひた隠しながらフェイは神を呼んだ。
「いないのか?」
「裏の山にいるんじゃない?」飛鳥が言った。「あったでしょ、そんな設定」
「あるにはあったが…。裏山の桃を食べると不老不死になるんだろ?」
「それは有名な古典、西遊記でしょ! よくそれで主役やってたわね!」
「うるさいなー」
桃を食べる
洞窟入ってパズルとく
「こんな洞窟、劇中になかったぞ」
「裏設定ね」
MPでドラゴン
妖魔出てきて「4話のコンビネーションで………」とか
鳥山もいた方がやっぱいいのかな?あとから裏切り者にしてもいいし
ここで出してもいいけどね、ドラゴンの前とか
さすが伝説の勇者ですっ!!
ダンスパーティ
ジャック「お前の剣術を、見れば分かる………。お前、本物のチェロ・アルベイル・ダートではないな!!名乗れ!!!」
俺は勇者じゃない………!?

飛鳥がなんとかフォローを

料理当番

/場面転換 ダンスパーティ

夜己(マイク越し)「はいはいはいはいいゃーって来たわねこの瞬間!! 今年もダンスパーティ始めるわよー!!」
歓声「イェーイ!!」
夜己「DJ!! ィよろしくゥ!!」
哉乞「(もう歓声でかき消されてる)やっと夜己さんの歌が聞けるーッ」
和亀「えっちょっと待って!! ダンスパーティってそういう感じ!?」

♪夜己の歌でED(和亀たちの会話入れる? )

 ○歓声フェードアウト

<つづく>


和亀<やあみんな、僕の名前は和亀和。ひょんな事から異世界『ソンナ』に飛ばされて、やれ魔法学校だのやれ三世界の王だのといろいろなことがあったけど、それでも僕は僕。なんたってワカメポリスの次期国王になる身だ。何が起こっても負けたりなんてしないぞ! だからみんな、応援ヨロシク!>

/朝 場面転換 食堂

全員「いただきま~す」

 ○食器の音など

 ○食べていると和亀やって来る

哉乞「あっ、和亀さん遅いですよ~」
夜己「おはよう」
和亀「おはよ……僕にしては早いよ」
哉乞「お寝坊さんです~寝坊すると遊気さんから腹筋100階の刑に処せられます~」
和亀「そうだった……」
遊気「食後にしばいてやるよ」
和亀「もういいよ……」
遊気「鍛えなきゃ強くなれねーぞ」
和亀「強くならなくていいから」
哉乞「そんなこと言ってると、いざというとき負けちゃいますよ~」
和亀「いざという時は逃げるよ……とにかく勝負は駄目なんだ」

 ○席に座る和亀

和亀「ところでこれは……」
哉乞「これはポポエイリエスのワッパ和えです~」
和亀「は?」
夜己「こっちはジュヌヴィイサの火あぶりで、こっちはヨマギャスカの煮込み」
斗紋「これはドンジャカスカだ」
和亀「ちょっと……食欲沸かないんだけど……」
夜己「あっそう。じゃ私がもらうわ」
和亀「いや、食べます。」
哉乞「けっこうがめついですね~」

 ○食べる和亀

和亀「………甘い」
夜己「甘いわよ」
哉乞「甘いですよ~」
和亀「ふわっとしてて、お菓子みたい。おいしい」
斗紋「だろ~まあファンタジー世界にお菓子は必須だからな」
哉乞「ですよね~」
和亀「ああそうだ。ところでみんなに聞こうと思ってたことがあるんだけど、向こうの岬に『きけん』って書いてある看板があるじゃない」

 ○黙る4人

夜己「……ええ、あ、あるわね」

 ○ええ、とかまあとか声を出すほかの3人

和亀「あの先には何があるの?」
夜己「え……? 何って…… さ、さあ私はよく……ね、ねえ遊気?」
遊気「……ん」
和亀「……。」
遊気「和亀」
和亀「うん」
遊気「危険と分かっているなら、近づこうと思わないことだ」
夜己「とにかく、今日は授業に本格的に参加するのよ! ついて来なさいよね!」
和亀「う、わ……分かったよ……」

/場面転換 放課後

 ○チャイムの音

和亀「終わった……」
夜己「お疲れ~。じゃあまた明日ね~」
哉乞「和亀さ~ん、明日も頑張ってくださいね~」
和亀「……。」

/場面転換 廊下

和亀「あ~あ疲れたよ……授業は意味分からないし先生は厳しいし……帰りたいなあ……そういえば田中はどこに行ったんだろう……」

 ○向こうからジャック先生が待ち構えている

和亀「!!」
ジャック「来たか」
和亀「あ……あんたは……ジャック・スリッパー……!! 先生(先生は小声で)」

 ○間

和亀「教えてください! 僕は本当に『三世界の王』なんですか!? それで世界は平和になるんですか!? 僕はどうすればいいんです!? あなたは……一体何を知っているんです!!」
ジャック「和亀和。お前が今するべきことは、魔法の習得だ。それ以外のことは考えるな。いずれ時が導いてくれるだろう」

 ○立ち去るジャック

和亀「……何なんだよ」
哉乞「わーかーめーさーん!!」
和亀「わああ!?」
哉乞「和亀さん! 放課後暇ですか!? ですよね~部活とか入ってないし」
和亀「部活?」
哉乞「部活っていうのは、部活動の略のことで~、主に生徒がグループを作って趣味の活動などを放課後に行う……」
和亀「それは分かるけど、え、何この学校部活とかあるの?」
哉乞「ありますよ~ねえ和亀さん!! かくれんぼやりましょうよ!! 今10人集めてるんですけど、あと1人足りなくて困ってんです!!」
和亀「かくれんぼ?」
哉乞「あ、かくれんぼって言うのは……」
和亀「いや知ってるよ。いいよ、それで鬼は誰?」
哉乞「最初は僕です。おーいみんなぁ~10人そろったよ~」
男子生徒(遠くから)「じゃ数えろよそこから~」
哉乞「わかったー。いーち、にー、さーん、和亀さん逃げて~よーん、ごー、」(30くらいまで収録。)

 ○和亀の足音

和亀「放課後にかくれんぼとか……懐かしいな……どこ隠れよう? 部屋は分かりやすいし、きっと魔法とかで探されちゃうだろうから……まあいいや、適当に……」

 ○遊気を発見する

和亀「あ、遊気だ。お……」

 ○呼びかけようとしたがやめる

和亀「……あ、そういや腹筋100回が延び延びになってて、結局放課後やるって約束だったんだ! 見なかったことにしよう。そして逃げよう」

 ○そっと駆け足

/場面転換 岬

 ○茂みの音

 ○和亀、出てくる

和亀「…………今だ!」

 ○走る和亀

 ○柵を飛び越える

 ○走る

 ○茂みに飛び込む

和亀「よし、ここまで来れば大丈夫……」

 ○草地の足音

和亀「ここはどこだろう……」

和亀<『きけん』と書かれた看板の向こうに来た僕は、とりあえず危険にならない範囲で奥に進んでみることにした。うっそうとしたツタに覆われていて、先に、使われていないバラック屋根の建物があった>

和亀「隠れるにも丁度いいや」

 ○ガタついたドアを開ける音

和亀「お……真っ暗だな……」

 ○羽目板を踏み外す和亀

和亀「あぎゃ!」

 ○地下に落ちる和亀

/場面転換 ジャックの研究室(?) あえて説明は省きます。音楽で雰囲気を表現して下さい!

和亀「あいててて……ここは……」

 ○BGM:研究室っぽい

和亀「あんなプレハブ屋根の建物の下に、こんな場所があるなんて……」

 ○BGSE:フラスコがボコボコいう音とか

和亀「う……なんだこの臭いは」

 ○甲高い足音

和亀「ここは……研究室みたい、だけど……現役なのか? それにしても……一体誰の……」

/回想始め

ジャック「和亀和。お前が今するべきことは、魔法の習得だ。それ以外のことは考えるな。いずれ時が導いてくれるだろう」

/回想終わり

 ○地響きと咆哮

和亀「ぎゃあー!!」

 ○間

和亀「……な、なんだ、今の鳴き声!?」

 ○ノートを発見する和亀

和亀「!」

 ○ぺらり

和亀「『我々はついに、新秘術を生み出してしまった……その名をマジコンド』……マジコンド……!? ……『マジコンドとは、秘術によって人間の身体能力を飛躍的に上昇させ、力魔法と共に使用することで強大な破壊能力を生み出す禁忌の技……よってその成果を極秘に、この研究室と、秘密道場でのみ継承していくことを約束してほしい』」

 ○地響きと咆哮

和亀「……この音は……まさか……やばい、逃げよう」

 ○間

和亀「そうか、僕落ちてきたんだっけ! 出口を探さないと……」

 ○地響きと咆哮のほかに人の悲鳴のようなものも聞こえる

和亀「悲鳴みたいなのも聞こえるんだけど……あれ、ノートがまだある」

 ○それを取る和亀

和亀「これは……」

和亀「『なんということだ、私はとんでもない化け物を生み出してしまった。やつを封印し、わたしは旅に出る。再びここに帰る日が来たならば、それは……世界が混沌に包まれた時であろう』」

 ○ミーシャオの雄たけび(近くから)

和亀「……!?!?!?」
ミーシャオ「誰だ……」
和亀「う……うわあああああああ」
ミーシャオ「オレのシマに入ってくるとは……オレに挑戦するつもりか……いいだろう……かかって来い!!」
和亀「ま……待って!! 僕は……ぼぼぼ僕は決して怪しいものじゃ……待ってちょっとまってお願い!!」
ミーシャオ「グワアアアアァァァ!!」
和亀「いぎゃああああああああああ!!!」
遊気「先輩!! 待った待った!!」

 ○遊気の足音

遊気「こいつは俺のクラスメートです」
和亀「ゆ……遊気!?」
遊気「馬鹿!! 近づくなって言っただろ。看板が見えなかったのか!?」
和亀「ご……ごめん。ところで遊気はなんでここに?」
ミーシャオ「遊気の友達か? 遊気にも友達が居たとはなあ!」

 ○がはははは

遊気「ここは、俺たちの道場だよ」
和亀「道場」
遊気「ここはマジコンドー部の道場。俺はその部員なの」
和亀「ま……マジコンドー部??」
ファンファン「説明しよう! マジコンドーとは、秘術マジコンドの現在形である!」
和亀「お……」
ファンファン「初めまして! 私の名前はファンファン。遊気の永遠のライバルよ!」
遊気「ライバルじゃねえよ」
ファンファン「じゃあ早速、勝負してみよう!!」
和亀「え、は!?」
ファンファン「会話より勝負、勝負より努力!! さあ!! かかって来なッ!!」
和亀「……え……ち、ちょっと待って!! 僕は勝負は駄目だよ!!」
遊気「和亀、やるんだ」
和亀「駄目なんだ」
遊気「和亀!!」

 ○間

遊気「和亀。お前が争いごとが苦手なのは、ここ数日でよく知っている。だが、俺は、お前に強くなってもらいたい……王として……!」
和亀「遊気……」
遊気「これはソンナ人として言ってるんじゃないんだ。友達として、お前の、お前自身のために、俺は強くなってもらいたいんだ。だから……強くなってくれ。その為の協力しか、俺にはできない。俺は三世界の王じゃないから……」
和亀「遊気……。……ごめん。確かに……僕が自分勝手だった。分かった、僕……やるよ……!」

/場面転換

哉乞「……30! も~い~か~い。」

 ○間

哉乞「よし、そろそろいいかな。」

 ○地面に魔法陣書く哉乞

哉乞「出でよ魔法陣グリカスタ! 探すは……とりあえず和亀さんからにしようっと! 和亀さんの場所を教えて~」

 ○魔法の音

哉乞「あっちですね!」

 ○足音

哉乞「かくれんぼをすると同時に校舎の案内もしてあげようなんて……僕ってなんて思いやりがあるんでしょう!!」

 ○足音

哉乞「あれ、こっちは遊気さんの……」

 ○ドアの音

遊気「逃げて約束をすっぽかすつもりだっただと!? 腕立て100回追加!!」
和亀「ひぇ~」
哉乞「和亀さんみ~っけ」
和亀「助けて……哉乞~殺されるよぉ~!!」
ファンファン「約束は守らないとだめだね!」

<おわり>
 現代。
 ドイツ。
 今、ここでは、日本生まれのファンタジー映画「AIEN」の収録が行われていた。
「AIEN」とは、日本を代表するファンタジー作家小松英の書いた、砂漠を舞台にしたファンタジー小説である。
 収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そしてチェロの故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われていた。
 スタジオの重いドアの向こうから、今やスターとなった3人の顔ぶれが出てくる。名前をいちいち言うまでもなかろうが、左からフェイ・アルベルト、飛天の飛鳥、鳥山エヴァである。出待ちをしていたファンたちがどっと押し寄せてきた。
 彼らのマネージャーでもあり、戊辰役でもある、茶髪で眼光の鋭いビジネスマン、天津が止めに入る。
「押さないようお願い致します、サインは順番に致しますので、押さないよう……」
「いいじゃんかよォ」と後ろから声をかけたのはフェイ・アルベルトである。今はおしろいを落としているので本来の色黒の肌が露出している。「熱狂を静めるよか、高ぶらせねえとな。えい! みんなァ! サインよりもいい事してやるから、今晩ステージに集まっつくれや!」
 ファンから応答の声が上がる。フェイはローブのポケットから紙煙草とライターを出して、慣れた手つきで吸い始めた。天津に「ちょろいぜ」と言っている。
「フェイくぅん、ダメよぉ、子供はタバコ吸っちゃダメなのよぉ」飛鳥が言った。つなぎのデニムを着て、フェイとは逆に化粧をしている。いかにもニューハーフ的な身ぶりで、フェイから煙草をつまみ上げた。
 そんなことをしている間に、鳥山はすでに3人分のサインを書いてあげていた。彼女は役柄とさして変わらずと言うか、より大人しい、物静かな少女である。
「あのう、これ、受け取って下さい!」
「私にくれるの?」
 鳥山に手渡されたのは、ハートの形をしたピンクの紙箱であった。本日はバレンタインデーであることから、似たような箱を持ったファンが無数にいた。
 天津が、きりっとした目をさらに釣り上げて、「食べ物は受け取れません」と声高に叫んだが、聞こえやしない。
「ありがとう。本当はもっとしてあげたいけど、サインは今日は終わりね」と、優しげな口調で話す鳥山。3人は共用のトレーラーに入っていった。
 外は寒かったが、車内は暖房が効いていた。フェイは飛び込むようにソファに倒れ込んだ。
「もうたくさんだ。AIEN探しなんかやってらんねえ、毎日毎日俺だけ長い台詞ばっかり読ませられるし、すぐ血出すから着替えめんどいし」
「主人公なんだから我慢我慢」飛鳥が言った。「フェイ君なら何でもできるってアタシ思うわ! だってイタリアでは最高の役者って呼ばれてるんでしょ、あなたが涙をこぼした瞬間のあのシーン、どんな芸術品よりも美しかった! 本当よ! 悔しいけど!」と言って、飛鳥は自分の個室に入っていった。
 鳥山は何も言わず、たださりげなく自分の部屋の中に入り、ドアを閉める。それから深くて悲しいため息をついた。
 彼女を落ち込ませる要素は、特にある訳ではなかった。ただ彼女はメランコリー気質で、鏡台に映る彼女の目は憂いに満ちていた。その目が、彼女の役者としての魅力でもあった。
 鏡が波打つように揺れたのは、メイクを落とそうと、鏡台に向き直った時だった。
「な、何……?」
 鏡のゆらぎは押さえようのないほどに激しさを増していた。鳥山は恐怖を覚え、天津を呼ぼうとドアノブに手をかけた。その時、鏡の向こうに、黒髪の女が見えてきた。鳥山ではない。頭には黄金の飾りかんざし、そして十二単の着物を着て、肌にはおしろいを、口には真っ赤な紅を塗っていた。
「わらわはそちの鏡の世界の姿」
 一瞬、わけがわからない鳥山。
「わらわはそちに助けを求めたいと思うておる」
「VFXじゃないの……!?」
 鏡から後ずさる鳥山だったが、目は「鏡の世界の鳥山」をジッと見つめていた。
「来てくれもうすか?」鏡の鳥山が問うた。「来てくれもうすか? 翠楼レンよ」
「翠楼レン……!? それは私の役柄の名だ、私の名前じゃない!」
 鏡の鳥山は聞いているのかそうでないのか、小さく頷き、息を大きく吸った。かんざしがキラキラ輝いた。
「これよりそちを、鏡の世界に招待たまう」
「……したまう……!? いいご身分ね……」
 鏡はまばゆい光を――橙色の光を放ち、鳥山は目をふさいだ。暖かな風が全身を掴み、彼女をどこかへ運んでいくような感覚がした。
 その通り、鳥山エヴァは鏡の世界に飛ばされたのである。
※劇中劇 台本形式

チェロ「はぁ…………はぁ…………」
ヴィオラ「あーびのあのじはどうかくのっ」
アビ「こーかいてこーかいてこーかくのっ・・・って何やらせんじゃー!」
ヴィオラ「へっへっへおさきにー♪」
アビ「ぎゃーっくやしーっ! ヴィオラのヴーのじはどーかくのっ」
ヴィオラ「こーかいてこーかいてこーかくのっ」
アビ「おさきーっ」
ヴィオラ「うがーっ」
ゼイゼイゼイ・・・・・・
アビ「ヴ・・・・ヴィオラの・・・・ヴの字は・・・・」
ヴィオラ「こ・・・・こーかいて・・・・こーかいて・・・・・こーかく・・・・」
アビ「チェロ………大丈夫?」
チェロ「………(息切れしながら)大丈夫です………こんなの………リュートがいない苦しみに比べたら………」
ニール「……熱を入れすぎて体を壊すなよ」
月が3回のぼって・・・・・
頂上に着く。
アビ「見て! 頂上よ!」
かけ上がる。
ヴィオラ「ダァッハァッハッハッ・・・・・つ・・・・着いた・・・・俺このまま一生着かないのかと思った・・・・・」
アビ「もうこの上にAIENがあっても文句ないって感じ・・・・・」
アリオン「あ~肩もみ………」
アビ「こ……ここが……108の山を越える方法を教えてくれる人のいるところ………!?」
ヴィオラ「そりゃこんだけ頑張れば108の山だって越えられるかもな」
輝騎「あ~っだれかしんでる しんでるよ鏡水~」
鏡水「あんまり近づくな!本当に死んでたら汚いだろ」
ヴィオラ「だ……だれだお前らは………」
輝騎「誰だだって!?口を慎め!!我々はこのケト・ヒーシィを統べる神の一族だぞ!!」
アリオン「オー……マイ………ゴッド」
※ここまで
 目の前に、第11話の建物が、そびえ建っている。
 はじめて来る場所なのに、なぜかなつかしい。
「もしもし神よ神さんよォー」持ち前の演技力で、なんとか疲れをひた隠しながらフェイは神を呼んだ。
「いないのか?」
「裏の山にいるんじゃない?」飛鳥が言った。「あったでしょ、そんな設定」
「あるにはあったが…。裏山の桃を食べると不老不死になるんだろ?」
「それは有名な古典、西遊記でしょ! よくそれで主役やってたわね!」
「うるさいなー」
桃を食べる
洞窟入ってパズルとく
「こんな洞窟、劇中になかったぞ」
「裏設定ね」
MPでドラゴン
妖魔出てきて「4話のコンビネーションで………」とか
鳥山もいた方がやっぱいいのかな?あとから裏切り者にしてもいいし
ここで出してもいいけどね、ドラゴンの前とか
さすが伝説の勇者ですっ!!
ダンスパーティ
ジャック「お前の剣術を、見れば分かる………。お前、本物のチェロ・アルベイル・ダートではないな!!名乗れ!!!」
俺は勇者じゃない………!?

飛鳥がなんとかフォローを


/朝 場面転換 食堂

全員「いただきま~す」

 ○食器の音など

 ○食べていると和亀やって来る

哉乞「あっ、和亀さん遅いですよ~」
夜己「おはよう」
和亀「おはよ……僕にしては早いよ」
哉乞「お寝坊さんです~寝坊すると遊気さんから腹筋100階の刑に処せられます~」
和亀「そうだった……」
遊気「食後にしばいてやるよ」
和亀「もういいよ……」
遊気「鍛えなきゃ強くなれねーぞ」
和亀「強くならなくていいから」
哉乞「そんなこと言ってると、いざというとき負けちゃいますよ~」
和亀「いざという時になりゃ分かるよ」

 ○席に座る和亀

和亀「ところでこれは……」
哉乞「これはポポエイリエスのワッパ和えです~」
和亀「は?」
夜己「こっちはジュヌヴィイサの火あぶりで、こっちはヨマギャスカの煮込み」
斗紋「これはドンジャカスカだ」
和亀「ちょっと……食欲沸かないんだけど……」
夜己「あっそう。じゃ私がもらうわ」
和亀「いや、食べます。」
哉乞「けっこうがめついですね~」

 ○食べる和亀

和亀「………甘い」
夜己「甘いわよ」
哉乞「甘いですよ~」
和亀「ふわっとしてて、お菓子みたい。おいしい」
斗紋「だろ~まあファンタジー世界にお菓子は必須だからな」
哉乞「ですよね~」
和亀「ああそうだ。ところでみんなに聞こうと思ってたことがあるんだけど、向こうの岬に『きけん』って書いてある看板があるじゃない」

 ○黙る4人

夜己「……ええ、あ、あるわね」

 ○ええ、とかまあとか声を出すほかの3人

和亀「あの先には何があるの?」
夜己「え……? 何って…… さ、さあ私はよく……ね、ねえ遊気?」
遊気「……ん」
和亀「……。」
遊気「和亀」
和亀「うん」
遊気「危険と分かっているなら、近づこうと思わないことだ」
夜己「とにかく、今日は授業に本格的に参加するのよ! ついて来なさいよね!」
和亀「う、わ……分かったよ……」

/場面転換 放課後

 ○チャイムの音

和亀「終わった……」
夜己「お疲れ~。じゃあまた明日ね~」
哉乞「和亀さ~ん、明日も頑張ってくださいね~」
和亀「……。」

/場面転換 廊下

和亀「あ~あ疲れたよ……授業は意味分からないし先生は厳しいし……帰りたいなあ……そういえば田中はどこに行ったんだろう……」

 ○向こうからジャック先生が待ち構えている

和亀「!!」
ジャック「来たか」
和亀「あ……あんたは……ジャック・スリッパー……!! 先生(先生は小声で)」

 ○間

和亀「教えてください! 僕は本当に『三世界の王』なんですか!? それで世界は平和になるんですか!? 僕はどうすればいいんです!? あなたは……一体何を知っているんです!!」
ジャック「和亀和。お前が今するべきことは、魔法の習得だ。それ以外のことは考えるな。いずれ時が導いてくれるだろう」

 ○立ち去るジャック

和亀「……何なんだよ」
哉乞「わーかーめーさーん!!」
和亀「わああ!?」
哉乞「和亀さん! 放課後暇ですか!? ですよね~部活とか入ってないし」
和亀「部活?」
哉乞「部活っていうのは、部活動の略のことで~、主に生徒がグループを作って趣味の活動などを放課後に行う……」
和亀「それは分かるけど、え、何この学校部活とかあるの?」
哉乞「ありますよ~ねえ和亀さん!! かくれんぼやりましょうよ!! 今10人集めてるんですけど、あと1人足りなくて困ってんです!!」
和亀「かくれんぼ?」
哉乞「あ、かくれんぼって言うのは……」
和亀「いや知ってるよ。いいよ、それで鬼は誰?」
哉乞「最初は僕です。おーいみんなぁ~10人そろったよ~」
男子生徒(遠くから)「じゃ数えろよそこから~」
哉乞「わかったー。いーち、にー、さーん、和亀さん逃げて~よーん、ごー、」(30くらいまで収録。)

 ○和亀の足音

和亀「放課後にかくれんぼとか……懐かしいな……どこ隠れよう? 部屋は分かりやすいし、きっと魔法とかで探されちゃうだろうから……まあいいや、適当に……」

 ○遊気を発見する

和亀「あ、遊気だ。お……」

 ○呼びかけようとしたがやめる

和亀「……あ、そういや腹筋100回が延び延びになってて、結局放課後やるって約束だったんだ! 見なかったことにしよう。そして逃げよう」

 ○そっと駆け足

/場面転換 岬

 ○茂みの音

 ○和亀、出てくる

和亀「…………今だ!」

 ○走る和亀

 ○柵を飛び越える

 ○走る

 ○茂みに飛び込む

和亀「よし、ここまで来れば大丈夫……」

 ○草地の足音

和亀「ここはどこだろう……」

和亀<『きけん』と書かれた看板の向こうに来た僕は、とりあえず危険にならない範囲で奥に進んでみることにした。うっそうとしたツタに覆われていて、先に、使われていないバラック屋根の建物があった>

和亀「隠れるにも丁度いいや」

 ○ガタついたドアを開ける音

和亀「お……真っ暗だな……」

 ○羽目板を踏み外す和亀

和亀「あぎゃ!」

 ○地下に落ちる和亀

/場面転換 ジャックの研究室(?) あえて説明は省きます。音楽で雰囲気を表現して下さい!

和亀「あいててて……ここは……」

 ○BGM:研究室っぽい

和亀「あんなプレハブ屋根の建物の下に、こんな場所があるなんて……」

 ○BGSE:フラスコがボコボコいう音とか

和亀「う……なんだこの臭いは」

 ○甲高い足音

和亀「ここは……研究室みたい、だけど……現役なのか? それにしても……一体誰の……」

/回想始め

ジャック「和亀和。お前が今するべきことは、魔法の習得だ。それ以外のことは考えるな。いずれ時が導いてくれるだろう」

/回想終わり

 ○地響きと咆哮

和亀「ぎゃあー!!」

 ○間

和亀「……な、なんだ、今の鳴き声!?」

 ○ノートを発見する和亀

和亀「!」

 ○ぺらり

和亀「『我々はついに、新秘術を生み出してしまった……その名をマジコンド』……マジコンド……!? ……『マジコンドとは、秘術によって人間の身体能力を飛躍的に上昇させ、力魔法と共に使用することで強大な破壊能力を生み出す禁忌の技……よってその成果を極秘に、この研究室と、秘密道場でのみ継承していくことを約束してほしい』」

 ○地響きと咆哮

和亀「……この音は……まさか……やばい、逃げよう」

 ○間

和亀「そうか、僕落ちてきたんだっけ! 出口を探さないと……」

 ○地響きと咆哮のほかに人の悲鳴のようなものも聞こえる

和亀「悲鳴みたいなのも聞こえるんだけど……あれ、ノートがまだある」

 ○それを取る和亀

和亀「これは……」

和亀「『なんということだ、私はとんでもない化け物を生み出してしまった。やつを封印し、わたしは旅に出る。再びここに帰る日が来たならば、それは……世界が混沌に包まれた時であろう』」

 ○ミーシャオの雄たけび(近くから)

和亀「……!?!?!?」
ミーシャオ「誰だ……」
和亀「う……うわあああああああ」
ミーシャオ「オレのシマに入ってくるとは……オレに挑戦するつもりか……いいだろう……かかって来い!!」
和亀「ま……待って!! 僕は……ぼぼぼ僕は決して怪しいものじゃ……待ってちょっとまってお願い!!」
ミーシャオ「グワアアアアァァァ!!」
和亀「いぎゃああああああああああ!!!」
遊気「先輩!! 待った待った!!」

 ○遊気の足音

遊気「こいつは俺のクラスメートです」
和亀「ゆ……遊気!?」
遊気「馬鹿!! 近づくなって言っただろ。看板が見えなかったのか!?」
和亀「ご……ごめん。ところで遊気はなんでここに?」
ミーシャオ「遊気の友達か? 遊気にも友達が居たとはなあ!」

 ○がはははは

遊気「ここは、俺たちの道場だよ」
和亀「道場」
遊気「ここはマジコンドー部の道場。俺はその部員なの」
和亀「ま……マジコンドー部??」
ファンファン「説明しよう! マジコンドーとは、秘術マジコンドの現在形である!」
和亀「お……」
ファンファン「初めまして! 私の名前はファンファン。遊気の永遠のライバルよ!」
遊気「ライバルじゃねえよ」
ファンファン「じゃあ早速、勝負してみよう!!」
和亀「え、は!?」
ファンファン「会話より勝負、勝負より努力!! さあ!! かかって来なッ!!」
和亀「……え……ち、ちょっと待って!! 僕は勝負は駄目だよ!!」
遊気「和亀、やるんだ」
和亀「駄目なんだ」
遊気「和亀!!」

 ○間

遊気「和亀。お前が争いごとが苦手なのは、ここ数日でよく知っている。だが、俺は、お前に強くなってもらいたい……王として……!」
和亀「遊気……」
遊気「これはソンナ人として言ってるんじゃないんだ。友達として、お前の、お前自身のために、俺は強くなってもらいたいんだ。だから……強くなってくれ。その為の協力しか、俺にはできない。俺は三世界の王じゃないから……」
和亀「遊気……。……ごめん。確かに……僕が自分勝手だった。分かった、僕……やるよ……!」

/場面転換

哉乞「……30! も~い~か~い。」

 ○間

哉乞「よし、そろそろいいかな。」

 ○地面に魔法陣書く哉乞

哉乞「出でよ魔法陣グリカスタ! 探すは……とりあえず和亀さんからにしようっと! 和亀さんの場所を教えて~」

 ○魔法の音

哉乞「あっちですね!」

 ○足音

哉乞「かくれんぼをすると同時に校舎の案内もしてあげようなんて……僕ってなんて思いやりがあるんでしょう!!」

 ○足音

哉乞「あれ、こっちは遊気さんの……」

 ○ドアの音

遊気「逃げて約束をすっぽかすつもりだっただと!? 腕立て100回追加!!」
和亀「ひぇ~」
哉乞「和亀さんみ~っけ」
和亀「助けて……哉乞~殺されるよぉ~!!」
ファンファン「約束は守らないとだめだね!」

<つづく>

/場面 カフェテラス

○和亀、歩いている

夜己「和亀ッ!!」
和亀「あ、夜己さん。こんな所で、何して……」
斗紋「シーッ!!」
和亀「??」
斗紋「あっちを見てみろ!!」

○カフェテラスのほうを見てみる。ジャックと女の声

和亀「……ジャック先生だ。隣にいる人は……誰?」
松長「彼女に決まってるさぁ~」
斗紋「コ・レに決まってんだろ~」(小指立てて)

じつはなかま

○会話音持続

和亀「……まーっさかぁ」
エトワ「でも、ジャック先生がお見合いしたってウワサもあったし……」
全員「マジで!?」
和亀「あいてててて……」
斗紋「どうした、和亀」
和亀「あ、ごめん……いや最近なんだか頭が痛むんだ……」
夜己「え……大丈夫? 実は……私もなのよ」
遊気「何だと? 俺もだ」
哉乞「えーー!? 皆さんもですか!? 僕もです!!」
斗紋「実は……俺もだ」
松長「え? ええ? みんな大丈夫? あたしはなんともないけど」
エトワ「流行りの伝染病とかじゃ……」
ジャック「お前達、さっきから何をコソコソと見ているのだ」(気付いたら近くにいた)
全員「うわわぁぁっ!?」
斗紋「にげろー!!」

○ばたばた

ジャック「待て」
和亀「うぇ」
ジャック「和亀。お前は今から私と修行だ」
和亀「えぇ!?」

/場面転換 グラウンド

ジャック「よし。来い!」

○フェンシングの音の素材・・・・・・ないかな

○なんかもう、試合中のアドリブとかは声優さんにお任せしてもいいですか? 「ハッ!」とかだけじゃなくて適宜台詞的なものもお願いします。

○50秒くらい

和亀「ぐあっ!!」

○剣を落とす和亀

ジャック「駄目だ駄目だ駄目だ!! 剣はもっと立てて使えと言っただろう!! 何だその猫背は!! ピシッとしろ!! 気をもっと張れ!! いつもふらふらとしてばかりいて、学んだことをしっかり見に付けろ!!」
和亀「な……何だよ! 生活態度にまで口出ししてこないでよ! 父親かってん(だ)……うぐっ!?」

○頭痛で倒れる

○慌てて剣を落として近づくジャック

ジャック「どうした!?」
和亀「頭が……」
ジャック「何だと? まさか……!!」

○ジャック、和亀の頭を掴んで額を見る

○魔法の音

ジャック「これは……」

/場面転換 カフェテリア

全員「マギナマーク??」
ジャック「ああ。もともとマギナは三世界の王が創り出した、いわば人工物だ。その寿命は永遠ではなく、すなわち……普通の人間より早い死を遂げる」
夜己「え……!?」
ジャック「頭痛はその前兆だ。」
夜己「ま、待って待ってよ!」
斗紋「なんで俺たちまで……」
ジャック「その答えは簡単だ。お前達も……マギナだからだ」
全員「!?」
ジャック「幼い時、私がこの学校に預けたのだ。4人とも」
遊気「何だと……!?」
夜己「じ、じゃあ、私たちをマギナに送ったのも……」
ジャック「決して偶然などでも、捨て駒などでもない。そもそも世界樹は5分ほどで枯れてしまう木だ。」
夜己「何で? 何でジャック先生が私たちを預けたの? なんで私たちはソンナで暮らすことになったの? あなたは……」
遊気「先生は一体……何者なんですか」

○間

○ジャックの溜め息

ジャック「分からぬ」

○間

ジャック「茶化しているのではない。分からぬのだ」
和亀「え……それって……」
ジャック「マギナにいた頃の記憶がない。気付けば私は、4人の幼子を連れて、この学園の前に立っていたのだ」

○回想シーン(4人の泣き声)

○間

ジャック「これは、私自身のルーツを辿る旅でもある。」
夜己「じゃあ……家族とかは……?」
ジャック「かつてはいた。微かな記憶がある。息子がいた。だがもう、居ないのと同じだ……」

/場面転換 ラブ・ヒル

松長「え~っ……じゃあ、お父さんを見たことないの?」
エトワ「うん……でもきっとどこかで生きてると思うんだ……」

●ごめん・・・・・・モンタージュとかむずすぎる

/場面転換 和亀の自室

○ドアの音

チョップ「ワン」
和亀「ただいま」

○布団にばさっとなる

○間

和亀「先生も孤独なんだな……」
チョップ「わん」
和亀「僕も……かつては孤独だった」

和亀「でも今は……」
チョップ「わん」
和亀「田中、今頃何してるのかな……?」

●回想:バジリスク「王は、記憶を失いながらも…………今尚生きている」

和亀「……んっ?」

●回想:バジリスク「王のそばに…………1人の女が現れるとき……世界は平和へ導かれん」

○和亀飛び起きる

/場面転換 廊下

和亀「分かった分かった分かった分かった!!!!」

○和亀走ってくる

斗紋「おおおおおお、お、なんだなんだ慌てて」
和亀「王が誰なのか分かったんだ!!」
夜己「王って……三世界の王?」

○エトワとまっつん登場

松長「何々? 何の騒ぎ?」
和亀「ジャック先生こそ、三世界の王だったんだ!!」
エトワ「え……!?」
和亀「まずジャック先生は記憶を失っている。三世界の王もだ。それからあの物腰! 王の威厳にふさわしい。そして最後に……女の人!」
斗紋「女の人が何なんだ?」
和亀「バジリスクが言ってたんだ。剣を抜くには伴侶がいないと駄目なんだって! 今のジャック先生なら……磨道火山の剣が抜けるはずだ!!」
エトワ「ぼ、ぼく、ジャック先生を呼んでくる」

○駆け出すエトワ

夜己「ほ、本当なの? 和亀」
和亀「間違いない。これで世界は平和になる!」

/場面転換 バジリスクの巣

ジャック「バジリスクよ」

…………ジャック・スリッパー………眠らされし王よ……何用だ

ジャック「聞かせてほしい。王の継承者を見つける為の指輪……あれを再び作ることは可能か?」

ホウ……そのようなぶしつけな願いを申し出るとは……ジャックスリッパーらしくない……

ジャック「失くしたのは彼らの責任だが……私の責任でもある。再び作れなければ、王の継承者を探し出すのは難しいことだろう」

可能だとも

ジャック「して、その方法は」

必要となるは鉄、ダイヤモンド、そしてマギナの魂が4つ。

ジャック「……!」

マギナを4人、いけにえとする覚悟があるのなら……

○小瓶が落ちてくる

その小瓶に魂を入れてくるがよい。

○ジャック、それを取る

(●邪悪が近づいてきている)

エトワ(遠くから)「ジャック先生~!」
ジャック「!」
エトワ「大変です! みんながジャック先生を……」

/場面転換 魔道火山の頂上

○どこから聞きつけたのか知らないが野次馬が群がっている

○ジャック、くる

夜己「来た!」

○歓声

ジャック「何だこの騒ぎは」
夜己「先生、いえ、王よ」

○ひざまずく夜己

夜己「どうか剣を抜いて下さいませ」
ジャック「馬鹿馬鹿しい。ほら君たちもさっさと校舎に戻りなさい」
斗紋「先生! お願いしますよ! もし先生が、三世界の王本人だったらどうすんですか!」
哉乞「その権利を棒に振ることになります~!!」
ジャック「ああもう、うるさい!!」

○間

ジャック「抜けばよいのだろう!!」

○剣に近づきながら呪文を唱える


ここで抜けなくて、あの女性は妹(?)だとかいうオチにするか
「しかしありがとう和亀」みたいな

それとも抜けて、じつはイリュージョン

抜けて、エトワが小細工をしていた

ジャックスリッパー!!

ジャック「!? バジリスク!? なぜあなたまで……」

抜いてみせよ。いや……今なら……抜けるであろう

ジャック「何……ですっ、て……」
和亀「先生!」
夜己「先生!」
斗紋「先生!」
松長「先生!」
遊気「先生」
エトワ「……先生」

○剣に近づくジャック

○BGM:なし?

○剣・・・・・・・・・・・・ぬいちゃった!!

○BGM:豪華なもの

○割れるような歓声

ジャック「……!?!?!?」

ふ……(バジリスクが飛んでいってしまう)

ジャック「バジリスク!! どこへ行く!?」

いずれ、分かる……遠くへだ

○王さまコール

まあマギナの王となる布石にな・・・・・え? おかしい? この展開おかしいな  もういいやとりあえずこれで

○例の女性、歩いてくる

夜己「あっ、うわさの女の人だわ」
ジャック「……ジャスミン」
ジャスミン「ジャックさん……」

○抱き合う二人

○歓声

和亀<こうして剣はジャック先生によって抜かれ、世界は平和になった。悪魔は姿を消し、見違えるほどの静けさが訪れた。そう世界は平和になったのだ。めでたしめでたし……>

ジャスミン「ククク……アッハハハハハ!!」
全員「!?」
ジャスミン「馬鹿な連中共だねぇ!! 剣が偽物だとも知らずにさ!!」
ジャック「何だと!?」

○剣でジャックを刺すジャスミン

ジャック「ぐはっ!」
全員「先生!!」

○電撃みたいなものが流れ込む

○ジャック叫ぶ

○膝を突くジャック

ジャック「アンディができずにいた仕事……あたしがやってのける」

○レプリッカーの起動音

<つづく>

今更ですけど各話の冒頭は第一話と全部一緒です。毎回収録してもらってもいいかな。

冒頭とMPの絡み

/場面 如月の家
ここをまんま城にするとかいう手もある

○ドアの音

田中「入ってください」
夜己「ここは?」
田中「女中の家です。今はわけあって誰もいません」

○ドア閉める

楼華「先生! しっかり!」
4人「ジャック先生!!」

○ポトリと何かが落ちる

和亀「それは……『真実の水』!」
夜己「和亀っ」
和亀「う、うん」

○水を皿に写してのぞいてみる和亀

/過去

龍一「この毒の粉を少し、王の寝ているときに耳の中にでも入れてやるのだ。そうすれば、奴は一瞬でもだえ苦しみ出し、そして激痛の中で死を迎えるだろう。ウワハハハ!!!」

/まだ過去

国王(耳を押さえている)「シャルル。和と、国を、何としても守るのだ。お前しかいない……頼んだぞ」
○国王、倒れる
シャルル「陛下!!」

/回想終わり

夜己「耳……」
哉乞「ジャック先生の左耳にも、同じ傷が……」
和亀「嘘……嘘だろ!」

○座ったままジャックのほうに行く和亀

和亀「あなたが……僕の父さんなの!?」
テンペ「時が来たようじゃな。」

○魔法の音

テンペ「記憶を蘇らせてやろう……」
ジャック「………和………なのか………?」
和亀「お父様…………」
ジャック「ああ、私は今まで何て馬鹿だったんだ。世界で一番愛する息子が、こんなに近くにいたのに、抱きしめることもなかったなんて!」

○親子の再会を果たす2人

○みんなの胸は熱くなっている

夜己「あ!」
国王(回想)「息子の和のことだ。私の身に何かあったときは、そなたに世話を頼みたい。やってくれるな?」
夜己「そうか……やっぱり、後継者は和亀……あなたなのよ! 急いで! 急いでマスクをして!」
和亀「僕じゃ……」

○地響き

全員「!?!?!?」

○外に出る全員

○バジリスクの鳴き声

和亀「あれは……バジリスク!!」

――行け! 和亀よ! 剣を取り戻すのだ! そしてそれを……

○バジリスクの悲鳴

龍一「小蝿が……煩わしいわ!!!」
和亀「おじさん!?」
楼華「お父様!!」
龍一「和亀!!!! 貴様よくも……私の計画をジャマしたな!! ひっ捕らえろ!!」
和亀「えっ!? うわ! 何するんだ! やめ……」
ジャック「龍一!」
龍一「兄さん……!? 生きていただと!? まあいい。和亀はもらった。こいつは俺がいたぶってやるよ!」
夜己「斗紋! 和亀に無理矢理でもいいから仮面を!!」
斗紋「おう!!」

○龍一がぶん殴る

斗紋「ぐわっ」
全員「斗紋!!」
遊気「今のは……マジコンドだと!?」


ジャズミン「エトワは忠誠する相手を間違えたようねぇ……閣下のほうが、部下の待遇は良いし、ずっと男前だものねえ」

如月「よくも……母さんと姉さんを!! おおおおお!!!!」

タシギかお前は

そこで田中が庇う

そして田中が死ぬ

いやよ……行かないで……いや、いや……

真の英雄は誰か……教えてやろう……とバジリスク

ジャックが来るが田中はすでに死んでいる。

しーん。



しかしそこは何とか愛の力で復活~

剣を抜き、彼は魔王を一刀両断!! すべてに平和が戻る~


龍一逃げる


国王は知らなかったのです。シャルルが自らの力を剣に、記憶を仮面に変えたあとも、生き続けていたことを。

そして国王の言いつけを守り、ずっと和様のことを見守っていらっしゃったのです。執事という姿で……




和亀僕のことわすれんなーーーー主人公なのにー








そんなオチでいいのか








そして平和をよろこぶ大合唱

ジャンッ


○幸、拍手。

夜己「ハァ、ハァ、どうでしたか、ハァ、ハァ」
幸「まあまあね」
哉乞「来ましたーーーー幸様からのまあまあのお言葉ーーーーイエーーーイ」
幸「でも私が出てないのが一番不服」
2人「え……」

<おしまい>


ジャズミン役でええんちゃう



これでレジェンド編は終わりなんだけどもぉ、[newpage]

………。
てか、魔鏡もアイクエもそんなに難しい話じゃないよね
だってそういうのは向いてないから、ギャグばっかだよね?
小説が無理なら今度こそ漫画じゃないかな。一人で書けるものといったら………。
あれ?結局そーなんの?
てか、発明家になりたいんじゃなかったっけ?
まぁ母さんの意思を引き出すのもいやではないんだよね
ただそれでご飯が遅れるとなると

ケータイ小説家になろうかなー
 現代。
 ドイツ。
 今、ここでは、日本生まれのファンタジー映画「魔境伝説」の収録が行われていた。
「魔境伝説」とは、自閉症の作家「小松英太郎」の書いた、ツンドラ地帯を舞台にしたファンタジー小説である。
 収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そして主人公、「チェロ」の故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われていた。
 スタジオの重いドアの向こうから、今やスターとなった3人の顔ぶれが出てくる。名前をいちいち言うまでもなかろうが、左からフェイ・アルベルト、飛天の飛鳥、鳥山エヴァである。出待ちをしていたファンたちがどっと押し寄せてきた。
 彼らのマネージャーでもあり、戊辰役でもある、茶髪で眼光の鋭いビジネスマン、天津が止めに入る。
「押さないようお願い致します、サインは順番に致しますので、押さないよう……」
「いいじゃんかよォ」と後ろから声をかけたのはフェイ・アルベルトである。今はおしろいを落としているので本来の色黒の肌が露出している。「えい! みんなァ! サインよりもいい事してやるから、今晩ステージに集まっつくれや!」
 ファンから応答の声が上がる。フェイはローブのポケットから紙煙草とライターを出して、慣れた手つきで吸い始めた。天津に「ちょろいぜ」と言っている。
「フェイくぅん、ダメよぉ、子供はタバコ吸っちゃダメなのよぉ」飛鳥が言った。つなぎのデニムを着て、フェイとは逆に化粧をしている。いかにもニューハーフ的な身ぶりで、フェイから煙草をつまみ上げた。
 そんなことをしている間に、鳥山はすでに3人分のサインを書いてあげていた。彼女は役柄とさして変わらずと言うか、より大人しい、物静かな少女である。
 外は寒かったが、車内は暖房が効いていた。フェイは飛び込むようにソファに倒れ込んだ。
「もうたくさんだ。魔鏡探しなんかやってらんねえ、毎日毎日俺だけ長い台詞ばっかり読ませられるし、すぐ血出すから着替えめんどいし」
「主人公なんだから我慢我慢」飛鳥が言った。「フェイ君なら何でもできるってアタシ思うわ! だってイタリアでは最高の役者って呼ばれてるんでしょ、あなたが涙をこぼした瞬間のあのシーン、どんな芸術品よりも美しかった! 本当よ! 悔しいけど!」と言って、飛鳥は自分の個室に入っていった。
 ――俺の名前は、フェイ・アルベルト。イタリア人。職業は「アクター」、役者だ。年は13歳。今、収録中の作品は、一つだけ。日本人が原作を書いた、「魔鏡伝説」っていうやつだ。「魔鏡伝説」とは、日本を代表するSF作家「小松英太郎」って奴の書いた、地球とは別の星「ケト・ヒーシィ」を舞台にしたSF小説だ。悪魔にそそのかされて弟を死なせてしまった主人公が、生き返らせるために異星で旅を続けるアクションモノだ。収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そして主人公、「チェロ」の故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われている。俺の今日の台詞はこれ。「食らえっ!! 『エンジェル・バスター!!』」――下らなくても、しょうがない。これが俺の仕事なんだから。役者って職業には、なりたくてなった訳じゃない。なんとなく、自然にそうなったんだ。親がオーディションを勧めたって訳じゃない。俺の両親は、俺のことなんかあんまり気にしない。だから何となく目に入ったオーディションのチラシを見て、暇だったら受けて、それから今に続くのさ。
 今日も俺達が収録を終えてスタジオを出る、ぽつぽつと日本人のファンなどが出待ちをしていた。つまらない作品だが、どこにもおかしなヤツはいる。仲間の名前は、飛鳥さつきと、鳥山エヴァ。二人とも、チェロと同じで旅をしている。俺はファン達に、「皆さん、今日はお集まりいただいて、ほんとにありがとうございます!」と、猫をかぶった声で言った。
 それからスタジオに入って、飛鳥と少し話をした後、ゲームをした。だから、さきほどからドレッサーの鏡が揺れていたのに、気づかなかった。鏡から、こそこそした話し声が聞こえたような気がして、ふと鏡を見たが、何ともない。
「いたニャ……ゆうしゃが………」
 そう聞こえた。
 俺は、「誰かいるのか?」と聞くが、答えはなかった。「おい!」鏡に向かって叫んだ。
「お前が、チェロ・A・ダートニャ?」
 鏡が、話しかけてきた。
「だから何だって言うんだ?」
「やはり求めていた勇者ニャ!! チェロ・A・ダート!!! お前をケトの勇者として未来世界に招待するから、ありがたく受け取るニャ。こんどは悪魔なんかじゃなく………ヒーシィの王子直々の勅命だニャ!!」
 そして俺の腕を……鏡の向こうから伸びた手が掴み――そのまま鏡の中にひきずり込んだ!
 そう、これが物語の始まりだった。
 ――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。俺は正直、タレントにはもううんざりだった。それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
 かつて、夢を抱いた事もあった。偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。だから、自分の演じる相手が、毎回自分の代わりに自分の人生を歩んでくれるのを、楽しむほかなかった。
 チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、自分にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。『魔鏡伝説』だって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それでも撮影中、何度も彼と「シンクロ」した。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたニャ」
 声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろニャ。返事ぐらいしろニャ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
 光が散乱して、辺りは自分を反射しない万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。俺は訊いた。しかし、返事は返ってこない。俺は、さらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
 しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃないニャ。願いだニャ。聞いてなかったのかニャ、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「ケト・ヒーシィの王子、サンニャ。分かってニャイみたいニャな。そもそも、おミャエ、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのかニャ?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談ニャ」
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
 そして、クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。そして俺は夢から醒めた。フェイはゆっくりとまぶたを開いた。
 目の前には、ケトの城がそびえ建っていた。
「お待ちしておりました、チェロ・A・ダート様」
 乾いた風が吹いて、男が言った。
 俺は城の中へ連れられて、奥の間へ入っていった。
「王子」端正な顔立ちの執事が、サンに傅きながら言った。
「チェロ・アルベイル・ダートが、来ております」
「いよいよ来たかニャ」玉座に座っていたガキが、ふんぞり返って言った。
「お前が俺をこの星に連れて来た張本人か」
「そうだニャ。ケト・ヒーシィの王子、サンニャ」
「俺に頼みがあんのなら、まずその悪趣味な展望台から臭い足をどけて、ひざまづきながらするんだな、クソガキ」
「おのれ! なんという無礼な事を! ここにおわすのはケトの王子だぞ!」
「よい、トーチェ、気にするニャ」サンが言った。「おい、チェロ・アルベイル・ダートよ。聞いたように今、ケトはふたたび、悪の化身アダネスが地底より蘇っているニャ。持ち前の知恵と勇気で、この時代でもふたたびケトを救ってほしいニャ」
「パパはどうした、パパニャンは。王子には会えるが、王には会えないってか」
「父上は今行方不明だニャ………」
「へぇ、原作と同じだな。王はフケるのが流行りか」
「貴様があのチェロ様だから我慢しているが………もし違っていたら、間違いなくこの鉄剣は貴様の首をかき斬ってくれる!」
「落ち着け、トーチェ。すまぬな、勇者よ。もし、お主がこの星の危機を救ってくれれば、こやつも反省するのだろうが…」
「いいよ」俺は言った。「役者の仕事よりは面白そうだ」
「うむ、当然ニャ。ではまず食事といくかの」パンと手を打って、サンが叫んだ。「勇者に、最高のもてなしを!」
「準備は既にできております、王子。チェロ様。どうぞ、このままご移動を。」
 俺が、サンの家臣・ダロア・トーチェに連れられて、広間を出ようとすると、急にサンが呼び止め、光るものを投げてよこした。
「チェロ!! これを受け取るニャ!!」
「おっと……。これって………。」
「我が星の秘宝………そしてお主もよく知っている、『勇者の指輪』だニャ。お主が、修羅場山で神から頂いた………」
「ああ、ああ、これね。はめればいいんだよな」
 『魔境伝説』では、指輪をはめれば俺はパワーアップするのだった。しかし、俺がはめても、何ともない。
「おかしいニャ。勇者の力が開放されて、巨万の力が得られるハズなのに………。さびついているのかニャ」
「そんなはずはございません、城の全誠意を傾けて保全致しております」と、トーチェ。
 もしかして、と俺は思った。ここまで来ればもう分かる。きっと……チェロ・アルベイル・ダートという本物が、別にいるのだと。
――俺の名前は、フェイ・アルベルト。イタリア人。職業は「アクター」、役者だ。年は13歳。今、収録中の作品は、一つだけ。日本人が原作を書いた、「魔鏡伝説」っていうやつだ。「魔鏡伝説」とは、日本を代表するSF作家「小松英太郎」って奴の書いた、地球とは別の星「ケト・ヒーシィ」を舞台にしたSF小説だ。悪魔にそそのかされて弟を死なせてしまった主人公が、生き返らせるために異星で旅を続けるアクションモノだ。収録は、日本の部分を日本、中国の部分を中国、砂漠はイタリア、そして主人公、「チェロ」の故郷を始めとする中世ヨーロッパはここ、ドイツで収録が行われている。俺の今日の台詞はこれ。「食らえっ!! 『エンジェル・バスター!!』」――下らなくても、しょうがない。これが俺の仕事なんだから。役者って職業には、なりたくてなった訳じゃない。なんとなく、自然にそうなったんだ。親がオーディションを勧めたって訳じゃない。俺の両親は、俺のことなんかあんまり気にしない。だから何となく目に入ったオーディションのチラシを見て、暇だったら受けて、それから今に続くのさ。
今日も俺達が収録を終えてスタジオを出る、ぽつぽつと日本人のファンなどが出待ちをしていた。つまらない作品だが、どこにもおかしなヤツはいる。仲間の名前は、飛鳥さつきと、鳥山エヴァ。二人とも、チェロと同じで旅をしている。俺はファン達に、「皆さん、今日はお集まりいただいて、ほんとにありがとうございます!」と、猫をかぶった声で言った。
それからスタジオに入って、飛鳥と少し話をした後、ゲームをした。だから、さきほどからドレッサーの鏡が揺れていたのに、気づかなかった。鏡から、こそこそした話し声が聞こえたような気がして、ふと鏡を見たが、何ともない。
「いたニャ……ゆうしゃが………」
そう聞こえた。
俺は、「誰かいるのか?」と聞くが、答えはなかった。「おい!」鏡に向かって叫んだ。
「お前が、チェロ・A・ダートニャ?」
鏡が、話しかけてきた。
「だから何だって言うんだ?」
「やはり求めていた勇者ニャ!! チェロ・A・ダート!!! お前をケトの勇者として未来世界に招待するから、ありがたく受け取るニャ。こんどは悪魔なんかじゃなく………ヒーシィの王子直々の勅命だニャ!!」
そして俺の腕を……鏡の向こうから伸びた手が掴み――そのまま鏡の中にひきずり込んだ!
そう、これが物語の始まりだった。


魔境伝説が書けたらそれの収録に切り替えようかな。
――頭がぼうっとして、考えがまとまらなかった。毎日馬車馬のように働かされて、おまけに人格はまるで尊重されず、監督や演出家はわがままばかり言う。俺は正直、タレントにはもううんざりだった。それでも役者を続けているのは、結局他に能がないからだ。
かつて、夢を抱いた事もあった。偉大な政治家や、作家などというものに憧れた。しかし、役者として人生を初めてしまった今、もう他のものになることは不可能だった。だから、自分の演じる相手が、毎回自分の代わりに自分の人生を歩んでくれるのを、楽しむほかなかった。
チェロは申し分なかった。色んな人間に出会い、自分にはとても紡げない言葉で感情を表現してくれる。チェロは確かに俺で、俺はどこかで間違いなくチェロだった。――チェロとの出会いが、何も俺にとっての初めての適役という訳ではなかった。過去にも何度もはまり役というのはあったし、基本的に、俺はどんな人間の気持ちも分かったし、演じることができた。『魔鏡伝説』だって原作を読んでみたが、そう面白い作品じゃない。作者の暗く、重苦しい性格が反映された、子供向けにしては随分と陰鬱な作品だった。それでも撮影中、何度も彼と「シンクロ」した。チェロという少年は確かに俺の中で生きているという心地がしたものだった。
「――チェロ・アルベイル・ダート。待っていたニャ」
声が聞こえてきた。
「おい。聞こえてんだろニャ。返事ぐらいしろニャ」
「そう言うあんたは誰なんだよ」
光が散乱して、辺りは自分を反射しない万華鏡のようにちかちかしていた。異空間と言うよりは、夢の中のような世界だった。声の主は近くにいるようだが、姿は見えない。俺は訊いた。しかし、返事は返ってこない。俺は、さらに質問を重ねた。
「お前らの目的は何だ?」
しばらくすると、答えが返ってきた。
「目的じゃないニャ。願いだニャ。聞いてなかったのかニャ、この世界に迫ってる危険の事を」
「お前は誰だ」
「ケト・ヒーシィの王子、サンニャ。分かってニャイみたいニャな。そもそも、おミャエ、本当にチェロ・アルベイル・ダートなのかニャ?」
「分かってねえのはお前らの方だろ。俺の名前はフェイ・アルベルト。チェロ・アルベイル・ダートなんて人間は存在しねえ。俺達の作り出した虚像だ。意味、分かるだろ?」
「面白い冗談ニャ」
「面白い冗談……か。そっちがその気なら、こっちにも考えがあるぜ。俺は、大人しく役を演じてるだけの、便利屋とはちと違う。俺はアーティストだ。目に物見せてやるから、早いとこ舞台に連れてきな」
そして、クカカといたずらっぽい笑い声が聞こえたあと、辺りは急に暗くなり。身体がずんと重くなった。そして俺は夢から醒めた。フェイはゆっくりとまぶたを開いた。
目の前には、ケトの城がそびえ建っていた。
「お待ちしておりました、チェロ・A・ダート様」
乾いた風が吹いて、男が言った。
俺は城の中へ連れられて、奥の間へ入っていった。
「王子」端正な顔立ちの執事が、サンに傅きながら言った。
「チェロ・アルベイル・ダートが、来ております」
「いよいよ来たかニャ」玉座に座っていたガキが、ふんぞり返って言った。
「お前が俺をこの星に連れて来た張本人か」
「そうだニャ。ケト・ヒーシィの王子、サンニャ」
「俺に頼みがあんのなら、まずその悪趣味な展望台から臭い足をどけて、ひざまづきながらするんだな、クソガキ」
「おのれ! なんという無礼な事を! ここにおわすのはケトの王子だぞ!」
「よい、トーチェ、気にするニャ」サンが言った。「おい、チェロ・アルベイル・ダートよ。聞いたように今、ケトはふたたび、悪の化身アダネスが地底より蘇っているニャ。持ち前の知恵と勇気で、この時代でもふたたびケトを救ってほしいニャ」
「パパはどうした、パパニャンは。王子には会えるが、王には会えないってか」
「父上は今行方不明だニャ………」
「へぇ、原作と同じだな。王はフケるのが流行りか」
「貴様があのチェロ様だから我慢しているが………もし違っていたら、間違いなくこの鉄剣は貴様の首をかき斬ってくれる!」
「落ち着け、トーチェ。すまぬな、勇者よ。もし、お主がこの星の危機を救ってくれれば、こやつも反省するのだろうが…」
「いいよ」俺は言った。「役者の仕事よりは面白そうだ」
「うむ、当然ニャ。ではまず食事といくかの」パンと手を打って、サンが叫んだ。「勇者に、最高のもてなしを!」
「準備は既にできております、王子。チェロ様。どうぞ、このままご移動を。」
俺が、サンの家臣・ダロア・トーチェに連れられて、広間を出ようとすると、急にサンが呼び止め、光るものを投げてよこした。
「チェロ!! これを受け取るニャ!!」
「おっと……。これって………。」
「我が星の秘宝………そしてお主もよく知っている、『勇者の指輪』だニャ。お主が、修羅場山で神から頂いた………」
「ああ、ああ、これね。はめればいいんだよな」
『魔境伝説』では、指輪をはめれば俺はパワーアップするのだった。しかし、俺がはめても、何ともない。
「おかしいニャ。勇者の力が開放されて、巨万の力が得られるハズなのに………。さびついているのかニャ」
「そんなはずはございません、城の全誠意を傾けて保全致しております」と、トーチェ。
もしかして、と俺は思った。ここまで来ればもう分かる。きっと……チェロ・アルベイル・ダートという本物が、別にいるのだと。
「うむ、決めたニャ。やはりサンも冒険の旅に参加するニャ!」
「王子! ご公務がございますでしょう!」
「そんニャモニョ、トーチェにまかするニャン」
「私ですかァ!? もう……。」
「それで、どうするニャ? 勇者よ!」
「まずは、修羅場の神に会ってくる。 『チェロ』のことも分かるかも知れない」
「お前がチェロだろ?」
「そうだが………とにかく行こう」
「いよいよ、始まるのニャン♪」
そう、いよいよ始まるのだ。
歴史と、過去と、そして本物の勇者をめぐる、冒険の旅が。
そして、俺の初めての「現実」が。
※劇中劇 台本形式
(ここに魔境伝説の修羅場のクライマックスシーン、つまり悪魔との戦闘を挿入。)
クロスフェード。
だいたい、似ていた。
この建物もこの風景も、この匂いも。
「だれもいないニャね」サンがつぶやいた。「騒いだら出てくるかニャ?」
「おやめください」結局ついて来たトーチェが言った。

「もしもし神よー神さんよォー」
ゴゴゴォ・・・・
神に茶を出される
うむ、たしかに…お前はチェロ・アルベイル・ダートのようだが……

王のそばに…………1人の女が現れるとき……世界は平和へ導かれん。彼女の記憶の宝玉を守る…………それも私の役目……………




「そうか、チェロは魔鏡の力で不老長寿になっている………だからこの世界に生きていてもおかしくないのか! 俺達と同じ少年の姿で………」
「サンたちもそう思って召集したんニャが、昔のことだし、不老不死病になって自ら死んだといううわさだしニャ」
「不老不死病……か。」





チェロ・アルベイル・ダートは実在の人物だったのではないか? 小松が、どのような経緯でそれを知ったのかは知らないが、何かを元に戯曲を書き、それを演じている俺を、何らかの拍子に、……恐らく、チェロを探している時に見つけ、時代を間違えたのか、星を間違えたのか、何かを勘違いして、そのまま俺を連れて来てしまったが、まさかチェロを「演じている」とは思いもよらず、そのままにしているのではないか?
もし、間違いに気付いたらどうなるのだろうか? ――確か、ケト・ヒ-シィの掟では、別の星の人間が迷い込んで来た、または別の星の生物を連れてきた場合、そいつを殺すということだった――今回は、王室の間違いだから、見逃してもらえるか? それとも、掟は…掟か。
チェロには、天才的な剣術の才能があるという設定だった。恐らく、この星の伝説でもそうなっているだろう。俺はあんまり運動は得意じゃない。ただ、相手が台本通りに、いい加減の所で負けてくれるだけなんだ。全てが、フェイクなのだ。
だから翌日、アリランと出会ったときのフェイには、自信などどこにもなかった。彼は宮廷の廊下で、さわやかに俺にケンカをふっかけて来た。
「おや、きみがうわさの『能無し』か」
アリランは、絢爛なビロード細工のマントに身を包んでいた。
「おーっと、自己紹介が遅れたねえ。ボクの名前はアリラン・サラヤン。この城一番の」
○SE:キラキラ
「貴公子さ」
「ふん、貴公子だか何だか知らねえが、人間のする事なんざみんなひとつさ。クソして寝るんだろ」
「あっははは。聞いたところによれば、君はゆうしゃのリングをはめることは、出来なかったとか? それなのにまだ勇者取りとは、とんだ勘違い人間のようだ」
「それは……」
「ま、その威勢の良さだけは認めてやろう。しかし、ニセモノじゃねえ………。」
「今の言葉は聞き捨てならねぇな。これでも現実の世界では『暗黒界の王子』として名の知れた、非道で非情で卑怯なマフィアの息子だ!  なら決闘だ、やり方は知ってるだろ!?」
「フフフ………身の程知らずめ。いいだろう、抜け!」
「ルールは単純、どちらかが死ぬまで戦うか、降参するまでだ。ジャッジャーは、そこにいるメイドだ。」
「わ、私ですか!? 行きますよ……開始です!!」
「行くぞ!!」
俺とアリランの闘いは、話にならなかった。俺はコンタクトをしてきてなかったし、相手はプロだ。俺にできる事は、虚勢を張る事だけだった。
「てんで……相手にならない! これで勇者とは………」
「く………指輪の力さえあれば………。」
「フフフ、伝説の男なんて所詮、そんな程度さ。アハハハハ………。」
例え本物のチェロ・アルベイル・ダートが、実在したとしても、この、降って湧いた「本物」になるチャンスを手放すのか? 例え戻っても、また徹夜と罵倒と、ギャラの奪い合いを繰り返すあの世界に戻るだけだ。なら………、
「強く………なってやる。俺が本物のチェロに………なるんだ」
旅に出よう。
その前に、装備を揃えるのだ。
「あ! チェロよ、そんな所にいたのかニャ」
「王子か……」
合わせる顔はない。
「お主、この時代のこと何も知らないニャ? トーチェか誰かを案内役に付けたいが……ギルドに行ってみるとよい。サンのはじめたギルドニャから、みんな協力するはずニャ。気の合う仲間を集めるがよいニャ」
アイクエのキャラクターは、基本DRIVE!!がベースにはなっているはず。
つまり、気の強い少女(これはサンだ…)
それから…田中?(トーチェ?)
政治家?(え?俺様天保?哉乞として)・・・あ、王野か。
斗紋がフェイなら問題ない・・・。和亀がいない(笑)
遊気はいなくてもいいな。
和亀かー。・・・・うーん、まぁいなくてもいいか(笑)
すまんニャ、公務がたまってるし、雨季だし、少し旅はおあずけだニャ
ギルドの授業にでも出てくるといいニャ
なかなかいないなーみたいな
エトワが……バリトン
まっつんはハープ
まぁ、できれば斗紋さんの考えたキャラは出さない方向で行くけれど。てか、あれらはみんあつの方かな?
あーここで何かひとつ話要るかなー
まぁDRIVE!!から取ってきてもいいし何か考えてもいい。
今思ったのはまっつんのカエルの話があったじゃん、あれを変えてどーにか・・・・。
あんまりキャラクター出すぎるのもどうかなと思ったんだけど・・・・まぁそれが逆にいいのかな。
料理でもてなされたりしていいふんいき。
わざをやってみて?いやそれは・・・・
まぁ、サンとの話でもいいや。
話きかせろニャとか言われて
げっお前は・・・

なんで勇者が今更学校に?
バカにしてるのかしら?
視察よきっと!
きゃ~私も教えてもらいたいわ~
じゃやってみろ、チェロ
できない
なーんだがっかりしたわ~
ククククケッサクだ
それとも6話要らないか?
あ、そうそう。ジャックが出てくるんだったな。
何物だみたいになって引き
落ち込むフェイから。


ああお前らはあの時の・・・・。
[newpage]
○間

哉乞「なんだそんなこと。どうだっていいや」
和亀「どうだってよくないよ!! これから班行動と言われたら何をするにもあいつと一緒にやると思うと……」
王野「わ~か~め~く~ん」
和亀「……」
王野「今週は給食当番だろ? ほら、色々教えてやるから、さっさと行くぜ」
和亀「はあ……給食当番か。いやだな。料理なんてできないよ」
夜己「ファイト」
哉乞「がんばれ~」

/場面転換 厨房

○紙を置かれる

和亀「!?」
王野「これが全生徒のオーダーメニューだ。君は班の人数分だけ割ったこのぶんを作ってくれ」
和亀「え……ぼ、僕は料理はちょっと……」
王野「まずは材料集めから……」
楼華「あらあらお2人とも、仲良くやっていらっしゃるようね」
王野「マイハニー。こんな所に何の用だい?」
楼華「あたくし、『黄金のキノコ』が食べたいですわ」
和亀「は?」
楼華「雑誌に載ってましたの。黄金のキノコは、世界で1番おいしくて、その粉を料理にふりかければ、どんなものも絶品になり、しかも美容によく、食べればお肌が若々しくみずみずしくなるって」
和亀「楼華さんまだ若々しいでしょ……」
楼華「何? まさかあなた……この私に向かって口答えする気? 休職当番は生徒の要望には必ず答えなくちゃいけないのよ!! 『カシュカ』!」

○電撃の音

和亀「ア゛ーーー!!」
楼華「口答えするとこうなりますわよ」
和亀「ヴ……魔法を使うとは……ますます雌豹……」
王野「もちろん、君のためなら何だってするさ」
楼華「うふん……ありがと、直也。じゃよろしくねえ」

○立ち去る楼華

王野「そんなわけで君、取りに行ってくれたまえ」
和亀「はぁ!?」
王野「黄金のキノコは、学園西にある黄金の森で採れる。まあ、比較的安全な地帯だ。まあ、どんな安全地帯でも、君のようにドジならどこでも危険かもしれないがねえ」
和亀「行ってくれば良いんでしょ」

/場面転換 黄金の森

和亀「まったく……いつも一言多いんだよあいつは……それにしても楼華さん……あの性格で魔法を身につけて、さらに恐ろしくなったな……まるでガキ大将だ。王野は気にしてないみたいだけど」

○歩いてる

和亀「それにしても……何で僕が取りに行かなきゃならないんだ? あいつが行けばいいじゃないか! いつも偉そうにしてて、顔はいいし頭もそこそこ良いし……なんかお金もあるみたいだし……なんか落ち込んできたな……。いや、こうなったら何としても黄金のキノコを見つけて、あいつに目にモノ見せてやろう。と言っても、そんな簡単に見つかるわけないしな……」

○草の音

和亀「簡単に見つかっちゃった!」

○キラキラ

和亀「おお……」

和亀<黄金のキノコは、それ自体がまるで芸術品みたいに美しかった。傘には、白い粉のようなものが散りばめられ、根元は人の肌みたいにすべっとしていた。>

○もぎ取る音

和亀「生えてるぶん全部取ってっちゃおう。」

/場面転換 帰り道

和亀「こんだけあれば……」
哉乞「あ、和亀さん~。こんな所で何してるんですか?」
和亀「王野のお使いだよ」
哉乞「これは……『黄金のキノコ』!?!? 何てことだ……和亀さん、まさかこれを料理の中に入れるつもりですか!?!?」
和亀「え? う、うん……」
哉乞「や、やめなさい!! よく聞いて下さい、黄金のキノコには『ホンワカニナール』という要素が含まれていて、食べると頭がボーッとして、クラクラして、気持ちよくなって、最後はアホになってしまうんです!! 先生達もこれは禁止しているハズ!! 没収します!!」
和亀「あ、ちょ……返してよ!」
哉乞「駄目!!」

○立ち去る哉乞

和亀「なんだよ、いい気持ちになるならいいじゃない。まあ、ポケットにまだ幾つかあるし、良いけどね。最後はアホに……あっ、いいこと思いついたっ。」

/場面転換 哉乞たちのドミトリー

○哉乞、和亀から没収した籠を持って歩いている

哉乞「まったく、ちょっと目を離すととんでもない事をするんですから。それにしてもこんなにたくさん、よく見つけたなあ。粉にして売りさばいたらけっこうお金に……」
夜己「何それ~? なんかおいしそうねえ!」
哉乞「あっ!!」

○食べる夜己

/場面転換 厨房

和亀「なかった」
王野「おやおや君はお使い一つろくにできないようだねえ。まあ、仕方ない。さっ、楼華のぶんの料理は任せなさい。きみはどうでもいい生徒のぶんを。ああ、君の料理を食べさせられる人たちが可愛そうだが、これも決まり。仕方あるまいねえ」
和亀「うっ……」

○移動する和亀

和亀「まあ、見てろ。僕にはこの『黄金のキノコ』というものがついているのさ……」

/場面転換 夜己たちのドミトリー

○ステージが作られ、夜己がその上に立っている

夜己(マイク越し)「みんにゃあ、あたしの歌お聴けえ!!!」

○夜己がグデグデになって歌っている

○ドミトリーの人たちの悲鳴やうめき声

斗紋「誰だ~夜己に黄金のキノコ食わせた奴は」
哉乞「ぼ、僕じゃないですよう~」
夜己「今日は特別サービスとして……人肌脱いじゃうわ……名づけて、ストリップ・ショー・オブ・夜己」

○チャックの音

哉乞&斗紋「あ゛ーっ!!」
哉乞「だだだ駄目ですーーー!! 夜己さんーーー!! DRIVE!!は健全な青少年の為の教育的なボイスドラマなんですーーー!!」
斗紋「駄目!! それ以上は脱ぐなーーーー!!」
夜己「みんなも……見たいでしょーーーー??」
哉乞「見たいけどーーーー」

○銅鑼の音

アナウンス「皆さん、夕食の時間です。すみやかに食堂に集まってください。くり返します、(このへんから台詞かぶる)夕食の時間です。すみやかに食堂に集まってください。」
夜己「あっ、ご飯だ」(伴奏やむ)
斗紋「助かった……」

/場面転換 食堂

○和亀達はウェイター姿で出迎える

王野「いらっしゃいませ」
和亀「いらっしゃいませ」
斗紋「よお」
夜己「めしだ~」
和亀「夜己さん……まさか」
哉乞「ご飯楽しみですね~ね遊気さん」
遊気「おう」

/数十分後

○グラスを叩く音

楼華「ウェイター。」
王野「はい」
和亀「はい。」
楼華「これが黄金のキノコですの?」
王野「左様でございます。」
楼華「ふーん、あたくし、料理の目は肥えてますの。これは誰がどう見ても……シイタケじゃないのよーーーーーーーッ!!! 『カシュカ』!!」

○電撃の音

王野「イギャーーーーーッ!!!」和亀「オガアアァァァーーーーッ!!」
楼華「あたくしを騙そうとした罰ですわ」
和亀「ぐ……王野!! 勝負だ!! どちらがより美味しい料理を作ったか、お互い食べて確認する!! 黄金のキノコなんていうものはなしに、実力で真剣勝負をしよう!!」
王野「ほう……和亀君にしてはいい心がけだ。いいだろう。では、勝ったほうが楼華のキスを貰えることにしよう」
和亀「え」
楼華「え!? ちょ、ちょちょ、直也には良いけど、和亀には嫌よ!!」
王野「どうせ僕が勝つからいいさ。」
和亀「ふふふふ……決まりだな……では1時間後にまた会おう!!」

/場面転換 厨房

和亀「キヒヒヒ……そう言っておいて僕は黄金のキノコを使うというこのブラックプリンスならでわの作戦……ってあ!?」

○間

和亀「な……ない!? ここに置いておいた黄金のキノコが……ない!!」
夜己「ワカメ~」
和亀「おわ!?」
夜己「もっとちょうだい~ゲプッ」
和亀「まさか……そんな……これじゃ勝てるわけ……」
斗紋「そんなことだろうと思ったぜ」

○間

斗紋「こうなりゃ仕方ないだろ。料理くらいできるようになるさ。みんなにできて、お前にだけできないなんてことがあるもんか。」
遊気「そうだ。俺たちがついてる。やろうぜ」
和亀「みんな……うん」

/1時間後

○オーブンの音

和亀「できた!」

○取り出す和亀

斗紋「おっ!! うまそうじゃねーか!!」
哉乞「和亀さん! やればできるんですよ!」
和亀「こんな簡単なことが……なぜ今までできなかったんだろう!」
斗紋「よし、じゃこれを王野に食わせ……」

○王野の悲鳴

和亀たち「!?」

○食堂に行ってみる

楼華「キャハハハハハ!! 楽しいわね~!! 『カシュカ』! 『カシュカ』! 『カシュカ~』!!」

○雷が落ちる音とみんなの悲鳴

夜己「ゴメ~ン、楼華ちゃんに分けてあげたの~」


フェイがしびれる
くそ……絶対いつか見返す



<おわり>
 だいたい、似ていた。この建物もこの風景も、この匂いも。来なくても懐かしいというのは、不思議な感じだ。ここで俺達は、悪魔と最初の戦いをする。旅の仲間――ニール(役者の名はユウイチ)という日本人が悪魔にとり憑かれ、それを除霊するのだ。あの撮影は、脚本が最後まで上がらず、大変だった。結局ほとんどアドリブで撮影した。古代北欧史に登場する『ヴァルハラ』のような出で立ちのそこは、やはり下界とは違うものがあった。
「だれもいないニャね」サンがつぶやいた。「騒いだら出てくるかニャ?」
「おやめください」結局ついて来たトーチェが言った。
 俺は、考えていた。もし、間違いに気付いたらどうなるのだろうか? ――確か、ケト・ヒ-シィの掟では、別の星の人間が迷い込んで来た、または別の星の生物を連れてきた場合、そいつを殺すということだった――今回は、王室の間違いだから、見逃してもらえるか? それとも、掟は…掟か。

「もしもし神よー神さんよォー」
ゴゴゴォ・・・・
神に茶を出される
うむ、たしかに…お前はチェロ・アルベイル・ダートのようだが……
バジさん

王のそばに…………1人の女が現れるとき……世界は平和へ導かれん。彼女の記憶の宝玉を守る…………それも私の役目……………

りんぐはめる

なんとも起こらん[newpage]

「こやつでだめなら、今、生きているチェロ・アルベイル・ダートを探すがよい」
「今生きている……?」
「奴は一度魔鏡をくぐっている。3000年も生きることは造作もあるまい」
「そうか、チェロは魔鏡の力で不老長寿になっている………だからこの世界に生きていてもおかしくないのか! 俺達と同じ少年の姿で………」
「サンたちもそう思って召集したんニャが、昔のことだし、不老不死病になって自ら死んだといううわさだしニャ」
「不老不死病……か。」
 いつか不老不死病の話もしてやろう。
 城はいつになく悲しげだった。雨季が近づき、人々は活気づいていたが、やはり物悲しげだった。
 奴――チェロには、天才的な剣術の才能があるという設定だった。恐らく、この星の伝説でもそうなっているだろう。俺はあんまり運動は得意じゃない。ただ、相手が台本通りに、いい加減の所で負けてくれるだけなんだ。全てが、フェイクなのだ。
 だから翌日、アリランと出会ったときのフェイには、自信などどこにもなかった。彼は宮廷の廊下で、さわやかに俺にケンカをふっかけて来た。
「おや、きみがうわさの『能無し』か」
 アリランは、絢爛なビロード細工のマントに身を包んでいた。
「おーっと、自己紹介が遅れたねえ。ボクの名前はアリラン・サラヤン。この城一番の」
○SE:キラキラ
「貴公子さ」
「ふん、貴公子だか何だか知らねえが、人間のする事なんざみんなひとつさ。クソして寝るんだろ」
「あっははは。聞いたところによれば、君はゆうしゃのリングをはめることは、出来なかったとか? それなのにまだ勇者取りとは、とんだ勘違い人間のようだ」
「それは……」
「ま、その威勢の良さだけは認めてやろう。しかし、ニセモノじゃねえ………。」
「今の言葉は聞き捨てならねぇな。これでも現実の世界では『暗黒界の王子』として名の知れた、非道で非情で卑怯なマフィアの息子だ!  なら決闘だ、やり方は知ってるだろ!?」
「フフフ………身の程知らずめ。いいだろう、抜け!」

CM

「ルールは単純、どちらかが死ぬまで戦うか、降参するまでだ。ジャッジャーは、そこにいるメイドだ。」
「わ、私ですか!? 行きますよ……開始です!!」
「行くぞ!!」
 俺とアリランの闘いは、話にならなかった。俺はコンタクトをしてきてなかったし、相手はプロだ。俺にできる事は、虚勢を張る事だけだった。
「てんで……相手にならない! これで勇者とは………」
「く………指輪の力さえあれば………。」
「フフフ、伝説の男なんて所詮、そんな程度さ。アハハハハ………。」
 例え本物のチェロ・アルベイル・ダートが、実在したとしても、この、降って湧いた「本物」になるチャンスを手放すのか? 例え戻っても、また徹夜と罵倒と、ギャラの奪い合いを繰り返すあの世界に戻るだけだ。なら………、
「強く………なってやる。俺が本物のチェロに………なるんだ」
 旅に出よう。
 その前に、装備を揃えるのだ。
「あ! チェロよ、そんな所にいたのかニャ」
「王子か……」
 合わせる顔はない。
「お主、この時代のこと何も知らないニャ? トーチェか誰かを案内役に付けたいが……ギルドに行ってみるとよい。サンのはじめたギルドニャから、みんな協力するはずニャ。気の合う仲間を集めるがよいニャ」

CM

アイクエのキャラクターは、基本DRIVE!!がベースにはなっているはず。
つまり、気の強い少女(これはサンだ…)
それから…田中?(トーチェ?)
政治家?(え?俺様天保?哉乞として)・・・あ、王野か。
斗紋がフェイなら問題ない・・・。和亀がいない(笑)
遊気はいなくてもいいな。
和亀かー。・・・・うーん、まぁいなくてもいいか(笑)
すまんニャ、公務がたまってるし、雨季だし、少し旅はおあずけだニャ
ギルドの授業にでも出てくるといいニャ
なかなかいないなーみたいな
エトワが……バリトン
まっつんはハープ
まぁ、できれば斗紋さんの考えたキャラは出さない方向で行くけれど。てか、あれらはみんあつの方かな?
あーここで何かひとつ話要るかなー
まぁDRIVE!!から取ってきてもいいし何か考えてもいい。
今思ったのはまっつんのカエルの話があったじゃん、あれを変えてどーにか・・・・。
あんまりキャラクター出すぎるのもどうかなと思ったんだけど・・・・まぁそれが逆にいいのかな。
料理でもてなされたりしていいふんいき。
わざをやってみて?いやそれは・・・・
まぁ、サンとの話でもいいや。
話きかせろニャとか言われて
げっお前は・・・

なんで勇者が今更学校に?
バカにしてるのかしら?
視察よきっと!
きゃ~私も教えてもらいたいわ~
じゃやってみろ、チェロ
できない
なーんだがっかりしたわ~
ククククケッサクだ
それとも6話要らないか?
あ、そうそう。ジャックが出てくるんだったな。
何物だみたいになって引き

ラベルの解説(文字の大きさに意味はないです(なんか勝手に大きくなる))

言葉ベース
・AIEN≒ヘルズクイーン≒one-way=ルナ=盲目少女と吸血鬼=きゅうけつき

キャラクターベース

・悪役令嬢と神父=あくしん=あくぼく=いじうけ=誤解
・◆=悪役令嬢と猫=あくねこ=ロイジャペア=ターニア=トハ
・超能力者が入院する話=ETK=dr.ソロモン
・横井=VRChatの話
・建築の話=建築家とロボット
・BL2
・ですわけ
・テイマー
・ヒーロー部
・ソラヲトブ(-6なのに-3とくっつくから)
・小牧=オメガバース1=-3=植物ミステリ2=ツマミの話(小牧が低すぎる)

その他

・昼=排卵後=朝=プロゲステロン有り=オキシトシン無し=礒原
・排卵前=プロゲステロン無し=オキシトシン有り=久米
・ちかのこ=けもらいず=サンブライズ=バーチャライズ
・過去=かこ=essay=エッセイ
・photo=構図
・こじ=こじらせ、ス=スキ=スキゾタイパル、強=強迫、境=境界、回=回避、反=反社会、自=自己愛
・みんあつ

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