そもそも、アイディアに著作権なんてないから

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A8(468×60)

ラベル

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2013年7月21日日曜日

DRIVE!!タイム・スリップ編


























ナレーター「ここは宇宙の果ての遠い星、ソンナ星の、人気もない荒れた荒野。そこでは1人の少女が、2人の男に引っ立てられて歩いていた。」



男「お前、いいか、この星のしきたりを破った以上、あんたをな、あの岩の上にはりつけて、それもあんたの自慢の、理想を語る『歌』とかいうのを、二度と歌えないようにしてやる。」
男2「お前は大変なものを盗んだ。この星の人間の理想を奪った。」
男「お前は罰を受けなければならぬ。罪過の償いを果たさなければならぬ。」
男2「その足枷は一生壊れることはない。この首枷をはめた時、お前の裁きは始まるんだ。」

/場面転換 草原

男性「これでいよいよお終いですね、夜己さん。あなたは磔にかけられる。僕としては気は進みませんが、それでもとにかく、仕方がありません。」

 ○風が吹く。

男性「もうあなたに、僕の声は届かないでしょう。僕があなたに会いに行くころには、あなたの姿は見る影もなく、太陽の焼けつく炎に身を焦がされて、あなたの体の表面は変わってしまうでしょう。星を縫うような夜の絹があなたを被っても、もうあなたには喜ぶことはできないでしょう。そして、明け方の露が、あなたの頬を濡らすでしょう。こんな悔しいことはありません。あなたを救ってくれる少年は、今はまだこの星にはいないのだから。夜己さん、心の美しいあなたがどうしてこんな目に遭わなければならないんですか? 僕はあなたの為に、どれほど嘆き悲しもうと、わめき立てようと、今になってはその甲斐もなく、この世界はあなたを許しはしないでしょう。」
子供「パパ」
男性「おお、愛しき息子よ。さあ、こっちにおいで。」
子供「誰と話してたの?」
男性「長い間、仲間だった人さ。」
子供「その人、もういないの?」
男性「いいや、僕がこれから、助けに行くんだ。」
子供「僕も行く!」
男性「お前はここで、私の発明品と仲良くしていなさい。」
子供「嫌だ! 僕も……」
男性「お前は、ここに残りなさい、哉乞。いいね?」

/場面転換 荒野

 ○金鎚の音

男「よし、これでもう、微動だにもできまい。」
男2「いや、もっと叩いて、しめつけなくちゃ駄目だ。こいつはどんなに逃げ場のない時でも、切り抜けるしたたか者だからな。」
男「じゃあ、今度はこの杭で、こいつの胸をぶち抜いて、それでもう大丈夫だろう。」
男2「うん。それがいい。」

 ○大槌の音と、夜己の声

男「よし、いいだろう。おい、お前、喋ってみろ。」
男2「何か喋れたら、その苦しみを和らげてやってもいいぞ。」

 ○夜己、2人を見る。

夜己「……きこえる」(とても小さな声)
男「え?」
夜己「聞こえる」
男2「聞こえる?」
夜己「何の音かしら……」
男「何か聞こえるか?」

 ○間

男2「いんや、何も。」
夜己「おかしいわね。一体なんの音かしら……。鳥のはためきのような……いずれにしても、大空はいつでも、軽やかな羽ばたきの音に、ざわめいているらしいけど……何にせよ、私達に、近づいてくるような……」

 ○BGM開始

夜己「歌が……聞きたい……? 歌ってあげる……こんな青空の下で、大地の上で……歌えるなんて……幸せ……」

 ○夜己が息を吸ってリバーブ

/場面転換 私立羽華牝雫(わかめだ)高等学校

 ○カモメの大群の羽ばたき音と鳴き声と海の音

和亀「あっ……」
和亀<鳥が飛んでいる。……カモメかな? 真夏の冴えた空を、自由自在に飛びまわっている。気持ちよさそうだなあ。それに引き換え、僕ときたら、夏休み中だっていうのに毎日補習ばっかし。まあ、そりゃ確かに、いつもより期末の点数が悪かったのは事実だけど、だからって……>
先生「コラッ!! 和亀!!」

 ○先生の怒鳴り声を合図に環境音が教室に瞬時に切り替わる

和亀「…………あっ」
先生「お前だよ!! お前!! 当たってるぞ!!」

 ○椅子から立ち上がる和亀
 ○無言

和亀「……聞いてませんでした……。」
先生「またか!! 仕方ない、もう一度言うぞ。『ガリレオの唱えたのは、地動説と天動説、どっちであるか』?」
和亀「……ガリレオ……? (考えて)……あっ食べた事あります」
先生「このやろーっ!! 廊下に立ってろーッ!!」

 ○ドアの音
 ○和亀、廊下に立っている。

和亀「ガリレオって、ガリガリ君の仲間じゃなかったのか……。ふっ、まあいいさ。立たせたいなら立たせるがいいさ。何てったって僕は将来、大会社の社長になる身なんだ。覚えてろッ。その時は……」
田中「ぼっちゃま〜」

 ○田中が遠くから歩いてくる。

田中「授業は終わったのですか?」
和亀「田中! し、シーッ。まだ授業中だよ」
田中「ははあ。また立たされているのですね。では田中が這いつくばりますので、その背中にお座り下さい! そうすれば先生には気付かれず……」

 ○ドアの音

先生「田中さん」
田中「あ」
先生「聞こえてます」

 ○教室から笑い声

/場面転換 ヘリポート

 ○和亀と田中、歩いてる。

和亀「もぉ、二度とあんな恥ずかしい真似するのやめてよね。」
田中「申し訳ありません、ぼっちゃま。何せぼっちゃまは、日本一の大会社『和亀カンパニー』の跡取りになられるお方ですから、お体は大事にして頂かなくては……」
和亀「はぁーいはい。分かったから。で、お父様に会える日取りは、決まったの?」
田中「すみません、ぼっちゃま。旦那様はお忙しい身でして、今日明日というわけには……。しかし、ぼっちゃま。いつも申しておりますが、これだけは信じて下さい。旦那様はぼっちゃまを立派な跡継ぎにする為に、あえて親元から離しているのでありまして、これは、例えばライオンの社会では、親が自分の子供を崖から突き落として強く育てるようなものであり、決してぼっちゃまへの情愛に欠けているからなどではなく……」
和亀「僕を立派な人間にするため、甘やかさないため、でしょ? 何度も何度も聞いたけど、それにしちゃあ田中のその甘やかしっぷりで、僕は立派に育ってないような気がするよ。さっきだって大人しく廊下に立ってればあれ以上怒られずにすんだのに、田中が妨害して……」
田中「またぼっちゃま! そうやって! そもそも何故廊下に立たされていたのですか!? 先生のお話をちゃんと聞いてましたか!?」
和亀「何だと!? 聞いてたさ! 聞いて…………まあ、その話は後にしよう。」

 ○ヘリに乗り込む和亀
 ○ヘリのドア閉まる

田中「忘れ物はございませんか?」
和亀「いいから出してよ」
田中「かしこまりました」

 ○ヘリ、飛び立つ。フェードアウト。

/場面転換 哉乞の研究室

 ○謎のSF効果音や蒸気や機械の音や液体が沸騰する音など、様々な音が入り混じっている
 ○研究品に埋もれている哉乞が叫ぶ。

哉乞「できたあああぁぁぁぁーーーーーーーっ!!」

/場面転換 ソンナ星首都"シュツヨーク"

 ○未来都市っぽい環境音の数々

車掌「シュツヨーク、シュツヨークです。ソンナユニバーシティへお越しの方はこちらでお降り下さい」
斗紋「おはよー!」
遊気「うーっす」

 ○斗紋と遊気が正門に向かって歩いている。

斗紋「なぁ、聞いたかよ? 不老不死の薬が開発されたってニュース」
遊気「まあな」
斗紋「第7銀河系のケプト星出身の科学者が開発したんだってよ。なぁー飲んでみてぇよなー」
遊気「まあな」
女子「斗紋くんおはよー」(なんかスクーターっぽいものに乗って通り過ぎる)
斗紋「おはよー今日も可愛いねぇ」
哉乞「斗紋さぁーーーん」(遠くから)

 ○哉乞が後ろから走ってくる

哉乞「斗紋さん斗紋さん斗紋さん斗紋さああぁぁぁぁぁーーーーーん!!」
斗紋「うーっす、なんだよ、哉乞。どうした? すげえクマだなおい」
哉乞「つつつ……ついに完成したんです!!」
斗紋「んっ!?」
哉乞「実は……あっ、遊気さん、おはようございます」
遊気「うーっす」
哉乞「タイム・マシンが完成しちゃったんですよおおおおぉぉぉぉ!!!!」
斗紋「へぇー」
遊気「ふーん」
哉乞「ちょっと! 何ですかそのリアクションは!! もっと喜んで下さいよ!!」
斗紋「哉乞ぅ。タイムマシンは、原理的に実現不可能って証明されてんだぜ。無理に決まってんじゃんか」
遊気「へぇ、そうなのか」
哉乞「だから凄いんじゃないですかぁ! これぞ歴史の革命!! パラダ〜イムシフトオォォォ〜ッ!!」
斗紋「おっ何だ? 新ギャグか?」
遊気「ウケそうだな」
哉乞「とにかく僕んちに来て下さいよ! とにかくスゴイんですから!!」
斗紋「いててて! っておい、今からか? 授業どうすんだよ?」
哉乞「あとで時間を巻き戻して出ればいいんですよぉ〜っ」         ●「録音機おいといたんでかんぺきです!」
遊気「マジか」
斗紋「そりゃすげぇや!」

/場面転換 哉乞の研究室

 ○時計の音

哉乞「それでは皆様ご覧下さい……これが銀河の大発見……タイムマシ〜ン!!」

 ○布をばさっとやる音(あと効果音楽)
 ○拍手

斗紋「………!? 何だよコレ!? ただのドアじゃねえか!」
哉乞「まぁまぁ、そうおっしゃらずに。この門をくぐると、指定した時間だけずれた同じ場所に出られるんですよ。」
遊気「へぇ〜。名付けて『いつでもドア』だな」
哉乞「いいですね! いつでもドア!」
斗紋「いいな! いつでもドア!」
哉乞「でもこれはドアじゃなくて、門のつもりなんですけど……」
斗紋「じゃあ、いつでも門だな」
遊気「いつでも門だ」
哉乞「……まぁ名前は何だっていいです。遊気さん!」
遊気「ん」
哉乞「いつに行きたいですか?」
遊気「そうだな……じゃ、とりあえず昨日」
哉乞「了解!! 時間設定ゴーキューコロンニーヨン、ドットダブルオー!!」

 ○ダイヤルを回す哉乞。チチチチチチチ………ポン、ピロリン

哉乞「作動開始!」

 ○原子が核融合する音(イメージで)
 ○ブゥーーン…… 静かになる
 ○ドアの音(自動ドア的な音がいいかな!? それともガチャがいいかな!? 任せる)

斗紋「……ここが昨日の哉乞ん家か?」
哉乞「そうですよ。」
斗紋「誰もいねえじゃねーか」
哉乞「そうですねえ。僕は昨日僕に会った記憶はありませんから、今日は会えないんじゃないでしょうか? まだ試験段階だから、お互いが会うとどうなるのか分からなくて……」
遊気「おい、なんか書き置きがあるぞ」
哉乞「あっ! そうです! これが証拠ですよ!」
斗紋「なんのだよ」
哉乞「タイムスリップしたですよ」
斗紋「何々……『未来の僕! ここに来れたならば、この下にメッセージを書くこと。by過去の哉乞より』」
哉乞「『無事来れました。明日になれば君は歴史に残る偉大な人物になっています。by未来の哉乞』……っと! ほらね? この書き置きが証拠ですよ。現に僕は昨日、このメッセージを昨日貰いましたからね!」
斗紋「なるほどなぁ〜そいつはすげぇや。じゃさ、じゃさあ、もっと、ずーーーっと昔に行ってみようぜ!! 宇宙が生まれる前くらいのさあ」
哉乞「だだ、駄目ですよ! いきなりそんな冒険しちゃあ! とりあえずはここ数百年数十年にして下さい」
斗紋「ちぇっ。しょうがねえなあ。じゃ、俺達がさ、大人になった姿を見に行こうぜ! 俺ってばどんだけモテてっかなぁ〜。なぁ、遊気も気になるだろ?」
遊気「……未来の自分を見たいとは思わねーな。知らないほうが面白れーし……」
斗紋「ふむ……まぁ、そうだな。じゃ遊気は見ないけど、俺と哉乞の姿だけ見てこようぜ。ならいいだろ?」
遊気「おう」
斗紋「いけ! 哉乞!」
哉乞「了解です〜!!」

 ○ダイヤルを回す哉乞。チチチチチチチ………ポン、ピロリン
 ○ドアの音

/場面転換 荒野の砂嵐

 ○3人、崖を転げ落ちる。3人の悲鳴
 ○間

哉乞「いてててて………。」
斗紋「いっつつつつ……。な、なんだァ、哉乞ん家は?」

 ○上を見上げる哉乞

哉乞「? 変ですねえ。ここには大人になった僕が住んでいるハズなのに。」
斗紋「どこだよ、ここ? 一面荒野じゃねーか!」(立ち上がる斗紋)
遊気「………」
哉乞「いや、場所を動くことはないハズなんですが。ちゃんと星の自転も公転も宇宙の膨張もその他諸々も計算に入れましたし……間違えたのかな?」
斗紋「おいおいおいどうしてくれんだよ! いつでもゲートは!?」
哉乞「いつでもゲート?」
斗紋「いつでも門でもいいしどこでもドアでも何だっていい! あの崖の上までどーやって登れっつーんだよ!!」

 ○間

哉乞「あ〜……」
斗紋「あ〜じゃねえだろーがこのポンコツ発明家!! 帰れなかったらどーするつもりだー!」
哉乞「すんません……あ! こういう時は僕の別の発明品で……」
斗紋「もういいよ!!」
遊気「おい! しっ!」
2人「!?」

 ○間

遊気「…………」

 ○(ここから全員無言)
 ○微かに歌声が聞こえる。3人は顔を見合わせて声のする方へ。足音。少し雑草を踏む音。歌はだんだん大きくなる。
 ○歌
 ○あっけにとられる3人
 ○そこには、血をだらだら流しながら歌い続ける少女
 ○歌がやむ。3人のほうを向く夜己

夜己「何見てんのよ!」

/場面転換 和亀邸 リビング

 ○テレビの音

和亀「田中ー」(テレビを見ながら)
田中「はいー」
和亀「遊んできていいー?」
田中「駄ー目ーでーすー。あっ! またテレビ観てる。いい加減勉強したらいかがですか?」
和亀「だってそんな気分じゃないんだもん」
田中「そんな事言ってると、いい社長になれませんよ」
和亀「ふーん。行ってきます!!」

 ○駆け出す和亀

田中「あ! ちょ、ぼっちゃま! もう……」

/場面転換 和亀邸 庭

 ○馬のいななき
 ○軽やかな蹄の音

和亀「ヒャッホーゥ!!」

 ○軽やかな蹄の音

和亀「やっぱうちの庭は最高だね。」

 ○鳥の羽ばたく音

和亀「むっ!?」

 ○双眼鏡で見る和亀(ずっと馬は走っていますよ)

和亀「あれはムクドリだな。」

 ○猟銃の装填音
 ○銃声
 ○鳥は落ちる

和亀「っしゃあ! ヒットォ! さっすが和亀様ァ!」

 ○しばらく走って、夕方、海岸に出る和亀
 ○馬を止めて下りる

 ○さざなみ

和亀「…………あの海の向こうには……僕のまだ知らない地球がいっぱいあるんだろうな。……あーあ、時代が時代なら、社長じゃなくて冒険者になったのになあ。……夕日が綺麗だ……燃える大空、風の息吹、そしてこの大海原の、数知れぬささやき、笑い声のように僕には聞こえる。誰かー。見てよ僕を。僕が何をしたって言うんだ。こんな絶海の孤島に閉じ込められて……僕は囚人だ。悲しきは かくも寂しい この心。……詩人だなぁ、僕。」

 ○茂みの音

和亀「!?」

 ○間

和亀「だ……誰かいるの?」

 ○間

和亀「いるわけないか……」

 ○間

 ○和亀、茂みに駆け出す。

 ○驚く和亀。

 ○そこには、見知らぬ家屋が建っていた。
 ○鳥の声

和亀「……!? こんな所に、建物なんて……あったかな……? それにしても、変だ、この家……木でできてる訳じゃない、コンクリートや、プラスチックでもないみたいだ……石みたいだけど……真っ黒で……触ると冷たい……まるで漆を塗ったみたいだ。窓は? ………あった。でも何も見えない。曇りガラスに似ているけど……うわっ!?」

 ○いつでもゲートを見る和亀。

和亀「……な、なんだぁこの大きな門は。 もしかしてここは何かの遺跡なのかな……そうか! きっとここに、誰にも知られていない古代文明が……」

 ○遠くからドアの音
 ○建物から出てくる3人

和亀「!?」(隠れる)

 ○以下、遠くの会話が切り替わって近くになる

夜己「おぉー!! ここなんか良いじゃない! 海があるわよ! 温度も丁度いいし! ぴったりだわ!」
哉乞「そ、そうですね……じゃもうここで……」
斗紋「やっと着いたのか……」
夜己「そうよ、ここはきっと地球って星よ! そう思わない!? やっと着いたのねー地球に!」
和亀「…………」
夜己「ねぇ! あんた達も泳ぎなさいよ! 気持ち良いわよ〜!!」
哉乞「いいですねぇ〜」
和亀「……」

 ○銃の装填音

遊気「おい、お前」
和亀「うわっ!?」

 ○銃声

夜己「なんの音?」
哉乞「宇宙船の方です。行ってみましょう!」

 ○足音

斗紋「おい、遊気はどこ行った?」
哉乞「遊気さん、遊気さ〜ん!?」

 ○茂みの音

哉乞「遊気さん!」

 ○和亀、ボコボコにされている

遊気「よお」
和亀「うぅぅ……」
斗紋「おい、何だよそれ?」
遊気「そこで見つけた。原住民だ。」
夜己「ち……地球人ね……」
哉乞「地球人ですか……」
斗紋「ほう……地球人か……」

 ○BGM 不安げな音楽

和亀「あ、あなた達は、もしかして……宇宙人ですか……?」

 ○間

夜己「喋ったー! 可愛いー! 食べちゃいたい!」
哉乞「食べますか?」
遊気「そういや腹減ってきたな」
斗紋「よし、夕飯にするか!」
和亀「えっ……!? ちょ、ちょっ……」

 ○和亀の叫び声と馬のいななき

♪エンディング

 ○3分クッキングのテーマ

哉乞「今日は、今が旬の生ワカメを使った料理をご紹介してもらいます。先生、それでは早速宜しくお願いします。」
夜己「はい。ではまず下ごしらえです。まずワカメをよく洗って、それから微塵切りにします。なべにだし汁を加え、中火で煮立ててください。そこに油揚げを入れて火を通し、アクを取って下さいね。それから、玉じゃくしなどを使って、信州みそを溶き入れます。」
哉乞「先生、信州みそを使うのには何か理由があるのですか?」
夜己「信州みそとワカメはとてもよく合うのです。」
哉乞「なるほど。」
夜己「さらに赤味噌を加え、ワカメの水けを切って中に加えてください。」

 ○いたたまれない効果音

夜己「最後に、白ねぎを加えてひと煮立ちさせて、器に盛れば、おいしいワカメと油揚げの味噌汁の出来上がりです!」
哉乞「それでは早速頂いてみましょう。いただきます。……ズズズ。う〜ん、生わかめを使っているので、ほのかなワカメの香りが鼻にきますね〜」
夜己「そうでしょう? やっぱりワカメは生が一番ですからね。乾燥より」
哉乞「いかがですか? 和亀さん」
和亀「(ズズズ)……あ〜、おいしい」

夜己「次回、DRIVE!!第2話『』
    私達の物語は、まだ始まったばかりね。」[newpage]

[chapter:はじめてのディナー]





























/場面 和亀邸 リビング

和亀「……と言う訳で、この人達をしばらく泊めてあげられないかな。」
田中「なるほど。では、こういうことですね? ソンナ星という星の学生さんが、タイムマシンを発明してしまい、それから色々あって地球に流れ着き、ぼっちゃまと出会って、それでここに泊めてほしいと」
哉乞「はい」
斗紋「ええ、まあ」
夜己「そんな感じです」
斗紋「そんなとこです」
哉乞「そんな……ふうな感じですね」
遊気「……。」
田中「なるほどね……って良い訳ないでしょがーーーーーー!!!!」

 ○炎が燃える音(burning)

田中「ボッチャマー!! 今度はどんな事かと思えば、お友達を使ってSFごっこですか!! いいですかぼっちゃま! 世界は想像の世界だけではないのです!! 生きていくためには、この現実社会をしっかりと見つめ、勉強し、そして初めて人はこの世界でゼニを稼いで生きていくことが……」
夜己「信じてもらえないみたいね。」
斗紋「そりゃそうだろ。ってゆーか、ってゆうかそもそも、お前誰?」
夜己「はぁ? 何言ってんの? 私よ私! 夜己! あんたとは十年来の友達でしょ?」
斗紋「え? ちょ、ちょ、ちょ、待て、待て、俺はお前なんかしらねーし、初対面だよ」
夜己「ちょっと、哉乞! 何とかしなさいよ!」
哉乞「え〜、恐らくですねえ、何かおかしな時間的錯誤が起きているんじゃないかと思うんですよね、夜己さんでしたっけ?」
夜己「なによあんたまでよそよそしいわね」
哉乞「ええ。多分タイムスリップをした事で、どこかずれた次元の世界に来てしまったのではないかと思うんですけどね」
斗紋「ほほお。俗に言うパラレルワールドってやつか?」
哉乞「まあ、パラレルと言うか、いや……パラレルではないんですけど。まあそういう感じですよ」
夜己「まあ、過ぎた事をいつまで悩んでても仕方ないじゃない。田中さぁ〜ん」

 ○田中にすり寄る夜己。

夜己「あたし達、他に身寄りがないんですぅ〜。助けて下さい〜! 人助けだと思って〜!」

 ○他の2人も頼み込む声

田中「えー、皆さん、いいですか? この方は、今日本で一番富み栄えている私立企業『和亀カンパニー』の社長の、大事な大事な1人息子なのです。それを守る私、執事の田中、あなた方のような素性の知れぬ少年少女を無防備にこの島に置いておくわけにはいかないのです」
和亀「そ、そう言わずにさ……1日くらい、いいじゃないか。」
哉乞「そうなんです。どのみち今宇宙は磁場嵐が吹き荒れてまして、とても航行できる状態じゃないんですぅ〜」
夜己「コラ! 哉乞! 余計な事言わないの! 田中さんが混乱するでしょ!」
斗紋「お願いします〜。おい、遊気も黙ってねえで何か言えよ!」
遊気「おねがいしまーす」
田中「……いいでしょう」

 ○やったーと言いかけてやっ……

田中「ただし、条件があります。」
3人「条件?」
田中「1、ヨシ様の許可を取る事。 2、ぼっちゃまが次のテストで全教科赤点以上を取る事」
和亀「え゛っ!?」
田中「それがクリアできれば、この家にいていいとしましょう」
夜己「はっはっはっ。任せなさい! でヨシ様って?」
和亀「あ〜、僕のお父様のお母様、つまりおばあ様の事だよ。僕の通ってる学校の学園長でもある。って田中! そんなのってあんまりじゃない!? 赤点以上なんて普通取れる訳ないでしょ!?」
田中「普通以下を赤点と言うのですよ」
和亀「うぐっ……」
夜己「よし、じゃ早速行きましょう。」
田中「では私がヘリを運転致します。」
夜己「いいえ、その必要はありません、田中さん。」
田中「はっ?」
夜己「斗紋!! 変身よ!!」
斗紋「おう!! 『ソンナ星人モード』、変身!!」

 ○仮面ライダー的カッコイイ変身音
 ○鳴き声

和亀「へ、変身したああぁぁ!?」
夜己「ソンナ星人は変身能力があるのです。みんな乗って!」
和亀「じ、じゃ行ってくるよ、田中、たな…… 気絶してる。」
夜己「GO〜〜〜〜〜!!!」

 ○鳴き声と羽ばたく音フェードアウト

♪オープニング

/ソンナ星 荒野

 ○荒野の音
 ○男の足音(荷物を持っている)

男「……」

 ○男の荷物からぶら下がっている色々なものが音を立ててゆれている。
 ○民族的な音楽のBGM
 ○風の音

 ○すると巨大な宇宙船が上空に現れる。その宇宙船が荒野に着陸し、男の前に巨大な宇宙船が姿を現す。
 ○宇宙船から、宇宙人が現れる。

宇宙人「この星の者か?」
男「……」
宇宙人「我々はとある少年を探している。今にこの銀河系はブラックホールにのみ込まれることになっている。その少年がいれば助かると聞いた」
男「……」
宇宙人「この星の王子はどこだ?」
男「……」
宇宙人「お前に聞いている。この星の王朝はどこにある?」
男「……それがお前の望みか。この星を救いたいか?」
宇宙人「我々は我々の生きる世界を守る」
男「なら、元いた星へ帰るんだな。ここに王子はいない。何度聞いても答えは変わらない。さっさと帰れ。」
宇宙人「ならば、今王子はどこにいる?」
男「とっくに死んだ……そうとも言えるし、まだ生まれていない……そうとも言える。答えは、いくら考えても出ない。さあ、満足したか?」
宇宙人「……」

 ○足音
 ○宇宙船が飛び立つ音

男「……」

 ○男、ハーモニカを吹く。

 ○フェードアウト

/学園長室

 ○学校のチャイム音
 ○和亀たちが廊下を歩いている。

村上「あれっ、和亀君」

 ○村上が遠くから和亀に気付いてやって来る。

村上「まだいたの? もう帰ったと思ってた」
和亀「うん。おばあ様は、まだいる?」
村上「学園長先生? うん、いるよ。ただ……」
和亀「ただ?」
村上「今、虫の居所が悪いみたい。ところで、その人達は……?」
夜己「初めまして〜! 私、崔華 夜己って言うの。宜しくね。」
哉乞「僕は哉乞ですぅ〜」
斗紋「俺達、宇宙人なんだぜ」
村上「う、宇宙人!? 凄いね! よ、宜しく……。」
ヨシ「エトワぁ〜!」

 ○ヨシが怒っている。

ヨシ「何してんだい! 早いとこ出してきな!」
村上「は、はい! 先生! じゃあね、和亀君。新学期に」
和亀「うん! またね〜」

 ○去る村上
 ○顔を見合わせる5人。
 ○ノック音

ヨシ「お入り!」

 ○ドアの音
 ○ヨシ、和亀に気付く。

ヨシ「なんだい!? 和じゃないか! どうしたんだいこんな遅い時間に! さぁっ、座んな座んな! 飲むかい? 緑茶に青汁、コーラに牛乳……」
和亀「いや、おばあ様、それよりね、紹介したい人たちがいるんだよ。」
ヨシ「あんたはコーラが好きだったね?」

 ○コップにそそぐ音

ヨシ「エトワはちゃんとお使いに行ったかね? あんた、確認したかい?」
和亀「……おばあ様、聞いて。今日はお願いがあって来たんだよ……」
ヨシ「あの子は気立てはいいがどうもおっとりしているからね。まあ仕方ないさ。人間誰しも得手不得手があるものさ」
和亀「おばあちゃん! 僕の家に友達を泊めてもいいよね!?」
ヨシ「友達? ……あんたに友達がいたのかい?」
和亀「いるよっ!! みんな! 入ってきて!」

 ○ドアの音

夜己「学園長先生、初めまして、私崔華 夜己と申しますわ。」
哉乞「ぼ、僕は、魔灘魔 哉乞です!」
斗紋「俺は琉架 斗紋です!! でこっちは、沼上 遊気です!」
遊気「沼上です」
夜己「このたびは、海上を遭難していた所を、この麗しき美青年の和亀様にお助け頂き、私共は感謝してもし尽くせないほどでございます!」
哉乞「でございます!」
夜己「なにぶん私共は、身寄りのない身、住みかが見つかるまで、どうか後生です、彼の家にお世話にならせては頂けませんものでございましょうか」
哉乞「でしょうか!」
夜己「もしもお許し願えれば、このご恩、一生の、いえ一家何代と感謝し、一生をこの和亀一族に捧げるつもりでございます! どうか! ア、どうかお頼み申し上げまする〜!!」

 ○土下座する夜己たち

和亀「……楽しそうだね。」
ヨシ「いいよ」
夜己「マジ!?」
ヨシ「うん。面白そうだし」
和亀「おばあ様……」

 ○やったーと喜ぶ夜己達

ヨシ「で、うちの学校通うんだろ?」

 ○えっ? の夜己達

ヨシ「そりゃ、そうでしょうよ。和と同じクラスでいいね?」
夜己「い……いいんですか?」
ヨシ「うん。」
夜己「ヒャッホーーーーー!! ありがとうございます!!」
ヨシ「じゃあ、新学期から、登校してきなよ」

 ○はーいの夜己たち

和亀「あ、ありがとう、おばあ様」
ヨシ「な〜に、人間みな、幸せに生きていかなくちゃなんないって事さ。さあ、もう遅い。田中さんが美味しいご飯を作って待っているだろうから、もうお行き」
和亀「うん。……ありがとうね、おばあ様。じゃ……」

 ○失礼しましたぁ〜!の夜己たち
 ○ドアの音
 ○間

ヨシ「…………フンッ! 薄汚いクソガキ共が。」

 ○黒電話が鳴る
 ○それを取るヨシ

ヨシ「何だい! え? 買収交渉? そんなのいい! 全部潰してしまいな! 全部和亀カンパニーのモノにするんだよ! 手段なんかどうだっていいんだよ! 早くやっておしまいッ!」

/場面転換 和亀邸

和亀「と言う事で……」
斗紋「宇宙人襲来に、」

 ○カンパーーーーイ!!
 ○乾杯の音

田中「えー、今日のディナーは、ムール貝の佃煮とフォカッチョのスープです」

 ○器を置く音
 ○歓声

夜己「うわっ……こ、これ、食べていいんですか?」
田中「ええ、どうぞ」
斗紋「いっただっきまーーーーす!!」

 ○食べる斗紋
 ○アドリブで美味しさ表現

夜己「いただきま〜す……」

 ○食べる夜己
 ○アドリブで美味しさ表現

哉乞「僕もいただきまぁーす!!」

 ○食べる哉乞
 ○アドリブで美味しさ表現

遊気「……いただきます」
斗紋「遊気! 同じリアクションは駄目だぞ!」
哉乞「さぁ〜どう出ますかぁ!?」

 ○食べる遊気
 ○アドリブでリアクション(オチです)

田中「お口に合って何よりです。なんせ他の星の方にお会いするのは初めてですから、どんな食べ物がいいのか迷ってしまいました」
夜己「(食べながら)……この島には、和亀と田中さんの2人しかいないんですか?」
和亀「うん。通学には田中がヘリを出してくれるから不便はないし、ここは景色も綺麗だし、基本的に不自由はないよ。」
田中「外には家庭菜園の他、各種様々な娯楽道具がご用意してあります」
斗紋「凄い所だなぁ。な、哉乞」
哉乞「おかわりー」
斗紋「早っ!!」

 ○田中の携帯が鳴る。

田中「あっ。ちょっと失礼します。ごゆっくりおくつろぎ下さい。」

 ○ドアの音

/場面転換 廊下

 ○ピッ

田中「……田中でございます。」

/場面転換 社長室

正「変わりあるまいな?」

/場面転換 廊下

田中「旦那様。はい、ぼっちゃまはお元気でございます。」

/場面転換 社長室

正「そうか。それならいい」

/場面転換 廊下

田中「旦那様。1つお伝えしたい事が……」
正(電話音声)「何だ」

 ○リビングから漏れる声

田中「あ……少々込み入っておりますので、次回お会いする時に」
正(電話音声)「うむ。分かった。私もお前に伝える事がある」
田中「はっ」

/場面転換 社長室

正「お前はクビだ」

/場面転換 廊下

田中「……はっ?」

/場面転換 社長室

正「次回会う時などない。新しい世話役をそちらに送る。速やかに交代しろ。以上だ」

/場面転換 廊下

 ○切れる電話

田中「……交代って……今更そんな……」
和亀(遠くから)「田中ー! デザート!」
田中「……は、はいー!」

/場面転換 社長室前の廊下

 ○ハイヒールの足音
 ○センサー音

如月「入ります、社長」

 ○センサー音

センサー「認証完了」

 ○ドアの音
 ○足音

如月「社長、如月です。このたび、ご子息の世話を仰せ預かり、光栄です」
正「……」

 ○椅子を回して如月のほうを向く正

正「これで、良いんだろ? 息子に危害は加えないだろうな?」
如月「ええ、モチロンですよ、社長。あなたはそこに座って、私の指示通り動いてもらえば良いんです」
正「……ぐっ……」
如月「ねぇ、社長。社長も、首が飛ぶのは嫌ですわよねぇ……?」

 ○追い詰める如月

如月「ご尊子の命を預かっているのは、この私たちだって事……よぉ〜く肝に銘じておいて下さいね……?」

/場面転換 学校

 ○チャイム

ダマス「静かにィィィイイイーーーーッ!!」

 ○指し棒で教卓を叩く音
 ○ちょっとだけ静かになる教室

ダマス「今日は転校生を紹介するダマス!! 崔華 夜己!」
夜己「はい!」
ダマス「魔灘魔 哉乞!」
哉乞「はぁい!」
ダマス「琉架 斗紋!」
斗紋「はい!」
ダマス「沼上 遊気!」
遊気「……はい」
ダマス「以上4人が、今日からウチのクラスの仲間ダマス!」

 ○拍手の音

/場面転換 教室

 ○話し声

松長「へぇ〜じゃあ夜己ちゃんって和亀君と通学してるの?」
夜己「そうよ。」
女子生徒「いいなぁ! じゃ豪邸住まいなんだ!」

 ○うらやましい〜の声

夜己「(笑い声)でも庶民的な所もあんのよ。テレビは1台しかないし……」
女子生徒「えっそうなの!? それは耐えらんないかも〜!!」
哉乞「それでですね〜宇宙の多元性マターというのが生まれてですね〜それらが核融合すると……」

 ○感心する男子生徒たち

 ○歓声

男子生徒「勝負あり! 勝者、沼上遊気選手!!」
男子生徒2「ちくしょ〜」
遊気「次!」
斗紋「あ。君、名前なんていうの? すっごく可愛いね。君みたいな可愛い子に会うのは、生まれて初めてだよ」
女子生徒2「そ、そんなぁ……」
斗紋「隣の君もかわいいよ〜。どう?僕とランチしない?」

 ○それらを見ている和亀

和亀「……溶け込んでくれてるみたいで何よりだけど……、そもそも、なんで僕はこんな事になっちゃってんだろう? て言うか、よく考えたら、そもそもなんで宇宙人なんてものが僕の島に……」
村上「和亀君」
和亀「おわっ!? 村上君か。何?」
村上「何じゃないよ。はい」

 ○数枚の紙を受け取る和亀。

和亀「……これは……」
村上「次の時間のテストの答案だよ。」
和亀「テストの答案? だってまだ受けてもいないのに」
村上「うん。だからだよ……」
和亀「……まさか……村上君、これ、どこから……」
村上「……(こそっ)職員室の、ぐちこ先生の机の引き出(し)……」
頭良「和亀君!!」

 ○慌てて隠す2人。

村上「づづづづづ……頭良君……おどかさないでよ……」
頭良「何? 2人して何見てたの?」
和亀「べ、別に何も……」
村上「頭良君には関係ないものだと思うよ……」
和亀「そう、優等生だし……」
頭良「? そうか。和亀君! 今月の特集はあの転校生のインタビューにしたいと思うんだ!」
和亀「学校新聞の? 良いんじゃない」
頭良「でまず君から幾つか質問させてもらうよ。質問その1、趣味はなん……」

 ○チャイム

和亀「ああっあっチャイム鳴ったよ!! 戻って頭良君!!」

 ○戻る頭良

和亀「(小声)村上君、これ借りてていい?」
村上「うん。僕は自分のあるし」
和亀「ありがとう……!!」

 ○村上去る

和亀「ふふふ……これで諦めかけていた僕の名声も、きっと……」
先生「テスト配るぞー」
哉乞「あっ!? 何読んでるんですか!? 和亀さん!」
和亀「哉乞!? あっち行っててよ! 邪魔!」
哉乞「ひ、ひどいです……そんな言い方って……」

 ○テスト用紙が配られていく

和亀「ふむふむ……何々……? 最初は11112122121……次は卑弥呼……」
先生「始めっ!!」

 ○紙を表にする音

和亀<ひぇ〜まだ覚えてないよ……えと、何だっけ? 最初が1、次が2で……あれ? 次は何だっけ?>

 ○ごそごそする音

先生「和亀」

 ○気付くと後ろに先生が立っている

和亀「……先生」
先生「見ぃ〜た〜ぁ〜ぞ〜〜〜。」

♪エンディング

 ○ロマンスな感じのBGM

松長「みんな!! 私の名前は月野うさこ! 女子高生! 地球の平和を守る魔法少女ムーンに変身して、宇宙人を撃退するの! 今よ必殺『ミラーリング・キラーーーーッ』!!(キラキラする効果音) 地球の平和は私が守る!! 次回『魔法少女ムーン』第3話『』! 月に代わって成敗よ☆!」

<つづく>[newpage]

[chapter:月に代わって.....]



































 ○まっつんのちょっとした歌

監督「じゃ本番行きま〜す。3,2,1,シュ!」

/撮影スタジオ 夜の闇 都会の裏路地

 ○松長、歩いてくる。

松長「……どこ……? 一体どこにいるの……? ペルソナ=ムーンライツ!!」

 ○ペルソナムーンライトの笑い声

ペル「トゥッ!!」

 ○ビルからジャンプする音

ペル「……俺を呼んだか」
うさこ「……ペルソナ=ムーンライツ……! あなた……! どうして私の邪魔ばかりするの!? まさか、あなたも……宇宙人なのね……!?」
ペル「ふっふっふっ……そう思いたいなら、好きにするがいい、月野うさこ。俺は星の奴隷。お前とは決して相容れない存在……。お前が表なら、俺は裏。お前が白なら、俺は黒……。ククク……、お前を殺してしまう事もできるが、今はまだ時期ではない。次の春が来る前に……お前の命はないものと思え。フハハ……フッハハハハ!! ああ、漆黒の雲が、俺様を迎えに来た。お前はいつものように、無力な歌を歌い続けるがいい……ではな」

 ○笑い声を残しながらペルが去る。

うさこ「ペルソナ=ムーンライツ……。一体あなたは……。あぁ……その仮面の奥には、どんな思いが秘められているの……?」
ナレーター「白雪のような肌を持つ乙女、月野うさこは、夜明けの霧に去った仮面の男を見ていた。この男、うさこの戦いにどんな運命の種を蒔いていったのか……続く」
監督「はい! カッ! カーッ!!」
松長「お疲れ様でしたぁ〜」

 ○楽屋に戻る松長

スタッフ「まっつんさん! よかったです〜!」
松長「ありがと〜」

 ○スタジオと廊下を繋ぐドアの音

 ○廊下はスタッフたちが忙しくしていてとても騒がしい

ファン「見て! まっつんちゃんが出てきた!」

 ○ファンの声援

松長「どうもありがとぉ〜」
スタッフ「こら! 君たちどっから入ってきたんだ!! はい! 行って! すぐ!」

 ○きゃ〜触っちゃった〜などと言って去る

 ○まっつんの足音

スタッフ「悪いねミズホちゃん。」
松長「いえ。お仕事頑張って下さいね〜」

 ○ペルに気づくまっつん

松長「あっペルソナさん……お疲れ様です!」
ペル「あっ……お疲れ」

 ○2人で廊下を歩く

ペル「今日の演技はとても自然だったね。良かったよ」
松長「ありがとうございますっ! 練習した甲斐がありました〜」
ペル「歌も良かった。聞き入ったよ」
松長「本当ですか? えへへ……ペルソナさんにそう言ってもらえると……私……なんだかすごく嬉しいです……」
ペル「そ、そうか。……じゃ」

 ○立ち去るペル

松長「あっ、あの! ペルソナさん!」
ペル「ん?」

 ○ペルに近づくまっつん

松長「今度……楽屋にお邪魔してもいいですか?」
ペル「えっ?」
松長「私……この際だから思い切って言っちゃいますけど……私……ペルソナさんの顔が見たいんですっ! 撮影中も、撮影の合間も、ずっと仮面をつけているから……あの……もしお邪魔じゃなかったら……」
ペル「ミズホちゃん……。また、いつかね」

 ○去るペル

松長「あ……。ちぇ〜っ……」

/場面転換 楽屋

 ○ドアの音

エトワ「(ぜーぜー息が上がってる声)……あー、アブなかったぁ〜。いやぁ〜まさか松長さんに直接聞かれるとは……」
如月「エトワ君」
エトワ「うわっ!? き、如月さん! も、もお、脅かさないでくださいよ。」
如月「ウフフ。撮影は順調そうね。」
エトワ「ええ……」
如月「で、松長ミズホへの接触はできてるんでしょうね?」
エトワ「……」
如月「忘れてもらっちゃ困るわぁ。アンタがここにいる理由は1つ。松長ミズホを……この世から消し去る事……分かるわね?」
エトワ「……ええ」
如月「……なら良いわ。しっかりして頂戴。あっ、もうこんな時間。学校に遅れちゃうわよ。」
エトワ「はい……行ってきま〜す」
如月「いってらっしゃ〜い♪」

 ○ドアの音と足音

エトワ「お母さんじゃないんだから……」

/場面転換 バス停

松長「(遠くから)待って〜!! 乗ります乗ります!!」

 ○かけてくるまっつんとぶつかるエトワ

松長「あっごめん!」
エトワ「あ、いや……」
松長「あー、行っちゃった……」

 ○バスの音
 ○松長ふり向く

松長「あなたも高校生?」
エトワ「あっ、いや、うん……」
松長「じゃあ私とおんなじだ〜。朝の撮影はきついよね〜。じゃね!」

 ○駆けていく松長

/場面転換 学校

 ○ドアの音

松長「セーフ!!」
生徒「セーフじゃないよ〜。もうHR終わったよ」
松長「でも1時間目始まってないからセーフ!!」
村上「お、おはようございます……」
和亀「エトワ君!」

 ○近づいてくる和亀

和亀「やっと来た。ほら、行こ」
村上「え?」
和亀「昨日の件で、先生が職員室来いってさ。」
村上「ああ、何、カンニングの事か……」

 ○机に鞄を置くエトワ

和亀「行かないつもり?」
村上「……おやすみ」
和亀「エトワ君〜! 行かないと僕たち大変なんじゃないの? それに、僕は個人的な問題として、今回赤点以下を取ったらいけない事になってるんだ。このままじゃ全教科0点なんだよー」
村上「テストの成績は……世界とは関係ない。ぐう」
和亀「寝るなー!」
楼華「おーほほほ! 相変わらず庶民と下等な戯れをしているのねぇ、和亀。」

 ○楼華登場

楼華「あんたみたいな凡才下郎が、あの和亀カンパニーの御曹司とはねぇ! 神様って、酷い事しますわ。ところで和亀、夏休み前の約束、まさか忘れたなんて言わないですわよねぇ?」
和亀「……え?」
楼華「本当バカにつける薬はないって言うけど、あんたはつけても治りませんわねぇ!」

 ○扇を開いて仰ぐ

楼華「今度のテストで私より低い点を取ったら、次のかくし芸大会で一発芸を披露するって、約束……覚えていらっしゃらなくてぇ……?」
和亀「あっ!! ししししまった……」
楼華「ちなみに全教科私より低かったら、あんたを一ヶ月奴隷にして使う契約じゃなくってぇ……?」
和亀「……やばい。エトワ君!! 助けて!! 人生で最大のピンチ!!」
村上「ふぁ……んもう、一人で行って……」
和亀「一人じゃ怖いよぉ〜!」
楼華「オーホホホ!! 愚かな!! じゃあまた会いましょう、わ〜か〜め〜くぅ〜ん。」

 ○去る楼華

和亀「ぐぅぅぅ……ウチの次に大きな会社の社長令嬢牙上楼華……女豹だ……。人生はきびしいなぁ……。仕方ない……一人で行くか……」
村上「……」
和亀「一人で行くよ〜。」
村上「……んー」
和亀「あとで後悔しても知らないんだからね〜っ……。」

/場面転換 まっつん

生徒「でさぁ〜落ちがおっかしくってさぁ〜、『お金は?』『あっ、忘れてきた』だって!」

 ○笑い声

男子生徒「おい松長〜。なんか後輩が呼んでるぞ〜」
松長「私ぃ〜?」
遊気「後輩じゃねーよ!!」

 ○来る遊気

遊気「お前が松長ミズホだな」
松長「う、うん……」
遊気「来い」

 ○乱暴に連れて行く遊気

松長「わっ!? ちょ、やっ……何なの!?」

 ○ドアの音
 ○静まる教室

/場面転換 屋上前の踊り場

松長「な……何さ? こんな所に連れてきて……あの……君は……確か、転校生の……」
遊気「そんな事はどうでもいい」

 ○詰め寄る遊気

遊気「お前の正体は分かってんだ」
松長「え……?」
遊気「とぼけてんのか? いいだろう、『アレ』をよこせ……」
松長「あ……アレって……? 何……? 何の事……」
遊気「アレだよ、アレ! 分からねーのか!!」
松長「わ、わかんないよ!! 何なの!?」
遊気「『スーパー・マジック・ミラーリング・キラー』だよっ!!」

 ○間

松長「……はぁ?」
遊気「何、トボけてやがる。お前が持ってるのは知ってんだ。それをよこせッ!!」

 ○つかみかかる遊気

松長「きゃーっ! ま、待って待って! それってコレの事!?」

 ○コンパクトをとり出す松長

遊気「物分りがいいじゃねえか。最初から素直に出しゃいいんだよ、素直に出しゃ……」
松長「あの〜……。それをあげるのはかまわないけど……。一つ聞いていいかなぁ。」
遊気「あ?」
松長「ど、どうしてそのコンパクトが欲しいのかな?」
遊気「ふぅ……お前がこれをどんな風に手に入れたのかは知らねーが……まあいい、教えてやるよ。この『スーパー・マジック・ミラーリング・キラー』は、俺たちソンナ星で開発されている、護身用の武器だ。こんな遠い星にあるのはおかしい。おい、お前、これをどうやって手に入れた?」
松長「……あ……ちょ、ちょっと待って……今のあなたの話に追いついてない……何?」
遊気「だーかーらぁー」
哉乞「遊気さぁーん」

 ○哉乞が駆け寄ってくる。

哉乞「宇宙船の用意、完了しました〜」
遊気「おう。じゃあな松長。この鏡はもらってくぜ」
松長「えっ!?」

/場面転換 屋上

夜己「遅いわよー」
遊気「悪ィ悪ィ。」
夜己「で、スーパー・マジック・ミラーリング・キラーは取ってきた?」
遊気「ああ。本物らしい。」
夜己「変ねぇ。どうしてこんなものが地球にあるのかしら」
哉乞「まあ、いいじゃないですか。これさえあればソンナ星と連絡を取ってエネルギーの補給もできますよ」
夜己「そうだといいけどねえ」

 ○コンパクトを開く哉乞

哉乞「テクマクマヤコンテクマクマヤコン。ソンナ星応答せよ、ソンナ星応答せよ」

 ○鏡にノイズが走る。

4人「!?」

 ○ノイズ音

男「……た……助けて……れ……助けてくれ!」

 ○ノイズ音

男「星が……めつ……ぼう……」

夜己「星が……」
斗紋「滅亡……?」
夜己「ソンナ星エシュロン!ソンナ星エシュロン!応答して!……駄目みたい……」
哉乞「スマキラーの故障でしょうか」
夜己「まあいいわ。またしばらくしたらかけましょ」
松長「ちょっと、みんなーっ!」

 ○まっつんが追いかけてくる

松長「返してよーっ」
斗紋「あ、悪ィ悪ィ。遊気、ちゃんと事情説明しなかったのか?」
遊気「した」
松長「してないでしょ!」
夜己「とにかく、あなたのその鏡、遠い宇宙のものなのよ。どこで手に入れたの?」
松長「えっ? ……これは……ある人にもらったの……」
斗紋「ある人?」
松長「仮面をつけた男の人に」
夜己「仮面をつけた……」
斗紋「男……?」
哉乞「それだ! その人がソンナ星人なんですよ!」
夜己「地球にも仲間がいたのね!」
松長「そ、ソンナ星人って何よー! たしかに人間離れしたみたいな所があるけど……」
夜己「その人に会いたいんだけど、どこに行けばいいの?」
松長「それなら、うちの撮影所に来るといいよー。放課後も撮影やってるから〜」

/場面転換 ソンナ星首都シュツヨーク

 ○大都会の喧騒
 ○男が家に入る

男「応答あったか!?」
男2「駄目だ。」
男「クソッ……」
男2「宇宙防衛省からの応答はなかったが、未確認の星から連絡があった」
男「なんだと? 気のせいじゃなくてか?」
男2「たしかに言葉を聞き取った。ソンナ星応答せよと聞こえた」
男「……その星の位置は分からないのか?」
男2「遠すぎる」
男「よし、俺が行ってみる」

 ○出て行こうとする男

男2「おい、おいどこ行くんだよ。遠すぎるって言っただろ」
男「受信機だよ」

 ○外に出る男。デモ隊が行進している

デモ「署名お願いしまーす」
デモ2「革命参加の署名お願いしまーす」

男「くっ……もう時間がない……。革命家たちの暴動、ブラックホールの暴走……この星の破壊は止められないのか……!?」

/場面転換 撮影所

監督「じゃ本番行きま〜す。3,2,1,シュ!」
妖鬼「ケケケケケ……どうだ、苦しいだろう? このまま死の苦しみを味わわせてやる……!」
松長「ううっ……も、もう……駄目なのね……」
ペル「トォーーーーーッ!!」

 ○打撃音

妖鬼「グハーーーーーッ!?」
ペル「大丈夫か!?」
月野「ペッ……ペルソナ=ムーンライツ……!? どうして……」
ペル「いいからこっちに来たまえ!!」
松長「きゃっ!!」

 ○走る2人

監督「はいカーッ!! OK! 休憩!!」

 ○夜己たちが撮影所にいる

夜己「ペルソナ=ムーンライツさ〜ん!!」
ペル「ん? げっ! あの人たちは……」
スタッフ「こらぁ〜君たちどこから入ったんだ!? ここは関係者以外立ち入り……」
松長「私が入れたんです〜友達なんですよ〜」
スタッフ「まっつんちゃ〜ん困るよ〜勝手にそんな事しちゃ〜」
松長「監督には内緒にしててくださいね〜!」
斗紋「お前がペルソナ=ムーンライツだなっ! 仮面を外せ!!」
ペル「うわっ!?」

 ○押し倒されるペル

ペル「や、やめたまえ! わ、私はこの仮面を外すと死んでしまう病なんだ!!」
斗紋「えっ……!? そ、そうだったのか。悪ぃな。そうとは知らず……」

 ○起き上がる2人

ペル「分かってくれたならいい。」
夜己「ペルソナ=ムーンライツさん。松長みずほちゃんに、コンパクトサイズの鏡をあげましたね?」
ペル「彼女が小道具として使ってるやつだろ。あれは監督から渡されたオモチャだよ」
哉乞「またまたぁ。ほんとは知ってるんでしょ?」
斗紋「俺たち、自分自身がなんでここにいるのかも分かってないんです。宇宙で何か起こってるんじゃないんすか? それであんたもこの星で何かしてるんじゃないんすか? ソンナ星は今、どうなってるんすかっ!?」

 ○胸倉つかむ斗紋

ペル「落ち着けって! はぁ……どうやら君たちも宇宙人のようだね。」
夜己「君たち『も』……?」
哉乞「じ、じゃああなたも……」
ペル「ああ。僕はバルカンカン星からやって来たバルカンカン星人だ」
夜己「や……やっぱり……宇宙人だったんですね……私の思った通り!」
ペル「テレビで堂々とスーパー・マジック・ミラーリング・キラーを流すことで、同じ宇宙人をおびき寄せていたのさ」
斗紋「な、何の為だ?」
ペル「もちろん……この星を独り占めしておく為さ!!」

 ○スーパー・マジック・ミラーリング・キラーを取り出すペル(少女アニメっぽい効果音)

夜己「きゃああっ!! そ、それはスーパー・マジック・ミラーリング・キラー!! みんな、目を閉じて!! 見たら変身させられるわよ!!」
斗紋「くっ……覚えてろ、ペルソナ=ムーンライツ!! ここはひとまず退散だ!!」

 ○4人、走り去る
 ○黙るエトワ

ペル「……ふっ……あはははっ! 引っかかった〜! これはただの模造品だよ〜。宇宙人って話も即興で作った作り話なのに、信じちゃったよ……。なんか悪い事したかなぁ……。まあ、いいか……。それにしても、何なんだろ、あの子たちは……宇宙人って……」
松長「ペルさん」
ペル「わっ!?」
松長「撮影始まっちゃいますよ〜。」
ペル「ああ、そうだったな。松長さん」
松長「はい?」
ペル「あの……こないだの件だが……、今夜、楽屋に来てくれないか」
松長「本当ですかっ!!」
ペル「ああ。誰にも言わずに……来てくれたまえ……絶対、誰にも言わずにね……」

/場面転換 撮影

監督「3,2,1,シュ!」

 ○屋根の上を飛ぶ2人

月野「はぁ…はぁ……。」
ペル「ここまで来れば……もう大丈夫だ」
月野「あ……」
ペル「ん? どうした。どこか痛めたか?」
月野「そ、そうじゃなくて……そうじゃないの……。あ、ありがとう……まさか、あなたに助けられるとは、思わなかった……。」
ペル「ふっ、勘違いするな。俺の目的は、お前を倒すことではない。俺はお前と同じ、妖精と9つの契約を交わしたマギストだ」
月野「えっ!?」
ペル「地球の平和を守るのは俺一人でじゅうぶんだ。貴様は帰って普通の女子高生に戻るがいい」
月野「ど、どうして……私のエルフは何も言ってなかった! 嫌よ! 私はもう戻れない! だって……お父さんも、お母さんも、宇宙人に……」
ペル「……」
月野「私は、宇宙人を許さない……。お父さん……お母さん……あああああぁぁぁん!!」

 ○泣き出す月野

ペル「……一人で背負ってきた重荷……地球を守るという役目……俺も手伝ってやる。だからもう、泣くな。俺を見ろ」
松長「えぐっ……」
ペル「今日から俺も、仲間だ」
ナレーター「こうして新たな仲間となったペルソナ=ムーンライツ。この時から月野の胸に欠けていた、ある感情が静かに鼓動を打ち始めた……つづく」

/場面転換 楽屋

 ○ノック音
 ○ドア開ける

ペル「やあ、来たね。入ってくれ」
松長「お邪魔しま〜す」

 ○ドア閉まる
 ○部屋の中からまっつんの叫び声
 ○物音
 ○何かが倒れる音など

松長「……うっ……」
村上「はぁ、はぁ、……」
如月「よくやったわ、村上エトワ。これで松長ミズホは消えた……。もう邪魔者はいない。この星は我々ソンナ星人のものよ……ウフフフ……ウハハハハハッ!!」
村上「はぁ、はぁ……」
松長「誰か……助けて……。」

♪エンディング

/職員室

先生「それで……今話したことは全部事実かい?」
和亀「はい。あいや、…………はい」
先生「君の受ける処分だけど……」
和亀「何でもします。床掃除、トイレ掃除、先生の肩揉み……」
先生「いや、いい。」
和亀「僕、やりたくてやってる訳じゃないんです。テストが難しすぎて……僕はその、なんていうか、立場的に、いい点を取らないといけないんです」
先生「君の気持ちは分かる。私だってこんな事で叱りたくない」
和亀「もうしません」
先生「うん。」
先生2「先生」(動揺して)

 ○駆け寄ってくる先生2

先生2「松長ミズホちゃんが……死体で発見されたそうです」
2人「えっ!?」

<つづく>[newpage]

[chapter:敵か味方か!? 月光仮面シャルル]

あらすじがjpg形式であるのでそれを参照してください。

https://www.dropbox.com/sh/qkj6uh0jbh5oxbq/AABmPMlLDAeY1g7wPm8lD3Uwa?dl=0[newpage]

[chapter:如月の正体]



































/殺害現場

 ○刑事ドラマでよくある環境音(パトカーの音とかトランシーバーの音とかカメラの音とか)

刑事「被害者は松長ミズホ アイドル 16才 ドラマの撮影の合間に殺害されたようです。首に刺し傷が1つ。急所です」
警部「殺害現場もここか?」
刑事「いえ。殺されてから運ばれたものと思われます。靴が室内用で、ここは屋外ですから」
和亀「松長さん!!」

 ○和亀が駆け寄ってくる

和亀「嘘でしょ!? 松長さん! 松長さーん!!」
如月「ぼっちゃま! ここにいたのですか! さあ、お家に帰りましょう!!」

/和亀サイド

和亀「あなたは……」
如月「田中さんの後任の使用人ですわ。さあ、こっちへ」
夜己「和亀!」

 ○4人、駆け寄ってくる

和亀「みんな。一体何があったの?」
哉乞「僕たちも何が何だか〜」
斗紋「この事件は宇宙人が関与してるに違いねぇ!」
夜己「ねえ、あの鏡は無事なの?」
刑事「こらーっ!! 君!! 何撮ってるんだー!!」

 ○カメラの音

刑事「出てけ!」
頭良「待って下さい! このビニールシート外してもらえます?」
刑事「出てけったら出てけー!!」

 ○刑事にひっ捕まれて放り投げられる頭良

頭良「いてて……」
和亀「頭良林君」
頭良「やあ! 早速飛んできた」
村上「み、みんなー」(遠くから)

 ○村上走りよってくる

村上「一体何の騒ぎ……」
和亀「村上君まで……」
如月「さあ君たち、ここは邪魔ですから、行った行った!」
夜己「あなたは……」
如月「私は、ぼっちゃまの新しい……」
斗紋「おい遊気、大丈夫か?」
遊気「……臭いが……(吐く)」
夜己「ぎゃー遊気! どこに吐いてんのよー!」

/場面転換 学校

校長「えー……皆さん。今日はとても悲しい事件がありました。皆さんで黙祷を捧げましょう。黙祷〜」

 ○夜己たちがこそこそ話す

斗紋「で、一体どういう事なんだよ?」
哉乞「どういう事なんですか〜」
夜己「あたしに聞かないでよ……。」
哉乞「僕が思うに、コレは計画的犯行ですね〜」
斗紋「何でだよ?」
哉乞「犯人は急所を一突きしています。こんな事、一般人にはできません。できるのは前もって勉強した人か、殺し屋か、医者か、……」
頭良「顔見知りの犯行さ。彼女は楽屋に近いところで殺されてる」
夜己「誰かが侵入した可能性もあるでしょ? それに中には私たちを含めて色んな人がいたわよ」
頭良「それだけじゃない。彼女は左側から刺されてる。つまり犯人は正面から刺したって事だ」
哉乞「なるほど! 知らない人だったら逃げるはずですからね!」
斗紋「名探偵頭良〜」
頭良「ヘヘヘ〜」
夜己「で、犯人は誰なの?」
哉乞「誰なんですかぁ〜!?」
頭良「うぐっ……それはまだ……」
斗紋「なんでぇ〜名探偵のくせに〜」
哉乞「くせに〜」
頭良「今に解き明かしてみせるさ。真実はいつもひと……」
先生「コラッ!!」

 ○殴られる音

頭良「でっ」
先生「静かに!!」
5人「すんません……」

/場面転換 和亀邸

如月「今日のご夕食は牛ひれ肉のミルフィーユです。召し上がれ」

 ○みんなの歓声

和亀「うわぁ〜おいしそう。田中の料理もおいしかったけど、如月さんのも美味しそうだね」
如月「そう言って頂けて何よりですわ」
斗紋「いっただっきまーす」

 ○食べるみんな

夜己「おいしぃ〜」
遊気「うまい」
哉乞「田中さんより美味しいかもです〜」
如月「今日は大変でしたねえ。ぼっちゃま、大丈夫でしたか?」
和亀「……うん。みんなもいたし、大丈夫」
哉乞「まっつんさんて、恨みを買うような人じゃないのに、おかしいです〜」
夜己「遊気? 何見てんのよ?」
遊気「頭良がくれた写真だ」
和亀「松長さんの?」
斗紋「見せろ見せろ」

 ○写真見る5人

 ○黙る

夜己「……すごい顔」
哉乞「なんか、びっくりした顔してますね!」
斗紋「どういう事だ? 突然襲われてびっくりしたとか……あるいは」
如月「あるいは、仮面の下に予期せぬ人物がいたとか」

 ○間

如月「あるいは宇宙人に殺されたとか。まあ恐ろしい。皆さん、食事中ですよ! 没収です!」
5人「はぁ〜い……」

 ○ドアの音
 ○如月の足音

 ○間

 ○写真破る音

如月「ふん」

/場面転換 夢

 ○小学生の松長

松長(エコー)「ねえ、あなた名前は?」
松長(エコー)「村上……エトワくん、だね? 宜しくね!」
松長(エコー)「おはよー! エトワく〜ん!!」
村上「松長さん……。」

 ○ふらふらするエトワ

村上「どうしてあんな事を……まるで誰かに操られたみたいに……いいや、そんな事はない。ぼくがやってしまったんだ。……僕は……僕は人を……」

 ○何かを叩く音

村上「っ!! 僕は何て奴なんだ!!」
如月(エコー)「村上君。助けて欲しいんでしょ?」
如月(エコー)「あなたをここから連れ出してあげるわ。私たちと一緒に働きましょうよ」
如月(エコー)「村上君……。言う事を聞かないと……あなたの事……バラしちゃうから」
エルフ「困っているの?」
エトワ「えっ!?」
エルフ「こっちよ、こっち。」

 ○舞い踊るエルフ

エトワ「き、君は!? ……よ、妖精……!?」
エルフ「そうよ、私はエルフ。困っているのね。あなたに、力を預けてもいいわ」
エトワ「力……?」
エルフ「そう。9つの力。優しさを貫き通す力。人を愛しぬく力。未来を詠む力。全てを記憶する力。いつも自分らしくあれる力。それから……」
エトワ「ま、待って。今落ち着くから」
エルフ「落ち着く必要なんかないわ。私はあなたの味方。契約するの? しないの?」
エトワ「ちょっと待ってよ……。ん? 待って? 契約って?」
エルフ「契約。エルフと人間の契約。私たちが力を授ける代わりに、あなた達は1つの使命を負うの。もうすぐこの星は、宇宙のかなたからやって来る生命体に脅かされ、絶滅してしまうでしょう。その危機をあなたの手で守ってほしいの」
エトワ「そんな……僕には無理だよ……」
エルフ「無理じゃない。そのための強さ。人は誰でも強くなれるの。さあ、身も心も清いあなたに、精霊の祝福を」

 ○きらきらした効果音

エトワ「うわ……わああぁぁぁーーーーーっ」

/場面転換 エトワの部屋

エトワ「わっ!」

 ○飛び起きるエトワ

エトワ「……ゆ、夢か……。」

 ○窓を開けるエトワ
 ○雨
 ○スラム街っぽい子供の声

エトワ「……宇宙人、ね……」

/場面転換 和亀の島の庭

和亀「タイムスリップ?」
哉乞「そうです。このタイムマインは『いつでもドア』といって、願った時間に連れて行ってくれるんです」
夜己「それでみずほちゃんの殺害を阻止する算段ね! さっすが哉乞!」
和亀「え……そんな事できるの?」
哉乞「理論上はできるハズです。じゃ皆さん、準備はいいですかー?」

 ○ダイヤルを回す音
 ○起動音 量子的核配列分離音

哉乞「さあ、歴史を変えに行きますよ」

 ○ドアの音

/場面転換 数日前 楽屋

 ○向こう側で2人が話している

ペル「松長さん」
松長「はい?」
ペル「あの……こないだの件だが……、今夜、楽屋に来てくれないか」
松長「本当ですかっ!!」
ペル「ああ。誰にも言わずに……来てくれたまえ」
和亀「哉乞。ここが3日前の楽屋なの?」
哉乞「そうですよ〜」
斗紋「あっ見ろよ。俺たちがいる」

 ○遠くでなんか喋ってる過去の斗紋たち

斗紋「おーい……」
夜己「ちょちょっと! 駄目よ変な事しちゃ!」
遊気「やめとけ、斗紋」
斗紋「うん……それもそうだな。」
哉乞「じゃあ僕たちは、死体発見現場に行ってみましょう〜」

/場面転換 駐車場

 ○ドアの音

和亀「楽屋通用口の裏の駐車場だ」
夜己「ここで発見されたのよね」
哉乞「皆さん、何か気付いた事はありませんか?」
夜己「ん〜……。停まってる車が違うわ」
斗紋「そりゃあそうだろうな」
哉乞「他には?」
夜己「ん〜。ドアは閉まってたわ」
斗紋「そりゃ俺達が今出てきたからな」
和亀「じゃあ閉めるよ」

 ○ドア閉める音

夜己「……あ。このタオルは掛かってなかったわよね?」
和亀「ほんとだ。ハンドタオルが手すりにかかってる」
哉乞「なるほどですね。他には何かありますか?」
夜己「そのくらいかしら?」
和亀「そのくらいだと思うけど」
斗紋「んじゃ、本当の殺害現場探しに戻ろうぜ」

 ○ドアの音(開かない)

斗紋「あれ」
和亀「あっ。ロックがかかってる」
夜己「誰よ閉めようって言ったの」
和亀「……うん。」

/場面転換 楽屋廊下

 ○足音

斗紋「うーん。どこが現場なんだ?」
哉乞「刑事ドラマとかだと、こう、足の裏の付着物とかで現場を特定したりするんですけどねー」
夜己「あと破片とか花びらとかね」
遊気「なあ」(小さい)
和亀「なんで君たちそんな地球のテレビに詳しいの?」
遊気「なあ」(小さい)
夜己「動機から攻めるっていうのはどう? みずほちゃんを恨んでいる人物……」
斗紋「ん〜ファンとか……?」
夜己「じゃあファンが通りそうな場所に行ってみるわよ」
遊気「なあ、あれ、松長」

 ○まっつんが歩いている。

夜己「ほんと! なんでもっと早く言わないのよ!」
遊気「すまん」
哉乞「とにかく追いかけましょう!」

 ○まっつん、エトワの楽屋をノック
 ○ドア開く

ペル「やあ、来たね。入ってくれ」
松長「お邪魔しま〜す」

 ○ドア閉まる
 ○近づいて聞き耳をたてる5人

/場面転換 楽屋内

ペル「まあ座ってくれ。何か飲むかい?」
松長「あっ、じゃあ、オレンジジュースをお願いします」
ペル「オレンジジュースか……あったかな」

 ○戸棚を開ける音など

/場面転換 廊下

斗紋「おい、何話してる?」(小声)
夜己「シーッ。……」
哉乞「中には誰がいるんですかぁ〜?」
夜己「待ってよ……。中にいるのはペルソナ=ムーンライツに間違いない」
斗紋「やっぱりあの男か。どうにも怪しいと思ってたんだ」
哉乞「何を話してるんですか?」

/場面転換 楽屋

ペル「ドラマの脚本はどうだい?」
松長「はいっ! 面白いと思います! 私も観客の1人になって続きを楽しみにしてます!」
ペル「そうか。それは作者としては心強い意見だ。嬉しいよ……」

 ○間

松長「でもそういうの浮かぶのって凄いと思います! 異次元とかエイリアンとか……」
ペル「そうだね……」
松長「架空のものを書くって、大変ですよね。私、尊敬しちゃいます」
ペル「そう、だね……。でも誤解しないでほしいんだ……。僕はありのままを書いてるって事……」
松長「えっ?」
ペル「宇宙人は……存在するんだ」

 ○足音

如月「よくやったわね、ペルソナ=ムーンライツ。」
松長「!? あなた……今、どこから……!?」
如月「姿を消すなんて、宇宙人には容易なことよ。松長ミズホ、あなたは何故ここにいるか分かる? はめられたのよ、この男にね」
松長「えっ……!?」
ペル「……」
松長「……そんな……どういう、こと……? あ、頭が……」
如月「あなたは今日、ここで死ぬの」
松長「嫌! 私は地球を守る魔法少女……」
ペル「気をしっかり持て! これは現実だ! 君は松長ミズホ、今日は7月25日、天気は晴れ時々曇りの、現実なんだ!!」
松長「あなたは誰なの!?」
ペル「……僕は……」

 ○仮面を取るエトワ

ペル「……僕は誰でもない……。ただのしがない、クラスメイトだ」
松長「あっ……あなた、バス停の……」
如月「実は同じ教室にいるのよ」
松長「えっ!?」
村上「ほらね……やっぱり僕なんて、誰も気付かない存在なんだ……影のようにさ……」
松長「ど、どうして私を……」
如月「トボけないでっ! あなたの正体については、とっくに調べがついてるのよ。」
松長「!?」

 ○SF効果音(ミズホの顔写真などがホログラムで表示されたり)

如月「国際宇宙特務特派隊、コードネーム"松長ミズホ"……本名"アルファ-イチマル・パラフォルミナン・テーヴァ"。ソンナ星人……間違いないわね?」
松長「……!!!」
如月「あなたの存在は、私たち革命軍にとっては邪魔なのよ……だから、……死んでもらうわよ!!」

 ○ドアの音

夜己「ちょ、ちょ、ちょっと待ったぁ!! 黙って聞いてりゃソンナ星だの特派隊だのコードネームだの…… 懐かしい言葉ばっかり使いやがってぇ!!」
如月「!? な、何故あんたたちがここに!?」
和亀「き、如月さん!? どうしてあなたが……」
如月「お黙り! 邪魔するようなら容赦しないよ!」
村上「みんな、逃げて……」
夜己&斗紋「村上君」「村上ッ!」
斗紋「なんでお前が……」
夜己「逃げるならみんな一緒よ!!」
斗紋「お前!! いってぇ何者なんだ!! 同じソンナ星人なら容赦しねぇぞ!!」
如月「ふふふ……ククク……あなたたち、知らないのね……? 今ソンナ星に起きている暴動のこと……」
遊気「な、何の事だ……?」

 ○BGM(シリアスなもの)

如月「いいわ、教えてあげる。ソンナ星の首都、シュツヨークにあるとある研究室で、秘密の実験が行われていたの……。」
哉乞「ひ、秘密の実験……?」
斗紋「ど、どんな実験なんだ!?」
如月「"ブラックホール"を作る実験よ……」
松長「ブラックホール……?」
和亀「き、聞いた事がある……なんでも吸い込む、砂地獄みたいな穴の事でしょ……」
哉乞「ブラックホールを作るための理論はすでに存在しています! 誰かが作り出すのは時間の問題です!」
如月「作ったまでは良かったのよ。でも、星はそれから戦乱状態になったの……」

/場面転換 回想

 ○叫び声や暴動の声、戦車っぽい音など

如月「資源を巡る汚い争いよ。全てが枯渇化していた。大部分のソンナ星人は宇宙という大海原へ乗り出したけれど、残った者ももちろんいたわ。彼らの中で資源は底をついて……生きるためには仕方なかったの。とうとう片方の国がブラックホールを兵器として使うようになって……」
斗紋「ぶブラックホールを」
哉乞「兵器ですって!? そんな! 危険すぎます! どんな被害がもたらされるか……」
如月「そう、ソンナ星は消えたわ。」

 ○間

如月「ソンナ星は消えたのよ。……ブラックホールに吸い込まれて、全部消えたわ。」
哉乞「う、……嘘です! 僕たちが出て行ったときには、ソンナ星はまだ平和で、みんな幸せで……。……僕たちは何千年もあとの世界に来てしまっているんでしょうか……? 一体これはどういう事……」
斗紋「そ、それとお前がここにいる理由と何か関係あんのかよ!?」
如月「地球よ」

 ○間

如月「地球の資源が欲しいのよ。ただそれだけ」
斗紋「そ……そんな……」
松長「そのために私を殺すの……?」
如月「そうよ。あなたが今まで、唯一のソンナ星人だったからね。でも今は状況が違うわ。あんた達」

 ○如月が勢い良く指をさす。

和亀「僕も!?」
如月「この際まとめて始末するわ。いいわね? エトワ。始めて」
村上「はい。」

 ○機械音

村上「……はい。ごめん、みんな……悪く思わないで……」
斗紋「村上!!」

 ○間

斗紋「お前はそれでいいのかよ!? お前は、そんな風でいいのかよッ!!??」
村上「ぼ、僕は……」
松長「村上君!」
夜己「村上君! 今しかないの!! 歴史を変えるのは今しかないのよっ!!」
村上「!」
夜己「あなたが変えてッ! 今! 歴史を! 世界を!」
村上「……!」

 ○間

村上「如月さん……僕はもう、あなたの思い通りにはなりません」
如月「何……? 寝言を言ってんじゃないわよ!」

 ○松長を刺そうとする如月

松長「きゃあああっ!!」
村上「危ないっ!!」

 ○村上、刺される音

村上「ぐっ……」
松長「……む、村上君」
5人「村上(くん)!!」

 ○間

村上「……はぁ、はぁ、はぁ」
松長「村上くん!! だめだよっ死なないで!! 村上君っ!!」
村上「……松長……、さん」
松長「えっ……」
村上「幼稚園の頃の事……覚えていますか……?」
松長「……」
村上「実は……あなたと僕は……10年間……ずっと一緒だった……」
松長「エトワ……君……」
村上「あなたが宇宙人だろうが、そうじゃなかろうが……僕はずっと君を……」

 ○息絶えるエトワ

松長「エトワくん……エトワくん……!? エトワ君!! エトワくーーーーーーーーん!!!!」

♪エンディング

/和亀邸 居間

 ○うるさいテレビの音
 ○夜己がスナック菓子の袋を開けてボリボリ食べる

夜己「結局さあ」
哉乞「はい。」

 ○ボリボリ

夜己「トリックなのよね〜トリック。結局観客はどんなトリックがあるのかっつー事に興味をそそられるわけよね」
哉乞「もちろんそうですよ」
夜己「だーかーらぁー、ミステリっちゅーのはトリックありきなワケ。いくら探偵のキャラクターが面白くてもトリックが陳腐だったり謎の散りばめ方がお粗末だったりしたら、全然面白くないわけよー。」
哉乞「ごもっともごもっとも」
夜己「だからね、今回の殺人事件も、何か大きなトリックがあったと思うわ。」
哉乞「そうですねえ。まだ回収されてない伏線もある事ですしね。こっちも開けていいですか?」
夜己「いいわよ」

 ○袋を開ける音、食べる音

夜己「で、何よ?」
哉乞「ん?」
夜己「何が回収されてないのよ?」
哉乞「……(ごくっ)まず、消えたハンドタオル。」
夜己「あぁ」
哉乞「僕は最初からこれが気になってました。なぜあんなところにタオルがかかっていたんでしょう?」
夜己「スタッフの誰かが置き忘れたとか、干しておいたとか?」
哉乞「それだと1つ疑問が残ります。なぜ事件後には消えていたのか。タオルを取れば、すなわち死体を目にする事になります。死体を発見せずにタオルだけを持ち去る事など、犯人以外には不可能です」
夜己「なるほど、じゃああのタオルは犯人のものだと言うのね。」
哉乞「疑問はまだあります。なぜまっつんさんの悲鳴を誰も聞かなかったのか?」
夜己「それは……廊下は色んな人が行き来してたし、台詞の練習をしてる人もいるでしょ?……」
哉乞「それでもペルソナ=ムーンライツ氏の部屋から聞こえれば妙ですよ」
夜己「なるほど。じゃあ、どういうことよ?」
哉乞「僕は、彼女はペルソナムーンライツの部屋で殺害されたんじゃないと思いますね」
夜己「えっ!?(スナックを食べる手が止まる)……そ、それって……犯人が別にいるって事……!?」
哉乞「そうです。犯人は僕たちの身近にいる『まさか』と思う人物……それは……」
夜己「そ……それは……?」
哉乞「……あなたですね? 夜己さん」
夜己「あ、あたし!?」
哉乞「この写真を見て下さい」

 ○写真を受け取る夜己

夜己「犯行翌日の写真ね?」
哉乞「ここをよく見て下さい」
夜己「……あっ!」
哉乞「そうです。夜己さん……ここに写っているのは、あなたですね?」
夜己「……」
哉乞「そして、手に持っているのは、まぎれもなく、盗まれたマロン・グラッセ……そうですね?……あなたは抑えきれない感情でマロングラッセを奪った……」
夜己「う、嘘よ、途方もないでっち上げよ!」
哉乞「とんでもない。僕たちの目をタオルに向けたのは、タオルの向こう側に隠してあった他のお菓子を隠すためですね。」
夜己「な、なんと言う事を……」
哉乞「……あっ、このスナックの袋。ここに書いてありますねえ。(がさっ)『松長ミズホ様』……これはあなたが撮影所から持ち帰ったものだ。動かしようもない証拠ですね。どうです? 夜己さん。」
夜己「……ふっ……うふふふふ……」
哉乞「犯行を認めますか? 夜己さん。」
夜己「……聞いてもいいかしら。」
哉乞「はい」
夜己「……いつ、気付いたの?」
哉乞「最初からです。」
夜己「まさか、いくらなんでもそれは……」
哉乞「犯行翌朝、あなたの口に……食べかすがついていました。」
夜己「ふっ……さすがね……。認めるわ……私がやったのよ……許してね、まっつん……でも……犯人が別にいるって事は、ないと思うわよ」
哉乞「ええ。真実とは、いつもトリックで彩られているとは限らないものです。さあ、行きましょうか」
夜己「……ええ」

 ○BGM:なんか刑事ドラマのEDのパクリ

 ○ドアの音

<終わり>[newpage]

[chapter:あやしいロボット]































/ソンナ星

 ○BGM:異邦的な音楽
 ○車的なものが近づいてくる音

男「いやぁ、感激です。あの有名な崔華 夜己さんにお会いできるなんて」
大人夜己「うふん。そう?」
男「バンビーナにはツアーですか?」
大人夜己「いいえ。……帰郷よ」
男「えっ?」
大人夜己「そこで止めて」

 ○車止まる
 ○ドアの音

大人夜己「ありがと。帰りは自力で行くから」
男「分かりました。お気をつけて」
大人夜己「どうも〜」

 ○車去る
 ○夜己、とある屋敷に足を踏み入れる。
 ○ノックの音

大人哉乞「はぃ〜」(ドアの向こうから)

 ○ドアの音

大人哉乞「あぁ、夜己さん。お帰りなさい」
大人夜己「やっほ〜、哉乞。」

 ○荷物を置く音

大人哉乞「よいしょ。今回は何日泊まるんですか?」
大人夜己「ん〜長くて一週間よ。」
大人哉乞「まーた、何かしたんですね?」
大人夜己「やだ、哉乞までそんな言い方しないでよ。私は歌を歌ってるだけよ」
大人哉乞「夜己さんの人気は、今や全世界に広がってますよ」
子供「夜己さぁ〜ん!!」

 ○かけ足

大人夜己「まぁ〜哉乞クローン。元気にしてたぁ〜?」
大人哉乞「哉乞! 宿題は終わったのかい?」
哉乞クローン「今やってるとこ〜」
大人夜己「今日は私が夜己ちゃん特製の和風ベリバーグを作ってあげるからね〜」
大人哉乞「げぇ! 夜己さんの手作り……」
大人夜己「何よ、文句あんの?」
大人哉乞「いえ……」
哉乞クローン「ねえ、さっき庭でねー」
大人哉乞「ん?」
哉乞クローン「軍服のおじさんが、30人くらいいたよ〜」

 ○窓ガラスが割れる音と夜己たちの悲鳴

大人遊気「崔華 夜己!! 大人しくしろ!! もう逃げられんぞ。」
大人夜己「何よ!! 私が何をしたって言うの!?」
大人遊気「何をしたか? ふっ、笑わせるな。お前は世界を変えた……お前が戦争を起こしたんだよ!!」

 ○夜己を取り押さえる警官たち

大人夜己「ぐっ……離せ!! 離せぇ!!」

♪オープニング

/和亀邸 リビング

 ○朝

 ○ドアの音

斗紋「おはよ〜」
哉乞「おはようございます〜」夜己「おはよ〜」遊気「んー」
和亀「おはよう、斗紋」
斗紋「メシは?」
田中「今お持ちします〜。」

 ○足音

田中「お待たせしました。今日の朝食は純和風テイストにしてみました」
和亀「サンマの照り焼きかぁ〜ひっさしぶりだなぁ〜」
5人「いただきまーす」

 ○食べる

田中「ぼっちゃま。今日のご予定は?」
和亀「6時まで部活に出るよ」
田中「さようでございますか。ではいつも通り、その頃にお迎えにあがります。」
和亀「うん、いつも通りね」

 ○ドアの音

夜己「……ねぇ。なんで私たち、昨日海岸にいたのかしら?」
哉乞「それ、僕も気になっていたんですよ。」
和亀「ああ……。何だっけ……タイムマシンでしょ?」
斗紋「だからさ、誰かが、過去に行って何かを変えようって言い出したんだよ。」
夜己「何かって何よ」

 ○間

4人「さぁ……」
斗紋「哉乞、何とか説明できねえのか?」
哉乞「え〜〜〜。これは仮説ですが……僕たちの記憶が、誰かの作為的行為によって抜き取られてしまったのではないでしょうか〜。」
夜己「何? 宇宙人の誘拐みたいな?」
斗紋「まぁ俺たち宇宙人だけどな」
哉乞「まだ、何とも言えません〜。」
夜己「そうそう、ところで和亀」
和亀「ん〜」
夜己「楼華ちゃんとの奴隷契約、やるの?」
和亀「…………あーーーーーー忘れてたーーーーーーー!!!」

/場面転換 学校

  ○楼華のけたたましい笑い声

楼華「何ですの!? その顔は!! もっとしゃきっとしなさい!!」
和亀「ううううう……」
楼華「あたくしの愛車を洗わせてもらってるんですのよ!! もっと喜びなさい!! もっと!! も〜っと喜びなさい!!」

 ○ムチの音

和亀「なぜムチーーーーー」

 ○車に倒れこむ音

楼華「サボッてんじゃねぇわよーーーーーー!!!」

 ○ムチの音×3(遠くから)と和亀の叫び声

松長「おはよ〜! 夜己ちゃん!」
夜己「おはよーまっつん」
松長「おはよ〜エトワく〜ん」
村上「おはよう松長さん」
先生「みんなー席につくダマスー! 今日は夏休みの自由研究を発表してもらうダマスよー」
和亀「あ゛ーっ!? しまったぁ!? 忘れてた!」
斗紋「なんでぇ、また立たされんのかよ和亀ー」
哉乞「ダッサイですぅ〜」
和亀「哉乞に言われると腹立つ……」
先生「転校生も同様ダマス!!」
4人「えーっ!」

/視点転換 松長サイド

松長「エトワ君。宿題やってきた?」
村上「あ……いや、実は何も……」
松長「そうなんだぁ〜じゃあ私と一緒だね〜! ねぇ、あとで一緒に謝りに行こうよ〜」
村上「い、いいけど……」
松長「ありがと〜エトワ君と一緒なら心強いや〜」

/視点転換 楼華サイド

楼華「づらばや〜し!」
頭良「はい! 楼華さん!」
楼華「あの2人はいつから仲良くなったのかしら?」
頭良「へっ? あぁ、村上と松長さんでやんすか? んっ? そういえばそうですね。あいつらって確か……」
楼華「まぁ、いいですわ。和亀!! 午後はあたくしのお昼の紅茶を入れるのですわ! イングラ帝國が定めた本格ティーですわよッ!!」
和亀「へ、へぇぃ……」
先生「今日は皆さんに紹介したい人がいるダマス。教育実習生の、『アンディ=アシモフ』先生ダマスッッッ!!」

 ○静まる教室。ドアの音と足音

アンディ「……(機械音)……ワタシノ名前ハ……アンディ=アシモフ……ダ」
5人「……アンドロイ」
アンディ「(遮る)アンディ…………………ダ」
先生「先生のご専門はメカトロニクスダマス。これから色々教えてもらうように。HR終わり!!」

 ○・・・・・・・・・。

/場面転換 和亀カンパニー

 ○オルゴールの音
 ○正、オルゴール聴きながら、椅子をぎいぎいやってボーッとしている
 ○ノック音
 ○ドアの音

如月「失礼します。社長、牙上様からコミュニケーションオファーです」
正「うむ。繋いでくれたまえ」
如月「失礼します」

 ○出て行こうとする如月

正「如月君」
如月「はい社長」
正「……いや、何でもない。行きたまえ」
如月「はい。」

 ○ドアの音

正「……まるで人が変わってしまったかのようだ……一体これはどういう……」

 ○ピッ

牙上(通話音声)「正!」
正「お、伝乃輔。調子はどうだ?」
牙上「(笑い声)まあ、何とかやってるよ。お互い社長は辛いよな。」
正「今どこにいるんだ?」
牙上「あぁ、その事なんだけどな、スペースシャトル製造基地にいるんだ」
正「うん」
牙上「そこでちょっとした問題が起こってな。そっちのエンジニアを数人派遣してくれないか。できるだけ腕の立つ奴を」
正「お前の頼みとあれば、お安い御用だ。問題って?」
牙上「俺たちにも理解不能なんだ。」
正「それじゃ、こっちも誰を派遣すればいいのか分からん。」
牙上「うん……。とにかく来てもらわない事には、説明ができない。とにかく数人送ってくれ。」
正「いいだろう。」
牙上「助かる。じゃあな」

 ○通信切断音
 ○ドア開く音

幸「あなた」(弱弱しく)
正「さ、幸!? どうした。こんな所に来るもんじゃない。家でゆっくりしていなさい」
幸「あなた……最後に一目、会いたかったの……私、もう駄目みたい……」

 ○倒れる音

正「幸!! (ピピピ)如月君!! 至急医者を呼んでくれ!! 妻が倒れた!!」
如月「はっ、はい!」
正「幸、幸っ! しっかりしてくれ! 大丈夫、大丈夫だから、まだ死ぬんじゃない!」
幸「あああ……和……和は……?」
正「和は元気だ、しっかり育ってるよ。会いたいだろう、和にまだ会ってないだろう! しっかりしろ、今医者が来るからな!!」
幸「……(はぁ、はぁ、はぁ)……あなた……。……き、きをつけて……うちゅ……」
正「なんだ……!?」
幸「う……」
正「う……?」
幸「うちゅ……じん……」

 ○エラー音

牙上「正!! 正!!」
正「!?」
牙上「駄目だ! 間に合わない! ザイバーパンクがハッキングされた!! シャフトが全部イカれてる!」
正「なん……だと!? 室内環境は!?」
牙上「駄目だ! 絶えられん! 摂氏……87度……」
正「し、信じられん……」
牙上「有毒物質のタンクが破裂した……今にここにも吹き出してくる……正……うちゅ……」
正「!?」
牙上「宇宙人が……いる……」

 ○激しいノイズ音

正「……!!!」
如月「社長! 今来るそうです!」
正「如月君……」
如月「えっ……!?」
正「どういう事だね……君の仕業かね……!!」
如月「し、社長……何を言ってるんですか……」
正「なぜだ!? なぜとぼけている!? 昨日までの態度はどうしたッ!?」
如月「え……!?」
正「出て行け!! クビだッ!!」
如月「なっ……!? ど、どうしてですか! 私は何も……」
正「早く行け!!」

 ○間

如月「……っ!」

 ○出て行く如月

/場面転換 和亀カンパニー玄関口

 ○如月の走る音
 ○ぶつかる音

如月「きゃっ!」
田中「うわっ!」

 ○間

田中「ご、ごめんなさい。急いでいるので失礼します」

 ○走り去る田中

 ○ドアの音

田中「社長!! お、奥様っ!」
正「田中! よく来てくれた。幸を医者に渡してくれ。」
田中「かしこまりました。(ノイズ音を聞いて)……何があったのですか?」
正「今は聞くな……。行け」
田中「はっ」

 ○幸をかついで出て行こうとする

正「田中」
田中「!」
正「……和には何も言うな。」
田中「……はい。」

/場面転換 過去回想

 ○病院の音
 ○BGM:オルゴール

医者「……残念ながら、もう長くはないようです」
正「……何とかならないんですか……先生……先生!!」
医者「申し訳ない……。本当に何もないんです……」

 ○いたたまれなくなり、出て行く医者
 ○正号泣。

幸「あなた……いいのよ……。悲しまないで……」
正「幸……うっ……何故なんだ……」
幸「あなたと私は、十分長く一緒にいたじゃない……もう、何も望むことはないわ……。1つだけ気がかりなのは……和の事ね……」
正「……ああ……」
幸「和に……もう一度だけ会いたい……。」
正「……あと1年の辛抱だ……そうすれば……それまで頑張ってくれ……」
幸「ええ……天に願うわ……。」

/場面転換 屋上

 ○楼華、1人でいる。
 ○ドアの音

和亀「……楼華さ〜ん、ノートの整理終わりました〜。あとは筆跡を真似るだけ……」

 ○楼華に近づく和亀

楼華「……」
和亀「……楼華さん? どう……したの……?」

 ○目が真っ赤な楼華。

楼華「……何でもありませんわ。」

 ○立ち去ろうとする楼華

和亀「ま、待ってよ! 楼華さん! 一体何があったの!?」
楼華「あなたには関係のないことよ」
和亀「関係ないことあるか!! 僕たち、長年の幼馴染じゃないか! そんなに、目を真っ赤に腫らして、あの楼華さんが……。 話してみなよ。」
楼華「……和亀」

 ○間

楼華「色々してくれて、ありがとう。」

 ○立ち去る

和亀「あっ……」
楼華「契約は、今から解除ですわ」

 ○ドアの音
 ○間
 ○楼華携帯の音

和亀「あっ!? 楼華さん、携帯忘れてってる……」

 ○ピッ

和亀「もしもし、すみません、今代わります……」

 ○間 立ち止まる和亀

和亀「……え……楼華さんの……お父さんが……?」

/場面転換 廊下

遊気「おい」
アンディ「……」
遊気「おい、センコー」
アンディ「……」
夜己「アンディ先生〜」
アンディ「ワタシハアンディセンセイ」
斗紋「コイツ、不良品なんじゃねえの?」
哉乞「う〜ん。地球製なら、あんまりいい品質だとは思えませんねぇ」
斗紋「せんせぇ〜! このセンセイはなんなんですか〜?」
ダマス「何なんですか〜じゃないダマス! この方はアンディ先生ダマス!」
哉乞「質問しても、ろくに答えてもらえないんですけど〜」
ダマス「正しい質問をしないと答えてくれないダマス。アンディ先生はきっちりしたお方ダマスから」
夜己「へぇ。きっちりしたお方だって」
哉乞「アンディ先生。あなたはダレですか?」
アンディ「(機械音)……ワタシハ……アンディセンセイ」
斗紋「知ってます」
夜己「アンディ先生。生まれはどこですか?」
アンディ「(機械音)……和亀カンパニー……第7工場」
4人「へ〜」
哉乞「和亀さんの会社で作られたロボットみたいですね」
アンディ「ロボットデハアリマセン……ワレワレハ"レプリッカー"……人間型アンドロイド」
夜己「アンディ先生アンディ先生。年は幾つですか?」
アンディ「キュウサイ」
夜己「いやん♪9才だって! か〜わ〜い〜い〜」
哉乞「好きな食べ物は?」
アンディ「セキタン」
斗紋「ふぅ〜もう飽きたな。次の授業なんだっけ?」
哉乞「化学です」
斗紋「一番ダルいのキターっ! ボイコット決定〜」
哉乞「僕は出ますよ〜地球の元素はソンナ星の元素と違いますからね〜」
夜己「私も擬人化小説のネタになるから出るわ〜」
斗紋「行こうぜ遊気〜」
遊気「おう」
アンディ「先生ハ……ユルシマセンッ!!」

 ○なんか機械音
 ○2人の叫び声

アンディ「言ウ事ヲ聞カナイト……"ギロチンスンドメ"ノ刑ニ処シマス」

 ○ギロチンの落ちる音

斗紋「あ゛あぁぁぁぁ゛ーーーーーーーーっ!? でででで出ます!! 出ます出ます!!!」
アンディ「センセイハヨイ子をマモル」

 ○ギロチンがしまわれる音

斗紋「な……なんだこのセンコーは……」

/場面転換 商店街

 ○歩く如月。

如月「はぁ……」(とぼとぼ)
如月「どうしてクビになっちゃったのかしら……確かに最近もの忘れが激しくて困ってはいたけど……あんなに怒るなんて……」
田中「あっ」(遠くから)

 ○近づいてくる田中

田中「あなた、さっきの」
如月「ああ」
田中「さっきはすみません。緊急事態だったものですから」
如月「田中さん、ですよね?」
田中「え、ええ……どうして私の名前……」
如月「私、3週間ほど前から、社長の秘書として働いていた、如月さつきといいます。」
田中「だんな様の? それは失礼しました。なにぶん会社には滅多に行かないもので……」
如月「でも、今はもう違うんです。さっきクビになってしまって」
田中「そうなんですか……。社長も気が短い所がありますから……きっとまたお声がかかりますよ。しばらく待っていれば」
如月「だといいんですけど……。田中さん、お昼はまだですか? よかったらご一緒にどうですか? 私おいしいイタリア料理のお店を知ってるんです」
田中「あっ、それはいいですねえ。」

/場面転換 いためし屋

 ○イタリアっぽいドアの音

店員「ボンジョルノ!!」店員「ボンジョルノー」
田中「本格的ですね」
如月「こっちです」

 ○席に座る如月

如月「ここ、私のお気に入りの席なんです。すみません! ミートソース2つ!」
店員「かしこまりました〜。お好みでスープをお付けできます!」
如月「じゃあ私は、オニオンスープを。田中さんは?」
田中「僕はこれを」
店員「ボルケーノローマニックスープですね!少々お待ちを〜」

 ○間
 ○笑う如月

田中「? 何ですか?」
如月「いえ……(笑いながら)」
田中「スープですか? 飲んじゃいけません?」
如月「違います。その前です。田中さん、自分の事『僕』って言ったじゃないですか」
田中「言いました? 私が?」
如月「そうですよ。田中さんっていつも『私』って言ってましたから、ちょっとびっくりしたんです」
田中「あぁ〜、そうですか。私も無意識に使ってました。でも……」(どうして知っているんですか?)
店員「お待たせしましたぁ〜、オニオンスープと、ボルケーノローマニックスープです」

 ○ぐつぐつ煮えている

店員「火山が噴火しますのでお気をつけください。ごゆっくりどうぞ〜」
田中「噴火?」
如月「あっ離れて……」

 ○ボルケーノローマニックスープが噴火する音

田中「あ゛ぁーーーあぢっ!!」

/場面転換 和亀本邸

 ○BGM:豪華なもの
 ○食器の音、メイドたちがせわしなく歩く音

/場面転換 和亀本邸 サロン

 ○パーティのざわめき

↓ガヤ台詞例
「えぇウチの子もようやく10才になりまして……」
「いやですわただの天然パールですのにおほほほ」
「これは600年前にエジプトで出土されたモノでね……」


男性「いやぁ和亀さん。立派なパーティですな」
正「ありがとう。今日は私の母がホストなんだ」
男性「お母様は今?」
正「メイキャップに時間がかかっているんだろう。多分もうすぐ……」
ヨシ「たーーーーだーーーーしーーーーちゃーーーーん!!」

 ○ヨシが駆け寄ってくる

ヨシ「あら、今日は来てくれて本当にどうもありがとう。」
男性「いえいえ。和亀さん、お誕生日おめでとうございます」
ヨシ「いやんねぇ〜ヨシてよぉ〜もぉ(下品な笑い声)」
正「では私はこれで。楽しんで」
男性「ええ」

 ○サロンを出る正
 ○廊下を歩く音
 ○ドアの音

正「……容態はどうですか、先生」

 ○医療器具の音

医者「……(首を振る) もって3日……今夜ということも……」

 ○幸のもとに寄る正

正「あと……あと7ヶ月……あと7ヶ月で和に会えるんだ……頼む……どうかそれまで……」
医者「あの、今夜会わせては」
正「駄目だ!! 7ヶ月……7ヶ月待たねばならん!!」

 ○オルゴールを流す正

幸「……はぁ……はぁ……」
正「耐えてくれ……幸……お願いだから……」

♪エンディング

/夜

 ○正、起きる。

正「んっ……!? い、いかん。眠ってしまったのか。」

 ○幸を見る正
 ○横に人影がいるのを発見する

正「だ、誰だ!?」
大人斗紋「おっと! やべぇ、見つかったか。」
正「さ、幸に何かしたら、私が許さん!!」
大人斗紋「勘違いすんなよ、和亀正さん。俺は彼女を救ったんだ」
正「え……?」

 ○幸を見る正
 ○幸、安らかな寝息

正「ま……まさか……一体どうやって……」
大人斗紋「これだよ」

 ○斗紋が何かを取り出す

大人斗紋「不老不死の薬"エリクスリ"……これで彼女は安泰だ。おっと、長居はできねえんだった。あばよおっさん」
正「ま、待ってくれ。あなたの名前は……」
大人斗紋「琉架 斗紋。宇宙から来た医者さ」

<つづく>[newpage]

[chapter:STAR COMPE]










10KBだけど音楽あるから平気かな?(時間的な意味で)

























 ○パイプオルガン

 ○BGM:荘厳

 ○シュツヨークの大都会さを次々に見せる。

/場面転換 宇宙船内

 ○宇宙船の電子音

コンピュータ「速度良好。視界良好。着陸準備完了」
夜己「船長! 着陸準備完了よ!」
斗紋「よし! 面舵いっぱい! ちゃくり〜く!!」

 ○宇宙船が着陸する音

 ○間

 ○ドアの音とともにざわめきが聞こえる

夜己「さ、降りて降りて!」
和亀「わっ」

 ○宇宙船から降りる音
 ○和亀、しばし唖然

和亀「これが……ソンナ星……」
4人「ようこそ!! ソンナ星へ!!」

♪オープニング

 ○都会の人込みに流される和亀

和亀「す、すごい人」
夜己「ここはソンナ星の中心都市なのよ。」
斗紋「なあ、まずは俺たちの大学を紹介しようぜ!!」
哉乞「そうですね! こっちですよ! 和亀さん!!」
和亀「ひぃ〜」

/場面転換 ソンナユニバ前

哉乞「ここが、僕たちの通っている『ソンナユニバ』です!!」
夜己「ソンナ星一の大学なのよ!!」
遊気「いろんな意味でな」
斗紋「よし、次はシェントラル公園に行こうぜ!」

/場面転換 シェントラル公園

 ○のどかな音

和亀「のどかな所だー……地球みたい……」
夜己「仕事の合間の休息に、家のない者の住処に、恋人を探すふらふらした男女に人気のスポットよ」
和亀「……。」(鳩の飛び立つ音など)
哉乞「せっかくだから近くの音楽屋敷に行ってみましょうよ」
和亀「音楽屋敷?」
夜己「行けば分かるわ」

/場面転換 音楽屋敷

 ○オルガンっぽい楽器の音

和亀「ふわーーーーでっかい建物だねえ」
夜己「昔の人が建てたのよ。四六時中音楽が流れてるから音楽屋敷ってわけ」
和亀「なんで流れてるの?」
夜己「さぁ?」
斗紋「ふぁ〜、これで観光名所はあらかた行ったな。」
夜己「もうすぐ暗くなってくるわね〜。」
哉乞「じゃあ最後に霞が辻に行きましょう」
和亀「霞が辻?」
夜己「王政機関が集まってる所よ。」

/場面転換 霞が辻

 ○SE:どーーーん

和亀「でかーっ」
夜己「あれがソンナ星官公庁。ありとあらゆる行政機関が入っているの。」
斗紋「ちなみにあれはソンナ星一でかい病院、クリチャンス病院で、あっちは保安庁だ」
夜己「で、私達の職場はこっちよ」
和亀「職場? みんな、大学生なんじゃ?」
夜己「やーね、大学は趣味みたいなもんよ!」
和亀「へー……」

/場面転換 地下通路

夜己「足元暗いから、気をつけて」
和亀「う、うん。ところでこれはどこにつながってるの?」
哉乞「シュツヨークには2つの地区があって、それぞれ独自の法律を持ってるんです。」
斗紋「ここはその2つの地区を繋ぐ地下道」
夜己「さっきいたのは東シュツヨーク、今から行くのは西シュツヨークよ」
和亀「夜己さん」
夜己「何よ」
和亀「ここってホントに通っていいの?」
斗紋「おっ、着いたぜ!」

/場面転換 西シュツヨーク

 ○さっきとはまるで違う効果音

女「夜己ォ!! 久しぶりじゃない!!」
夜己「ハ〜イ! ねぇ今日の馬券空いてる?」
女「空いてるわよォ、あんたのオキニは大穴よ!」
夜己「よっしゃあ!!」

/場面転換 競馬場

 ○大歓声

夜己「いっけぇーー!! 私のオキニーーー!!」

 ○馬(?)の走る音

 ○哉乞が何か喋るが聞こえない。

和亀「何ーーー? 聞こえないーーー」
哉乞「夜己さんはここで大金持ちになった事もあるんですーーー」

 ○完成

夜己「キャーーーー!! ヤッタわ!! 1等よ1等!!」
哉乞「よかったですね」
夜己「次のレースに全財産賭けるわよ!!」

哉乞「えっ!? そ、それは困るんですが……和亀さんが帰るためのお金が……」
夜己「勝ちゃいいんでしょ勝ちゃー!!」

 ○SE:スタートの音
 ○歓声

和亀「ルールは?」
哉乞「競馬とカーレースとローラーレースを掛け合わせたみたいなもんですよ。自分の使い馬(ま)に引かせた車に乗って、相手より先に7週すれば勝ちです。暴力、拳銃、反則は基本的にフリーダムです」
夜己「ぶっ殺せー!!」
和亀「……危ないレースだね。」

 ○どよめき

夜己「キャーッ!?」
和亀「!?」
実況「ただ今オキニーの操者が事故で運ばれました!! オキニー失格かぁ!? 50秒以内に2番バッターが出れば試合続行です!……しかしオキニーは大穴! 誰もが彼の失格を望んでいるのか、だれも手を上げません!! あと30秒!!」
夜己「ど、どうしよう……全財産かけてあるのに……! 私このままじゃ……ああああああああーーー!!」
和亀「夜己さん! 落ち着いて!」
夜己「和亀! あなた拳銃得意って言ってたわよね!」
和亀「えっ!? ……あ、ああ、そういえば……」
夜己「和亀。(超真顔)脇の下になんかついてる」
和亀「えっ」(脇の下を見る和亀)

 ○歓声

実況「おーーーーっと上がったアアァァァーーーーこのアウェーな空気の中手を挙げた一人の勇者ーーー名前と出身は!?」
和亀(マイク)「地球から来た和亀和です」
実況「和亀和!! 右から読んでも和亀和!! 左から読んでも……和亀和だァァァァーーーッ!!!」

 ○大歓声

和亀「な、なんでこんな事に……」
哉乞「和亀さーんがんばってくださーーーい!!」
斗紋「いけー和亀ー」
遊気「せいぜい死ぬなー」

/場面転換 レース会場

 ○ファンファーレ

実況「さぁ! 仕切り直しのル・モン第6675回!! 出場者は……第五惑星ケプトのヴァネパセ! そしてバンビーナのハンニンバル! 平安星のマアア! そして地球の……和亀和ーーーー!!」

 ○歓声

実況「さあ今各自準備運動をしています。果たして栄光のル・モンは誰の手に!?」

 ○プッ……プッ……プッ……ピーン
 ○走り出す音

実況「今一斉に走り出したーーー!!」







 ○3分くらい台詞なし!








哉乞「夜己さん。夜己さん!」
夜己「んっ?」
哉乞「はい、売店で買ってきました、ホットキャットです」
斗紋「おっ、気が利くじゃん。」
夜己「サンキュー。」

 ○座る哉乞

哉乞「和亀さん、頑張ってますね。」
夜己「ええ……」

 ○事故の音

4人「あっ!?」
実況「おーっと和亀が事故った!! 大丈夫か!?」

/場面転換 街

和亀「あいててて……」
夜己「大丈夫? 和亀」
和亀「うん。派手にぶっ飛んだわりに怪我は少ないみたい」
哉乞「よかったですね〜」

 ○ドアの音
 ○クラブの音

夜己「ここに座ってて。マスター、バーボン」
マスター「あいよ」

 ○バーボンを注いで置く。和亀飲む

 ○夜己、どっかに去る。

和亀「うう……」
斗紋「大丈夫か? 怪我見せてみろ」

 ○怪我を見る斗紋

斗紋「頭がおかしくなったりは? してないか?」
哉乞「和亀さんはもともとおかしいんですけどね」
和亀「うっ……そういえば何か、くらくらするような……今、僕は何を飲んだっけ……。あっ! ついうっかりお酒飲んじゃったよ! 未成年なのに!」
哉乞「お酒は怪我に効くんですよ」
和亀「いつの時代の民間療法だよっ!」

 ○音楽が始まる

遊気「おい、始まったぞ」
斗紋「お。和亀、よーく見てろよ」
和亀「え……?」
哉乞「夜己さんのお仕事ですよ」

 ○このへんは音楽主体なので脚本はありませんが、夜己が歌って踊ります。(3分くらい)

和亀<僕は目を奪われた。今まで見てきた夜己さんとは大違い。彼女は大胆で派手に着飾った衣装を着て、ステージ上を縦横無尽に、炎が全てを嘗めるように歌い踊った。海に住む巨人が足を踏み入れたように、僕の心は奮え高鳴った。夜己さんが吼えるたびに、僕の全身を突風が吹きぬけた。竜巻は濛々と大地の砂を巻き上げ、ありとあらゆる風の息吹は、あい互いに逆風となって争い乱れ騒ぎ、大空は海原とひとつとなってわき立っていた。僕は雷に打たれ、正気をなくした鳩のように、彼女をただ見続けるしかできなかった。>

 ○拍手

夜己「フゥ〜☆ ありがとーッ!」

 ○退場夜己

/場面転換 外

 ○酒をがぶ飲みしてぐでぐでの5人、バーから出てくる
 ○雨
 ○もうアドリブで! 酒飲んで演技して!(投げやりな訳では……) 声優さんの趣味連発して!

夜己「あ〜〜、楽しかったぁ〜〜〜〜」
和亀「ホントぉ〜〜〜〜。こんなに楽しかったのは生まれて初めて〜〜〜〜」

 ○ふらふらしてみんなどっか行っちゃう

和亀「僕……この星に来て、よがっだですぅ〜〜〜。夜己さんのダンスも観れたし〜〜〜〜。スゴかったですよ〜〜夜己さんは〜。」
夜己「デェッヘッヘッヘッヘ。そぉ? エヘヘヘ。あたしねぇ……歌を歌ってる時が、世界で一番、飢えてるって感じがするの。」
和亀「飢えてる?」
夜己「そぉ。何かに飢えてるのよ。どこか、遠い所の、何かに、手を届かせたいんだけど、ぜんぜん駄目。それで悔しくて、悔しくて、どんどん前に出るんだけど、全然ダメなの。そんな感じ。雨を全身に受けても、すぐ乾いちゃう大地とおんなじ」
和亀「へぇ。ただ楽しいだけじゃないんだ」

 ○間

和亀「あれっ? そういえばみんなは?」
夜己「あっ。この人込みではぐれちゃったみたい。まぁいいわ。どっか見晴らしのいいとこ行きましょ」

/場面転換 海岸

夜己「うーーーーーみーーーーーー!!」
和亀「うわ〜綺麗だね〜」(海に映る月? 明かりが)


★ここでなんか伏線になるような会話(だけど美しい修辞)

和亀「……夜己さん」
夜己「ん?」
和亀「また、地球に帰ってきても、いいからね。僕、いつでもみんなを待ってるから。」
夜己「……うん。」
和亀「ううん。そうじゃない。夜己さん!」

 ○和亀、夜己に向き直る

和亀「地球に帰って来てよ!! どうして帰っちゃうんだよ!? 僕、みんなが来てから、僕、僕は……こんなに楽しくて……」
夜己「和亀、泣かないで。出会いは、別れのためにあるのだから。私たちは違う星の人間。いつか別れなくてはならない時が来るわ」
和亀「嫌だ! 行かないで、夜己さん。」
夜己「和亀。今までありがとう」
遊気「和亀」
斗紋「和亀!」
哉乞「和亀さん!」
和亀「みんな……」

 ○宇宙船の音
 ○鐘の音

哉乞「さようなら、和亀さん……」
斗紋「オレ……お前と会えて、ホントによかったぜ」
遊気「じゃあな」
夜己「……お別れの時間みたいね」
和亀「……(泣いている)」
夜己「さあ、乗って。行きなさい。」
和亀「また……会えるよね?」
夜己「……もちろんよ」

 ○宇宙船に乗る和亀

和亀「みんな……ありがとう。僕はみんなと会えて、なんだか、大きな光に照らされたみたいだったよ。短い間だったけど、僕は絶対君たちを忘れない……。どんなに世界中を旅をしても、どんなに色々な人に会っても、どれだけ遠くに行っても、僕はみんなを忘れない……」

 ○宇宙船、今まさに去ろうとしている
 ○4人別れの挨拶をしている

和亀「さよーーーならーーーーっ!!」

 ○宇宙船、去る

/場面転換 和亀の部屋

 ○5人が川の字(?)になって寝ている

和亀「はっ。」

 ○起きる和亀。4人のいびきと寝言

和亀「今のは……夢かぁ……。そうだ、哉乞の発明品で、人の記憶が夢になる装置……"ゆめまくらクン"を使ったんだ……ふわあぁぁ……」

 ○4人の寝顔を見る和亀

和亀「でも……たとえ夢でも、みんなの故郷を見れて、僕は嬉しかったよ。」

♪ED

/西シュツヨーク 街

遊気「ヒィ〜ック!! お〜い、もう一軒行くぞ〜」
斗紋「お〜」
遊気「ううぅぅ……おげー」
斗紋「遊気〜テメェどこほっつき歩いてんだよォ〜!?」
遊気「ヒック……」

 ○女性たちが歩いてくる

遊気「おうネエちゃん可愛いねェ……」
女「いゃ〜ん!!」
遊気「ヒック」
斗紋「おぉ〜れ〜はどやど〜やともん〜さ〜まぁ〜」
遊気&斗紋「仕事〜に追われ〜てまっし〜ぐ〜ら〜」
斗紋「〜っと!」

 ○歌いながらフェードアウト

<つづく>[newpage]

[chapter:KUNGFU PANDA]


































♪ハードロックなエレキギター

/学校

 ○アンディの歩く音

アンディ「……ダマス……センセイ……」
ダマス「おや、アンディ先生。どうされました?」
アンディ「オリイッテ……オリイッテオハナシがアリマスノデ……ドウゾ、コチラニオコシクダサイ……」
ダマス「ええ……」

/場面転換 廊下(奥まったところ)

ダマ「どうされたのですかアンディ先生? なにもこんな所まで来なくても。何か他の人には聞かれたくない事情でも?」
アンディ「グギギギギ……」

 ○機械動作音

アンディ「チキュウ……セイフクサクセン……カイシ」

 ○洗脳される音
 ○ダマス先生の叫び声

♪オープニング(ハードロックだとよいです!)

/学校

 ○チャイム
 ○ドアの音

夜己「おはようございまーす」斗紋「はよーっす!」和亀「おはよう」哉乞「おっぱらぱっぴー」
松長「あっ! おはよー和亀君」
村上「おはよう」
頭良「おっはー」
楼華「おはようなのですわ」
夜己「何々? みんなして集まっちゃって」
頭良「世間話だよ」
楼華「庶民共と退屈な世間話をしていたのですわ」
夜己「へー」
頭良「ところでキミ達、最近のダマス先生をどう思う?」
和亀「ダマス先生? どうかしたっけ?」
松長「最近、様子がおかしいのさ〜。」
ダマス「静かにするダマス!」

 ○ダマス入場

ダマス「HRを始めるダマス! 相沢!」
相沢「はい」
ダマス「葵!」
葵「はーい」

 ○ダマス、出席をとる(クラスの名前については別記)。和亀たち話す

和亀「普通じゃないか」
松長「そうだね……」

 ○ダマス、突然動物の鳴き真似を始める
 ○ざわつく

ダマス「次、頭良林!」
頭良「は、はい」
ダマス「丑二!」
丑二「はい……」

 ○ダマス、ソンナ星語を喋り始める
 ○ざめつく

夜己「!? 今の……」
ダマス「本日も全員欠席。連絡事項はありません。以上HR終わり!!」

 ○ダマス退場
 ○ざわつく教室

/場面転換 体育館

女の子「パース!」

 ○バスケットボールの音

楼華「はいですわー!」

 ○ホイッスルの音

先生「駄目駄目! どこを見てるんだ! 何故早く動けん!」
楼華「だ、だって……」

 ○ソンナ星語を喋り始める先生

楼華「せ、先生……?」

/場面転換 教室

先生「化合した過酸化ヨウ素は高濃度の液体となり……」

 ○叫びだす先生(途中でカット)

/場面転換 放課後

 ○机を叩く音

和亀「どうしちゃったの!? 先生たちがおかしいよ!!」
松長「変なものでも食べたのかなぁ……?」
楼華「どう考えても何かの薬の作用ですわ」
頭良「インボーだよっ!! これは陰謀だっ!!」
村上「生徒たちにも同じような言動をする人が出てきたみたい」
全員「……う〜ん……」
斗紋「おっと、やべ。もう部活の時間だ」
頭良「部活入ったんだ?」
斗紋「まあな。和亀1人置いて帰るのもあれだし」
松長「何部なの〜?」
斗紋「俺は水泳部、夜己は文芸部、で哉乞は……」
哉乞「睡眠部です〜」
全員「睡眠部?」
哉乞「睡眠がいかに有用かを身をもって実証する部です〜」
和亀「つまり寝てるだけね」
夜己「あれ? そういえば遊気は?」
斗紋「あっ? 本当だ。」
哉乞「遊気さんだけ部活に入ってませんから、どっか散歩にでも行ったんじゃないですか〜?」
村上「遊気君なら、さっき校庭で見たよ。美女と一緒だったけど……」
全員「美女!?」

/場面転換 校庭

 ○遊気を探す夜己達

夜己「遊気と謎の美女を見たのはここでいいのね?」
村上「う、うん……」
哉乞「ゆ、遊気さん……。何か事件に巻き込まれてるんじゃないでしょうか……」
夜己「とにかく、遊気の足取りをたどるわよ! 手がかりがないか探して!」

 ○探す うーんとかん〜とか

斗紋「んなもんねぇよ」
夜己「今日は全員、部活返上で遊気の行方を追うわよ。哉乞!」
哉乞「はいっ!」
夜己「なんか出しなさい!」
哉乞「はいっ! ……え〜と、そうですね……。『くんかくんかくん』〜! これを鼻に装着すると、嗅覚が鋭くなります!」
頭良「よし! 貸してみなさい!」

 ○頭良に取られる哉乞

頭良「よし、これで……」
夜己「頭良君じゃ眼鏡が邪魔でつけられてないわ。楼華ちゃんやってみてよ」
楼華「え〜なんで私なんですの〜!?」
松長「あたし、楼華ちゃんがつけた姿見たいな〜」
哉乞「そうですね〜きっと可愛いですよ〜」
楼華「……そ、そうですかしら? しょうがないわね、まったく……勘違いしないでよ! 好きでつけてるわけじゃないんだからね!」

 ○装着

楼華「くんかくんか!!」
斗紋「おおっ!?」
哉乞「さ、早速効果発動ですっ!!」
楼華「こっちでし!! ふがふが…… くんかくんか!!」

 ○楼華、四つんばいになって歩く。

楼華「こっちでしよ〜!」

 ○ま、まって〜と言いながら歩く

/場面転換 図書室

 ○田中がやってくる。

田中「こんにちは」
司書「あら、田中さん。今日もぼっちゃまは部活ですか?」
田中「ええ。予約してた本、戻ってきてます?」
司書「すみません。あいにくまだなんです」
田中「そうですか……。」
司書「戻ってきたらすぐにご連絡しますよ」
田中「助かります。閲覧室は空いてますか?」
司書「開いてますよ。今日は7時半閉館です。」
田中「分かりました。すみませんね、生徒専用なのに、毎日お邪魔してしまって」
司書「肝心の生徒はあまり使いませんけど」

 ○閲覧室に行く田中

田中「今日はどうしましょう……。ワーズワース? ……」

 ○とか呟きながら歩く田中

田中「ウィトゲンシュタイン……ほぉ……(本をめくる)……おおぉぉぉ……」

/場面転換 勝利ん寺

 ○小鳥の鳴き声

 ○風の吹き抜ける音

 ○全員が坂道を登ってくる

楼華「くんかくんか! 着いたでし〜!」
夜己「(荒い息)……や、やっと……着いたのね……」
斗紋「も……もうダメ……」
松長「まさか、学校の裏山に来るとは思わなかったね……」
村上「………」←喋れないほど疲れた
頭良「ここは……」
夜己「ここはどこなの……」
和亀「学校の裏山にあるお寺だよ……僕も始めて来たけど」
哉乞「なんで遊気さんと謎の美女はそんな所に?」
夜己「そんな事知らないわよ……何々? ”関係者以外立ち入り禁止 カンフー部” ……カンフー部?」
和亀「カンフー部……」
松長「カンフー部。」
頭良「カンフー部」
哉乞「カンフー部」
斗紋「カンフー部……」
村上「カンフー部」
楼華「くんかくんか」
全員「カンフー部!?」

 ○銅鑼

/場面転換 勝利ん寺 境内

 ○勝利ん寺拳法の修行をしている修行僧が20名ほどいる声

和亀「……ここって、学校の土地だったんだ……。」
夜己「遊気ー! 遊んでないで出てらっしゃーい!」
斗紋「おいおい、もういいんじゃねえ? 遊気はこの部活に入るつもりでここに来たんだよ」
頭良「うん、それなら筋が通るな」
夜己「そうかもね。でも、まだ謎が1つ残ってるわ。」
斗紋「謎?」
夜己「美女の正体……」
風杏「そこの少年少女たち!」

 ○足音

風杏「ウチになんか用アルか?」

 ○間

斗紋「……美女だ」
和亀「美女だね」
哉乞「美女ですね」
頭良「美女だ」
村上「美女……」
松長「美女」
楼華「くんか……」
全員「び」
遊気「おい! みんな!」

 ○よろよろした足音

夜己「遊気! どどどうしたのっ!? ボロボロじゃないっ!?」
遊気「た……助けてくれッ……!!」

 ○倒れる音

全員「遊気(くん)!!」

/場面転換 図書室

生徒「先生ーさようならー」
岡崎「はい、さようならー」

 ○本を閉じる音

 ○無言で余韻に浸かる田中(ため息)

田中「さて、私もそろそろ帰る仕度を……あっ!? あ、あの人が持っている本……私が2ヶ月も返却待ちをしている予約本……!? こ、ここは是非とも、早く返すべきだと伝えた方が……い、いえ、でもあの方も一生懸命読んでいらっしゃるし……あ!? な、何と言う事でしょう!? まだ最初の数Pしか読んでないじゃありませんかっ!? こ、このままでは一体何ヶ月待たされるか分かったものではありません! よ。よし、ここは、失礼を承知で軽く一言……」(独り言)

 ○足音

田中「あの〜……、すみませんが」
岡崎「(悲鳴に近い声)」
田中「あっ!? すすすすみません。驚かせるつもりはなかったんですが……あの、その本……」
岡崎「(聞き取り不可能な言語)」 ※後から考えればソンナ星語ではないと分かるようなものにしてほしいです 超早口なだけとか 早口な古語とか

 ○駆け出す音
 ○ドアの音
 ○無言

/場面転換 勝利ん寺

松長「クラス一強い遊気くんがボロボロだなんて……」
斗紋「くっ! お、おい! そこの女! これは一体どういう事だ!」
風杏「どうという事もないアル。そいつは私がスカウトしてここまで連れてきたけど、途中で試験に落ちたアル。」
頭良「試験だって……?」
遊気「う……」
夜己「遊気」
哉乞「遊気さん!?」
遊気「……ア……」
夜己「何!? 言ってみて!」
遊気「ア……ン……ディ……」
松長「アンディ……??」

 ○アンディの足音
 ○機械音

夜己「アンディ先生……!? どうしてここに……!?」
風杏「うふふふ……あははははっ!! バレちゃしょうがないアル! アンディ先生の正体は洗脳アンドロイド! 人間の脳細胞を作り変え、あたし達の奴隷にしてしまうロボットさアル!」
和亀「馬鹿な! そんな事できるわけが……」
風杏「それができるんだよなぁアル!」
遊気「うううう……(ソンナ星語)……」
哉乞「夜己さん、この言葉……」
夜己「あの時も思ったけど、これはソンナ星語に間違いないわ。という事は、あいつらの故郷も、ソンナ星という事……!?」
風杏「アーハハハハハ!! そうさ!! 地球は今に私たちソンナ星人のモノになるアル! お前らはどこまで耐えられるかな?……ウッフフフ……アーッハハハハ!!!!」
村上「そ、そうはさせない!」

 ○立ちはだかる村上

和亀「村上君」
夜己「村上君!?」
村上「これ以上、あなた達の思い通りにはさせない。地球は……ボクが守る!」
松長「そうよ!」

 ○松長も立ちはだかる

松長「私たちには、仲間がいるんだから! あんたらなんかに、負けないんだから!」
風杏「ふっ……面白いアル。そこまで言うなら、この寺の一番奥まで来てみるがいいアル。」
遊気「うううう(ソンナ星語)」
風杏「アッハハハハ!! そうしたら、その小僧の洗脳を解いてやるアル! ではな!!」

 ○しゅだっ的な音

  ○無言

和亀<ここから、僕たちの壮絶な道場破りが始まった……>

/場面転換 第1R

 ○銅鑼

男「試合、開始!」
生徒「ホァチョー」
夜己「オイヤァー!!!」

 ○打撃音

生徒「ア゛ア゛ア゛ア゛ー」
夜己「ハァー!! フッフゥ〜!」
男「勝者! 崔華 夜己!」

/場面転換 第2R

 ○銅鑼

男「第二試合!始め!」
楼華「くんかー!!」
生徒「(やられる声)」

/場面転換 第3R

 ○銅鑼

頭良「でぇー!」
生徒「(やられる声)」

/場面転換 第4R

 ○銅鑼

村上「ハァッ!!」
生徒「(やられる声)」

/場面転換 第5R

 ○銅鑼

松長「やぁーっ!」
生徒「(やられる声)」

/場面転換 第7R

 ○銅鑼

和亀「と、とにかく……えいやぁーーー!!」
生徒「(やられる声)」

(以下、↑の場面転換とオーバーラップ)
和亀<僕たちは次々に敵を倒していった! 時には危ないこともあったけど、そこは知恵と勇気でなんとか乗り切った! そして長い長い冒険を終えて、僕たちはとうとう、最後の砦にたどり着いた……。>

/場面転換 ラスボス部屋

 ○夜の風景音

夜己「さぁ! ここまで来たわよ! 出てきなさいパンダ目!」
風杏「パンダ目って言うなぁーーーーー」

 ○風杏の降り立つ音

風杏「この化粧はカンフーの魂アル!」
和亀「パンダ娘! 約束通り遊気を元に戻せ!」
風杏「フフフ……いいアルよ。但し、最後の敵を倒してからアル……」
松長「最後の……敵……ですって!?」
風杏「出でよ! カンフーの風雲児! アンディー=アシモーーーーーーフ!!」

 ○落雷
 ○機械音

夜己「そ……そんな……」
斗紋「ばかな……」
アンディ「センセイハ……ワルイコヲ……ユルシマセン」
風杏「オーホホホホ!! どうだ!? 驚いたアルか!? アンディ先生には、カンフー機能もついているのさ! 何たって最先端アンドロイドだからな!」
アンディ「ホアチョーーーー」

 ○打撃音
 ○全員の悲鳴
 ○倒れる音

斗紋「……そ、そんな……まさかここでやられるとは……! 何とか……何とかならないのかッ……!?」
風杏「アーーーーハハハハハッ!! 泣け! わめけ! 苦しめーアル!! ひゃーっはっはっはっは!!」
遊気「待てッ!!」

 ○落雷
 ○遊気の足音

遊気「オレが……相手になってやる」
夜己「遊気! 正気が戻ったのね!?」
風杏「ムッ……どういう事アル……!? ええい! カンフーアンディ! やっちまいなアル!」
アンディ「ホァー!!」

 ○無音

遊気「有形、無形。人間の持つ技術(わざ)は皆……全て水面に映る月。俺の中の火の輝きを……鋭い牙に換える。いざ!! 必殺!!」

 ○落雷

遊気「『鋭・麟・拳』!!!!!」←えいりんけん とりあえずカンフーのことしらないので適当

 ○アンディの悲鳴

 ○倒れるアンディ

風杏「まさかッ……そんな……!? アンディ先生がやられるなんて……」
松長「そこまでよ!」

 ○スーパーマジックミラーリングキラーをかまえるまっつん

風杏「!? そ、それは……『スーパーマジックミラーリングキラー』!?!?」
夜己「そうか! それで遊気は正気を取り戻したのね!!」
村上「今だ!」
松長&村上「スーパーマジックミラーリングキラーーーーー!!!!」

 ○風杏の叫び声
 ○何かが浄化される音

風杏「グッ……人間の分際で……覚えていろ……また別の人間に憑依して……今度こそお前らを倒してやる……!!」

 ○風杏倒れる

 ○無言

和亀「別の人間に憑依……? 一体、どういう事……?」
風杏「うっ……」
遊気「ファンファン!」
全員「ファンファン!?」
遊気「大丈夫か、ファンファン」
風杏「ああ、ありがとう、……あれ、私は今まで一体、何を……?」
遊気「俺の入部試験の最中に、アンディ先生にやられたんだ。」
風杏「そうだったのか……」
アンディ「ピギギ……」
斗紋「おい、アンディ先生まだ生きてるぜ」
村上「ほんとだ……」
アンディ「ワ……ワタシハ……アンディセンセイ……ココハイッタイ……ドコデスカ……?」
松長「アンディ先生も記憶がないみたい」
夜己「一体どういう事?」
哉乞「ふむう。アンディ先生も何者かによって操られていたのかもしれません。例えば製造過程で行動をプログラミングしておけば、あとで合言葉か何かを入力するだけで、先生も豹変してしまうんです」
和亀「つまり、まだ黒幕がいるって事だね」
村上「僕たち、どうなっちゃうんだろう……」
和亀「分からない……分からないけど、何かが僕たちのまわりで、大きく動いてる気がするよ。」
遊気「おい!! ファンファン!! もう一度勝負のやり直しだ!! 頼む! ここに入れてくれッ!!」
風杏「ほう、言うねぇ。アンタ、さっきは負けっぱなしじゃなかったかい? 何を隠そう、日本のカンフーパンダとは……このアタシの事さッ!!」

 ○BGM:中国的な音楽

遊気「うっせぇー!! 勝負だー!!」
風杏「受けて立ァァァァーーーつ!! ホァチョー!」
遊気「アチョー!!」

 ○少年アニメ的な効果音と銅鑼

夜己「……帰るか。もう遅いし」
和亀「そうだね」
哉乞「今日の夕食はなんですかね〜」
斗紋「遊気は? どうする?」
夜己「なんか燃えてるから、ほっときましょ」
楼華「くんかくんか」
斗紋「おげ! お前まだはずしてなかったのかよ!」
哉乞「あっ、すいません。くんかくんかクンをつけると知能が落ちるので、外す行動をとらないんですよ」
和亀「ろ、楼華さん……今とってあげるよ」

 ○くんかくんかクンを取る楼華

楼華「ぶはっ! ……わ〜〜〜〜〜か〜〜〜〜〜め〜〜〜〜〜!!」
和亀「えっ!?」
楼華「よくもあんなモノを私につけさせたわね〜〜〜〜!! 奴隷100年の刑よ!!」
和亀「えぇ〜〜〜!?」
楼華「待ちなさい!! 和亀!!」
和亀「無理!! 無理無理無理!!」
楼華「まてぇ〜!!」

 ○と言いながら走り去っていく楼華

斗紋「あ〜、今日も平和だな〜」
哉乞「そうですね〜」
夜己「ほんと、そうね……」

♪ED

/図書館

岡崎「(意味不明な言葉)」
田中「お、落ち着いて下さい!! 私はただ……」
岡崎「……あっ!? すすすすみません!! 私また古語を喋ってしまって……」
田中「はっ? ……古語?」
岡崎「あわわわわわ!! 私、古文の先生なんです……普段古語で考えてるので、つい……」
田中「そ、そうなんですか。あの、その本、私も2ヶ月間も予約しているのですが……」
岡崎「えっ!? キャー!! ごごごめんなさいっっ!! 私面白くて何度も何度も読み返してたんです! まさか予約が入ってるなんて……本当にすみません。すぐ、返してきますから……」
田中「あっ……ありがとうございます」

 ○走り去る岡崎

田中「ふ、ふう、離せば通じるものですね。ようは心です、そうです」
岡崎「あのー」
田中「は、はい」
岡崎「お詫びしたいので、今度是非またどこかで……」
田中「え?」
岡崎「お願いします〜私の気がおさまらないんです〜」
田中「何もそこまで……」

 ○無言

岡崎「(古語)」
田中「だ、だー分かりました、分かりました。ではまた今度」
岡崎「はいっ! また今度! 私、いつもここの自習監督してるので、また来てくださいねっ!」

 ○走り去る音

岡崎「絶対、来て下さいねー!!」

 ○走り去る音

田中「絶対、来てくださいね……か。フッ……モテる男は辛いです……うはははは♪」
和亀「田中……」
田中「あっ!? ぼぼぼっちゃま!?」
和亀「聞いてたよ、今の台詞……」
夜己「田中さんってそんなキャラだったんだ……」
哉乞「なんか憎たらしいです……」
和亀「なんか、今なら執事離れできるかもしんない」
田中「カット! カットカット! カーット!!」

<つづく>










オチは浮かばなくて無理やりつけました。おかしいね。[newpage]


[chapter:和亀の休日]







































○クリスマスっぽい音

/街

和亀「もうすぐクリスマスだねぇ〜」
哉乞「さむい〜」
夜己「寒い……」
和亀「もお、だらしないなぁ。1年で一番心が温まる季節じゃないか! 忘れたの? クリスマスの説明したじゃない!」
夜己「わかってるわよ……わかってるけど……寒いものは寒い」
哉乞「でも和亀さん〜、世俗から離れた生活をしてる和亀さんが、どうして今日はこんな城下町にいるんですかぁ〜?」
和亀「今日はね、みんなの為にクリスマスプレゼントを買いに来たんだよ。」
2人「クリスマスプレゼント!」
和亀「斗紋や遊気や田中には内緒だよ。2人について来てもらったのは、夜己さんから常識的な意見を貰おうと思ってね」
哉乞「ぼ、ボクはなんで呼ばれたんですか〜?」
夜己「荷物持ちに決まってんじゃない」
哉乞「ぐわ……」

 ○ドアの音とドアの鈴

店員「いらっしゃいませ〜」
夜己「(なんかかわいい叫び声)可愛い〜ぬいぐるみ可愛い〜♪」
和亀「松長さんへのプレゼントになりそうだね」
夜己「まっつんはこういうの、沢山持ってるんじゃない?」
和亀「あ、そっか……」
哉乞「和亀さんにしか買えないようなものすっごいぬいぐるみだったら、きっとまっつんさんも持ってないと思いますよぉ!」
和亀「例えばどんな?」
哉乞「身の丈60mくらいあるようなやつで、目には100万個のダイヤモンドが輝いてるんです!」
夜己「ビルディングかよっ!」
和亀「買えなくはないけど……没」
哉乞「えーっ、なんでですかぁー!?」
夜己「女の子はね、もっと小さくて可愛いのがいいのよ。」
哉乞「じゃあ超ミクロサイズのぬいぐるみとか」
和亀「……まっつんは後回しにしよう。」

/場面転換 街

夜己「次は誰にする?」
和亀「ん〜……。無難に頭良君で行こうか。誰か頭良君の好きなもの知ってる?」
哉乞「頭良りんさんですか〜……ん〜、何でも好きそうな気がしますけどぉ〜」
夜己「そうねえ、頭良君って……フルネーム何だっけ?」
哉乞「頭良りんかつらですよ〜」
和亀「頭良林桂ね。頭が良い林って書いてづらばやし。」
夜己「え〜。何してる人?」
哉乞「何してるんでしたっけ?」
和亀「さあ」
夜己「私も『さあ』」
哉乞「僕も『さあ』です」

 ○間

和亀「帽子とかどうかな!」
夜己「頭良君の? あぁ! いいかもしれないわね! で、どんな帽子にするつもり?」
和亀「んー。麦藁帽子とかは似合わなさそうだから……ほら、あれなんかどう」
哉乞「どれですかー」
和亀「漫画家がよくかぶってるやつ」
夜己「あ〜、アレね。手塚帽子。」
哉乞「えぇ〜、似合いますかねぇ〜?」
夜己「ん〜……あんまりピンとこないわね。」
和亀「そうかな。」
夜己「ね、逆に、すっごくカッコイイのをプレゼントしましょうよ! 頭良君ってなんかやぼったそうだし、ファッションに興味なさそうだし」
哉乞「あっ! それいいですね! すっごくオシャレなものをプレゼントしたら、頭良りんさん何かに目覚めるかもしれません!」
和亀「それ、本人喜んでくれるかなあ……」
夜己「んー……もしかしたらって事もあるじゃない。」
哉乞「ですよ。」
和亀「……わかったよ。じゃあ、シャーロック・ホームズがかぶってるやつは?」
夜己「(指を鳴らして)それね!」
哉乞「決まりですね!」
和亀「じゃあ、帽子屋があったら寄ろう。」
夜己「次の議題は?」
哉乞「エトワさんです!」
和亀「村上君か……」
夜己「村上君ね……彼は一番謎ね〜。」
和亀「必死に隠してる感じがするよね。」
夜己「そう、すごく恥ずかしがりやなんじゃないかしら。前髪も伸び伸びだし」
哉乞「ところで和亀さん〜」
和亀「ん?」
哉乞「なんでエトワさんは、名前がカタカナなんですか〜?」
和亀「あ〜、それは、彼が外国人だからだよ。」
哉乞「外国ですかぁ〜?」
和亀「え〜と、どこって言ってたかな〜。フランスだったかな。」
夜己「そうだったんだ〜。全然気付かなかったわー。」
和亀「髪も染めてるって聞いた事ある。小学生くらいの時に越してきて、色々言われたからって……」
哉乞「あぁ〜、大変だったんですね〜」
夜己「そもそもなんで越してきたのよ?」
和亀「分かんない。そこまで聞いてないなあ。親の仕事の都合とかじゃないの?」
哉乞「フランスにだって仕事はいっぱいありますよねぇ?」
夜己「聞いたら教えてくれるかしら。」
和亀「どうかなぁ。」
哉乞「じゃあこんど、みんなでエトワさん家に行ってみましょうよ!」
夜己「それ! それ良いわね!」
和亀「それって、何かずうずうしくない?」
哉乞「ずうずうしくなんかないですよ! こっそり行くんですから」
和亀「こっそり行くの!?」
夜己「あら、村上君の事よ。家に行くなんて言われたら恐縮して腹痛になるわよ」
哉乞「掃除のしすぎで腰痛になりますよ」
和亀「それはあり得なくもないけど……」
哉乞「ドッキリですよ〜ドッキリ」
和亀「う〜ん。まぁ、僕も、村上君のそういう一面を覗いてみたいなあという気はする」
哉乞「でっすよね〜。そうと決まれば善は急げ! いつやります?」
和亀「って、話題がどんどんそれてるんだけど」
夜己「クリスマスの日にしない?」
哉乞「おおっ!? それは大胆な発言ですね! みんなでエトワさん家でクリスマスパーティーをするんですね!!」
和亀「い、いいの、勝手にそんな事決めて……」
哉乞「大丈夫大丈夫! あっ、ところでプレゼントの話でしたね」
夜己「音楽CDとかはどう? いつも何か聞いてるじゃない」
和亀「でも音楽の趣味が分からないよ」
哉乞「あ僕、こないだエトワさんがライブハウスから出てくるの見ましたよ」
和亀「ええっ!? それ早く言ってよ!」
哉乞「今思い出したんですよ〜」
夜己「何か持ってた?」
哉乞「エレキギター背負ってました」
和亀「……村上君ってギター弾くんだ……今度教えてもらお」
夜己「じゃあ、エレキギターの効いた曲とかいいんじゃない?」
哉乞「いいですね! 僕、こんどそこに行って、エトワさんの事いろいろリサーチしてきますよ!」
夜己「頼んだわよ! 哉乞! バレないように気をつけるのよ!」
哉乞「はいっ!」
夜己「哉乞、これからアンタの事はコードネーム:バンダナって呼ぶわ。」
哉乞「なるほど……コードネームはスパイのキホンですからね!」
和亀「あの〜盛り上がってる所悪いんだけどさ、楼華さんのプレゼントは何がいいと思う?」
哉乞「うわあ和亀さん、楼華さんにもプレゼントあげるんですかあ。あんなに尻にしかれてるのに」
夜己「律儀〜」
和亀「い、いいでしょ別に。それで何がいいかな?」
夜己「ん〜あっ! ねえ和亀、私あのクレープ食べたいなぁ〜」
哉乞「あぁ〜僕も食べたいですぅ〜♪」

 ○買って買ってコール

和亀「わ、分かったよ……何がいいの?」
夜己「私はストロベリークリーム」
哉乞「僕はスーパーデラックスチョコレートテンペストがいいです!」
和亀「あの、ショーウィンドウの左側にでっかく飾ってあるやつ? あんな食べられるの?」
哉乞「こしあんをトッピングでお願いしま〜す。」
和亀「分かったよ……じゃちょっと待ってて」

 ○行ってしまう和亀
 ○間

哉乞「夜己さんは何が欲しいですか〜? 誕生日プレゼント」
夜己「私〜? 私ねえ、新しい舞台衣装が欲しいわね」
哉乞「それって、地球での話ですよね?」
夜己「そうよ。いけない?」
哉乞「夜己さん、まさかこの星でもあの踊りをやるんですか?」
夜己「そうね〜最近してなかったし。なんかやりたくなってきちゃった〜」
哉乞「夜己さ〜んここはそういう国ではないみたいですよ。みんな勤勉で真面目で、音楽は溢れてますけど純粋だし、政治に利用されてる訳でもないし、夜己さんみたいな人の居場所は……」
夜己「いやだからー、この星に合った歌をねー歌うのよ。」
哉乞「へえ……。例えばどんな歌ですか?」
夜己「ん〜例えば……」

 ○歌い出す夜己

夜己「みたいな」
哉乞「それ、ソンナ星のときと殆ど変わらないじゃないですか」
夜己「歌詞が地球っぽいでしょ、歌詞が」

 ○歌う夜己

/場面転換 クレープ屋

店員「気をつけてお持ち下さい〜」
和亀「ありがとうございます〜」

 ○歩く和亀

和亀「……あれ、夜己さん達一体どこに……えっ!?」

 ○輪の中に夜己を見つける和亀

和亀「ちょっ、な……なな何してるの、2人とも!」
夜己「あぁ和亀。(歌いながら)クレープ(歌いながら)買って来てくれた〜?♪」
和亀「買ってきた! 買ってきたから! その踊りやめて!!」

 ○歌フィニッシュ夜己
 ○拍手とお金の音

夜己「クレープ代稼いだわよ」
哉乞「楽勝でしたね」
和亀「……わざわざありがとう。」

/場面転換 街

夜己「ごちそうさまー。それで、楼華ちゃんへのプレゼントは決まったの?」
和亀「ん〜それが、全然。」
夜己「幼馴染なんでしょ〜? 好みとか完璧なんじゃないのお?」
和亀「うーん、あんまりそういうの、興味なくて……」
哉乞「そうですよね〜和亀さん人の趣味とか興味ない人ですもんね〜まあおぼっちゃまって得てしてそーゆーもんなんですけど」
和亀「ぐっ……図星だから余計むかつく」
夜己「彼女は宝石がいいと思うわね」
和亀「ああ、そうだね。学校にもいつもなんかつけてくるしね」
哉乞「あっ、丁度宝石屋さんがありますよ〜。入りましょう!」

 ○ドアと鈴

店員「いらっしゃいませ」
店員2「いらしゃいませ」
夜己「うわ……なんか私達場違いって感じのとこね……」
和亀「そう? 別にそんな事ないと思うけど。さぁ〜て何がいいかな……あんまり変なもの送ると逆に怒らせちゃうしな……」
哉乞「和亀さ〜ん」
和亀「何」
哉乞「僕あれが欲しいです〜」
夜己「何であんたが宝石欲しがんのよ」
哉乞「だって見てくださいあれ〜」
和亀「何々……って監視カメラじゃん! なんであんなの欲しいのさ!」
哉乞「えーだってカッコイイじゃないですか〜」
和亀「いらないよ!」
夜己「そーいえば、なんで和亀ん家は監視カメラないのよ」
哉乞「いえいえ。実は隠されてあるんでしょ〜?」
和亀「さあね……僕が設計したんじゃないから」
夜己「あ、これなんかいいんじゃない? ネックレス」
和亀「あ〜ほんとだ、綺麗だね。中に入っているのは何?」
店員「それはメテオフィブレといって、隕石の中の琥珀でございます」
和亀「へぇ〜宇宙の琥珀だって。」
夜己「地球以外に植物がある証拠じゃない」
和亀「幾らですか?」
店員「ワンハンドレット・セブンティーカメーでございます」
和亀「ええと……ワン……ハンドレット……セブンティ……カメーね……はい」

 ○チーン

店員「またお越し下さいませ〜」

 ○ドア閉まる音

和亀「やっと1つ買えたよ。プレゼントを選ぶのって大変だなあ」
夜己「ねえ和亀、田中さんには何をあげるのよ?」
和亀「あぁ田中か。田中は何が好きなんだったかな……」
哉乞「田中さんが好きなもの、僕知ってますよ〜」
夜己「何よ」
哉乞「馬ですよ」
夜己「馬?」
和亀「ああそうだ。もともとうちで飼ってる馬は田中の趣味なんだ。僕はたまに乗らせてもらってるだけで、もともとは田中に教わったんだよ」
夜己「あ〜、そうだったの。いつも野に放たれてるから、野生だと思ってたわ。」
和亀「でも田中が本当に好きなのは、馬っていうより、競馬だね」
2人「ケイバ?」
和亀「まあつまり馬を走らせて競わせるんだけど、田中は一時期それにどっぷり浸かっちゃって、僕達1日の食事にも苦労した事がある」
夜己「へ〜……意外と庶民的な事してたんじゃないの!」
哉乞「じゃあ、最近の競馬の関係グッズにしましょうか?」
和亀「そんなのこのへんに売ってないし……そういえばもうサドルが古いって言ってたっけ」
夜己「それね! 上等の鞍をプレゼントしてあげましょう!」
哉乞「なんか貴族っぽいですね〜!」
和亀「いや〜、それほどでも〜」
哉乞「これで全員でしたっけ?」
夜己「んーと……多分全員じゃない?」
和亀「あ、実は、もう1人、買っておきたい人がいるんだ。」
夜己「もう1人?」
哉乞「斗紋さんと遊気さんの他にですか?」
夜己「え〜、誰かいたらしら。」
和亀「いや、僕も最近知り合った人で……」
夜己「最近知り合った人なのにクリスマスプレゼントをあげるの?」
哉乞「あ! それってまさか……」
夜己「えっ? まさか、何よ、哉乞?」
哉乞「もぉ〜夜己さんは鈍いですね〜あれですよ〜あれ!」
夜己「あれ?」
和亀「わわわわわ! そ、そういう言い方しないでよ。分かったよ……言うよ。……哉乞の言うとおりなんだ。」
哉乞「や、やっぱり……ここで和亀さんの"ガールフレンド"の存在が浮き彫りになるとは……!」
夜己「えええっ!? がががガールフレンドって、ただの女友達って意味じゃなくてアレよね!? こ、恋人ってこと!?」
和亀「やだなあ。照れくさいからそういう言い方やめてよ……」
哉乞「和亀さん!! なんで僕達を差し置いてそういう事するんですか!? 先に紹介するのが常って言うでしょ!!」
和亀「いやあ、それは」
夜己「そうよ!! なんで今まで言ってくれなかったの!? ていうかそんな素振り全然なかったじゃないのよ! 後でなーんちゃってとか言わないわよね!?」
和亀「言わないよ……」
夜己「わ、分かったわ。その子のプレゼント、あたし達が全力で選んであげる。で、何が好きなの?」
和亀「何が好きなのかなぁ」
夜己「何のヒントもないわけ?」
哉乞「好きな色とか、よく身につけてるモノとかぁ」
和亀「……うーん……何かなぁ」
夜己「何かなぁって何よ! アンタそれでも彼氏のつもり!? 私なら別れてやる!!」
和亀「い、いやあそれが、まだ1回しか会ったことないんだよ」
2人「えええ!?」
和亀「このあいだ、うちの会社の株主総会があったでしょ。僕行ってみたんだよ」
哉乞「和亀さん、そんな事していいんですか?」
夜己「それで?」
和亀「まあそこで会った女の子なんだけどさ。なんか、気が合っちゃって」
夜己「あんた、まさか名乗ったんじゃないでしょうね?」
和亀「ままま、まさか。ちゃんと偽名を使ったよ」
哉乞「なんて名前なんですかあ?」
和亀「昆布 かけ三郎。」
哉乞「うわっ……」
夜己「で? 今度はいつ会うのよ?」
和亀「今夜の予定なんだ……あそこの、サン・ライズ・ホテルオーノで」
夜己「よし! 哉乞!!」
哉乞「はい!」
夜己「私達も覗き見るわよ!」
哉乞「ラジャー!」
和亀「え……ちょちょっと、先プレゼント買うからねっ……」

/場面転換 サン・ライズ・ホテルオーノ

ボーイ「いらっしゃいませ」
夜己「ねえ、どの子? 愛しのベイベーは?」
和亀「まだ約束まで15分くらいあるから……っていうか2人共! どっか行っててよ!」
楼華「あら〜和亀じゃない」

 ○楼華の足音

楼華「こんな所で会うなんて、まさかこの、私に、何かご用ですの?」
和亀「ま、まさか……」
夜己「楼華ちゃんこそ何してるのよ?」
楼華「何ってあたくし、ここに住んでるんですのよ?」
2人「え!?」
楼華「この最上階に特別ルームがあるんですの。見晴らしは良いし、サービスは完璧だし、もう最高。で? 何してるんですの?」
哉乞「ろ、楼華さんには関係ない事です! これは和亀さんの重大な問題なんですから!」
楼華「はあ?」
夜己「ねっそうだ楼華ちゃん、私達とケーキバイキング行きましょ! ほらあそこの!」
楼華「嫌よあたくしダイエット中ですもの」
夜己「ダイエットなんか必要ないわよ。さあ、ねっ」
和亀「そうだよ。楼華さんはダイエットなんかしなくても大丈夫だよ」
楼華「そ、そうですかしら……? そういう事なら……」
哉乞「レッツゴー!」

 ○去る3人

 ○間

 ○足音

雪「あ、あの……」
和亀「あっ、雪ちゃん」
雪「ご、ごめんなさい、お待たせしちゃって」
和亀「いやいや。僕も今来たばっかりなんだ。さて……じゃ、食事でも?」

/場面転換

楼華「じゃあそこのマロンタルトもお願いしますわ。あっそれからそのいちごショートと、サフランビスケ7枚と、チョコレートケーキと……ねぇあんたも何か」

 ○振り向くと誰もいない

店員「以上でございますか? 楼華様」
楼華「……あそこに座ってた2人は?」

/場面転換 夜己サイド

哉乞「夜己さん、見えますか?」
夜己「見える見える。よく見えるわ。」
哉乞「和亀さん今何してますか?」
夜己「楽しげに笑ってる。あっ今……彼女が何か差し出したわ!」
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
夜己「私、スーパーデラックスチョコレートテンペスト」
哉乞「僕もそれで」
店員「かしこまりました」

/場面転換 和亀サイド

 ○プレゼントの包みを開ける音

和亀「うわあ、キーホルダーかぁ」
雪「ご、ごめんなさい、そんなものしか思いつかなくて……」
和亀「嬉しいよ! 有難う! 昆布の形のところが特にね!」
雪「本当ですか!? 嬉しい……」
和亀「じゃあ、僕からもプレゼントを贈るね。」

 ○鞄から箱を取り出す和亀

和亀「はい。開けてみて」
雪「……はい」

 ○開ける音

雪「……ぷっ!」

 ○2人の笑い声

和亀「僕もキーホルダーだ!」
雪「しかも雪の結晶マーク!」
和亀「僕達思考回路が似てるね」
雪「ええ、ほんと」

/場面転換 夜己サイド

哉乞「夜己さ〜ん」
夜己「んー」
哉乞「結局、斗紋さん達のプレゼント買い忘れましたねー」
夜己「あいつらは私の手料理でいいわよ」
哉乞「え゛ー夜己さん料理作る気ですかー」
夜己「そうよ。特製のクリスマスケーキを作るわよ」
哉乞「はぁ……あとで胃薬買お」
夜己「あっ!? 2人がテラスに行っちゃった!」
哉乞「えーっ!?」
夜己「あーもう駄目だ。こっからじゃ見えない。行くわよ!」
哉乞「えっ!? ちょちょっと夜己さん!」
店員「お待たせしました〜」
哉乞「ありがとうございます〜 よし2つ食べちゃお♪」

/場面転換 テラス

 ○都市の「都市鳴り」

雪「……綺麗な夜景ですね……」
和亀「うん……」
雪「あの……今日はありがとうございました」
和亀「僕のほうこそ、誘ってくれてありがとう」
雪「あの……。……私……こんな事言ったら……嫌われちゃうかもしれないけど……」

 ○間

和亀「……何? 言ってごらん」
雪「私の苗字……杉下じゃないんです……。偽名を使っていたんです……」
和亀「偽名……? ……ど、どうして……?」
雪「私……実は……和亀 雪と言うんです。和亀カンパニーの……社長の娘なんです……」
和亀「………………………………え……?」

 ○間

 ○風の音や車の音など

和亀「……ちょっと待って……じゃあ、君は、和亀 雪ちゃん?」
雪「ハ、ハイ……驚かせてしまって、ごめんなさいっ! で、でも、これからも仲良くしてくれると、嬉しいなっ……」
和亀「いや……僕もなんだけど。僕の名前は和亀 和……」

 ○きょとんとしている雪
 ○笑い始めて

雪「や、やだ〜。あなたも同業者?」
和亀「はあ?」
雪「え? だって、アレでしょ? 彼氏詐欺。あ私の場合は彼女詐欺ね」
和亀「……」
雪「同業者に会うの初めて?」
和亀「うん。初めて」
雪「いや〜あたいもすっかり騙されちゃった〜。いかにも馬鹿なボンボンって顔してっからさ〜。いいよね〜そーゆー顔。詐欺師の憧れだよ」
和亀「いやあ、それほどでも、アハハ……」
雪「あ〜、今年はムダ骨だったな。もう二度とあたいの前に現れないでよ!」

 ○ストラップを返される和亀
 ○去る雪
 ○和亀、夜己のもとへ

夜己「……和亀」
和亀「はい」
夜己「何かコメントを」
和亀「……な〜んちゃって」

♪ED

 ○クリスマスの音楽
 ○スラムっぽい子供たちの声

/エトワ宅

 ○エトワ、布団から起きる

エトワ「……ふぁ。もう朝か……うるさいなぁ……そっか……今日はクリスマスか……。ま、僕には関係ないけど……」

 ○チャイム音

エトワ「……? はーい さむ〜っ」

 ○ドアの音とともになんか鳴り物の音いっぱい

全員「メリ〜〜〜〜〜くりすま〜〜〜〜ス!!!」
エトワ「………………」
斗紋「よお村上! どうだ! びっくりしただろ!?」
頭良「みんなでお祝いに来たんだけど……今空いてる?」
エトワ「……うん……」
夜己「じゃ、お邪魔しまーす!!」

 ○どやどや「へ〜1人暮らしなんだ」「きったねえ家だなー」「まっつんも入って入って」「おじゃましまーす」「えっちょっ……い今かかか片付けるからっ……」とか色々

夜己「さ〜てじゃあ合唱いくわよ〜1,2,3」

 ○うぃ〜うぃっしゅあめりくりすまっうぃ〜うぃっしゅあ

 ○拍手

松長「エトワ君、泣いてるの?」
エトワ「え……いや……」
和亀「さ、チキンも持ってきたんだよ。みんなで食べよう!」
全員「イェーイ!!」

 ○チキンガヤ

夜己「コードネームバンダナー!! ディナー作戦決行よー!!」
哉乞「ラ・ジャー!! エトワさ〜ん!! はい、プレゼント!」
エトワ「こ……これは……月光仮面シャルルのコンプリートアルバム……ずっと欲しかったんだ……どうして……」
哉乞「僕のリサーチ力ですっ☆」
和亀「エトワ君」
頭良「村上君。そんな顔すんなよ。俺達友達じゃないか」
和亀「当然さ」
夜己「みんなーーーワイン開けるわよーーー!!」
全員「えええーーーー!?」
夜己「うっさいわねーー今日は私が許す!!! 飲めーーー歌えーーーー!!」

 ○どんちゃん騒ぎフェードアウト
 ○クリスマスっぽい鈴の音だけ残って,それもフェードアウト

<つづく>





どうも雪を真面目に出せない……ごめん雪……[newpage]

[chapter:記憶のパラドックス]





































/「音楽の館」

 ○磁場嵐のノイズがしだいに音楽になっていく。
 ○葉のこすれる音が音楽になっていく。

夜己「私たちは取り返しのつかない事をしてしまった。歴史を変えてしまったの。未来を消してしまった。もう、あの日に戻ることはできない」

 ○音楽(合唱)

 ○石の部屋を歩く夜己 ドアの音

夜己「未来の消える日に戻ることはできない」

♪OP

/ソンナ星評議会

 ○木槌の音

男「静粛に! 静粛に!」
男「議長! それではこのまま西シュツヨークの介入を許す事になります!」
男「あんな野蛮な連中を、これ以上放っておけません!!」
男「……うむう……」
男「議長」

 ○男が進み出る

男「今やソンナ星は、歴史上またとない巨大な戦争に瀕しています。私は宇宙の先進星の責任として、平和の道を選択したいと思います」
男「では、どうするというのかね?」
男「鎖国です! 全ての輸出・輸入を断絶し、我々は一時外部との関係を絶つのです!」

 ○ざわめき

男「それで平和になるのかね?」
男「ええ、議長」
男「ならばするしかあるまい。」

 ○木槌の音

男「これより東シュツヨークは一切の関係を絶つ!」

/場面転換 ソンナ星王室

 ○足音

大臣「王様!」

 ○王の部屋に入る大臣

大臣「東シュツヨークが国交断絶の道に走りました」
王「……うむ」(王の声優は正と同じです)
大臣「このままでは、我々ソンナ星の秩序は崩れ始めます」
王「仕方なかろう。議会の決めた事だ。その議会を決めたのは私だ」
大臣「し、しかし……」
王「ソンナ星人とは、愚かな生き物よ。危険を感じ、自ら殻に閉じこもるとは。……閉じた世界では、誰もが何かにすがりつく。ここは私の息子を行かせよう。カズー!!」

 ○カズー、前に進み出る

カズー「お呼びですか、父上」
王「東シュツヨークに行き、お前が指揮を執れ。」
カズー「かしこまりました」
王「カズー、忘れるな。いつも心に響くのは何かと言う事を」

 ○カズー、うなずいて去る

/場面転換 東シュツヨーク

 ○ドアの音

男「どうだ?」
男「いや、駄目だ。あの声からぱったり呼びかけはなくなった」
男「くそっ……その星は地球といったよな?」
男「間違いない。ここから行くことは物理的に不可能な所にある星だ」
男「なぜそんな所から……」

 ○電話っぽい音

男「はい。あぁ、夜己さん。えっ? 今近くに来てる? だったら……」

 ○ドアの音

夜己「ハーァイ!」
男「夜己さん! 何してんですか! こんな真昼間から外を歩いて、捕まったらどうすんですか!?」
夜己「ねえ、タイムマシンはまだ直らないの?」
男「はあ……ええ。何せ何百年と放置された代物ですからね。宇宙や星の位置も変わってるし、調整し直さないと」
夜己「ねぇ〜早くしてよ〜私の友達が過去で待ってんのよ〜!」
男「わ、分かりましたよ。今やりますから……」
夜己「さんきゅ〜」

 ○男、別の部屋へ。
 ○BGM:シリアスな感じ

男「タイムマシン……歴史を変える装置……か」

/場面転換 地球

男「3,2,1,はい!」

 ○音楽が鳴って前奏が流れる
 ○夜己、歌いだす

/場面転換 スタジオの外

哉乞「和亀さ〜〜〜ん」
和亀「はい」
哉乞「あのう、僕たち、なんでこんなトコにいるんですか〜〜?」
和亀「えー……」
斗紋「そうだっ! そうだぞ和亀! ぼーっとしてる間に今日は何日だ!? 1月20日だぞ!」
哉乞「そうですよ〜クリスマスから一気に一ヶ月飛びましたよ〜」
斗紋「で、ここはどこなんだよ? なんで夜己だけあっちの部屋で歌わされてんだよ?」
和亀「つまりだね……新春かくし芸大会ってあったでしょ。」

 ○うなずく3人

和亀「そこで夜己さんが歌を披露したんだよ。」
哉乞「ええ」
斗紋「覚えてるぞ。ちなみに和亀、お前は村上と皿回しだった」
哉乞「失敗してましたけどね〜」
和亀「その話は置いといて……。それで、そこに、レコード会社の人が来てたんだよね。」
哉乞「へぇ〜」
斗紋「それで夜己はどうなるんだ?」
和亀「さあ……」
斗紋「さあじゃねーだろさあじゃ!! ちゃんと説明しろ!!」
和亀「ほ、ホントに僕も分からないんだよ……」

 ○ドアの音

夜己「おつかれさまでーす」
哉乞「あっ、夜己さん! さっどうぞどうぞ。暖かいホットレモンでございます」
夜己「気が利くわね。」

 ○飲み干す夜己

斗紋「それで? 夜己。お前は何してんだ?」
夜己「何って、レコーディングに決まってんじゃない。」
哉乞「レコーディングしてどうするんですか?」
夜己「ん〜  ……さあ……」
遊気「なぁ、お前、ここに残るつもりだろ?」
夜己「えっ? ま、まあ。そもそもソンナ星に帰る手立てがないんでしょ?」
哉乞「そうなんですよ。宇宙船で行こうにも、なぜかどうしてかソンナ星に行くことができないんです。まるで何かに妨害されてるみたいに〜」
夜己「ほら」
斗紋「じゃあ、俺達ずっとこの星で暮らすのか?」
哉乞「えっ……」

 ○無言

 ○ドアの音

田中「皆様、お迎えにあがりました。晩御飯を用意してますよ」

/場面転換 ソンナ星

 ○歓声

女「ねえ、ソンナ星の王国王子が来たんだって〜」
女「えぇ〜見にいこー」

 ○和亀、ステージに上がる。

 ○マイクのハウリング音

和亀「皆さん、私が、ソンナ星王国第一王子、カズーです。」

 ○歓声

和亀「今日は皆さんへのご挨拶に、歌を歌わせていただきますね。」

 ○歓声

/場面転換 地球

 ○タイムマシンのスイッチを入れる音と起動音

哉乞「じゃあ、ちょっと昔に戻ってみます? なぜ僕たちがこうなったのか」
斗紋「また、タイムマシンを使うわけだな。」
和亀「いや、もうタイムマシンはいいよ。こないだ使ったとき、記憶が変になったじゃないか」
夜己「そうよね。その機械、まだ試作品段階なんでしょ?」
哉乞「違いますよ〜! 僕のマシンに問題はありません! そうそう、あのあと僕考えてみたんです。記憶が混乱する理由」
斗紋「へえ。聞かせろよ」
哉乞「パラドックスですよ」
全員「パラドックス??」
哉乞「つまり、僕たちが過去に戻ることで未来が変わってしまうじゃないですか。そのために、僕たちのいた未来と僕たちが来ることで変わった未来は違ってしまったわけですよ。そうすると、僕たちの記憶には、ありもしない過去の記憶が存在することになり、それが実際と矛盾してしまうんです」
斗紋「それが?」
哉乞「それでですね、記憶は事実に基づいて作り変えられてしまうんですよ」
和亀「そんな事って……あり得るの?」
哉乞「あり得るかどうかではなく、実際そうなってしまったんですから、しょうがないですよ。」
夜己「じゃあ、私たちが未来を変えたとしても、その記憶は残らないワケね。」
哉乞「多分そうなんじゃないかと思います。」
斗紋「じゃあ、俺達がすでに歴史を変えている可能性もあるわけだ」
哉乞「それもあります」
和亀「哉乞。まだ分からないことがあるんだけど。」
哉乞「何ですか? 和亀さん。」
和亀「宇宙船でソンナ星に行けないのはなんでなの?」
哉乞「あ〜。それは僕にも分かりません。この宇宙船ですよね?」

 ○哉乞の足音

和亀「うん。その黒いやつ」
夜己「エネルギー切れとか言ってなかった?」
哉乞「エネルギーはないのはないんですけど、計算してみても行けないんですよ〜」
斗紋「だから、なんでだって聞いてんだよ」
哉乞「もしかしたら〜」
全員「もしかしたら?」
哉乞「……いや。確証はないので、やっぱりやめておきます。」
和亀「何だよ〜」

 ○通信ノイズ

全員「!?」
夜己「な、何の音?」
哉乞「こ、これは、ソンナ星用の通信ノイズです」
斗紋「おっ!? やっとソンナ星の連絡とれたのか!?」

 ○ノイズに混じった音が聞こえてくる

向こうの夜己「はーい! こんにちはぁ〜♪ 夜己です♪」
全員「!?!?」
夜己「わ……私!?」
向こうの夜己「時間がないから、よく聞いてね〜。今からソンナ星人があなたの星に乗り込みま〜す。何とかみんなして、地球を守ってあげて。その後は私たちが助けに行くからね〜」

 ○通信断絶音

 ○間

/場面転換 商店街

如月<きょ、今日は田中さんとデート……き、緊張しちゃ駄目よ……リラックス、リラックス……>
田中「如月さ〜ん」
如月「あっ!? たたた田中さん!!」
田中「すみません遅れてしまって。ぼっちゃま方が朝食をなかなか食べ終わらないものですから……」
如月「いっいえ、かまいませんです。さっさぁ!! 参りましょう!!」
田中「如月さん」
如月「はっはい!?」
田中「その服、とってもお似合いですね」

/場面転換 テレビ局

全員「テレビ!?」
プロデューサー「うん。夜己ちゃんの歌声は面白いから、テレビで流してみようって。で、その時に、君達も後ろで演奏して欲しいんだよね」
和亀「ぼ、僕たちですか!?」
斗紋「いや、楽器なんてそんな無理っすよ」
哉乞「そうですよ〜やったことないです〜」
和亀「とりあえず弾いてみたら?」
夜己「それで、バンド名どうする?」

/場面転換 テレビ

 ○歓声

司会「それではここで期待の新星を紹介しよう!! 宇宙からやって来たと自称する宇宙人5人組!! その名も……『DRIVE!!』」
夜己「よーーーーし!! 地球のみんなーーー!! 征服してやんわよーーーーー!!!」

 ○歌う(Let's DRIVE!!)

/場面転換 アクアリウム

 ○BGM:なんか大道芸の人のムードのある音楽

ウェイター「またお越し下さいませ」
田中「いや〜、楽しかったですね」
如月「ええ、料理もとても美味しかったです」
田中「如月さん」

 ○間

田中「今日は本当に、ありがとうございました。こんな風に楽しく遊んだのは、初めてかもしれません」
如月「そう言っていただけて嬉しいですわ。あっ見て下さい! 綺麗な海ですね〜」
田中「本当ですね」

 ○波の音

如月「この先に、ぼっちゃまの島があるんですね」

 ○間

田中「そこに座りましょうか」

 ○間

如月「あの……田中さん。田中さんは、どうしてこの仕事に?」
田中「私は……実は、ぼっちゃまとは血が繋がっているのです。遠い親戚の親戚……それで、つてを頼ってこの仕事をしているうちに、旦那様の信頼を頂き、ぼっちゃまのお世話をする事に」
如月「そうなんですかぁ……。という事は、いい家系の出身なのね。平民の私とは全然釣り合わない……」
田中「そんな事、気にすることではありませんよ。」

 ○音楽が陽気なものになる

田中「ほら! 如月さん!」
如月「え!?」
田中「踊りましょう!」
如月「ええっ!?」

 ○音楽が盛り上がる
 ○終わり

如月「田中さん……お願いがあるの」
田中「……」
如月「目を瞑って」

 ○沈黙

/場面転換(してもしなくてもいい) テレビ

テレビの和亀「地球の皆様」

 ○エコー

テレビの和亀「初めまして。僕はソンナ星王国第一王子、カズーです」
夜己「ちょっと!? 和亀!! 邪魔しないでよ!!」
和亀「ぼ、僕はこっちにいるよ!?」
夜己「あれ!?」
カズー「只今より、この星を僕達のものにさせて頂きますね。さあ、人間の姿に身を包んだ僕の民衆たち! 今こそ正体を現し、地球を我らのものとするのです!」

 ○ソンナ星語の叫び声がたくさん

夜己「な……何なのお……!?」

♪ED

/病院

 ○医療機器の音

母「和……ごめんね。お母さんがそばにいてあげられなくて」

 ○間

母「でも……もうすぐ会える。私には分かるの……。もうすぐ、"時間の扉"は開かれるわ……そしてあなたの記憶が戻り、私達はまた元通り、ソンナ星で暮らせるの……」

 ○足音

正「幸、体調はいいか」
幸「ええ、あなた。嘘みたいに健康よ」
正「そうか、良かった。」
幸「ねえ、あなた」
正「ん?」
幸「……あなたに言ってなかった事があるの」
正「何だ、何でも言ってごらん」
幸「実は……和は、あなたの子ではないの」

 ○間

幸「そして……私は、この星の人間ではないの」

 ○リボルバーのセーフティを外す音

正「……冗談だろ」
幸「あなたは素敵な人だった。でも、邪魔なの。ごめんなさいね……」

 ○銃声

<つづく>
ちょっとまてやっぱりちょっとおかしいと思うよ!![newpage]


[chapter:ボクとキミの思い出]









































/場面転換 美術館

女「キャーッ!! ドロボーよーッ!!」
シャルル「ふははは!! この絵画は頂いた! では、さらばだ!」

(歌詞)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
君のハートも 頂いた
歌う大怪盗
はやてのように 現われて
はやてのように 去って行く
月光仮面は 誰でしょう
月光仮面は 誰でしょう(特に小川寛興との関連性はなくていいです てゆかもっとハードロックな感じで!)

シャルル「では、さらば……」
女2「きゃ〜っ! シャルル様!! カッコイー!!」
女3「気絶しちゃう〜」
女「わ、私のお宝、返せ〜! でもカッコイ〜」

/高校

 ○ガヤ

女子生徒A「また月光仮面シャルルが出たって〜」
女子生徒B「うわ〜物騒だけど、会ってみたいなぁ〜」
女子生徒A「ね〜」
和亀「エトワ君。聞いた? 歌う大怪盗の話……」
エトワ「あ、うん……。最近幅を利かせてるらしいね……」
斗紋「許せん!!」
遊気「そうだ!!」
エトワ「あ……」
斗紋「許せんぞ!! ドロボーなんてな!! そんな、カッコイイところが腹立つ!!」
エトワ「そっち!?」
斗紋「お前誰だ!?」
和亀「この人は、村上エトワ君。エトワ君、この人たちは、今日から転校してきた、僕の知り合い……みたいな」
夜己「宜しく。」
哉乞「食後に薬は何個飲みますか〜?」
エトワ「は?」
和亀「哉乞は気に入った人に会うといつもそう聞くんだ」
斗紋「なあ! 俺達でシャルルを待ち伏せようぜ!!」
エトワ「え……!?」
夜己「おっ!? それは面白そうね!」
哉乞「ボクもやってみたいです〜」
遊気「俺が一発ぶん殴る」
和亀「あ……あの〜……」
斗紋「いくぞ! えいえい……」
3人「オーーーッ」

エトワ(モノ)「僕が生まれたのは、フランスの小さな人形屋だった。その頃は機械人形が大流行していて、その流通で、日本に運ばれてきたんだ。」

 ○エトワの音楽はじまり

(歌詞)
飛行機に乗せられて 暗い中光がチカチカ光ってた
名もない僕に名前をつけてくれたのは 和亀正さんだった。
僕は日本で人形からレプリカントというアンドロイドに変えてもらった。
僕は正さんのもとでお手伝いロボットとして働いていたんだ。

/和亀邸

ヨシ「えっ? 学校に行きたい?」
エトワ「は、はい……。僕、もっと人間のことをよく知りたいんです。」

そして、学園長の厚意で中学校に通わせてもらえるようになって……、

 ○学校のガヤ

エトワ「こ、ここが、学校……。」

 ○後ろから誰かがぶつかってくる

男子生徒A「あ、わり!」
男子生徒B「ん!? 転校生か!?」
エトワ「え、う……」
エトワ(モノ)「中学生活は、想像以上に大変だった。勉強、友達、他にも色々……。」
男子生徒C「あ、エトワお前、また体育さぼりかよ」
男子生徒D「なめてんじゃねーよ」
エトワ「……。」
男子生徒C「変な奴。行こうぜ」

 ○ギターの旋律

 ○下校のガヤ

 ○バスを降りるエトワ

エトワ「あれ……?」

 ○瑞穂の歌小さくフェードイン。

 ○足音とともに歌大きくなっていく。

エトワ「うちのクラスの人だ! 名前はえっと確か……」
エトワ(モノ)「松長瑞穂」

 ○ガヤ消える。まっつんの曲

(歌詞)

傷みも沢山重ねてきたけど 私はここで歌ってる
波にも風にも さらわれないように
強く立って
私はストリートシンガー

(エトワ)
いたいけに歌ってる君を見てたら 目が釘づけになった
波にも風にも さらわれないように
 (波にも) (風にも) (さらわれないように)←デュエット
守ってあげたい
(強く立って)
君はストリートシンガー
(私はストリートシンガー)
君はファム・ファタール

 ○雨が降り出す

瑞穂「あ、やばっ! 雨! 雨! ビニール持ってきて! みんな!」

 ○風の音

 ○歌詞カードが飛ばされる

瑞穂「うわっ! 歌詞が……」

 ○エトワの足元に落ちる

エトワ「あっ。」

 ○拾う音

瑞穂「あれ? どこ行っちゃったんだろ……あ! すすみません!!」
エトワ「……素敵な歌です。」
瑞穂「え……?」
エトワ「じゃあ……。」

 ○足早に立ち去るエトワ

 ○それを見送る松長

瑞穂「……あの人……泣いてた……。」

エトワ(モノ)「機械人形だって、感動すれば泣くし、誰かを好きになる事だってあるんだ。」

 ○ガヤ

 ○歌

エトワ(モノ)「それから僕は、彼女の歌をよく聞きに行った。彼女も僕のことを覚えてくれるようになって、目が合うとにこっと笑いかけてくれた。」

 ○ぽつぽつの拍手

瑞穂「村上君! 今度の歌はどう?」
エトワ「うん。綺麗でいい曲だよ……」
瑞穂「あ。また雨降ってきた……すぐ傘忘れちゃう」
エトワ「僕も持ってきてない。あっちの角に、雨宿りに最適な喫茶店があるよ。いつもすいてるんだ」

/喫茶店トゥルー・デイ
マスター「いっしゃい。ご注文はお決まりですか」
エトワ「あの……珈琲で」
松長「レモンスカッシュで!」
マスター「かしこまりました」

 ○よい感じのBGMが流れている

松長「エトワ君」
エトワ「は、はい!」
松長「大事な話があるの」
エトワ「……え」
松長「実は、私……今、無一文なの」

 ○間

エトワ「そういえば、僕も全然持ってないや……」

 ○間

 ○瑞穂、クスクス笑う。

 ○エトワも笑う。

/場面転換 なんか、数ヵ月後。どこかの路頭

松長「私、……歌手にはなれないのかなあ。」
エトワ「ど、どうしてそんな事! なれるよ! 君ならなれる!」
松長「だって、右を向いても左を向いても、私よりずっと歌も上手くて、ギターも踊りも上手くて、可愛くて元気な子がいっぱいいるんだもん……私なんて……」
エトワ「そんな事……そんな事ない! 松長さんの声はすごく綺麗じゃないか!」
松長「そればっかり! 私……そんなの信じられない!」
エトワ「瑞穂っ!!」

 ○間

エトワ「才能があるのに歌わないのは罪だ!!」

 ○間

エトワ「歌ってよ! 頼むから……」
松長「エトワくんに私の何が分かるの!?」
エトワ「僕は君を……」

 ○エトワを突き放す

 ○間

松長「……馬鹿っ!」
エトワ「……。」

 ○バスなどの音

/翌日

 ○マイクの準備する音

松長「……今日も来てない。」

 ○歌う

(歌詞)
「そんな人生いやあ」

 ○拍手

プロデューサー「君、名前は」
松長「え……ま、松長瑞穂……」
プロデューサー「うちでアイドルになってみないかな」

 ○元気いっぱいな曲

声優「人気沸騰! 都市に咲く乙女、マーニング娘のツアーライブ、チケット販売中!」
男「本番入りまーす」
娘達「お願いしまーす!!」

 ○曲

 ○曲にダブってまっつんのモノ

松長(モノ)「村上君……見てる!? あれから全然会えなくなっちゃった……学校も黙って転校してごめんね。私、ここにいるから……いるからねっ!」

(歌詞)
君の為に歌うよ 目の前にはいつも君の幻想が
どこにも行かないで 私だけのアイドル

/5年後くらい 高校

ザマス「皆さん、初めまして! 私はこのクラスの担任のザマス先生ザマス! ワカメダ高校に入ることのできるあーたがたは選ばれた者ザマス! 各自そのことを肝に銘じておくザマスよッ!!」

 ○ドアを開ける音

松長「す、すません遅刻しましたぁーーー」
ザマス「松長サン!! 入学式から遅刻するとは信じられないザマス!! 今日は許しますが、明日からは廊下に立ってもらうザマスッ!!」
松長「うぇ〜い…… あ!!」

 ○エトワを発見する松長。エトワ、本を読んでいて気付かない

松長(モノ)「え、エトワくん……!? どどどどうしてこの学校に……もしかしてエトワ君も芸能界か何かに……」

 ○教卓を叩く音

ザマス「席に座りなさいザマスっ!!」
松長「ははははい!! すすす座るサマスっ!!」
女子生徒「ねえ、アレ、アイドルの松長瑞穂じゃない!?」
女子生徒2「ほ、ほんとだ! 生だ!」
松長(モノ)「そ、そうよ、私……前とは違うんだっ!!」

 ○エトワの前に立つ瑞穂

松長「お、おはよ!!」

 ○エトワ、目を上げる

 ○驚いて固まる

 ○席に座る松長

 ○間

 ○ざわめき

エトワ「……『稲妻でもお探しか哀れな人間の自由にならなくてよかった図星をされたのであっさり雷で仕留めようなんてそうは問屋がおろしませんね命がけだ危険は承知だろうね……』」(混乱して本をぶつぶつつぶやくエトワ)
エトワ(モノ)「僕はすっかり根暗になってしまっていた。人間のとげとげしさに機械の心が着いていかず、だからといって閉じ篭ろうにも閉じ篭れるような自分の家がない。そう、僕は和亀家に捨てられ、今じゃ自分で自分を養わなければならない、しがない一市民と変わらぬ存在になってしまっていた。その事の経緯については後々話すとして、とにかく、今の僕はそうとうに人間嫌いだった。」
和亀「村上君……でしょ?」
エトワ「!?」
和亀「お、驚かせてごめん。僕は和亀和。君の後ろの席だよ。」

 ○後ろの席を見る和亀

和亀「ねえ、さっきアイドルの松長さんに話しかけられてたよね! 僕びっくりしちゃった。友達なの?」
エトワ「……多分」

 ○目が合うエトワと瑞穂

和亀「そうなんだ。ねえ! お弁当一緒に食べようよ!」
エトワ「……あ……うん……。」










エトワ(モノ)「僕に、あの如月皐月という人が近づいてきたのは、春の下旬だった。」

/場面転換 体育館横など

如月「あ、ねえ、君ちょっと」
エトワ「……?」
如月「あなた……”レプリッカー”ね」

 ○ハッとして如月を見るエトワ

如月「つまりロボットね」
エトワ「……あなたは……誰です。」
如月「ちょっとした宇宙人よ。あなたにはこれからアイドルになってもらうわ。あの女の子と同じように」
エトワ「……松長さん……!?」
如月「そして……彼女から奪うのよ。『ハートの鏡』を……!」

/場面転換 スタジオ

 ○魔法少女ムーン第1話収録

監督「紹介しよう。この人がシャルル君。今絶好調のアイドルだ。君のライバル、ペルソナ=ムーンライツ役をやってくれる」
松長「初めまして! これから宜しくお願いします!!」

 ○松長、エトワの仮面をまじまじと見る

松長「……」
シャルル「よ、、、よろしく……。」

/場面転換 楽屋

エトワ「如月さん」
如月「何?」
エトワ「どうして僕はスタジオで彼女に会わなくちゃならないんですか? 学校で会えるのに……」
如月「学校は駄目なのよ」
エトワ「どうして。」
如月「あの高校は至る所に監視カメラが設置されてるわ。それで学園長が校舎の隅々を監視してるの。まるで牢屋ね」
エトワ「学園長先生に知られてはいけないんですか。」
如月「ええ。誰にも知られちゃいけないの。特に和亀一族にはね」
エトワ「和亀家……如月さん」
如月「なあに?」
エトワ「あなたは一体誰なんですか?」

 ○間

如月「私はソンナ星から来た特派員」

 ○間

エトワ「と……特派員?」
如月「良く言えばそう。悪く言えば、スパイよ」
エトワ「だ、誰のスパイなんですか。和亀家の……」
如月「勘のいいロボットね。」
エトワ「ふざけないで下さい! 僕は和亀カンパニーで生み出されたようなものだ。恩を仇で返すような事はできない!」
如月「あら、そんなあなたを捨てたのはどこのどなた? 今、重い税収で市民を苦しめているのはいったいどの会社よ? あなたは自らの意思であの高校に入ったと思ってるかもしれないけど、あれもこれもみんな私が操ってのことなの」
エトワ「まさか……」
如月「レプリッカーとはそういう風にして動かすものなのよ。一歩学園を出てみなさい。そこはスラム。今の和亀カンパニーは腐ってるわ。そういう不安定な土地だからこそ、敵からの守りが弱いということ。分かる? 私達はそこを突く。そして地球征服の足がかりとするのよ」
エトワ「ち、地球征服だって……ふざけるな!」

 ○エトワ、手近にあるペルソナ=ムーンライツの武器を手に取る

如月「おやおや、そんな小道具を持ち出してどうする気? せいぜい私を小突くくらいしか出来なくてよ?」
エトワ「……うるさい!」

 ○なんか音

如月「そんなに嫌ならこの国から出てごらんなさいよ。今の日本を出るには、知ってるでしょうけど、コレが要るわね?」

 ○何かを見せる

エトワ「……ビザ……」
如月「ロボットのあなたにこれが手に入るかしら?」
エトワ「お金さえあれば……買えるものだ」
如月「では、そのお金、せいぜい働いて貯めることね。アイドルなんてサービス業じゃ、雀の涙かもしれないけれど。おほほほほ……」
エトワ(モノ)「僕は心に決めた。きっとお金を貯めて、彼女と国外へ逃げるんだと……」

/場面転換 美術館(くり返しです。エトワモノとオーバーラップ)

女「キャーッ!! ドロボーよーッ!!」
シャルル「ふははは!! この絵画は頂いた! では、さらばだ!」

(歌詞)
どこの誰かは 知らないけれど
誰もがみんな 知っている
君のハートも 頂いた
歌う大怪盗
はやてのように 現われて
はやてのように 去って行く
月光仮面は 誰でしょう
月光仮面は 誰でしょう(特に小川寛興との関連性はなくていいです てゆかもっとハードロックな感じで!)

シャルル「では、さらば……」
女2「きゃ〜っ! シャルル様!! カッコイー!!」
女3「気絶しちゃう〜」
女「わ、私のお宝、返せ〜! でもカッコイ〜」
エトワ(モノ)「僕が泥棒を始めたのはその頃からだった……。レプリッカーは犯罪行為ができないようプログラムされていたはずなのに、僕にはなぜかできた。これが愛の力なのだと思った……。」

/場面転換 ビル屋上

 ○ビル風

 ○バイクの音

 ○バイク、近づいてきてとまる

 ○降りるエトワ

 ○時計を確認するエトワ

シャルル「時間よし、天気よし、温度よし、湿度よし。」
松長「ムーンライツさん?」

 ○驚いて振り返るシャルル

松長「あ……!? ごごめんなさい。後姿が知り合いと似てて……こんな屋上で何をしているんですか? バイクなんて…どうやって……」
シャルル「私は月光仮面シャルル!!」
松長「……大道芸人さんか何か?」
シャルル「……そうか。君はテレビや新聞には疎いんだった……」
松長「変な人!」
シャルル「きみ、私は今忙しいんだ。午前0時にお宝を盗む約束を警部さんとしてしまったのでね」
松長「そうなんですか。お仕事頑張って下さい!」
シャルル「そうか。ありがとう。ではここで1曲歌わせてもらうよ。」
松長「ここで歌を歌うんですか? なんで?」
シャルル「月光仮面シャルルは、登場する時と逃げる時に歌を歌うんだよ」
松長「へ〜。じゃ私聞いてます」
シャルル「……(咳払い)」

 ○まっつんの曲を歌うエトワ

松長「え……」

 ○まだ歌ってる

松長「そ、それ、私の曲……」

 ○ふっと笑うシャルル




触らないでくれ




落ち込んでるまっつん?


和亀かなんかが落ち込んでて、まっつんが叱咤激励


ということは夜己のストーリーも織り込む


わたし歌歌えないてきな




シャルル「とーっ!!」

 ○ターザンみたいに飛ぶ!

 ○しゅわっ!

哉乞「今だ!!」

 ○縄を引っ張る音

シャルル「ぐわっ!?」
哉乞「わーはははは!! 引っかかったな月光仮面シャルルめぇ!! この哉乞様にかかれば、猫の子一匹、いや麺類一本通しません!!!」
夜己「やったわねー!! シャルルの生け捕りよ!! 警察が来る前に逃げましょ!!」
和亀「え!? 警察に引き渡さないの!?」
斗紋「たりめーだ! 俺が何でこんな事すんのか直々に問いただしてやる。な遊気!」
遊気「おう」
シャルル「君達、こんなもので私を捕まえたと思ってもらっちゃあ困る。ハァッ!!」

 ○シュッバッ!!

哉乞「な、何!? 特製の合金金網を破いただと……!? ぐぬぬぬぬ!! ききき、き貴様ァ!! ただ者ではないな!!」
シャルル「フッ……和亀君よ」
和亀「はっ、はい!?」
シャルル「ついでだから言っておこう。君はもっと勉強したまえ!!」
和亀「えええええ!?」
シャルル「では、仕事に戻らせてもらう。さらばだ!!」

 ○時計の鐘が0時を告げる

夜己「……行っちゃったじゃないのよ〜〜〜!!」
斗紋「ど〜〜〜してくれんだ〜〜〜哉乞〜〜〜」
哉乞「い、いでででで……すすすんません……」

/場面転換 松長

松長「月光仮面シャルル……」

♪ED(私って恋多き女の子)

/学校

哉乞「……スキ……キライ……スキ……キライ……」
斗紋「何してんだ哉乞は」
和亀「好きな人ができたみたい」
哉乞「……スキ……キライ……スキ……キライ……スキ!!! うほほほほほ〜〜〜い!! 和亀さん! では僕こっ告白しに行ってきます!!」
夜己「おお! 行動派ね!!」
和亀「がんばって!!」

 ○哉乞の走る音

哉乞「ま……まっつんさん!!」
松長「!」
哉乞「食後に薬は何個飲みますか!?」     ●なぞなぞ考える

 ○間

松長「……(なんか上手い返し)」
哉乞「まっつんさん……あなたこそボクの運命のヒトです!」
和亀「馬が合うみたいだね」
斗紋「お〜、よかったじゃねえか哉乞〜」

<つづく>[newpage]

[chapter:アキレスと和亀]















































田中「私達の暮らす街、わかめだ町には、皆さんご存知の通り、わかめだ高校という名高い高校があります。そして、その隣町の小高い丘の上にももう1つ、わかめだ校よりはいくばくか小さくはあるけれども、独自の伝統を築きあげてきた高校があります。そう、その名も……『オーノ学園』」

/商店街

田中「この2つの学校は、昔から犬猿の仲でありました。2つの学校の生徒は、道端で出会うだけで……」
わかめだ校の生徒「おい! その制服、オーノ学園だな!」

 ○鞄を置く

わかめだ校の生徒「来い!」
オーノ学園の生徒「ふ……ナメんじゃねーぞおっ!」

 ○殴り合い(遠景)

和亀「あ〜あ、またやってるよ。懲りないねえ。」
哉乞「どうしちゃったんですか? あの人たち」
和亀「まあ、マングースと蛇みたいなもんかな。伝統だよ」
遊気「お!? あそこに歩いてるあいつの制服も同じだ。いいのか……!? 勝負をしかけてもいいのか!?」
斗紋「お、遊気がいつになく目を輝かせてるぞ! 脚本家が根暗なせいでこのドラマ、バトルシーンが少ないんだから遊気、この機会に思いっきり戦ってこい!」
哉乞「根暗って何ですか! ちょ!」(斗紋の後ろで)
遊気「おう!! おい!! 目が合ったな!! バトルしようぜ!!」
王野「望む所だ。かかってきたまえ!」
遊気「うおおおおおっ!!」

 ○間

夜己「それにしても、隣町の生徒なのにどうして今日はこんなに沢山うちの近くにいるの?」
和亀「アレだよアレ?」
斗紋「アレ?」
和亀「(自信たっぷりめに)プ・ラ・ム。」

 ○間

夜己「プラム……!? それってまさか、かつてユダヤの王にした仕打ちを再現するというあの恐ろしいお祭り……」
和亀「それはプリム」
哉乞「それってまさか、秋葉原のカフェのお姉さんのエプロンのエッジの部分についてるあの……」
和亀「それはフリル。そうじゃなくて、まあつまり、ダンスパーティみたいなモノかなぁ。再来週の日曜日だったと思うけど……町外れのスターダストダンスホールで」
斗紋「へぇ! ダンスパーティか! 面白そうだな! それとあいつらと何の関係があんだよ?」
和亀「プラムは王野学園と一緒に開催するんだ。だからいつも最後の最後はみんなで大乱闘になるんだけど……それも伝統のうち。そのバトルの相手探しに来てるんじゃない?」
夜己「なんか面白そう。ステージは無いの?」
和亀「カラオケならあるけど」
哉乞「夜己さんの歌でみんなが踊るんですか〜、それは盛り上がりますね〜」
和亀「確かにそれだったら僕も行きたいな。でも相手を探さないといけないんだ。」
夜己「バトルの相手?」
和亀「ダンスの相手だよ。」
斗紋「そういうのは得意だ。」
哉乞「僕じゃダメですかぁ〜?」
和亀「それはちょっと……」
女子「和亀くんいたー!」

 ○駆け寄ってくる

和亀「え……」
女子「わ、和亀君、今度のプラムの相手って決まってたりする……?」
和亀「まだ行くとも決めてないけど……」
女子「(よっしゃ〜!!) あの、もし良かったら私と一緒に行ってもらえませんかぁ〜!?」
和亀「えー……!? ど、どうしよう……」
夜己「行ってあげたら? どうせ行く相手いないでしょ?」
哉乞「僕とじゃダメですか?」
女子「あんたじゃダメなのよ。」
哉乞「……」
和亀「いいよ。」
女子「(喜びの悲鳴)ありがとうっ!! じ、じゃあ、また連絡するねっ。」
和亀「メールアドレスとか……」
女子「大丈夫、分かってるから!」

 ○走り去る女子

和亀「え……。」

 ○間

/場面転換 和亀邸 キッチン

 ○田中、海老のフライを作っている

田中「ダンスパーティですか!?」
和亀「うん。急遽行くことになって……」
田中「それは構いませんが、着ていく服などがあるんでしょう。ぼっちゃまの今お持ちの服では……」
和亀「それでこうして田中に……」

 ○コンロを消す田中。

田中「ぼっちゃま。毎月のお小遣いはちゃんと差し上げてるハズです。それはどうされたのですか?」
和亀「え〜と……こないだ頭良君とゲームセンターに行ったときに……」
田中「使ったんですか?」
和亀「だからその〜〜〜……遊びは子供の心の発育を助けるというか……」
田中「音ゲーで何が育ちますかーーーー!!」(爆発音)

/場面転換 リビング

田中(遠くから)「いいですかぼっちゃま、あなたには何度も何度も口すっぱく申し上げておりますが、あなたは一国一代の主となるお方なのですよ!! それがやれポップンだやれJ-beatだなどというものにうつつをぬかして……」
哉乞「資金調達の道は閉ざされたみたいですよ。」
夜己「しょうがないわね。別口を当たってみましょうよ」

/場面転換 学校

楼華「衣装を貸せー!?」
夜己「楼華ちゃん!! 今こそあなたのドレスコレクションを学校のみんなに見せつける時が来たのよ!! 確か弟がいたわよね。何かいい服持ってない? 大きさは哉乞の秘密道具で何とかできるから!!」
楼華「駄目ですわ」(ぴしゃり)
斗紋「何でだよ〜! いいじゃねーかよ〜。ちょっと貸してくれるだけでいいからさ〜」
楼華「駄目なものは駄目ですの」

 ○すたすたと去る楼華

斗紋「ちぇっ。何だあのピンク頭」
哉乞「最近なんだか様子がおかしいですよ。僕たち忙しくてあまり構ってあげられなかったから、きっとふてくされてるんですね」
和亀「そうだといいけど」
エトワ「和亀君!」
和亀「おわ!? エトワ君!?」
エトワ「ノート見せて……宿題やってなかった」
夜己「エトワ君は出ないわよねー、ダンスパーティ」
エトワ「……何のこと?」
和亀「相手を見つけたら、紹介してあげるからね」

/場面転換 わかめだ校 会議室

 ○7人の男子生徒が囲んでいる

男子生徒1「最近の王野学園の侵出は目に余るものがありますな」
男子生徒2「全くだ。我々は今まで冷たい戦争、つまり冷戦体制を敷いてきたが、今度ばかりは、何か手段に出なければならないと思うくらいだ」
男子生徒3「部活動の交流試合の時は、水の補給を妨げられたこともあったぞ!」
男子生徒4「なんて卑怯な奴らなんだ……!」
男子生徒5「いや、だけどね、いがみ合いはよくないですよ。やっぱり、話し合いの場をもっと設けるべきです。今こそ友好条約を結ぶべきではないですか?」
男子生徒6「誰が行くんだい。」
男子生徒5「委員長に決まってるじゃないか。」
男子生徒7「それじゃ、喧嘩が起こるに決まってる。」
男子生徒4「そもそも先に学校ができたのはうちなんだ。向こうはつい最近までただのしがない私立高校だったくせに、急に羽振りを利かせてきやがった」
男子生徒3「運営しているホテル王野の景気がよくなったんだ」
男子生徒2「なんでだ?」
男子生徒「わからん。人口増加だ」
男子生徒「じゃあ野村、お前を王野大使に任命する。向こうに行って、話し合いをしてこい」
男子生徒「はい、委員長。」

/就任記念パーティ

 ○ガヤ

女性「皆さま、本日は、牙上カンパニー、社長就任式記念祝典にお越し下さり、誠にありがとうございます。それでは、本日より新しく代表取締役を務めることになりました、牙上龍一よりご挨拶させて頂きたいと思います。」

 ○拍手

田中「ぼっちゃま。よ〜く見ていて下さいね。パーティとは本来、このような形式で行われるものであり、今から私がこのような席での作法をお教えいたしますから……」
和亀「田中……気持ちは嬉しいけど、僕たちの行くパーティってこういうのじゃないから……」
哉乞「見て下さい夜己さ〜ん!! ケーキの上にイヂゴが乗ってますよ〜ッ!!」
夜己「見て和亀〜! ワインとシャンペンとリキュールと紹興酒が一度に飲めるわよ〜!」
和亀「夜己さん……倒れないでね」
楼華「あら和亀。来ていたの」

 ○楼華登場

和亀「あ、楼華さん。おめでとう」
楼華「(肩をすくめて)あなた、お相手は決まったの?」
和亀「え?」
楼華「プラムよ。あいつらが行くってことは、あんたも行くんでしょ?」
和亀「うん、まあ。見知らぬ子だけど……」
楼華「そう。忙しいことね。私はどうせ行かないから、せいぜい後から後日談でも聞かせてもらうとするわ」

 ○去る楼華

和亀「……楼華さん、元気ないよね。」
田中「お父様が亡くなられたことが、やはり心の傷になっているようです。」
和亀「お父さんがいないって、どういう気持ちなんだろう。」
田中「ぼっちゃま。ここは追いかけてあげるべきです。」
和亀「え。」
田中「今の彼女には、そうです! ぼっちゃまのその生まれ持った優しい心が役立つ時です!! さあ! 行きなさい! これは執事命令です!」
和亀「何それ!? ったく、しょうがないなもう……。楼華さん! 待ってよ!」

 ○足音

和亀「……楼華さんってば!」

 ○足音。場所が次々変わっていく。和亀は楼華を追いかけてる。

/場面転換 廊下

 ○和亀、角を曲がると、楼華が誰かと一緒にいるのを目撃。すばやく隠れる。

 ○楼華と王野のひそひそ声(なんかラブラブなやつ)

和亀「あ……なんか見てはいけないものを見てしまったような……」

 ○持っていたグラスが壁に当たって音をたてる

楼華「!? 誰かいるの!?」
和亀「やば」

/場面転換 会場

夜己「楼華ちゃんに彼氏。」
和亀「そうとしか見えなかったね。」
夜己「へえ。」
和亀「ちぇ、お父さんが死んで落ち込んでるのかと思って追いかけてってあげたのにさ。こんな仕打ちってないよ」
斗紋「それで相手はどんな奴だったんだよー!」
和亀「え〜と、金髪で……チャラチャラしてて……白いシャツ着てて……あ! そういえば、王野学園の制服を着てた」
哉乞「え、楼華さんはワカメダ高校の人ですから、犬猿の仲じゃないんですか?」
夜己「それってまさしく……」
如月「禁断の! 恋ね!」

 ○驚く全員

和亀「き、如月さん、、来てたんですね!」
如月「勿論! 田中さんの行く所どこにでも……じゃなくて、牙上カンパニーは和亀コーポレーションのお得意様ですからね、式典に出席するのは当然です。」
和亀「え、それじゃあ、お父様も来てる!?」
如月「もちろんです!」
和亀「あ……会えたりする!?」
如月「ええ、きっと会えますよ。もうすぐスピーチに出られるはずですから、お待ちになっててください」
和亀「うん!」
女性「お待たせ致しました。それでは、和亀コーポレーションの代表取締役であられる、和亀正社長からお祝いのスピーチです。……」

 ○拍手(15秒くらい)

女性「大変申し訳ありません。和亀社長は現在体調を崩しておられるため、祝電のみで失礼させていただきたいという言伝が参りました。それでは、祝電を読み上げさせて頂きます。(以降アドリブ。以下のシーンでも流れてます)」

/場面転換 王野と楼華

王野「君の瞳は世界で一番美しい」
楼華「王野君……」
王野「ほんぎゃらほんぎゃら

歯が浮くような台詞いろいろ(斗紋さんに任せる。恥ずかしいから)
30秒くらい愛を語り合う。



 ○足音

遊気「見つけたぜ、王野直也!」

 ○間

遊気「このあいだはよくもやってくれたな! 今度こそリベンジだ!」
王野「待て! 今は……」
遊気「怖気づいたのか?」
王野「愛する人の前で恥をさらすわけにはいかん。今の僕は相当に強いぞ。覚悟はあるか」
遊気「へっ、俺だって、何度も恥をさらす訳にはいかねえんだ。」
2人「覚悟!!」

/場面転換 会場

 ○エトワが走ってくる。

エトワ「和亀君! 大変だ!」
和亀「エトワ君!? 一体どうしたの?」
エトワ「遊気君が……息をしてないんだ!」
全員「えええ!?」

/場面転換 廊下

 ○楼華が動揺している(アドリブ)

 ○みんなが駆けてくる音

全員「遊気!!」

 ○遊気、音もなく倒れている。

和亀「遊気、しっかりして、遊気ッ!!」
哉乞「……しんでる」
如月「(悲鳴)」
田中「どなたか救急車を!!」

 ○和亀、王野を睨みつける

和亀「お前か!! 遊気をこんな姿にしたのは!!」
王野「いかにも。僕の名は王野直也。王野学園総理事の息子だ」
和亀「抜けッ!!」

 ○剣を抜く音

王野「貴様もワカメダ高校の人間だな。名を名乗り給え!」
楼華「和亀! 直也! やめなさい!」
王野「……和亀……お前が和亀和だな。楼華の奴隷の」
和亀「え!! ちちち違う!! 僕の名前は確かに和亀和だが、僕は和亀カンパニーの息子だ!! 確かに楼華さんの言う事には従うけど、決してそのような関係じゃない!!」
王野「ほう。よく言う。お前の会社は腐っていることが分からんのか!! 国民の大多数が貴様の会社に搾取されている今の現状が分からないのか!」
和亀「僕とは関係ないことだ!」
王野「それはどうかな。いつもビリっけつのバカでのろまな亀のくせに。」

 ○剣を抜く音

王野「そんな奴に僕が負けるはずがない!」
和亀「なにを……!? じゃあ、もし僕が勝ったら、楼華さんは僕とプリムに行くんだ! いいね!?」
楼華「え……!?」
王野「いいだろう!!」

 ○決闘開始(アドリブ)

哉乞「こ、これがいわゆる……『アキレスと和亀のパラドックス』ですね!!」
斗紋「『アキレスと和亀のパラドックス』!?!?」
哉乞「王野さんは強い! だけど和亀さんは逃げる天才です! 王野さんが和亀さんに剣を届かせようとするとき、王野さんの剣が和亀さんのいた位置に達するまでに和亀さんはそこを僅かにどいているはずです! だから王野さんは和亀さんに無限に剣を届かせることはできないという論理です!!」
斗紋「おおおおお!!! 和亀! すげえぞ和亀!!」
和亀「今だ! 必殺! 『和亀トルネード』ッ!!」

 ○風が巻き起こる!

王野「ぐはああぁぁぁーーーーーっ!!!!」

 ○倒れる音

 ○間

和亀「……や、やった……」
夜己「勝った……」
全員「勝ったーーーーーーー!!!」

 ○アドリブ

和亀「まあ、僕にかかればこんなもんさ」
夜己「遊気! もう起きていいわよ!」
遊気「おう、終わったか」
和亀「え!? あれなんで遊気!?」
夜己「実は遊気に頼んでやってもらったのよ。和亀と楼華ちゃんをプリムに行かせるためにね!!」
和亀「そうだったのか……よかった……。」
王野「ぐっ……まだ勝負は終わっちゃいない……」

 ○楼華を人質にとる王野

楼華「きゃっ!? な、直也っ!? 何をするんですの!?」
王野「彼女はもらっていく!」
和亀「待て! 王野直也!! 僕は……僕はお前を許さない! 例えワカメダ高校の総員を尽くしてでも、楼華さんを取り戻す!!」
王野「ふっ、いいだろう、ならばこちらも全員をかけて戦うのみだ。今! これが! 王野学園からワカメダ高校への最後通牒だ。覚悟はいいな!」
和亀「戦争開始だ!!」

/場面転換 和亀の島

 ○トランペットの音

 ○すごい観客が集まっている

頭良(アナウンス)「それではこれより、和亀君と王野君の宣言を下に、王野学園対ワカメダ高校の一大レースを開始致します。ご観覧の皆様は、どうか落ち着いてご自分の座席に座ってご観戦下さい。繰り返します。ご観覧の皆様は、どうか落ち着いて……」

/観客席

夜己「はいホットドッグ」
斗紋「サンキュー」
哉乞「斗紋さんホットドッグ好きですよね」
夜己「はい遊気にも」
遊気「サンキュー」

 ○歓声

王野(アナウンス)「ここに我々の勝利を宣言します!!」

 ○鴇の声と威勢のいい音楽

和亀(アナウンス)「勝つのは今しかない!!」

 ○同上(音楽は違う)

楼華「和亀っ!」

 ○楼華に気付いて振り向く和亀

 ○楼華駆け寄る

楼華「和亀、無茶するのはやめて! あんたにはどうせ……」
和亀「楼華さん! 見ててね、僕きっと……勝ってみせるから!」
楼華「あ……!(去っていってしまう和亀) 和亀……。」

 ○歓声

 ○馬のいななき

斗紋「おっ。あれは田中さんの大切にしているサラブレッド・シグマ18じゃねーか」
夜己「あら? ほんと。どうして外に出てるのかしら」
田中「シグマ18ーーーーーーーーー」

 ○驚く全員

田中「フレ! フレ! シ・グ・マ! フレ! フレ! シ・グ・マアアァァァァァァ!!!!」
如月「ぼっちゃま同士の戦いは、馬上試合になったんです」
斗紋「てっきり競馬かと思ったぜ」
男「俺は和亀に賭けるぜーーートゥエンティーワンハンドレッドカメカメだ!!」
男2「何!? じゃあ王野が勝ったら俺はサーティワンカメカメだーーーー!!」
夜己「競馬とあんま変わんないわね」
夜己(モノ)「そして試合は次々と行われ……両者互角の戦いが続いた。そしてとうとう……」
頭良(アナ)「王野直也ーーー和亀和ーーーー準備はよろしいか!」
王野「(馬が鳴く)とうに!」
和亀「(馬の鳴き声)もちろんだ!」
頭良(アナ)「お互い、言い残すことは!?」
和亀「王野……君とは、違う場所で会っていたら、友達になっていたかもしれないな」
王野「恨むなら……楼華に恋をした己を恨むがよい! いくぞ! うおおおお!!」

 ○馬の声と蹄の音

和亀「うおおおおお!!」

 ○何かが静止する音(低周波)

 ○音が止まる

 ○間

 ○間

 ○間

 ○カズーの足音

カズー「屑と屑が首を噛み合っている」
幸「でも、可愛いじゃない、ねえ。」
カズー「でも、そんな物見もこの時までだ。エトワ」
エトワ「はい。」
カズー「どっちが勝つと思う?」
エトワ「和亀君はああ見えて器用です。王野君の実力は分かりませんが、十分勝機はあると思います」
カズー「そっか。じゃあ、王野君の手助けをしてあげよう」

 ○カズー、さっと手をふる。

カズー(王野の声が混じる)「僕が王野になってあげようね……」

 ○歓声戻る

 ○剣がこすれ合う音

和亀「なにっ!?」
和亀(モノ)「王野君の目の色が変わった!?」
王野「和亀よ! 教えてやろう! この剣はオモチャではない、真剣だ!!」
和亀「な、何だって!?」
王野「しかも、切っ先には毒が塗ってある。少しでもかすめたら、……貴様は終わりだ!!」
和亀「そこまでするなんて……目を覚ませ!! 王野君!! これは体育祭のようなものじゃないのかい!?」
王野「笑止!! 隙あり!!」

 ○和亀の服が切れる音

全員「和亀ええええ!!!」
和亀「ぐっ……!!」

 ○見合う2人(と2頭。)

 ○和亀の息が明らかに上がっている。

王野「どうだい、効いてきただろう、ソンナ星特製の毒薬さ……」
和亀「何……!? お前まさか……」
王野「そう、僕は……王子カズーだ!」
楼華「和亀ーッ!!」

 ○和亀、ハッとする。

和亀「カズー!! 僕は……こんな所では終わらない!! 必ずお父様に会って、夜己さん達の星の未来を変えて、そして……楼華さんに……」
王野「とどめだッ!」
エトワ「待てッ!」

 ○しゅだっ

和亀「ぺっ……ペルソナムーンライツっ!?」
エトワ「……『スーパーマジック……ミラーリング・キラーーーー!!』」
王野「うぐあああああああああ」

 ○王野蒸発

和亀「え……一体、どうなってるの……?」
エトワ「和亀君! 大丈夫!?」
和亀「あ……やばい、毒……が……」

 ○音がゆがむ。どさっと倒れる音とともに消える。エトワの和亀君! という声だけが聞こえる。

斗紋(モノ)「そのあと……俺達は1ヶ月、2ヶ月と和亀が回復するのを待った。しかし、和亀は目覚めることもなく、とうとう……」

 ○というモノローグに心電音が止まる音がオーバーラップ

/場面転換 天国

 ○天国っぽいガヤ

和亀「わあああぁぁぁぁぁああぁああ……」

 ○和亀が雲の上に落ちる

和亀「いて!」

 ○間

和亀「こ……ここはどこ……」
正「和か……!?」
和亀「その声は……まさか……」
正「和!」
和亀「お……お父様!?」

♪ED

夜己「次回からDRIVE!!は天国編になります。」
遊気「どうぞお楽しみに」
夜己「っていうか遊気、なんであんた生きてんのよ」
遊気「誰も死んだなんて言ってねーぞ」
夜己「誰!? 誰よ死んだって言った奴!! お前かー!!」
哉乞「ぎゃー す、すみません。ノリでつい……」
夜己「お前はサスペンスの見すぎじゃーーー」
斗紋「まあ俺達もともと息してないしな」
夜己「開放血管系だしね」
哉乞「シトシングアニンソンナニンですからね」
夜己「そんなわけで」
全員「次回もお楽しみに〜」

<つづく>[newpage]

[chapter:遊気の試合]

一度決めたことは死んでもやりとげる

↑それじゃ数学は解けねえよ


★どうも、マコサンです。

あのさ、一旦書けちゃった話にいろいろ付け加えると、ほんとなんかリズムが崩れるっていうか、なんかそういうとこあるよね。

あれはなんなんだろう。

でさ、とりあえず、書き損なった部分を、この13話から書いていこうと思います。

でね、マコサンはもう完全に頭が、何をボツにして何を採用したか忘れて、伏線もクソもなくなっているので、13話以降が最新なので、これに従って12話以前を変えていってください。これは基本的にどのストーリーにおいても言えます。後半以降と前半部分の話に繋がりが見えなかったりね...まあ、マコサンはそういう人間で、それ以上できないので、どうか許してください。と言うかそれをやろうとすると、5年くらい忘却期間がいるので、それだったら客観的に見れる誰かほかの人がやってもらった方がいいじゃんってことっす。(しかもその5年の間にまた新しいアイデアが出てきてそれをどうにか入れられないかと苦労していると別の話ができてくる)

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天国には和亀皇国ができていた

正が王様

未来の夜己(死んだ夜己)がいる

未来の哉乞(死んだ哉乞)がいる

ヨシにとりつく

今はお前狙われてるから名前変えとけ

和亀に和亀の噂をする

ルーレットで出国ビザ









/天国

 ○涼やかな効果音や鐘の音

和亀「………………うぐ……。」

 ○和亀、ゆっくり起き上がる

和亀「なん……ここは、一体……。」

 ○雲を踏む音

和亀「!? 何だ、ここは……」

 ○風の音

和亀<僕が気がつくと、そこは雲の上の世界だった。牡丹のような花が上からちらちらと舞い降りてきて、なんだか不思議な音楽が流れてる……>

和亀「天国……って事でいいんだよね。」

 ○誰かが向こう側からやって来る

大人哉乞「君も死んでしまったか」
和亀「……あなたは……?」
大人哉乞「私の顔に見覚えはないのかね?」
和亀「……」
大人哉乞「まあ、よい。私は水先案内人。君の天国での生活をサポートする為に参った」
和亀「はあ……」
大人哉乞「では、まず、君に新しい名前を付けよう」
和亀「名前?」
大人哉乞「何が良いだろう……そうだねえ、『ズカ・メカワ』とか、どーお?」
和亀「どーおって……何でもいいですけど。そもそも名前を変える必要って……」

 ○手を叩く哉乞(以下、大人省略)

哉乞「では、決まりだ。さあ行くぞ少年。まずは君のお父さんに会いに行こう」
和亀「はあ、僕の……   え!?」

/場面転換 地上

 ○レクイエム

 ○4人の泣き声

哉乞「うぁーんあんあん和亀さんが死んじゃったですぅー」
斗紋「おいおいおい和亀ええええ」
遊気「……ヒクッ……和亀……ヒック」
夜己「和亀ーーー!! 帰って来なさいよーーーー! バカワカメーーーー!!!」

 ○棺が和亀城に運ばれていく

4人「和亀えええ」

/場面転換 数分後

 ○みんなまだ泣いてる

哉乞「なんであんな良い人が……」
斗紋「俺たちはこれからどうすりゃいんだ……」
夜己「みんなっ! 何メソメソしてんのよ! こういう時こそ私たちが頑張らなくちゃ!」
哉乞「夜己さぁ〜ん……でも、一体どうするんですかぁ……」
夜己「決まってんでしょ!! 和亀を生き返らせるのよ!!」

/場面転換 天国

 ○パレード音楽

 ○和亀と哉乞、歩いている

哉乞「この国は、必ず1人皇帝がいるんだ」
和亀「皇帝?」
哉乞「偉い人だよ。今は、君のお父さんだ」
和亀「ええ!?」
トランプの兵士「お名前をどうぞ」
哉乞「魔灘魔哉乞、ズカ・メカワ」
トランプの兵士「どうぞ」

 ○門が開く

和亀「……ねぇ、一つ聞いていい?」
哉乞「何ですか? 和亀さん」
和亀「バンダナ……つけないの?」

/場面転換 和亀邸

 ○田中、気が狂ったように泣いている(ぼっちゃまーーーとか叫びながら)

 ○如月が横にいて慰めている

如月「田中さん、落ち着いて……落ち着いて下さいっ! このままじゃ、喉が潰れてしまいますよ!」
田中「良いのです。私には……私にはもう何もないのです!!!」

 ○泣く田中

如月「田中さん……。……はぐ!?」

 ○如月、崩れ落ちる

田中「!? 如月さん!? どうされたんですか!?」
如月「うぐ……逃げて!!」
田中「え……!?」

 ○如月、豹変する

 ○如月の不気味な笑い声

如月「愚かだねぇ……私たちには到底敵わないのに……」
田中「如月さん……!?」
如月「私は如月じゃないよ! 私の名は……ワルビーダ……地球を征服しに来たのさ!」
田中「何だって……!?」

 ○田中の首を絞める如月

如月「イーッヒッヒッヒ……まずはお前から侵食してやるわい……」

/場面転換 天国

哉乞「さあ、和亀さん。お父様がお待ちです」

 ○扉が開く音

 ○足音

和亀「……お父さん」(呟くように)

 ○正、振り向く。

和亀「お父さん!!」

 ○駆け出す和亀

 ○間

和亀「覚えてる? 僕……和だよ」

 ○間

正「ああ……もちろん覚えている」

 ○和亀の頭をなでる正

正「生きているうちに一度、会いたかった……」
和亀「……お父様……。お父様、僕、聞きたいことも言いたいこともいっぱい(あるんだよ)……」

あっ、忘れないうちに書いておくけどさ、僕も父親とたった2年だけど離れて暮らしていたらさ、なんか和亀の再会の気持ちちょっと分かったかも。なんか、会いたかった〜っていう母性的? な気持ちより、あれも教えてほしいこれも教えてほしい、お父さんがいるうちにあれも指導してほしいあれも導いてほしいって感じ。それでずーっと意見を求めてました僕は。数学のことから大学のことまで。いやだから和亀もそんな感じで、教えてくれる人がずっと欲しかったのかなあなんて思いました。はーい。でも、大学受験の時はほとんど会話とかしてなかったから、まじめに話さなくなってから、やっぱり4年くらい? あったのかな。人生単位で相談したのはこないだが生まれて初めてだったんで、そう考えると10年ぶりくらいになるかもしれない。それまでは数学の話しかしてなかったもんな。今までは父親が一番、父親の真似してれば成功するって思ってたけど、父親だってわがままだし頑固だし嫌われてるし、下手なところも、諦めたこともいっぱいあって、自分なりには最高の人生だとは思ってないんだよな。で父親の後を追いかけることもないんじゃないかなって思って。和亀もそんな感じかな。これからそうなるように仕向けたいんだけどなんのか不安・・・。

 ○ドアの音

兵士「陛下!」

 ○足音

兵士「新生国家の足音がここまで聞こえて参ります!」
正「向こうの数は?」
兵士「ざっと200はいるかと思われます」
正「む……こうなったら、やるしかあるまい」
和亀「……何?」
哉乞「いま、この国は、革命の危機にさらされているのです。」

 ○窓の外を見る和亀

和亀「あれが」そうだね?
哉乞「そうです。」

 ○ドアの外から漏れてくる罵声等

哉乞「ここは危険ですから、和亀さんは僕と逃げましょう」
和亀「え、でも、お父様は……」
正「私はここに居る必要がある。和、また会おう」
和亀「お父様……」

 ○ドアが破られる

正「行け!」

 ○走り出す2人

/場面転換 学校

 ○チャイムの音

 ○ドアの音

松長「おはよー」
夜己「まっつん、おはよー」

 ○席に座る夜己

松長「ね、今日の家庭科、何持ってけばいいんだっけー」
夜己「えーと確か、私はサランラップでー、斗紋がアルミホイルでー、春野君がお茶の葉でー、まっつんはサトウキビじゃなかった?」
松長「あっ、そうだった。どうしよ、忘れてきた〜。」

/場面転換 教室

斗紋「でさ、そのあとカリオストロ三世がズカーッて」
男子生徒「うおー」

/場面転換 教室

哉乞「ですから、音速を超える場合の機械の診断は……」
男子生徒「zzz……」

 ○ドアの音

ダマス「では、ホームルームを始めるダマス!!」
生徒「起立、礼、ちゃくせーき」

 ○紙をめくる音

ダマス「では、出席を取るダマス。あいざわ みなみー」
相沢「はい」
ダマス「あおい りょうー」
葵「はーい」

/場面転換 放課後

生徒「じゃーねー、夜己ちゃん」
夜己「うん、また明日ー」
頭良「明日までに原稿仕上げとけよー」
夜己「うーい」

 ○廊下でみんなと会う

斗紋「よっ」
哉乞「こんばんはぁ〜」
斗紋「じゃ、帰ろうぜ」
夜己「今日のごはんは何かしら〜♪」

 ○何かにふと気付く哉乞

哉乞「ん……?」

 ○間

夜己「何よ、哉乞。」
哉乞「僕たち、何か大切なことを忘れているような……」
斗紋「ん〜……?」

 ○間

3人「遊気(さん)!!」

/場面転換 空手道場

 ○ドアの音

 ○男たちのはっとかてやーとかいう声

夜己「遊気ー!!」

 ○間

哉乞「見当たりませんけど……」
夜己「ええ? 変ねえ。どこ行っちゃったのよあのバカ」
斗紋「遊気……言われてるぞ……」

 ○ヨシ、やって来る

夜己「あれ、学園長先生」
哉乞「おばあ様〜」
斗紋「俺たち……遊気を探してるんですけど……」(威圧感のあるヨシにたじたじ)
ヨシ「……」

 ○間

 ○ヨシ、不気味に笑い出す

ヨシ「あたしはおばあ様なんかじゃないよ……あたしの名前は、魔女ワルビーダ!!」

 ○遠くから如月と田中やって来る

如月「皆さ〜ん!!」
田中「皆さん! 逃げてください!!」
夜己「え?」
斗紋「え?」
田中「その、魔女ワルビーダというやつ、人にとりついてしまうようです! 逃げてください!」
夜己「ええ??」
ヨシ「ぐわっはーっはっはっ!! 教えてやろう! 私はこの島の魔女!! 貴様らよそ者になど使わせるものか!!」
夜己「この島の魔女……」

 ○走ってきて息が上がっている2人

田中「き、聞いたことがあります……この島には、古くから伝わる太古からの魔女がいるという伝説……」
如月「こ、この人が……」
ヨシ「ウヒーッヒヒヒ」
夜己「えと……何かないの! 哉乞!」
哉乞「えーーー!! 幽霊は専門外ですぅーー!!」
斗紋「くっそ! こうなったら、実力行使に出るしかないな! 哉乞! 夜己! 変身だ!!」
夜己「え!? ここで変身すんの!?」
哉乞「わっかりましたぁ!! 『ソンナ星人モード』、変身!!」
斗紋「変身!」
夜己「んもう、しょうがないわね……変身!!」

 ○3人、変身する

如月「(悲鳴)」
田中「皆さん! どうかお手柔らかに!」

/場面転換 天国

 ○早足の2人

哉乞「君はこれから、『ズカ・メカワ』として生活するんだ。それなら、和亀正の息子だとはばれないから」
和亀「なるほど……そういうことなら、もっとかっこいい名前にしとけば良かったな」
哉乞「何、平気さ。天国にはいろんな人がいる。地球人も宇宙人もソンナ星人もみんな一緒さ。さあ、着いた」
和亀「こ、ここは……」
哉乞「入りたまえ」

 ○入ると、ゲームセンターのような騒々しさ

和亀「うわ……」
哉乞「ここで出国ビザを取るんだ」
和亀「え……?」
哉乞「出国ビザ。生き返るための切符だよ」

/場面転換 空手道場

 ○無音

 ○雫の落ちる音

遊気<和亀が死んだ……>

 ○間

 ○雫の落ちる音

遊気<俺にできることは……>

 ○ドアが開く

ファンファン「沼上。用事って何?」
遊気「来たな……」

 ○岩の上から降りる遊気

遊気「今からお前に、大事な話をする。よく聞いておけよ」
ファンファン「……?」
遊気「俺たちは宇宙人だ」

 ○間

ファンファン「噂には聞いてるけど……。」
遊気「しかも、過去の宇宙から来た、過去の宇宙人だ」
ファンファン「それで?」
遊気「今から……お前らを侵略する」

 ○遊気の叫び声とファンファンに勝負をいどむ音

 ○受け止めるファンファン

ファンファン「え!? な、何で!? あんた、いい宇宙人じゃなかったの!?」
遊気「うるせぇ!! いいから戦え!!」
ファンファン「い……嫌だ!!」

 ○間

ファンファン「理由もないのに、なんで侵略されなきゃいけないわけ、なんで襲われなきゃいけないわけ!?」

 ○無言で技をくり出す遊気と、それを繰るしまぎれに受けるファンファン

ファンファン「沼上! どうしちゃったんだよ……沼上!」

/場面転換 天国 カジノ

 ○ジャラジャラジャラ

和亀「うわ〜〜見て哉乞。こんなに出てきた」
哉乞「君は、昔から金銭運だけは強いですからね」
和亀「これなら出国ビザまで楽勝だね」
おっさん「坊主、すごいね」
和亀「え、おじさん、誰?」
おっさん「まあ、誰でもいいじゃないか。君はどこから来たんだい?」
和亀「地球です……」
おっさん「地球か〜。わしはケプト星っていうとこから来たんだ。まあ仲良くやろうや」
和亀「……はあ」
おっさん「ところで坊主、知ってるかい。今の皇帝の息子が、この国にやって来たらしいぞ」
和亀「え」
おっさん「名前は和亀和っていうんだ」
哉乞「……。」
和亀「……」
おっさん「何でもとんでもないわがままらしい」
和亀「え!? そそそんな事誰が言ったの!?」
おっさん「新聞に書いてあったぞ」
和亀「……」
おっさん「ところで坊主は何を狙ってるんだ?」
和亀「出国ビザだよ」
おっさん「出国ビザ?」
哉乞「僕たちはもうこのへんで。和亀くん行こうか」
和亀「あ、うん」
おっさん「和亀……おい、お前和亀和か!?」
哉乞「あ、やべ」
和亀「哉乞ーーーーー!!!」
おっさん「おい! みんな! 和亀和がいるぞ!!」
男「俺革命派だぜ!」
女「私もー」
男2「いけー、やれー」
和亀「いて!」
哉乞「逃げよう、和亀くん!!」

/場面転換 夜己たち

ヨシ「……聞かせてやろう……この島の秘密を……」
夜己「秘密……!?」
斗紋「と、とうとうこの島の秘密が明らかになるのか……」
ヨシ「かつてこの星は何もない荒野だった……。そこに1つの島ができた……神が音楽と技術をもたらした。この島は、地球の中で最も古く、神聖な島なのじゃ」
夜己「あなたはその何なの?」
ヨシ「わしはその島を守る役目を受けた魔術師……信用できぬと言うなら、丘の果てにある岩に刻まれた文字を読んでみるがよい。アンディ」

 ○アンディがやって来る音

ヨシ「行くぞ……」

 ○雷の音

夜己「な、何が起こるの……」
ヨシ「テクマクカメカメテクマクカメカメワカメカメカメミカメカメ!!!」

 ○落雷の音

アンディ「合言葉ヲ認証シマシタ」
斗紋「は……!?」
アンディ「ぱすわーどハ『1』ト『4』デス」
夜己「何? アンディ先生、何言ってんの?」
アンディ「ぱすわーどハ『1』ト『4』デス」

 ○空気が抜けるアンディ

 ○アンディ、無言

夜己「……哉乞、どう?」
哉乞「ん〜、機能が完全に停止してます」
ヨシ「そのパスワードを持って丘に行くがよい。死した者が君らを待っているであろう」
夜己「死した者……それって和亀のこと?」
ヨシ「行け!! 若者よ!! 王子を助けるのだ!!」

 ○落雷

♪ED

 ○雨の音

遊気「……なんで戦わないんだ!!」
ファンファン「うるさい!! 私は死んでも、宇宙人とは戦わない!!」

 ○間

ファンファン「戦いたいのは……あんたよ」

 ○間

遊気「……悪かったな」

 ○間

遊気「お前を試していたんだ」
ファンファン「は?」
遊気「これ、やるよ」

 ○何かを受け取るファンファン

遊気「哉乞の発明品『だれでもソンナ星人』だ。そのベルトを身に着けていると、誰でもソンナ星人モードが使えるようになる」
ファンファン「へ、へ〜」
遊気「ちなみにお前のモチーフはパンダだ」
ファンファン「だからパンダじゃないって言ってんだろ!!」

 ○殴る音

 ○雨の音

<つづく>[newpage]

[chapter:無言のピアノ]








































/場面転換 未来のソンナ星 秘密基地

 ○やかんが沸騰してるみたいな音がいっぱい鳴っている

大人斗紋「なあ哉乞」
じーさん「なんですかな」
大人斗紋「今頃夜己はどこで何してんだろーな」
じーさん「あの娘を留めるほうが無理じゃの」
大人斗紋「哉乞」

 ○間

大人斗紋「前に、『歌を閉じ込める』って言ってたが、ありゃどういうことなんだ」
じーさん「え〜」
大人斗紋「じーさん聞こえるか!? 歌を閉じ込めるてなぁ」
じーさん「はいはい。歌をな。それはまあいわゆるレコードとは違い、その時間自体を閉じ込めるという事じゃな。正確に言えば量子の可能性を1つだけ残して排除することによって不確定性を回避し……」

 ○爆発音とじーさんの悲鳴

大人斗紋「じーさん!! じゃなくて哉乞!? 大丈夫か!?」
大人哉乞「いてて……できました。これがいわゆる『スーパーマジックミラーリングキラー』です……歌を閉じ込めたコンパクト……これがソンナ星人との武器になり得るでしょう……」
大人斗紋「す……スーパーマジックミラーリングキラーだって……!?」
大人哉乞「そうです……スーパーカリグラフィックエクスピアリドージャスではないです……念のため……げほっ!」
大人斗紋「もういい、喋るな!」
大人哉乞「うう……では寝ます……zzzz」
大人斗紋「これが……俺達の最終兵器か……!」




/未来のソンナ星

 ○車で走ってる4人

大人斗紋&哉乞「反乱軍!?」
夜己「そう呼ばれた気がするー」
大人斗紋「反乱軍って何だよそりゃ! そんなもんあるか! ただの夜己のファンクラブだろ!」
大人夜己「歌が禁止になったのに歌うのがいけないんだって」
大人遊気「何のことだ」
大人斗紋「ああそうか。遊気は山ごもりしてたから知らねーんだな。10年くらい前から、東シュツヨークのソンナ王国統治連盟が、まあつまりお偉いさんが歌を禁止したわけよ」
大人哉乞「なんでも、歌は勉強の妨げになるとかで……」
大人斗紋「へ! そんなのは大義名分にすぎん。ようはだなあ、歌われると迷惑なんだよ」
大人哉乞「僕の発明した傍受機です。ほら、ソンナ星人には聞こえないし見えない光線を感知してます。これで西シュツヨークの奴らを黙らせようって作戦ですよ」
大人夜己「へーぇ、哉乞にしてはやるじゃない。でその光線って私達にも効くの?」
大人哉乞「ええ、でも夜己さんが歌ってくれれば平気です」

 ○車が止まる音

大人哉乞「着きました」
大人斗紋「こんなボロ家かよ!?」
大人哉乞「文句言わないで下さいよ! えー、それでは今日より、この小屋が僕たちの秘密基地になります〜!! イエーイ!!」

 ○間

/場面転換

じーさん「で、僕はこの格好変装していますから。僕の名前は『ドクター・セカンド』。日々怪しい実験をしているナゾの科学者です。孫と2人で暮らしています」
夜己&斗紋「孫!?」

 ○小屋の中から少年が出てくる

哉乞Jr「パパー」
じーさん「だからパパじゃなくてじーさんと呼びなさいって!! すいません、失敗したかな」
大人夜己「何なのこれ? ロボット?」
じーさん「いえ、こりゃわしのクローンですじゃ夜己さんよ」
大人夜己「別に無理してそのじーさん喋りしなくていいわよ」
哉乞Jr「パパー。まなちゃんとこ遊びに行っていいー?」
じーさん「おー行ってきなさい行ってきなさい。」

 ○走り去る哉乞Jr

じーさん「あの子はすっかりここの暮らしに懐いておるでの。きっとバレやしませんよ」
大人夜己「なるほど。それで周囲に溶け込もうって算段ね。やるわね!」
じーさん「ささ、皆さんもどうぞ中に入ってくださいまし」
大人斗紋「おー、助かるぜ」

 ○入っていく斗紋と遊気

じーさん「夜己殿」
大人夜己「あ……悪いけど私戻るわ」
大人斗紋「は? 何言ってんだよ? 俺達は夜己を守るために来たんだぜ?」
大人夜己「でも、……ファンのみんなをがっかりさせたくないの。私にとってはその人たちも同じくらい大事」
大人斗紋「……」
じーさん「分かりましたですじゃ。もし何か困ったことがあればいつでも訪ねてきてくだされ」
大人夜己「ありがとう、哉乞」
じーさん「夜己さん」

 ○立ち止まる夜己

じーさん「気をつけて。そうだ、これを持って行って下さい」

 ○コンパクトを差し出す哉乞

夜己「何これ? ……化粧道具ならあるわよ」
じーさん「それはただのコンパクトではないのですじゃ。蓋を開けてぐらんなさい」

 ○蓋を開ける夜己

じーさん「その鏡に向かって声を発すると、四次元空間が開かれて、どこへでもワープできるようになる」
大人夜己「へえ、便利ね」
じーさん「逆に何かを取り出すときは、相手に向かって鏡を向ければいい」
大人夜己「たとえば何が取り出せるの?」
じーさん「自分が入れたモノじゃ」
大人夜己「歌とかも入る?」
じーさん「歌は物質でないのでな……分かった、次回来た時に改良しておこう」
大人夜己「わーい! ありがとうじーちゃん!! キスしちゃう!!」
じーさん「あ゛ーっ!! ちょっ! わ、ワシは偉大なる科学者ですぞ!! 年上は敬いなさい!」
大人斗紋「何してんだあいつら」

/場面転換 天国

和亀「ここは一体……」

 ○足音(天国専用の)

正「和か……」
和亀「あ……お父様!?」

 ○正、和亀に駆け寄る

正「馬鹿者!! ここがどこか分かっているのか!?」
和亀「え…え?」
正「ここは……いいか、よく聞け、ここはな和……お前の来るべき所ではない。今すぐ戻れ」
和亀「も、戻れって言われても……」
正「さあ! 戻れ! 今すぐ!」
大人哉乞「それはできませんよ」

 ○足音。

大人哉乞「彼は死んでしまったのです。死んだ者は蘇りません。」
正「誰だ、貴様……」
大人哉乞「僕は……そうですね、僕の名前はシー・シェパード。天国の案内人とでも言っておきましょう。お2人共、ついて来て下さい。」

 ○3人の足音

大人哉乞「ほら、この鏡を御覧なさい。地上の様子を見ることができますよ」

 ○鏡を覗き込む2人。

 ○なんか幻想的な効果音

/場面転換 和亀本邸

 ○葬送行進曲

大人哉乞「ほら、ご覧なさい。君の葬式が催されているようですよ」
和亀「じ、じゃあ、僕……やっぱり死んだんだ……。」

 ○夜己たちの泣き声

和亀「ねえ、僕がここにいるのは分かったけど、どうしてお父様もここにいるの?」
大人哉乞「その問いの答え、君なら分かるだろ。」
和亀「……嘘だ」
正「……和よ……。会いに行けなくて、すまなかったな……。」
和亀「……お父様……!」








/場面転換 葬式

 ○泣いてるみんな

夜己「えーんえーん和亀が死んじゃったよー」
哉乞「今度ばかりは冗談じゃないですー」
斗紋「いい奴だったのにー」
頭良「惜しい人を亡くしたね……」
エトワ「和亀君……ごめんね……」

(合唱)
He was dead
みんなで悼む 彼の死を
酒の席で奴の 思い出を
He was dead
和亀カンパニーは もう終わりだ

幸「嘘……嘘よ……和が死んだなんて……おおお、和……およよよよよ……」
田中「奥様、しっかりして下さい……」
如月「奥様、ハンカチです」
幸「ありがとう……」
斗紋「こんな時も和亀の父さんは来ないのか。一体どういう神経してんだ」

/場面転換 天国

 ○正が鏡を叩きつける

正「ふっ……適当な事を。和、お前のお母様は人間ではない」
和亀「は!?」
正「悪魔だ」
和亀「どういう意味……?」

/場面転換 未来のソンナ星 学校

 ○芝生が風に揺れる音

 ○子供達がかけっこして笑う

哉乞Jr(モノ)「みんな、覚えてる? ボクの名前は哉乞ジュニア! 元気が取り柄のソンナ星人の男の子! 実は僕、他の人とは違うところがあるんだ……」

 ○足音

 ○ドアの音

哉乞Jr「ただいまー」
じーさん「おかえり哉乞」
哉乞Jr「うぇ、ヘンな臭い。何やってんの?」
じーさん「うむ。まずニトモルビンとヘドロイシトリンを調合して、どうにかアポトキシンが作れないかと奮闘しておる」
哉乞Jr「ふーん。この本何?」
じーさん「おわーっ!! さささ触ってはイカン。これはソロモンの書といって触れると災いがもたらされる」
哉乞Jr(モノ)「本人は知らないけど、じーちゃんは周りから『偏屈錬金術師』って呼ばれてる……」
哉乞Jr「今日の夜はなに?」
じーさん「カップラーメンじゃ」
哉乞Jr「また宇宙食ー!?」
じーさん「ここの食べ物は好かん!! 食うと馬鹿になるぞ!」
哉乞Jr(モノ)「偏屈なのは間違ってないかもね……。」

 ○ドアの開く音

大人斗紋「よー、久しぶりに近くまで来たから、寄ってみたぜー」
じーさん「斗紋君。よく来おったな。さあさあ」
大人斗紋「哉乞ー。大きくなったなー。顔が哉乞そっくりだ」
じーさん「クローンなんじゃから当たり前じゃろ」
哉乞Jr(モノ)「この人はものすごくたまにふらりとやって来る斗紋おじさん。白衣を着てることもあるから、じーちゃんの同業者かな? と思ったら、ちょっと違うみたい。」 

 ○2人の話し声

哉乞Jr「そして、2人が揃うと必ず話題になるのが、『ヤコサン』のこと。その人は2人の古い友達みたい。」
哉乞Jr「じーちゃん。やこさんって誰?」
じーさん「じーちゃん達のお友達じゃよ。お前がまだ生まれたばっかりの時に、1度会ってるはずじゃよ」
哉乞Jr「ふーん。」

 ○時計の音

哉乞Jr「あっ! もうウサギ時だ。じーちゃん! 勉強の時間だよ!」
じーさん「おー、そーじゃったそーじゃった。斗紋、すまんな、わしは哉乞の勉強を教えねばならん」
大人斗紋「ちゃんと保護者らしい事してんじゃん」
じーさん「哉乞がせがむのでな」
哉乞Jr「早くー! もう1分過ぎちゃったよー!!」
じーさん「ほっほっほ……」
哉乞Jr(モノ)「僕の夢は、じーちゃんみたいな錬金術師になることさ。でも、もっとたくさんの人を助けられるような、すごい学者になるつもりだ。だから今のうちから、いっぱいいっぱい勉強しなくちゃならないんだ。」
哉乞Jr「今日は何をするの?」
じーさん「昨日の続きからやろう。地球の第3パラダイムからじゃ……」(フェードアウト)

/場面転換 斗紋サイド

 ○時計のカチカチカチという音のみ

 ○斗紋、紅茶を一口すすり、ため息をつく。

大人斗紋「あれから8年か……夜己……ときどき訪ねてくるって言ったじゃねーかよ。一体どこほっつき歩いてんだ……。」

/場面転換 天国

和亀「お母様が……ソンナ星人!?」
正「そうだ。」
和亀「って事は、僕もソンナ星人……?」
正「……」

 ○間

正「和。私にも状況がよく分かっていないのだ。たとえこの、全てを見通せる世界にいたとしてもな。しかし1つ言える事は、ここに幸はおらん。つまり、幸は生きているということだけだ」
和亀「お母様がお父様を殺したって事は、やっぱりソンナ星人なんだ、しかも東シュツヨークの、黒幕なんだ! この事を夜己さん達に伝えなくちゃ……」

 ○シーシェパードのほうを向く

和亀「シーシェパード。なんとかする方法はないの?」
大人哉乞「下界とのコンタクトかい? とれなくはない。君は幽霊を信じるかい」
和亀「幽霊……」
大人哉乞「下界に居られる時間は2時間だ。」
和亀「じゅうぶんだ」
大人哉乞「では、飛び降りたまえ」

 ○和亀、雲から飛び降りる

和亀「でやっ」

 ○風の音

大人哉乞「」

/場面転換 未来のソンナ星

 ○クローンを作っている音

 ○ドアを開く

哉乞Jr「じーちゃん、斗紋おじさん。2人して何を作ってるの?」
大人斗紋「哉乞か。もう遅いから寝ろよ」
じーさん「そのうちお前にも見せてやるでの」
哉乞Jr「ふーん……?」
じーさん「おやすみ哉乞」
哉乞Jr「おやすみ」
大人斗紋「おやすみ」

 ○ドア閉める

大人斗紋「あの子は自分がクローンだって知ってるのか?」
じーさん「理解はしとらんじゃろう」
大人斗紋「じゃ、理解した時はことだな」
じーさん「うむ。それが親離れの時というものじゃ」
大人斗紋「気楽に言いやがるぜ」

/場面転換 数日後

哉乞Jr(モノ)「事件が起きたのは、それから数日後のことだった。」

 ○朝の鳥

 ○バイクの音

 ○チャイムの音

じーさん「どなたですかな」
大人夜己「あたしよー! 夜・己!」

/場面転換 地球

 ○チョップの吠える声フェードイン

 ○ピアノの音

 ○ドアが開く音

夜己「ん? ……いやーっ!!」

 ○夜己が慌てて廊下を走る音

 ○ドアを勢いよく開ける音

夜己「みんな!! た、た、た大変!! ピアノが勝手に鳴ってるの!!」
哉乞たち「え!?」

/場面転換 リビング

斗紋「鳴ってねえじゃん」
哉乞「もぉー驚かさないで下さいよー」
遊気「まったくだ」
夜己「おかしいわね。チョップも吠えてないし……」

 ○バタン! とドアが閉まる

 ○はっとする全員

夜己「だ……誰かいるの!?」

 ○間

 ○チョップ、誰かに気付いて吠えまくる

哉乞「……こ、これってまさか……」

 ○室内のくせに風が吹く

 ○カーテンがゆれる

 ○ピアノ、再び鳴り始める

 ○全員の悲鳴

斗紋「ポルターガイストだ!! ぽぽぽポルター」
遊気「お、お、お、落ち着け。きっとこれはピアノの自動演奏機能で」
夜己「ちょっと待って、この曲は何?」

 ○無言

哉乞「何の曲でしょう?」
斗紋「聞いたことあるか?」

 ○首を振るみんな。ううん。

田中「この曲は……!」

 ○間

田中「ぼっちゃまです……きっとぼっちゃまが弾いておられるのです……!」
夜己「田中さん……」
田中「この曲は、奥様がぼっちゃまに子守唄として聞かせた曲……ぼっちゃま……やはりご両親にまだ未練が……ううううっ(ボロ泣き)」
和亀(モノ)「あちゃ……違うのにな……お母様こそが犯人だって伝えたいのに……」

血文字

/場面転換 未来のソンナ星

 ○紅茶を出すじーさん

じーさん「こんな辺鄙なところによく来なすった。何日でもお泊りくだされ」
夜己「そんなお芝居いいから。ねえ、いつもその格好なの? もういい加減戻ったら?」
大人哉乞「それもそうですね。腰痛いし」
夜己「斗紋と遊気は?」
大人哉乞「斗紋さんはつい数日前に来て、もう出発てしまいました。遊気さんは南の山にいるって聞いてますけど」
夜己「へー。」
大人哉乞「8年間音沙汰のなかったあなたが……突然戻ってきたというのは……何か訳がありそうですね。」
夜己「そう。本当は……なるべくあなたたちに迷惑をかけないようにしようと思ってたの。それでここを避けてたんだけど……いよいよヤバくなってきてね。」

 ○間

大人夜己「あなたホントに哉乞?」
大人哉乞「何言ってんですか、もぉ。」
大人夜己「いや〜……久しぶりねぇ!」
大人哉乞「夜己さん! お久しぶりです! 無事で何よりです!!」

 ○ドアの音

哉乞Jr「あ……」
大人夜己「キャー! ま、まさかこの子哉乞ジュニア!? 大きくなったわね〜! 私が抱っこしてあげる!」
哉乞Jr「え、え……僕もうそんな年じゃないよ!」
大人哉乞「いいじゃない。哉乞、抱っこされてあげなさい」
哉乞Jr「あ! パパ!」
哉乞Jr(モノ)「じーちゃんがいないときは、パパがやって来て僕の世話をしてくれるんだ!」

/場面転換 数日後

 ○外

哉乞Jr(モノ)「それからというもの、パパと夜己さんはとても楽しそうだった。思い出話をしたり、その辺を散歩したり……僕はのけものにされたよ」

/場面転換 台所

 ○飯を食ってる3人

 ○お互い醤油瓶を取ろうとして手がぶつかる

2人「あ」

 ○醤油小瓶倒れる

(歌詞)
夜己 ねぇ 覚えてる……? 初めて会った日のこと
哉乞 えぇ もちろんです 確か……

哉乞 あなたは上を見上げてた
夜己「見てないわよ」
哉乞「見てましたよ」
哉乞 僕が木の上にいたんです
夜己 そうじゃないでしょ あんたが木から落ちてきたの
夜己「何してたの?」
哉乞「天体観測」
2人 それで友達になった
この広い星で ふたり
こうして ふたり
歌を歌ってる すばらしいことだね

夜己 何故なの お互い
哉乞 醤油瓶を取ろうとして
2人 手がぶつかる
夜己 それだけで
哉乞 胸が苦しくなる
2人 こんなに熱い想いが……
哉乞Jr「パパの白衣が汚れちゃったね〜」
大人哉乞「あ」
大人夜己「あ〜! すぐ拭かなきゃ! 哉乞! 雑巾は!?」
大人哉乞&哉乞Jr「白衣が雑巾です(だよ)」
大人夜己「もぉーなんなのこの親子は!」

 ○動作音

 ○外。3人の笑い声

/場面転換 地上

 ○ピアノの音(ソンナ星の曲)

 ○ドアの音

田中「ぼ、ぼっちゃま……」

 ○足音

田中「なぜその曲を……」

 ○電気をつける

夜己「あ」
田中「あ。なんだ、夜己さんでしたか。私はてっきりまたぼっちゃまが弾いていらっしゃるのかと……」
夜己「今の……ソンナ星の曲だけど」
田中「あ」
夜己「田中さん、今、『なぜその曲を……』って言いましたね? どういうこと……?」

/場面転換 

(以下前作生かし)
/ソンナ星

 ○BGM:異邦的な音楽
 ○車的なものが近づいてくる音

男「いやぁ、感激です。あの有名な崔華 夜己さんにお会いできるなんて」
大人夜己「うふん。そう?」
男「バンビーナにはツアーですか?」
大人夜己「いいえ。……帰郷よ」
男「えっ?」
大人夜己「そこで止めて」

 ○車止まる
 ○ドアの音

大人夜己「ありがと。帰りは自力で行くから」
男「分かりました。お気をつけて」
大人夜己「どうも〜」

 ○車去る
 ○夜己、とある屋敷に足を踏み入れる。
 ○ノックの音

大人哉乞「はぃ〜」(ドアの向こうから)

 ○ドアの音

大人哉乞「あぁ、夜己さん。お帰りなさい」
大人夜己「やっほ〜、哉乞。」

 ○荷物を置く音

大人哉乞「よいしょ。今回は何日泊まるんですか?」
大人夜己「ん〜長くて一週間よ。」
大人哉乞「まーた、何かしたんですね?」
大人夜己「やだ、哉乞までそんな言い方しないでよ。私は歌を歌ってるだけよ」
大人哉乞「夜己さんの人気は、今や全世界に広がってますよ」
子供「夜己さぁ〜ん!!」

 ○かけ足

大人夜己「まぁ〜哉乞クローン。元気にしてたぁ〜?」
大人哉乞「哉乞! 宿題は終わったのかい?」
哉乞クローン「今やってるとこ〜」
大人夜己「今日は私が夜己ちゃん特製の和風ベリバーグを作ってあげるからね〜」
大人哉乞「げぇ! 夜己さんの手作り……」
大人夜己「何よ、文句あんの?」
大人哉乞「いえ……」
哉乞クローン「ねえ、さっき庭でねー」
大人哉乞「ん?」
哉乞クローン「軍服のおじさんが、30人くらいいたよ〜」

 ○窓ガラスが割れる音と夜己たちの悲鳴

大人遊気「崔華 夜己!! 大人しくしろ!! もう逃げられんぞ。」
大人夜己「何よ!! 私が何をしたって言うの!?」
大人遊気「何をしたか? ふっ、笑わせるな。お前は世界を変えた……お前が戦争を起こしたんだよ!!」

 ○夜己を取り押さえる警官たち

大人夜己「ぐっ……離せ!! 離せぇ!!」
(ここまで)

大人哉乞「哉乞っ、こっちに来なさいっ!」

 ○ドタドタ走る音

 ○扉を乱暴に閉める

 ○2人の荒い息

哉乞Jr「ねぇ、夜己さんを助けに行かないの!? 何で逃げちゃったのさ!?」
大人哉乞「僕たちだけで勝てる人数じゃないよ。」
哉乞Jr(モノ)「ここは、いつもじーちゃんやパパが密かに研究をしてる場所だ。僕でさえ入らせてもらえない所に……」

 ○ホルマリン漬け的なモノが置いてある

 ○機械のいろいろな音

哉乞Jr「……パパ。ここって……」
大人哉乞「ああ……哉乞、ここは、クローン製作現場だ。お前もここで生まれたんだよ……。」

/場面転換 屋外

 ○雷,雨

大人遊気「おらっ、さっさと歩けッ!!」
大人夜己「っ……!」

 ○ぬかるみを歩く

 ○大人哉乞の走る音と息遣い

大人哉乞「待てっ!」
大人夜己「哉乞、あんたはもういいの、逃げないとあんたまで捕まるわよ!」
大人哉乞「それはどうでしょうかね……くらえ!」
大人遊気「何だそれは……!?」

 ○鏡が光る音

大人哉乞「『スーパーマジック……ミラーリングキラー』!!」

 ○なんか音

大人遊気「ぐはっ!」

 ○苦しみ出す兵士たち

 ○近づく大人哉乞

大人哉乞「逃げましょう、夜己さん!」

 ○足音

大人遊気「逃がすかっ!」

 ○銃声

大人哉乞「うっ!」
大人夜己「哉乞!!」
哉乞Jr「パパ!!」
大人夜己「哉乞君!」
哉乞Jr「こっちだ!」

 ○足音

哉乞Jr「ここなら大丈夫。」
大人夜己「ありがと、哉乞……」

 ○大人哉乞を寝かせる夜己

哉乞Jr「パパ……どうしちゃったの?」
大人夜己「……パパ。起きて」

 ○苦しみながら目を開ける哉乞

大人哉乞「お2人共、無事ですか……?」
大人夜己「ええ、無事よ」
哉乞Jr「パパ」
大人哉乞「何だい」
哉乞Jr「尊敬していたパパは、やっぱり狂ってたんだね。でも僕は……パパが大好き」

 ○抱きつく哉乞Jr

大人夜己「哉乞! あんたまさかここで死ぬんじゃないでしょうね!? じ……冗談じゃないわよ! そんなの……」
大人哉乞「ふふふ……遊気さんの撃った弾ですからね……百発百中ですよ……」
大人夜己「哉乞!! 哉乞!!」

 ○雨の音

 ○夜己の嗚咽

 ○間

大人哉乞「不思議だな……銃で撃たれたハズなのに……どこも全然痛くない……きっと、夜己さんのキスが……痛みを和らげてくれたんですね……」
大人夜己「哉乞!! 哉乞ーーーーーーーーっ!!」

 ○雷

哉乞Jr「パパは死んだよ」
大人夜己「哉乞君……」
哉乞Jr「夜己さん。これを。」

 ○コンパクトと、薬(顆粒)を渡す哉乞

哉乞「これは、前に夜己さんに渡したコンパクトの改良版。そしてこっちは……タイムスリップする薬だって」
大人夜己「タイムスリップ……!? どういう事!?」
哉乞「これを飲むと、過去の時代にワープできるんだ。いざという時はこれを使って過去に戻って、未来を変えてほしいって」
大人夜己「……」

 ○兵士たちの声

/場面転換 天国

正「……」
大人哉乞「何を見ているんですか」
正「この鏡は過去未来どの星も見通せるのかね」
大人哉乞「ええ。天国自体が遠い未来に存在しているので、全ては過去ということになりますけれどね」
正「君は哉乞君だ」

 ○間

正「君は死んだ哉乞君だろう」

 ○間

正「そして……」

夜己「あの曲は、私達の故郷、ソンナ星の曲です。田中さん、さっき……『どこでそれを』って言いましたね。それ、どういう意味ですか……?」
田中「……」
夜己「どうして田中さんがさっきの曲を知ってるんですか……」
田中「……ぼっちゃまがあれを弾けるとは思わなかったからです。」
夜己「じゃあ」
田中「私は知ってました、あの曲を」
夜己「田中さんは……ソンナ星人?」
田中「……ええ。」
夜己「……どうして執事を?」
田中「知りたいですか? ……後悔しても?」
夜己「……」

 ○夜己、泣く。

夜己「私は、ソンナ星に帰りたい。田中さんは?」
田中「……」

 ○夜己、歌う

(歌詞)
地球に来たかった 来たかった
この水晶のような美しい星に
でも私は今、ソンナ星に帰りたい
地球が嫌なわけじゃないの
ただ、昔に帰りたい

今は好きだけど 昔も好き
昔は好きだけど それは未来の私
私は未来から来た未来人
そう 未来人

/未来

 ○大人夜己、磔にされている。

 ○炎

大人斗紋(遠くから)「夜己!! 飲め!! 何してる!! いいから早く飲め!!」
大人夜己「斗紋……できないよ……」
大人斗紋「哉乞の遺志を無駄にすんのか!! 飲め!!」
大人夜己「……」
男「あの女と下の医者を黙らせろ!」

 ○押さえつけられる斗紋

大人斗紋「ぐっ……このままじゃ燃やされるぞ!!」
大人夜己「(炎で声がガラガラ)いいの……もう私達おしまいなのよ!! もうおわりよ!!」
大人斗紋「戻れ!! 過去に!!」

 ○間

大人斗紋「未来を変えてくれ!! もう一度……もう一度俺達のために歌ってくれよおおお!!」
大人夜己「……」

 ○夜己、薬を飲みこむ。

 ○ビカーーーー(光る)

 ○翼みたいなものが生える夜己

 ○若返る夜己

 ○そのまま消える

男「き、消えた……」
男2「お前、何をした……!?」
大人斗紋「夜己……うまくやってくれ!!」

♪ED

大人夜己「こんにちは! 大人夜己の役をやらせて頂いてます、朔夜です。」
大人哉乞「大人哉乞の声をやらせていただいてます、青井壇です」

ふたりの恋


または


和亀「よし! 晴れて僕も幽霊になったぜ!! さぁ〜て何からやろっかな〜」


楼華「何見てんですわよーーーー」
和亀「なぜばれたーーーーー」




今回長くないっすかまあうまくけずってくれ


もっと長くして盛り上がり2つ作ろう


1話生かし



[newpage]

[chapter:哉乞が3人]

(過去音生かし、ていうか第一話と同じ始まり方でナレーターだけ無し)
男「お前、いいか、この星のしきたりを破った以上、あんたをな、あの岩の上にはりつけて、それもあんたの自慢の、理想を語る『歌』とかいうのを、二度と歌えないようにしてやる。」
男2「お前は大変なものを盗んだ。この星の人間の理想を奪った。」
男「お前は罰を受けなければならぬ。罪過の償いを果たさなければならぬ。」
男2「その足枷は一生壊れることはない。この首枷をはめた時、お前の裁きは始まるんだ。」

/場面転換 草原

男性「これでいよいよお終いですね、夜己さん。あなたは磔にかけられる。僕としては気は進みませんが、それでもとにかく、仕方がありません。」

 ○風が吹く。

男性「もうあなたに、僕の声は届かないでしょう。僕があなたに会いに行くころには、あなたの姿は見る影もなく、太陽の焼けつく炎に身を焦がされて、あなたの体の表面は変わってしまうでしょう。星を縫うような夜の絹があなたを被っても、もうあなたには喜ぶことはできないでしょう。そして、明け方の露が、あなたの頬を濡らすでしょう。こんな悔しいことはありません。あなたを救ってくれる少年は、今はまだこの星にはいないのだから。夜己さん、心の美しいあなたがどうしてこんな目に遭わなければならないんですか? 僕はあなたの為に、どれほど嘆き悲しもうと、わめき立てようと、今になってはその甲斐もなく、この世界はあなたを許しはしないでしょう。」
子供「パパ」
男性「おお、愛しき息子よ。さあ、こっちにおいで。」
子供「誰と話してたの?」
男性「長い間、仲間だった人さ。」
子供「その人、もういないの?」
男性「いいや、僕がこれから、助けに行くんだ。」
子供「僕も行く!」
男性「お前はここで、私の発明品と仲良くしていなさい。」
子供「嫌だ! 僕も……」
男性「お前は、ここに残りなさい、哉乞。いいね?」

/場面転換 荒野

 ○金鎚の音

男「よし、これでもう、微動だにもできまい。」
男2「いや、もっと叩いて、しめつけなくちゃ駄目だ。こいつはどんなに逃げ場のない時でも、切り抜けるしたたか者だからな。」
男「じゃあ、今度はこの杭で、こいつの胸をぶち抜いて、それでもう大丈夫だろう。」
男2「うん。それがいい。」

 ○大槌の音と、夜己の声

男「よし、いいだろう。おい、お前、喋ってみろ。」
男2「何か喋れたら、その苦しみを和らげてやってもいいぞ。」

 ○夜己、2人を見る。

夜己「……きこえる」(とても小さな声)
男「え?」
夜己「聞こえる」
男2「聞こえる?」
夜己「何の音かしら……」
男「何か聞こえるか?」

 ○間

男2「いんや、何も。」
夜己「おかしいわね。一体なんの音かしら……。鳥のはためきのような……いずれにしても、大空はいつでも、軽やかな羽ばたきの音に、ざわめいているらしいけど……何にせよ、私達に、近づいてくるような……」

 ○BGM開始

夜己「歌が……聞きたい……? 歌ってあげる……こんな青空の下で、大地の上で……歌えるなんて……幸せ……」
(ここまで)

 ○鳥の羽ばたきの音

斗紋「夜己ーーーーー!!」
哉乞「夜己さーーーん!!」
和亀「夜己さーーーーーん」
遊気「夜己ーーーー」
夜己「私ーーーーー!!」

 ○羽ばたき、近づいてくる

男「貴様ら、崔華夜己の仲間だな。共に刑を受けに来たのか」
斗紋「てめえこそ、罰を受けたらどうだ、第一話の初っ端から出てきやがって。どの主人公よりも先に……」
哉乞「あなた達に夜己さんは渡しません!!」
男2「やれやれ、若者たち、君たちのやる気には感嘆するが、我々には理解できん」
男「何故、そこまでしてこの星を変えようとする?」
斗紋「好きだからに決まってんだろ!! 俺たちはこの星が好きだから!! ソンナ星が好きだから、もっとソンナ星人に幸せになってもらいてえんだ!!」
男2「ええ、いくらでも人情家ぶるがよい。」

 ○宇宙船の音

和亀「な、何の音……!?」
夜己「見て!」

 ○宇宙船が降りてくる

 ○宇宙船のドアが開く音

 ○中から大人哉乞が出てくる

夜己「……哉乞……」
和亀「大人の哉乞!! 生きてたの!?」
全員「大人の哉乞(僕)!?」

 ○間

哉乞「照り渡る太陽。翼も早い風の息吹よ、万物の母なる大地、海や波、さらにまた世界を見渡すこの大宇宙の皆さん。よく見ておいでなさい。これが私の最高傑作、そして最後の発明品です」

 ○そっと何かを出す哉乞

哉乞「……な……あああああれは!!」
夜己「何!? 何なの!? 哉乞!!」
哉乞「……分かりません」
斗紋「おい、それは何だ!!」
哉乞「これは何か……? これは……」

 ○なんかジェスチャーをする

哉乞「あ……思い出した……あれは……『ブラックホール発生装置』です……」
夜己「ぶ、ブラック……」
斗紋「ホール……」
和亀「そ、それって……光も吸い込んじゃうっていうやつ……?」
哉乞「僕のパパは……それを使って死にました……そして、ここがもし、僕が子供の頃いた未来なら……この人は僕のパパで、そこのブラックホール発生装置を起動させちゃいます」
夜己「なん……ですって!?」
斗紋「それって、俺たちも一緒に巻き添えを食らうってことだよな……!?」
哉乞「そこまでは僕もよく分かりません……」
和亀「じゃあ、とにかくその未来を変えなきゃ!」
哉乞「そ、そんなこと……」
斗紋「おい!! それ、それを渡せ!!」
哉乞「(笑って) 怖いのですか、これが……。」
和亀「哉乞!」

 ○間

和亀「天国で出会った哉乞は、後悔してた。それを使ったこと。だから……」
哉乞「うるさいッ!!」

 ○長めの間

哉乞「僕は今、怒っているのだよ……和亀君。自分ではどうしようもないほどにね……」
哉乞「パパ……」
哉乞「ソンナ星をこのような荒れ果てた場所にしたのは誰か。彼女をあんな岩に縛り付けたのはどこの誰でしょう。ソンナ星にも神様がいるなら、神はきっと悪意のかたまりに違いないと……思ったのでね……」
縛られているほうの夜己「哉乞……。私は知ってるわよ……。あんたの事だもの、ここには壊しに来たんじゃない、仲直りしに来たのよね。私たちは、私たち4人は、喧嘩してみんな離れ離れになってしまったわ。私はみんなをけっして正しいとは思わなかった。私は歌いたかっただけだったけど……。」

 ○夜己の歌(なんかシンセサイザーとトランペットでおもちゃっぽくてすっきりする曲で、2番くらいからドラムとか入ってくる)

夜己「私はもう、心残りはない。ずっと前から、自分の中で考えてたの。」
哉乞「夜己さんを助ける方法はないんですか?」
男「我々は残虐な種族ではない。この者が、声の出なくなる薬を飲めば釈放してやると言っているのに、言う事を聞かぬのだ」
男2「これがその薬だ。」

 ○男が差し出す

夜己「ねえ、これ飲んだら? いや確かに声が出なくなるのはつらいけど……」
斗紋「そうだよ。なあ、思い切って、もう馬鹿はやめてだ、まあ思い切って、考えてみたらどうだよ、夜己」
夜己「いやよ、和亀じゃあるまいし、そんな諦めるみたいな真似」
和亀「ちょっと……未来の夜己さんも容赦ないな」

 ○羽ばたく音

 ○遠くから斗紋と遊気がやって来る

大人斗紋「ふー、遠かった。万里千里超えてやって来たぜ」
大人夜己「あんた達も、私の醜態を見に来たってわけね。」
大人斗紋「馬鹿言ってんじゃねえ、てめえを助けに来たんだよ。遊気」

 ○枷を外してやる

大人遊気「そら」
子供たち「おおっ」
哉乞「あ、あんなに固く縛った枷をいとも簡単に……」
斗紋「さすが遊気……」
遊気「……。」
大人夜己「あら、気が利くじゃない。哉乞、それちょっと貸して」
大人哉乞「え? はい」
大人夜己「ありがと。」

 ○男のほうを向く夜己

大人夜己「キャハハハハ!! あんた達、よく見なさい! これがブラックホール発生装置よ!! 死にたくなかったら、私たちを逃がす事ね!!」
(みんなそれぞれ反応)
男「ふ……」
男2「……最後まで、無駄なあがきをする事は分かっていた。いいだろう、行くがよい、どこまでもな」
大人夜己「行くわよ、哉乞」
大人哉乞「え、ええ、はい。皆さんも乗って下さい」
子供たち「あ、はい」

 ○宇宙船が飛び立つ音

 ○間

 ○皇帝の足音

男「閣下」
閣下「行ったのか、崔華 夜己は」
男2「はい」
閣下「……私の思想が理解できん、愚図な連中だ。もういい、放っておけ」
男達「(バンビーナ語で了解を意味する言葉)」

/場面転換 宇宙船の中

哉乞Jr「おかえり、パパー」
大人哉乞「はいはいただいま」
哉乞「あ〜〜〜〜〜〜!!!?」

 ○哉乞が哉乞Jrに駆け寄る

哉乞「僕が3人もいる〜〜〜〜!!」
斗紋「子供の哉乞と普通の哉乞と大人の哉乞だ……一体どれが哉乞なんだ?」
大人哉乞「どれも本物の哉乞だよ」

 ○哉乞Jrを肩車に乗せる

大人哉乞「君は僕になり、僕はこの子を作り、この子が君になるんだ。」
哉乞「じゃあ、どこかで僕はタイム・スリップしているってことですか?」
大人哉乞「うん。そうだ、君が覚えてないのなら、その話をしなくちゃいけないね。そして、それが今までの謎を解く最大の手がかりになるのかもしれないから」
和亀「今までの謎……。沢山あってもう数え切れないけど、それが全部分かるの?」
大人夜己「それは、哉乞の説明が上手か下手かによるわね。」
哉乞Jr「じゃあ僕が説明してあげるっ! 僕はパパよりゆうしゅうだから」
哉乞「ねえ僕、なんで僕はそんなに幼いんですか〜、クローンを作る時のテロメアの長さを変えるのってどうやって成功したんですか〜」
大人哉乞「それはだね〜」
哉乞Jr「ちょっと僕が説明すんだから聞いてよ」
斗紋「哉乞が3人居るだけでもう勘弁なんすけど」
夜己「哉乞!!」
3人「はい!!」
夜己「残りの2人はちょっと黙ってなさい!!」
2人「はい……」
哉乞Jr「え〜とね、それじゃあ説明するね、まず僕はクローンソンナ星人なのね」
哉乞「それは知ってます〜」
哉乞Jr「そいで、それから宇宙に旅に出るの」
夜己「へ〜、幼いのに〜」
哉乞Jr「でね、電気の星とか宇宙雲とかいっぱい見て、そいから地球行くの」
哉乞「え? 僕地球に行ったんですか?」
哉乞Jr「そうらしいね。そいから、タイムマシンを発見してね、過去に行っちゃうの」
和亀「発明したんじゃなくて、発見したの?」
哉乞Jr「うん。タイムマシンで過去に行くことができるのは、タイムマシンが過去に作られている時だけだから」
哉乞「それでそれからどうなったんですか〜」
哉乞Jr「そしたら和亀王国の滅亡に立ち会って、タイムマシンを作ってあげて、和亀さんをタイムマシンに閉じ込めてあげたの」
全員「えーーーー!?!?」
和亀「あのタイムマシンは哉乞が作ったものなの!?」
夜己「哉乞!! 何で言ってくんなかったのよ!?」
哉乞「え? え? 覚えてないです〜」
哉乞Jr「それから、あの島とソンナ星を行き来できるゲートを作ってね、そいで帰ってきたの」
斗紋「……なるほど! 分かった。じゃあ、哉乞がつまるところ、全部の元だってことだな」
夜己「で、なんで記憶がないの?」
哉乞Jr「そのバンダナをすると忘れっぽくなるんだよ〜。ほら、頭出して」
哉乞「え? は、はい……」
哉乞Jr「えいっ!!」

 ○バンダナを外す哉乞

 ○哉乞、記憶が戻ってくる。以下、台詞の場合は強いエコーのかかった本物の台詞と効果音がオーバーラップ(下記する)。哉乞の台詞は棒読み。

哉乞「…………三里の方程式におけるマグファタムル曲線の懸垂率は1.8276523又、丈夫欠損の四角錘の体積を求める公式は古代エジプトでは19287.ajduメソポタミアではjsh/ak第二銀河系では76Hg**sf歌えなくても続けるのか?シャエクの定理によるエンマイロピー見性率は87.65ε歌は凋落したのだ八兆七億四千三百かけるヴェニリーフェンシュチルはマクドロンの黄金乗数人の心をつかむ道具に9.11543265私の指輪カリオグラフィの構成要素はグラトニオ膜数とニンドルバ係数もう一度だけ歌ってくれシンシンコスコスコスシンシン……パパ」

(台詞(別録生かし)

斗紋「歌えなくても続けるのかっ!?」
夜己「歌は人の心を掴む道具にしたまでよ」
遊気「もう一度だけ歌ってくれ……」



 ○間

和亀「哉乞……思い出したの?」
哉乞「……はい……これから何が起こるのか、僕はここで見てました……。」
夜己「何が起こるの? ああいや、言わなくていい。あとはもう逃げるだけなんだから。ね、そうでしょ、大人の私ー」(遠くに呼びかける感じ)
大人夜己「(カクテルを飲みながら)ええ、そうね。」
大人斗紋「おーい野郎共ー、着いたぞー」

 ○宇宙船から外を見る。子供たちの歓声

大人斗紋「よーし、ソンナ星到着ー」
全員「ソンナ星!?」
和亀「え、じゃさっきの星は、ソンナ星じゃなかったの!?」
大人哉乞「あ、すいません。さっきの星は惑星バンビーナですよ。夜己さんの生まれ故郷の。ねえ」
夜己「……あ!! どうりで懐かしいと思った!」
斗紋「気付けよ!!」

/場面 哉乞の研究所前

 ○宇宙船のドア開く音

 ○降りる音

夜己「はー、疲れたー」
哉乞「あ〜! 僕の生まれた家だ〜!!」

 ○ドアを開ける哉乞

哉乞「ただいま〜。ん〜この薬品の匂い……懐かしいです〜」
大人哉乞「このドアで、市街地にワープできます。ではお先に」

 ○ドアをくぐる哉乞

 ○次々とくぐる

/場面転換 シュツヨーク

 ○喧騒

全員「おおおおおおっ!!」
斗紋「これだ、これだよー!! 俺たちとうとう帰ってきたんだな!! ソンナ星に!!」
哉乞「ソンナ星が荒地になってたんじゃなくてよかったです〜。」
大人夜己「みんな」

 ○間

大人夜己「あのさ。哉乞、ここまで送ってくれてありがと。でも私……バンビーナに戻らなきゃ」
全員「え!?」
大人斗紋「な、なな何でだよ!? せっかく助けてやったんだぞ!?」
大人遊気「夜己……何を考えてる?」
大人夜己「ふん、みんな忘れてるでしょうけど、ブラックホール発生装置を持っているのはまだ私なのよ」

 ○間

大人夜己「この町が飲み込まれるのは嫌でしょう? 私に無駄な抵抗はしないことね」
大人哉乞「……またまた、ご冗談を」
大人夜己「来ないで」

 ○コルクを抜く音

全員「あわあわあわわあわわわ」

 ○コルクを戻す

夜己「私も行く」
全員「夜己さん?!」
夜己「あの荒野で、みんなに助けられた時から、私の運命は決まってたんだ。もう一度挑戦するって」
大人夜己「私は、バンビーナを変える。」
夜己「私も変える」
大人夜己「じゃあね」

 ○ドアが閉まる

大人斗紋「待て、夜己……」

 ○ドアが開かなくなってる

大人哉乞「むう、鍵がかかってしまったらしいですね」
斗紋「どうにかならねえのか?」
大人哉乞「え〜と……鍵、鍵……。あ、置いてきた」
哉乞Jr「あ〜あ、どうするの? 夜己さん殺されちゃうよ?」
哉乞「僕の記憶が正しければ〜、夜己さんが処刑されちゃうと〜、パパが後を追うようにブラックホール発生装置を起動させて〜、バンビーナもソンナ星もぶっ壊しちゃいます〜」
斗紋「おい!! そんなおぞましい事さらっと言うなよさらっと!!」
哉乞「いや、僕の記憶が正しければって言ってるじゃないですか〜」
斗紋「和亀!! ピッキングとかできないのか!? お前くだらない事何でもできるだろ!!」
和亀「でででできないよピッキングなんか!! 何そのくだらないことって!!」
哉乞「パパー、何とかなりませんかぁ〜?」
哉乞パパ「え〜。。そうですねえ、哉乞の発明品No876592!!『時空間の魔術師』〜」
全員「おおーっ!!」

 ○電気ドリルが始動する音

 ○電気ドリルでドアを切っていく哉乞

哉乞Jr「パパー、なんか地道〜」

 ○ガタッと、扉が落ちる

哉乞パパ「さあ、行きましょう!!」

/場面転換 哉乞の研究室

 ○宇宙船が遠ざかる音

斗紋「待て! 夜己ー!!」

/場面転換 宇宙船の中

夜己<みんな……ごめんね! みんなは大切な友達だけど、やっぱり私は私なの。みんなが居るからって、一度決めた事を変えたりしない。夢を諦めたりできない!>

 ○大人夜己、笑う

夜己「……!?」
大人夜己「ううん、いえね、歴史って繰り返されるんだなって。私も、同じことをしていたから」
夜己「あなたも……」
大人夜己「結末は言わないけど……あなたにとっては、満足と言える終わり方ではないかもしれないわよ」
夜己「どういう意味……?」

 ○着陸音

大人夜己「まずは私が出る。あなたは、目立たないようにそっと出てきなさい」

 ○足音

/場面転換 バンビーナ

 ○宇宙船に集まった群衆が、夜己を見て騒ぐ

モブ「崔華夜己だー!!」
モブ「帰ってきたぞー!!」
モブ「復活だー!!」
モブ「夜己ちゃーん!!」
大人夜己「みんな!! 改めて宣言する!! 私はこの星の、古い社会を変える!! その為には右腕だって、声だっていとわない!!」

/場面転換 宇宙船の中

夜己「あれって、声の出なくなる薬……ちょっと!! あれ飲む気なの!? 駄目! 駄目でしょ!?」

 ○かけていく音

大人夜己「私の最後の声を聞いて! それから革命を起こしに、みんな!! 行くわよー!!」

 ○歓声

♪ED

シャルル「フハハハハ!! みんな、歌う世紀の大泥棒、月光仮面シャルル様だ!! ここで皆にピッキングのコツを伝授してあげよう。」






シャルル「ではここでお知らせだ。ボイスドラマDRIVE!!がCDになって発売されたぞ!! 特典はこの私、月光仮面シャルルの新曲、『●●●●』、そして『●●●●』だ!! 他にも声優のトークや、DRIVE!!に使われた全ての音楽、またキャラクターの詳細データを書いたカタログが付いて、何と4300円!! 詳しくはDRIVE!!ホームページの『グッズショップ』にアクセスしてくれ!! では、また会おう!! ハーッハッハッハ!!」 

なんか最近シャルルがものすごく福山潤っぽく聞こえます...えーと、本物の声優を雇うのって何百万くらいかかるんだろ〜〜〜。あそうだ、確か1番組40万って聞いたことがある。だから20話で800万・・・・・・おげげげげ!!!! 誰か持ってない!?

<つづく>[newpage]

[chapter:・・・・だい]

★1

/場面転換 ソンナ星 船の上

 ○走行中の音

 ○哉乞、はっとする。

哉乞Jr「パパ」

 ○間

哉乞Jr「パパ」
大人哉乞「(気付く)」
哉乞Jr「どうしたの? 変な顔してた」
大人哉乞「いや……虫の知らせと言うか……」

 ○間

 ○哉乞、船主へ

大人哉乞「どうですか、斗紋さん」
大人斗紋「この調子なら、日が沈むまでにゃバンビーナに着くぜ。まっ、ソンナ星の自転周期を越すから、ずっと昼だけどな!!」
和亀「ねえ、惑星バンビーナって別の星でしょ? 地面走るだけで着くの?」
大人斗紋「ったく、てめえは昔っからつまんない事いちいち聞くよな」
和亀「え……」
大人斗紋「もちろん、空飛ぶに決まってんだろ。そらそろそろ行くぞ、」

 ○帆が増える

和亀たち「おっ!?」
大人斗紋「3、2、1……離陸開始!!」

 ○離陸する音とみんなの悲鳴

/場面転換 

★2


/場面転換 

斗紋「あ、見えたぜ!!」
哉乞「あれが惑星バンビーナですね……」

/場面転換 荒野

 ○着陸の音

 ○哉乞、駆け下りる

哉乞「夜己さーん!!」

 ○何度か、「夜己さーん」と叫ぶ。

哉乞「夜己さんたちはどこに居るんでしょう!?」
大人哉乞「革命は宮殿で起きるものさ。乗って。飛んでいこう、きっとすぐだ。夜己さんは絶対助けるよ」
全員「はい!!」



/子供夜己サイド



★3


/場面転換 宮殿

 ○たくさんの人が剣などで戦ってる

和亀「うわ……すごいな……こんなに人が沢山いるの、初めて見た……」
哉乞「夜己さーん!!」
斗紋「夜己の事だから、先頭切って戦ってんだ。きっとそうだぜ、行こうぜみんな!!」

 ○夜己をしばらく探すみんな(1分ほど)やこさーん

斗紋「どうだ哉乞!? いたか!?」
哉乞「い、いません……」

 ○剣を振り下ろされる音とうおーって声

哉乞「(甲高い叫び声)」(白羽取り)
遊気「おい! 今の!!」
哉乞と斗紋「え!?」
遊気「夜己じゃねえか!?」
哉乞「どこっ、どこですか!?」
遊気「中廊に入ってった。追うか?」
斗紋「もちろんだ!!」

 ○駆け足


/場面転換


斗紋「夜己!!」

 ○夜己、振り向く

夜己「あら、みんな。こんな所で何してるの?」
斗紋「何してるのじゃ、ねえだろ!! てめえを助けに来たんだよ!!」
夜己「そう。じゃあ私と、この戦い手伝ってくれるのね!?」
斗紋「違えよ!! 馬鹿!! 何考えてんだよ馬鹿!! もう帰ろうぜ、田中さん達のとこ帰ろうぜ!!」
夜己「離して!!」

 ○間

夜己「あんた達には分かんないわよ!!」

 ○間

和亀「夜己さん……僕たち、友達だよ! 分からないなんてこと……」
夜己「友達が何なの!? そんなのが役に立つのは、平和の時だけ。友達だと言うんなら、さっさとこの場から消えてよ!!」

 ○間

夜己「私の決意、見せてあげる」

 ○夜己、「声の出なくなる薬」を取り出す

哉乞「それは……『声の出なくなる薬』!?」
斗紋「おい、やめろ!! やめ……」

 ○夜己、食べる音

 ○夜己、去る

 ○顔を見合わせる4人

斗紋「ここで諦めてたまるかよ。夜己!!」

 ○足音F.O.



/場面転換 

夜己このへんで歌う
★4

/場面転換


斗紋「こうまりゃ強行手段しかないな。哉乞!! 何かないか!!」
哉乞「これはどうですか!! 哉乞の発明品No.836!!『足にからめて転ばせるヒモ』〜」
斗紋「しめた、貸せ!」

 ○夜己、先を走ってる

斗紋(遠くから)「夜己〜!! うりゃ!!」

 ○ヒモが投げられて夜己の足がひっかかる

夜己「ほわっ!?」

 ○夜己転ぶ

斗紋「観念しろぉ!! 夜己!!」
夜己「チッ……」

 ○夜己、ナイフでヒモを切って駆け出す

哉乞「あ!! 夜己さんナイフ持ってたみたいです!!」
斗紋「ぐおおお!!」
遊気「任せろ!!」

 ○遊気、間合いを詰めたところから夜己に突進する

夜己「きゃっ!!」

 ○夜己ふたたび倒れる

遊気「いい加減にしろ!!」

 ○間

遊気「てめえは世界一、いや宇宙一の馬鹿野郎だ!! 本当にこんな戦争に意味があるって言うのかよ!? てめえの夢だろうがなんだろうが、間違ってるっていい加減気付け!! 本当にこのままで良いのか!? 歌えなくなっても、革命続けんのかよ!!」

 ○間

夜己「……だい」

 ○間

夜己「歌いたいに決まってんでしょ……」(泣きながら)



/場面転換 

ここで処刑だなー
★5

あんまり面白くないなー

ところで今日はでぬが京都に来る日だー

やべー人との話し方忘れてるから不安だー

てゆか今日雨やねんけどー

一昨日まで妙に晴れ晴れしていたのに。えー。

/場面転換 

 ○(以下、夜己かすれ声)

夜己「もう一人の私は……先頭切って捕まったわ」
斗紋「捕まった?」
夜己「彼女が捕まれば、私が動きやすいからって。それに色々思惑もあるみたい」
遊気「どこに居るんだ」
夜己「……」
斗紋「夜己っ」
夜己「地下……地下の処刑場」


/ここで大人哉乞がフラックホール

↑これは戦場にかける橋てきなああいう爆発の仕方でいいんじゃないかなwwwwwwwwww


/走っている

和亀「夜己さん」


ここで強敵出現し、手間取る(茶ひげ)

姉さん発言したりして(それは混乱するのでやめてー)

「悪魔の使いなのはあなたたちです」

ここがマル伝では

ありゃ、やっぱりきめ台詞はやすぎたな

べつのかんがえなくちゃ、、、





でいよいよ処刑ですね

あのさ、エースの処刑シーンおれ知らないんだけどあれはどうなるの??

首落ちちゃうの??

ジャキンってなるの???



 ○大人哉乞が叫ぶ

夜己「いや……嫌!! 死んだの!? なんで!! 嫌よおおおお!!」
斗紋「う……無理だ、俺たちまで焼ける、もう行くぞ」
夜己「夜己さぁぁぁーーーーん」
斗紋「おい! 和亀は人間なんだ、死ぬぞ!」
哉乞「夜己さーーーーん」

 ○FO



しゃれこうべを掲げて戦争終結



大人哉乞がいない


え!? 大人哉乞がしゃれこうべ片手にブラックホール発動!?

無音








/場面転換 

 ○鳥の鳴き声

和亀「う……。」

 ○和亀、起き上がる

和亀「こ、ここは……。まさか、今の全部夢……」
哉乞「う、いてて……」
和亀「哉乞。斗紋、遊気」
夜己「あだだ……何がどうなってるの……」
和亀「夜己さん……」
斗紋「おい、どこだここは……」
哉乞「未来のバンビーナのハズです……宇宙ヨットの速度を最大にしたので、たぶん未来にいけてるはずです」

 ○草を踏む音

和亀「『ブラックホール発動装置』じゃなかったんだね」
哉乞「はい……パパがそんな危険なもの作るわけないですもんね」

 ○綺麗なアルプス山脈みたいなとこ

夜己「やっほーーーー」

 ○何も帰ってこない

哉乞「夜己さん、ずっとその声でいるつもりですか?」
夜己「いいじゃない。生きてるだけましでしょー」
斗紋「ッたく、しょうがねえなあ。ほらよ」

 ○斗紋、薬を取り出す

斗紋「治す薬だよ。大人の俺が作ったんだ」
夜己「あ……ありがとう」
斗紋「ところで哉乞、こっからどうやって帰るんだ。」
哉乞「そこによく気付きましたね! もう手札はありません!!」
斗紋「な……何だとーーーーーー!?!?」
哉乞「とりあえず地球に帰りましょう! では皆さん、宇宙ヨットに乗ってください。それでは、しゅっぱ〜つ!!」

 ○宇宙ヨット発進

(過去音生かし)
夜己「ね、見てあの船」
哉乞「宇宙ヨットですね……」
和亀「見るからにボロボロだけど、あれで航海できるのかな」
夜己「あの中に乗ってる人たちは、地獄よね〜」

♪ED





「ただいま」

<つづく>

第16話 夜己別枠

何個必要なのかな?
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★1





男「死ぬのが怖いか。」
夜己「……」
男「かつて神は、バンビーナ星人たちに、自分の死を予知できないようにした。バンビーナ星人とは誰もが盲目なものよ」
夜己「聞かせて。私はどうやって殺されるの?」

 ○夜己、両腕をアームレストのようなものに押さえつけられる

夜己「何をする気? いや、ちょっと、何するのよ! やめ……」

 ○針で穴を開けて、夜己の血を抜く

男「血は赤かったか。我々と同じだ。知っているか、お前の体内には、血ではなく、ワインが循環しているのだと、もっぱらの噂だぞ」
夜己「う……」

 ○男、笑う。

男「しばらくそのままにしておけ。」
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★2
「血を抜き、暴れぬようにしておいたと言うのに……」
「バンビーナにはこのような怪物は居たためしがない」
豪華な服
 ○キラキラした効果音
国王は認めるけどその直属の幹部が認めない
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★3(過去回想)
「亡命しよう! 夜己さんっ!」「嫌!!」

「白衣脱いでくれる!? 私『白衣見ると血圧上がっちゃう病』なの!」
アンコールがあるのにぬけ出してきちゃったんですか!?
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★4
「もう一度だけ歌ってくれ」
あまりの純潔さに悪い幹部たちも涙をさそわれる
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★5

 ○風の音

 ○薪が燃える音

 ○夜己、磔にされている。

 ○モブは悲鳴

 ○キックドラムの音(つまり「どーん」ってこと)

男「かつて、神によってもたらされた歌が、2500年のあいだに凋落した……我々と歌の主従関係は、2500年のあいだに壊れてしまったのだ。崔華夜己! 破壊活動家であり、常識を遮断する女。身の程を知らずに、我々バンビーナ国家に反旗を翻した罪、何度でも償ってもらう。皇帝の怒りをもって、この者を火刑に処すものとする!」

 ○罵声

 ○炎の音(大)

------------------------------------------------
[newpage]

[chapter:不老不死の薬]


 ○暖炉の音

夜己「あの曲は、私達の故郷、ソンナ星の曲です。田中さん、さっき……『どこでそれを』って言いましたね。それ、どういう意味ですか……?」
田中「……」
夜己「どうして田中さんがさっきの曲を知ってるんですか……」
田中「……ぼっちゃまがあれを弾けるとは思わなかったからです。」
夜己「じゃあ」
田中「私は知ってました、あの曲を」
夜己「田中さんは……ソンナ星人?」
田中「……ええ。」
夜己「……どうして執事を?」
田中「知りたいですか? ……後悔しても?」
夜己「……」

 ○夜己、泣く。

夜己「私は、ソンナ星に帰りたい。田中さんは?」
田中「……」

 ○夜己、歌う

(歌詞)
地球に来たかった 来たかった
この水晶のような美しい星に
でも私は今、ソンナ星に帰りたい
地球が嫌なわけじゃないの
ただ、昔に帰りたい

今は好きだけど 昔も好き
昔は好きだけど それは未来の私
私は未来から来た未来人
そう 未来人

/未来

 ○大人夜己、磔にされている。

 ○炎

大人斗紋(遠くから)「夜己!! 飲め!! 何してる!! いいから早く飲め!!」
大人夜己「斗紋……できないよ……」
大人斗紋「哉乞の遺志を無駄にすんのか!! 飲め!!」
大人夜己「……」
男「あの女と下の医者を黙らせろ!」

 ○押さえつけられる斗紋

大人斗紋「ぐっ……このままじゃ燃やされるぞ!!」
大人夜己「(炎で声がガラガラ)いいの……もう私達おしまいなのよ!! もうおわりよ!!」
大人斗紋「戻れ!! 過去に!!」

 ○間

大人斗紋「未来を変えてくれ!! もう一度……もう一度俺達のために歌ってくれよおおお!!」
大人夜己「……」

 ○夜己、薬を飲みこむ。

 ○ビカーーーー(光る)

 ○翼みたいなものが生える夜己

 ○若返る夜己

 ○そのまま消える

男「き、消えた……」
男2「お前、何をした……!?」
大人斗紋「夜己……うまくやってくれ!!」

♪OP

 ○目覚めるまっつん

松長「う……ここは……どこなの……」

 ○周りを見渡す

松長モノ「私が寝かされていた場所は、ごつごつしていて冷たくて、足がじんじんするように寒かった。暗かったけど、たった1つだけ窓があって、私はそっちに向かって進んだ。」

 ○這っていく音、鎖

 ○風の音

松長「うわぁ……」

 ○パレード的な音楽

松長モノ「そこはまるでおとぎの国みたいだった! 動物達が歩いて、喋って、歌ったり踊ったり、レースみたいに綺麗な建物が針子みたいに立っていて、私は別の世界に迷い込んだみたいだった!」
松長「すごい! すごいよ! ヤッホー!!」

/場面転換

 ○歓声とパレード

松長「え〜と、ここから出たいんだけど、何か持ってないかな……」

 ○首からコンパクトを取り出す

松長「あ! よかった、これは無事だったんだ。ペルソナさんから貰ったコンパクト……」

 ○開く

松長「壊れてない! テクマクマヤコンテクマクマヤコン、え〜と……なんとかして!」

 ○鏡が光る音

松長「え……な、何……!?」

 ○吸い込まれる音と悲鳴

 ○間

/場面転換 天国

大人哉乞「おっ!?」
和亀「何!? どうしたの!?」
大人哉乞「松長さんが『ふしぎの国』に迷い込んでしまいました」
和亀「不思議の国って何」
大人哉乞「いわゆるドラえもんのポケットの中です。あそこなら和亀君、直接話すことができますよ」
和亀「へ〜。え、じゃあ僕、松長さんと話せるってこと!?」
大人哉乞「3,2,1……」
和亀「え、ちょ……何……」

 ○どんっと押す音

大人哉乞「はい! いってらっしゃい!」
和亀「おわああああ!!」

 ○鏡を通る和亀

/場面転換 不思議の国

和亀「いててて……」

 ○幻想的な音

和亀「何じゃ、ここは……きらきらしてて……ふわふわしてる……銀河系みたいだけど……」

 ○立ち上がる

和亀「ん、ドアがある」

 ○黄色くてキラキラ光るドア

和亀「よ、……」

 ○ギィ

和亀「い、しょ……」

 ○ドーン♪ パカラッパ パッパ ッパッパ♪(パレード音)

和亀「わぁああ!? な、何だぁここ!?」
松長「和亀君!!」
和亀「あ、松長さん!」
松長「和亀くん!! 見て!! 動物さん達が歌ったり踊ったりしてるよ!! わ〜い! おとぎの国みた〜い♪」
和亀「……楽しんでるし」

/場面転換 ワカメダ学園

 ○幸、いらいらうろうろしている。

幸「ぐ……! このっ!!」

 ○ムチの音

 ○エトワが叩かれる

エトワ「(叫び声)」
幸「……」

 ○立て続けにムチをふるう幸。怒りのあまり言葉に詰まる。ふんっ! みたいな声、エトワの痛がる声

幸「壊してやる…… ……でもそれはできない……なぜなら……あなたは『鍵』だから……」
エトワ「……。」
幸「……記憶を抜くこともできない……起動を止めることもできない……人間よりタチが悪い……この、ブリキ人間がッ……!」
エトワ「王子を死なせてしまったことは申し訳有りません。でも僕には和亀君を見殺しにする事はできなかった……」
幸「おかげでどちらも死んだわ!! 1人は私が初めて産んだ息子、1人は私が一番信頼していた息子よ!!」
エトワ「お后さま……あなたに母の愛情があるとは知りませんでした。」
幸「うるさいッ!!」

 ○ムチ

エトワ「……お尋ねしたい事があります……。僕たちは……何故戦っているんでしょうか?」
幸「は……?」
エトワ「お后さまはなぜ地球にいらしたのですか……?」
幸「そんな事も知らなかったの……?」

 ○幸、ゴシック式のステンドグラスの近くに立つ

幸「……かつて私は……体の弱い……病弱な女だったわ」

 ○回想。席とか、看護婦の「また熱が出てるわね〜」とか

幸(モノ)「地球人だった私は、どこにでもあるような小さな町の病院で、普通に育っていったわ。病気がちだったこともあって、人より少し大人しくて、気が弱くて、心の優しい少女だった……」

/回想


な、なんだとノリで書いてたら正と幸の馴れ初めなんか考えてないんですけどっ!?



ソンナ星に行ってしまった
7ヶ月で帰れる


(前作生かし(少しだけ編集))
 ○医療機器の音

正「容態はどうですか、先生」
医者「……(首を振る) もって3日……今夜ということも……」

 ○幸のもとに寄る正

正「あと……あと7ヶ月……あと7ヶ月で和に会えるんだ……頼む……どうかそれまで……」
医者「あの、今夜会わせては」
正「駄目だ!! 7ヶ月……7ヶ月待たねばならん!!」

 ○オルゴールを流す正

幸「……はぁ……はぁ……」
正「耐えてくれ……幸……お願いだから……」

 ○幸を見る正
 ○横に人影がいるのを発見する

正「だ、誰だ!?」
大人斗紋「おっと! やべぇ、見つかったか。」
正「さ、幸に何かしたら、私が許さん!!」
大人斗紋「勘違いすんなよ、和亀正さん。俺は彼女を救ったんだ」
正「え……?」

 ○幸を見る正
 ○幸、安らかな寝息

正「ま……まさか……一体どうやって……」
大人斗紋「これだよ」

 ○斗紋が何かを取り出す

大人斗紋「不老不死の薬"エリクスリ"……これで彼女は安泰だ。おっと、長居はできねえんだった。あばよおっさん」
正「ま、待ってくれ。あなたの名前は……」
大人斗紋「琉架 斗紋。未来から来た医者さ」
(ここまで)

/場面転換

 ○幸、笑い出す

エトワ「……!?」
幸「今、思い出したわ。あのときの医者の名前は琉架 斗紋!! 和と親しくしてるソンナ星人の一人の名前も確か琉架 斗紋! 私の命の恩人って……彼だったのね!!」

 ○幸、エトワに近づく。

幸「彼を連れてきて」
エトワ「……」
幸「いい? 二度と裏切りは許さないわよ。今度裏切ったら……本当に殺す。松長ミズホをね」
エトワ「うっ……!」

/場面転換 不思議の国

 ○すごい楽しげなパレード音楽

松長「わはは〜い♪ 楽しい楽しい〜♪ 和亀君も乗ってみなよー!!」
和亀「何それ?」
松長「メリー象ランド」
和亀「メリー象ランド?」

 ○象の鳴き声

和亀「うおああああ!?」
松長「すごーい! ホンモノだー」
和亀「ま、松長さん! それより聞いて!」
松長「やっほー♪」
和亀「松長さんっ!」

 ○場面が急に変わって静かになる

松長「!? 消えた!?」
和亀「……ここは四次元空間だから、何が起こるか分からない。いい? よく聞いて。夜己さん達に伝えてほしいことがあるんだ。」
松長「わかった。」
和亀「僕のお母様が黒幕で……未来の夜己さん達の言ってた『アンドロイド』は、エトワ君の事だったんだ!」
松長「……えっ?」
和亀「いい?」
松長「待って、それを夜己ちゃんたちが知ったら、エトワ君はどうなるの!?」
和亀「……いいね、ちゃんと伝えるんだよ! いけない、もう2分だ。じゃあね!」
松長「あ! 待って! 和亀くん!!」

 ○牢屋に戻ってくる

松長「あ……」

 ○辺りを見回す松長

松長「……戻ってる。今のは夢……? それとも…… !」

 ○戸の錠が開けられる音

 ○ドアがゆっくり開く

松長「エトワ君!」
エトワ「しっ。君を逃がしに来たんだ」

 ○松長に近づくエトワ

松長「エトワ君! 一体何がどうなってるの!?」
エトワ「いいかい、このマントを羽織って」

 ○渡されたマントを羽織る松長

エトワ「これから君は国外へ逃げるんだ」
松長「それって……みんなを置いて出ていくって事?」
エトワ「みんななら大丈夫。これがビザだ、しっかり持って」

 ○無理矢理渡される松長

松長「や、やだよ……それに、私夜己ちゃんに伝えなきゃならないことが……」

 ○銅鑼の音

兵士「おい! 何してる!!」
エトワ「やばい、逃げよう!」
松長「あっ!?」

 ○松明が倒れる。

 ○BGM:焦りのあるもの

 ○駆け足

兵士「待て!」
エトワ「こっちだ!」

 ○駆け足

松長「夜己ちゃんたちはどこ!?」
エトワ「え……!?」

 ○銃声

エトワ「うわっ!? とにかく今は逃げよう!!」

/場面転換 和亀邸

 ○銅鑼の音がここまで聞こえる

田中「皆さん、夕食ですよ」
全員「はーい」

 ○食器の音

斗紋「……なぁ俺、考えてみたんだけどよ」
夜己「何」
斗紋「……いや、やっぱなんでもねぇわ」
遊気「話せよ」
斗紋「あんま考えがまとまってねーから、まだいい」
夜己「ところで哉乞は?」
斗紋「哉乞ってまだ生きてるんだっけ? 最近死んだヤツ多くて誰が生きてて誰が死んでんのか」

 ○哉乞の叫び声

 ○あわてて哉乞の部屋に駆け込む全員

 ○ドアの音

遊気「どうした!?」
哉乞「あ……あ〜〜〜〜〜」
斗紋「哉乞!? 何があった!? しっかりしろ!」
哉乞「ででで……できましたーーーーーーッ!!!」

 ○間

斗紋「何が出来たんだよ」
哉乞「エネルギー問題の解決です!! 原因は簡単だったんですよ。顕微鏡でゾウを見てるようなもんでした。実は液晶の電池が切れてただけなんです」
夜己「何の話?」
哉乞「宇宙船の話ですよぉ〜〜〜!! 僕たち、ソンナ星に帰れるんです!!」

 ○間

 ○喜びの表現

 ○ピンポーン

田中「おや、こんな時間に一体……」

 ○玄関ドア開く音

幸「久しぶりね」
田中「お、奥様ッ!?」

/場面転換 リビング

 ○幸、テレビの前にいる。他のみんなはソファに座ったりしている

幸「皆さんお揃いね。突然お邪魔してごめんなさいね。」
田中「奥様、どうぞお座り下さい……」
幸「結構よ」
夜己「あのう、それで、一体どうして急に?」

 ○幸、歩く

幸「皆さん……私が今日ここを訪ねたのは、ある事の報告と、多くの謎を解く為なの。はじめに、私の大切な息子、和が突然この世を去りました。その葬儀の日、私は初めてあなた達と会ったわ。そしてその翌日……正さんも残忍な方法で殺されてしまった。それから数日と経たないうちに、お母様が倒れ、如月さんはうちの莫大なお金を持って行方をくらました……。そしてあなた達には、ピアノが届けられた。さて、これらのことに、繋がりがあると思う? 如月さんがいなくなった理由は……あなたね、田中さん。彼女はあなたの所に行くと言ったきりどこかに居なくなりました。そう……この屋敷の隣にある、あなたの家に、彼女はまだいるんでしょう? でも和のこともあって、今は喪に服している……。そこでこうなった。ピアノを買い、それにみんなを集中させて、気を紛らわさせよう……」
田中「奥様には全てお見通しなのですね。」

 ○ドアが開いて如月登場

夜己「き、如月さん……」
斗紋「いつの間に……」
幸「ふふふ……。」

/回想

如月「お葬式の事気がかりでしょうね。こんな時に逃げ出してきてしまってすみません」
田中「いいえ、私達にも何か出来ることがあるはずです。」

/回想終わり

幸「しかしなんとこれが皮肉にも、あなたの運命を決めることになった」
田中「私の……?」
幸「借金が膨大な数あるようじゃない。それも……賭け事でね」
田中「……!」
夜己「この人、カマをかけてるだけよ田中さん」
幸「あなたは如月さんにそれを打ち明けた。実は如月さんのイヤリングには、盗聴器が仕掛けてあるの。残る問題は、殺人まで犯したかどうかよ」
田中「な、何を仰っているのですか!?」
幸「正さんを殺したのはあなたね……如月さんッ!」
如月「えっ!? わ、私!? ち、違いますわ奥様! 私はただ田中さんの……」
幸「ところで斗紋くん。私と会うのはこのあいだが初めてと……さっきはそう言ったけど、実は初めてじゃないの」
斗紋「え……?」
幸「私が10年前と変わらない若さを保ち……和亀カンパニーが人間に限りなく近いアンドロイドを作るようになったのは何故でしょうねえ……」
夜己「待って、今の斗紋には関係ないことよ、ねえ!?」
斗紋「……」
幸「あなたはご存知のようね……崔華 夜己ちゃん」
夜己「……っ……!」

 ○夜己、言うべきか悩んでる

夜己「……不老不死の薬を開発したのは……未来の斗紋よ……そして、アンドロイドは哉乞と斗紋の合作……」
斗紋「……どういう事だ? 俺達のいまいる世界は、未来の俺達が作ったものに脅かされてるってことか……?」
夜己「私はあの日、斗紋、あなたの薬を飲んだ……哉乞の発明品で、過去のソンナ星にも戻った……それで、あなた達と出会った。私は未来人なの!! 私が……私があの時逃げた崔華 夜己なのよ!! どうか私を捕まえてちょうだい!!」
斗紋「夜己……やっぱお前、未来の夜己だったのか……」

 ○盛り上がる音楽

哉乞「そ……そんな……」
遊気「……まさか……」
幸「それは良い事を聞いたわ。あなたも連れて行きましょう。田中さん」
田中「……」
幸「如月さんを殺人罪として逮捕させたくなかったら……また私達のところに戻ってちょうだい」
夜己「え……?」
斗紋「た、田中さん、どういうことっすか!?」
田中「……分かりました。こうすればよいのですね……如月さん、馬の世話を宜しくお願いします。」
如月「え、……」
田中「ソンナ星人は鏡を見ると変身します。というわけで……」

 ○カーテンの音

 ○みんな変身する

如月「な……!?」
田中「こうしておけば、捕まえるのは容易です。」
幸「行くわよ」
田中「はい、奥様」
如月「待って!! 待って田中さん!! 行かないで!!」
田中「……いつか必ず帰ってきます」
如月「田中さん……」

♪ED

哉乞「えー、(咳払い)みなさん、お元気ですか〜、哉乞です。えーとですね、今日は皆さんからのおたよりを読んでみたいと思います。と言うか、おたよりありがとうございます。え〜、『田中さんの男らしい所をもっと見たいです』……という訳でどうぞ」
田中「え!? えーと……ふぬ〜〜っ」
夜己「今、田中さんの二等腕筋が盛り上がってます!!」
斗紋「いや、それはそれでいいけど、そういう事じゃねえと思うわ」
夜己「そういう事じゃないって、どういう事よ」
斗紋「つまりだなー。アレだな」
全員「アレ?」

 ○キラキラした効果音

如月「あの……」
哉乞「あ、如月さん、ようこそ舞台裏へ〜」
如月「あの〜私は何故呼ばれたんでしょうか?」
斗紋「つまりだなァ、男らしいというのはつまり……ラブだよ」
全員「ラブ!!」
夜己「ラブラドールレトリバー!!」
夜己「ラブ同士の引き分け!!」
斗紋「そのラブじゃねえ!! つまり、如月さんが田中さんにぼや〜っとなンだよ」
夜己「それがラブなの?」
斗紋「おうよ! な遊気」
遊気「ん? うん」
哉乞「なんだ、そういう事なら簡単です! え〜と……」
田中「あの……勝手に進めないで……」
哉乞「哉乞の発明品No23『ホレ薬』〜!!」
夜己「おお! まさしくってものを持ってるじゃない!!」
哉乞「じゃ、如月さん、はい」
如月「え……。」
斗紋「一気に飲み干すんだ!!」
夜己「如月さんファイト!!」
如月「え〜」
田中「ちょちょっと皆さん。如月さんに変なもの飲ませないで下さい。ここは私が」

 ○飲む田中

全員「あ……」

 ○飲み干す田中

 ○間

斗紋「まあ、如月さんが飲んでも田中さんが飲んでも同じか……」
夜己「ど、どうですか、田中さん」

 ○間

 ○田中、涙をこぼす

田中「……どうして……どうしてお亡くなりになってしまったのですかああああ!! ぼっちゃまあああああああ!!!!!!」

 ○また泣く田中

如月「あー! せっかく私がなだめて差し上げたのに! もう! 余計なことしないで下さい!!」
哉乞「あ、あれ〜。中身間違えてたかな〜」
夜己「結局田中さんの頭の中は、和亀しかないってことね」

 ○田中の泣き声

<つづく>[newpage]

[chapter:ペルの正体]

 ○朝

 ○目覚まし時計の音

和亀「……う」

 ○田中、フライパンをおたまで鳴らしながら入ってくる

田中「ぼっちゃまーーー!! 朝ですよ!! 本日は月曜日ですよ!! 起きて下さい!! 学校に遅れてしまいます!!」
和亀「う……今日は休む……」
田中「田中が許しません!!」
和亀「うるさいなぁ……」
田中「ぼっちゃま〜〜〜〜!!」(超近くで叫ぶ)

/場面転換 リビング

 ○ドアが開く音

和亀「ふわぁぁ」
斗紋「和亀、おっす」
哉乞「おはようございますー」
夜己「おはよー」
和亀「……おはよみんな」
田中「さて皆様、本日の朝食は田中の新作パンをご賞味ください。酸味の利いたオリジナルスプラウニーです。もちろん焼き立てです」
夜己「うほーおいしそーッ」
全員「いっただっきまーす」

 ○食器の音と歓声

和亀<僕たちはソンナ星に戻り、そこにあったいつでもゲートでここまで帰ってきた。地球を二ヶ月くらい留守にしてただけなのに、田中ってば大騒ぎで、昨日なんか僕たちが帰ってきた嬉しさのあまり、病気になっちゃうんじゃないかってくらい、おいおい泣いてた。ほんと、過保護って言うかなんて言うか。僕はぜんぜん平気だったけどね。>

田中「ぼっちゃま!! ブロッコリーはちゃんと柔らかくしてありますから、今日こそ食べてください!!」
和亀「う……はいはい分かったよ。」
田中「……ぼっちゃま……ブロッコリーが食べられるようになったのですね……田中、ぼっちゃまのご成長に、涙が……」
和亀「分かった!! 分かったちゃんと食べるからもう泣かないで!! いや食べなきゃいいの!?」

/場面転換 屋上

田中「ぼっちゃま〜〜〜!! 行ってらっしゃいませ〜〜〜!! 気をつけていって来るんですよ〜〜〜!! トイレに行きたくなったら、ちゃんと先生に言うんですよ〜〜〜!!」
夜己「はーーーい!」

 ○斗紋(鳥)、飛んでいく

/場面転換 斗紋の上

夜己「なんか、和亀がいなくなったってんで、みんなで捜索してくれてたらしいわよ」
和亀「そんな大げさなぁ。ね?」
哉乞「皆さんにちゃんと謝っておかなきゃ駄目ですね! 和亀さん!」
夜己「ほんと、はた迷惑な御曹司よね〜」
和亀「元はといえば夜己さんのせいじゃん」
夜己「はぁ!? いつからそんなでかい口を叩くようになったわけ!? その口か!! その口がいけないのか〜!!」
和亀「はがが」

/場面転換 学校の屋上

 ○チャイムの音

斗紋「お、やべ、もう予鈴鳴ってんじゃん」

/場面転換 教室

 ○ドアを勢い良く開ける夜己

夜己「みんなー!! おは……」

 ○全員、座っているが、無言。

夜己「へ……? みんな……何?」

 ○教卓にアンディ先生がいる

アンディ「……諸君ニ告ゲル。コノ高校ハ本日ヨリ……我々『ネオ・レプリッカー』ガ征服シタ。大人シク地ニ伏セナサイ。」

 ○操られた生徒が5人に近づく

夜己「え……? 何……?」

アンディ「愛スル生徒タチ、ヤレ」

 ○5人、捕まる。きゃーとかなにすんのよとか

和亀「ちょっと、ちょっとみんな……一体どうなってるの!?」

♪OP

/場面転換 和亀邸

 ○田中、掃除などをしている。

田中「(鼻歌)」

 ○窓がノックされる

 ○田中、気付く。

 ○幸が窓を開けて入ってくる

田中「お……奥様!?」
幸「田中……久しぶりね。元気にしていたかしら……?」
田中「奥様こそ、なぜこのような所に……!?」
幸「あなたに会いたくて……」

 ○幸、不気味に近づく

田中「だんな様は……」
幸「あの人は、置いてきたわよ、もちろん……」
田中「いけません、奥様。この島にいらしては。」

 ○幸、田中の頭を両手で挟む

幸「あら……いいじゃない……ほんの少しの間だけ……」
田中「いけません、奥様……」
幸「ああ、会いたかったわ、田中」
田中「奥様。もう一度伺います。一体どのようにして来られたのですか?」
幸「そんな事、どうでもいいじゃない。どんな手段を使ってでも、来たわ。あなたに会う為なら」
田中「奥様……あなたがこの島にいらっしゃれるハズがないのです。私には信じられません、あなたは……何者です!?」

 ○間

幸「……ククク……バレチャアショウガナイ」

 ○幸の声が金属的になっていく

田中「……お前は!!」
幸「タナカ デンタクヤ……悪ク思ウナヨ……コノ島ヲ征服スルタメノ、貴様ハ踏ミ台トナッテモラウ……洗脳開始」

 ○電気が流れる音と田中の叫び声

/場面転換 高校

 ○アンディが弁論をふるっている

アンディ「時ヲ遡ルコトシテ10年。我々ネオ・レプリッカーハツイニ、和亀かんぱにーヲ征服スル事ニ成功シタ!! 人類カラネオ・レプリッカーヘト、政権ハ移動シタノダ!! シカシアロウ事カ、ソノ会社ノ社長息子ニシテ和亀ぽりすノ跡継ギ、和亀和ダケガ行方知レズダッタ。我々の任務ハ、和亀和……貴様ヲコノ世界カラ抹殺スルコト。ソシテ、ワレワレハソコデ、新タナネオ・レプリッカーノ時代ノ幕開ケを宣言スルノダ!!」
和亀「ぐ……! そうか、お前が、お父様たちを困らせた、ネオ・レプリッカーか……この島には1体としていなかったはずだぞ!!」
アンディ「クカカカ……『時空ノハザマ』ヲ使ッタマデサ……コノ4人ト同ジヨウニ」
夜己「……え!? 私たち!?」
哉乞「ど、どういう意味ですか……!?」
アンディ「貴様ラガ知ル必要ハナイ。問題ハ、貴様ノ処理ダ」
和亀「え……僕……!?」
アンディ「今回ノ『ギロチン寸止メの刑』ハ……チョット手ガスベルカモシンナイ」
和亀「え……」

 ○ギロチンが落ちる音と和亀の断末魔

アンディ「ギャアッ!!」

 ○アンディ、倒れる

和亀「……!?!?」

 ○足音近づいてくる

ペル「こっちだ!!」

 ○わけもわからぬまま走る5人。

/場面転換 田中のトレーラー

 ○ノックの音

 ○ドアの音

如月「……あの、何ですか? お話って」

 ○田中、無言で促す    ●幸いてもいいかも

如月「……」

 ○如月、入る

 ○ドア閉まる

 ○トレーラーにかかっていた音楽、やむ

 ○間

 ○足音

如月「……え、ちょ……何……」
田中「アナタハ知リスギテイル」
如月「へ……!? た、田中さん、なんか声がおかしいです、今日……」
田中「アナタモ……仲間ニナリナサイ」

 ○間

 ○トレーラーの中から悲鳴

/場面転換 廊下

 ○走っている和亀たち

和亀「あ……あなたは、ペルソナ=ムーンライツ!!」
ペル「この島の住民は残らず洗脳されてしまっている。僕について来たまえ! 船を用意してある!」
和亀「船……!」
生徒「マテ!!」

 ○何十人もの生徒が行く手をはばむ

 ○もやもや〜とした効果音

夜己「うっ!? 何これ!?」
ペル「ネオレプリッカー特有の幻覚だ。惑わされるな!! 廊下はまっすぐ続いている!! 私の後に続け!!」

 ○走る音

斗紋「おい、待てよ! まだ誰か生き残りが居るかもしんねぇだろ!? ちょっと探してみようぜ!!」
和亀「うっ……! それは言わないようにしてたのに!!」
ペル「そんな時間はない。この島で最も重要なのは和亀君だ。彼を守れるかどうかがこの島の命運を左右している。急げ!」
遊気「斗紋」
斗紋「ちっ……分かったよ!」

 ○誰かーという声が聞こえる

全員「……!?!?」

松長(小さい)「誰か助けてー!!」
斗紋「いるぞ、上だ!!」

 ○駆け上がる音

斗紋「おい!! 大丈夫か!?」
和亀「松長さん! 頭良君、楼華さん!!」
松長「和亀くんーーー!! 助けに来てくれたんだね!!」
楼華「まったく、遅すぎですわ!! 何時間待ったと思ってるんですの!?」
和亀「みんな、船があるんだ。それで一緒に逃げよう」

 ○松長、廊下のペルに気付く

松長「……!? ペルさん……!? 死んだんじゃ……」
ペル「……行くぞ」

 ○走る音

 ○ゾンビのうなり声みたいなもの

 ○殴る音

和亀「う……みんな! 目を覚ましてよ、みんな……」
遊気「ちっ、駄目だ、数が多すぎる」
哉乞「囲まれてますよー!」
斗紋「哉乞! 出せ!」
哉乞「出すって、何をですか〜」
斗紋「いいから何か出せよ!!」
哉乞「その言い方には異議がありますが……哉乞の発明品No.073!『メガホン』〜。『コラみんな、無駄な抵抗はやめなさい』」
ペル「必殺……月の輪縛り!!」

 ○コンパクトをヨーヨーのようにして相手十数名を縛る

哉乞「おお!! こここれはペルソナムーンライツの得意技、『月の輪縛り』!! 周囲の敵をヨーヨー型コンパクトによって一気に締め上げるという恐るべき技!!」
ペル「今だ、走れ!!」

 ○すぐに沖に出るみんな

楼華「船って……まさか、あれの事ですの!?」
頭良「あんなボートにみんな入るのかい!?」
ペル「あれしか都合がつかなかったんだ。勘弁してくれ。」
夜己「心配しないで、私たちは斗紋に乗るから、ね、斗紋!!」
斗紋「え俺!? そんな何十キロ行くかわかんないのに!?」
夜己「そこは意地で何とかやんのよ!! 男でしょ!! 意地見せんか!!」
斗紋「でえぇい!! 行くぜみんな!!」
ペル「ここからは君たちだけで行け」
松長「そんな! ペルさんは……」
ペル「私は、この島で他にやる事がある。和亀くん、合言葉は『1と4』だ……。早く行け!!」

 ○頭良、エンジンをかける

楼華「瑞穂ちゃん、乗って!」
松長「ペルさん、ペルーーーーー!!」

 ○遠ざかっていくボート

 ○間

 ○仮面をととのえるペル

 ○生徒たちを縛り上げていく

 ○FO

/場面転換 学園長室

 ○ドアの音

 ○アンディがゆっくりと歩く音

ヨシ「いつか来ると思っていたよ。欲しがっているのは、この鍵だろう? アンディ先生」
アンディ「サスガハ学園長先生……オ話ガ早イ。ソノ鍵デ……コノ島ノ封印ヲ解ク……ソシテ『地上』ニ帰還サセマス……」
ヨシ「ふん……やれるモンなら、やってみやがれ!!」

 ○ドア閉まる

/場面転換 ペルサイド

 ○学園長室の目の前に来るペル

ペル「学園長……無事でいてください! あの鍵が敵の手に渡ったら、10年間の苦労が全て水の泡に…… !!」

どうでもいいけどウソップが独り言で解説してくれなきゃワンピースはどうなっていたんだろう

 ○アンディの家来あらわる

アンディの家来「6726501! そこまでだ。」

 ○ペル、とまる

アンディの家来「貴様には、丁度いい相手を用意してある。さあ来い」

 ○田中と如月現れる

ペル「な……田中さん……如月さん……あなた方まで……」
アンディの家来「ナゼダ、6726501。同じネオ・レプリッカーのお前ガナゼ……」
ペル「ふっ……お前たちが和亀ポリスに何をしてくれた? 僕の愛していた国を壊しただけじゃないか。笑わせるな! うおおおお!!」

 ○エトワ、駆け出す

 ○田中が銃を取り出す

ペル「っ!? しまった」

 ○銃声

/船の上

 ○なんか士気の上がる合唱
会話
 ○斗紋、ぶつかる。

全員「……」

/場面転換 ヨシサイド

アンディ「鍵ハモラッタ。止メダ」
ヨシ「ぐっ……!!」

 ○ドアの音

ベル「ハァッ!!」

 ○ヨーヨーで動きを封じるペル

アンディ「ウッ!? ペルソナムーンライツ!? ナゼ……負ケタノカ!?」

 ○足音

アンディ「ナンダト……貴様……洗脳シタハズ……」

 ○銃の音たくさんと、アンディの悲鳴

 ○アンディ倒れる

田中「和亀家を愚弄する者は、誰であろうと許しません。」

 ○田中、銃をしまう。

田中「大奥様、お怪我は」
ヨシ「うんうん……ありがとよ」

 ○ヨシ、立ち上がる

ヨシ「随分懐かしいものを持っているじゃないか」
田中「ええ。奥様に頂いて以来、肌身離さず持っておりました」
ヨシ「対ネオレプリッカー用の電磁ガン。まさか、アンディがネオの方のレプリッカーだったとはね……」
ペル「学園長。これを」
ヨシ「おお。そうじゃったそうじゃった。田中、……そろそろ潮時かもしれぬ。やってくれるな」
田中「ですが大奥様、ぼっちゃまのお誕生日までは、あと3日……」
ヨシ「よい。私が許そう。今すぐ行くのだ。この島の封印を解きなされよ」
田中「……仰せのままに。」

 ○立ち去る田中

如月「……あの」
ヨシ「付いていっておやり」
如月「……はい」

 ○後を追う如月

●ヨシの詩



 ○アンディのきしむ音

 ○アンディの笑い声

 ○アンディ、起き上がる

ヨシ「しぶとい奴め」
ペル「何がおかしいッ!?」
アンディ「馬鹿共ガ……和亀和ハ今頃、海ノモクズとなっておるであろう」
2人「えっ!?(なっ!?)」
アンディ「アヒアヒアヒ……アノボート、向コウ壁ニ着イタ瞬間、沈むヨウニ、細工シテオイタノダ」
ペル「何だと……!?」
アンディ「ハァッ!!」

 ○ヨシにコードを伸ばして洗脳する

ヨシ「学園長!!」

 ○間

ヨシ「……フヒヒヒヒヒ……全テ占領スル……」
ペル「……ぐっ!!」

 ○ペル、和亀のもとへ飛んでいく

 ○ヨシの高笑い

♪ED

 ○斗紋の羽ばたく……というかもうよろよろな音

 ○浜辺にどしゃりと着陸

 ○人間に戻る斗紋、死ぬほど息が上がっている

斗紋「死ぬかと思った……」
和亀「まさか、船が沈むとはね……」
夜己「ところでここは……」

 ○間

頭良「変な家だ……木でできてる訳じゃないし、コンクリートや、プラスチックでもないみたいだ……石みたいだけど……真っ黒で……触ると冷たい……まるで漆を塗ったみたいだ。窓は? ………あった。でも何も見えない。曇りガラスに似ているけど……うわっ!?」

 ○いつでもゲートを見る頭良。

頭良「……な、なんだこの大きな門は。 もしかしてここは何かの遺跡なのかな……そうか! きっとここに、誰にも知られていない古代文明が……」
和亀「頭良君……ごめん、そのくだりはだいぶ前にやってる」
哉乞「つまり和亀さん家のお庭でした〜」
頭良「……あっそ」

<つづく>[newpage]

[chapter:和亀が一人の理由]



19話はあらすじがjpg形式であるのでそれを参照してください。

https://www.dropbox.com/sh/1343nzmi07c77wb/AACIOjtgTffZmQXxU05puFKda?dl=0

[newpage]

[chapter:Let's DRIVE!!]


え〜、、はい。もう文字が書いてあれば何でもいいやと思い始めたマコっさんです。

で、19話は「鍵3」ということです。ところで鍵って何の話だーーーー。




/場面 亀島沖

 ○波の音

エトワ「僕の本当の名前は2983764……ロボットなんだ……。」
和亀「エトワ君が……」
松長「ロボット……!?」
エトワ「10年前、この島が時空の中に閉じ込められたとき、僕は1人こっそり紛れ込んだんだ」
和亀「君は……和亀カンパニーが作ったロボット? と言う事は……」
エトワ「僕が最後の鍵さ……そして僕の鍵はこれ」

 ○エトワ、ギターを差し出す

エトワ「月光仮面シャルルのギター。その音で最後の鍵は開くよ。さて、僕はもう行かなきゃ」
松長「エトワん、なんで行っちゃうの? 私たちと一緒に戦ってくれないの?」
エトワ「……そのうち分かるよ。」

 ○飛び去るエトワ

和亀「…………」

 ○船がきしむ音

哉乞「あ! 果てに着いたみたいです!」

 ○船が壁にぶつかる音

 ○船体が揺れる。全員「うわっーー」

和亀<僕が今まで空だと思っていたものは、ただの壁だった。夜空が書かれた壁だった。そう、まるでプラネタリウムのドームみたいに>

和亀「これが僕たちの世界の果てなんだね……」
斗紋「おい! ここに何か書いてある!!」

 ○船頭に行く全員

夜己「……読める? 哉乞」
哉乞「えと……ソンナ星語ではないですし……地球の言葉でもない……ですよね」
楼華「あたくしも分かりませんわ」
松長「わたしも読めなーい。」
和亀「うーん。分かんないな……」
斗紋「本当に言葉か? ただの落書きとか」
遊気「数字とか」
哉乞「数字という手がありましたね! うーん。……そう考えても分かりません……。」
夜己「ま、良いわ。とにかくこの壁ぶっ壊せばいいんでしょ?」
全員「え!?」
哉乞「ちょちょちょっと夜己さん、それじゃ駄目ですよ、外は時空間のはざまですよ! しかも音速以上のスピードで動いているんですから、気を失っちゃいますよ! ちゃんとドアがあるはずですから、それを見つけないと……」
頭良「ちょっと、ちょっと、なんで僕を呼んでくれないんだ」

 ○頭良が船頭に上ってくる

頭良「何してんの?」
夜己「ああ、頭良君のこと忘れてたわ」
頭良「これは地球の昔の言葉じゃないか」
全員「え?」
頭良「4って書いてある」
哉乞「4……? そういえば、アンディ先生が、パスワードは『1と4』だって……」
斗紋「じゃ、この壁のどこかに、1があるんだな、きっと。でそれを同時に押すとか、そんな感じだろ」
頭良「確証はないけど、やってみる価値はあるんじゃない?」
松長「じゃあ、壁沿いに見ていかなきゃいけないってこと?」
楼華「そんな、何時間かかると思ってんですの!? やってられませんわ!!」
遊気「それでも……やるしかない」
和亀「……そうだね。やれる事はやってみよう。みんな、行くよ!!」
ほぼ全員「オー!!」

/場面転換 数時間後

 ○夜己、双眼鏡で壁に穴が開くほど見つめている

和亀「夜己さーん、あったー?」
夜己「ないー。そっちはー?」
和亀「ないよー。ねえ哉乞、ほんとにあるのー?」
哉乞「僕に聞かないでくださいよー、頭良りんさーん、ホントにあるんですかぁー」
頭良「僕にも聞くなー」
松長「あっ! 見て!!」

 ○全員反応する

松長「あれは!?」

 ○駆け足

哉乞「これは……」
頭良「……いや、これは日本語だ」
和亀「……WAKAME……会社のロゴだ」

 ○間

斗紋「……ま、このタイムマシンが和亀カンパニー製だってことは分かったな」
楼華「変な期待させないでくれます〜〜〜?」
松長「ご、ごめんなさぁい……」

 ○間

和亀「なんか……疲れたね」
夜己「ええ……疲れた」
哉乞「ここらでちょっと休憩しましょう〜。」

 ○ドアの音

遊気「おいみんな、お茶入れたぞ」
夜己「遊気〜♪ 気が利く〜♪」
和亀「未来の田中だね」
松長「わ〜い」

 ○お茶のむ松長

松長「しかも、おいしい〜」
夜己「……」
斗紋「どうした? 夜己。」
夜己「ううん……ただ、私たちの冒険ももうすぐ終わりだと思ったら……。」
哉乞「僕たちの冒険は終わりじゃないです! また、会いに来ればいいじゃないですか!」
斗紋「そうだよ。こうやってこの島に来れたんだ、帰ったってまた来れるさ。そうだろ?」
夜己「みんな……」
松長「夜己ちゃん、歌ってよ」
夜己「え、ここで〜?」
斗紋「よし! じゃ今回はいつもと違う感じにしようぜ。じゃまずは俺から」

 ○なんかミュージカルで時間稼ぎ

遊気「おい、見てみろよ」

 ○間

遊気「もとの場所に戻ったみたいだぜ」
全員「ええー!?」
夜己「ちょ、ちょっとどうすんのよ哉乞!! 何がどうなってんのよ!!」
哉乞「わわ、分かりませんよう」
楼華「見逃したのかもしれませんわ」
頭良「じゃあ、また探し直すのかい?」
斗紋「う〜〜〜……」

 ○ドアの開く音

遊気「……あ」

 ○ドア開く

遊気「おい、開いたぞ」
哉乞「え!?」

 ○ドアを見るみんな

夜己「ど、どうやったの?」
遊気「文字の1番目と4番目を押した」
哉乞「……さすが遊気さん。」
和亀「とにかく……」

 ○全員、顔を見合わせる

 ○ヨットを漕ぐ音

 ○ドアがきしむ音など

/場面転換 亀島の外

 ○静かな空間で、よく響く(またはその逆)

 ○漕ぐ音

和亀「……哉乞」
哉乞「はーい」
和亀「ここはどこ?」
哉乞「さあ……」
夜己「誰かー! 居ないのーッ!?」

 ○間

斗紋「変なところだな……」
哉乞「あ、分かりました。きっとここは、操縦室です。」
全員「操縦室?」
田中「よくここがお分かりになりましたね」

 ○田中、向こうの木の板のようなところにいる

全員「田中さん!」
田中「いかにも、ここはタイムマシン『亀島』の操縦室。そして私は、パイロットの田中でございます」
和亀「田中が……操縦を……!?」
田中「詳しいお話は、また後ほど。さて……それでは皆さん、これよりこのタイムマシンは、60年後の地球に到着致します」
全員「60年後!?」
田中「そうです、ぼっちゃま。この中では10年の年月しか経っておりませんが、地球は、ぼっちゃまの旅立たれた日から60年の月日が経っております」
和亀「え……じ、じゃあ、お父様と、お母様は……!?」
田中「それは田中にも分かりません。」

 ○田中、何かを操作する

田中「皆さん、捕まっててくださいね……」
斗紋「捕まってったって、何も……」

 ○地響き

全員「うわああぁぁ!!」

 ○全員海に落ちる

 ○タイムマシンが地球に到着する効果音

 ○空が夕焼け色に染まり、壁が解体されていく効果音

 ○ひとしきりの効果音、やむ。

 ○間

/場面転換 水中

 ○ゴボゴボ

 ○和亀、水上に出る

和亀「ぶはっ!!」

 ○とりあえず陸にはい上がる

 ○息上がっている和亀。よく見ると、他のみんなも陸地でぜーぜー言っている

和亀「みんな、大丈夫?」
楼華「え、ええ……(テンション低く)」
頭良「OK」
松長「へ〜ん、怖かったよう」
斗紋「あれ、遊気は? 遊気ー」

 ○遊気、上がって来る

遊気「……いる」(咳き込んで)
哉乞「いない人いますか〜」
夜己「とりあえず、全員無事みたいね。」
和亀「田中、僕たち……」
田中「着陸は成功です。あそこに見えるのが、和亀城です」

 ○全員、その方向を向く

夜己「あれが……」
斗紋「和亀ん家……」

 ○駆け出す和亀

 ○BGM:切ない音楽

 ○走る音(10秒くらい)

/場面転換 和亀城 室内

 ○今(2013年)とは違う心電図の音

 ○心電図止まる

 ○間

医者「……ご臨終です」
おじいさんの正「幸……」

 ○ドア開く

 ○和亀、ベッドにかけ寄る

 ○正、感涙のあまり立ち上がって呆然

和亀「おかあ様……? お母様ぁぁ!!」

 ○ベッドにすがりついて泣く和亀

 ○死体の顔がかすかに笑う

和亀「お父様あああぁ」

 ○泣く和亀。それをドアの近くで見つめるみんな、優しげな表情

 ○F.O.

/場面転換 綺麗な場所

 ○夜己が歌い出す

 ○松長がはもる

 ○エトワがはもる

 ○他の皆も合唱(哉乞だけいない)

哉乞(遠くから)「みなさぁ〜ん」

 ○近づいてくる哉乞

哉乞「宇宙船が完成致しました〜」
斗紋「おっ!! いつの間に!!」
哉乞「えへへ〜、実は、小さいときにここに置きっぱなしにしてたんです〜」
夜己「じゃ、私たちは晴れてソンナ星に帰れるわけね」
和亀「みんな……。」

 ○間

和亀「ありがとう。楽しかった」

 ○間

斗紋「おう、また来るぜ。お前も、ソンナ星に遊びに来いよな」
楼華「和亀カンパニーとウチの会社の技術力をもってすれば、ソンナ星くらいひとっ飛びですわ。ねえ和亀!!」
和亀「え!? う、うん。僕ががんばって、技術力を上げていくよ」
松長「私も手伝うさ〜」
頭良「僕も」
エトワ「ぼ、僕も……。」

 ○宇宙船のエンジン(!?)がかかる

哉乞「では皆さん、行きますよ〜」
遊気「みんな。俺は残るよ」

 ○間

遊気「俺、自分探しの旅に出ようと思ってな。」
哉乞「遊気さん……」
遊気「地球のほうが面白そうだ。だから、ソンナ星にはお前らだけで帰ってくれ」
斗紋「遊気……。分かった。だけど、約束だぞ。絶対また会おう!」
遊気「約束だ」

 ○間

夜己「――じゃあ」
和亀「夜己さん、最後に1つ」

 ○和亀、オルゴールを取り出す

和亀「これ、あげるよ」

 ○オルゴールの音

夜己「これは――だっ、駄目よ、このオルゴールは、和亀と両親を繋ぐ大切な絆じゃない。和亀が持ってなさい。いい?」
和亀「うん。でも、もういいんだ。両親に会えたから。これからはたぶん、ずっと一緒に暮らすし。だから、持っててよ。」
夜己「……じゃ、遠慮なく。」

 ○どこからともなくみんなやって来る

 ○みんなの歓声(ばいばーいとか)

夜己「みんなーーー!! またねーーー!!」
哉乞「またねーーー」
斗紋「またなーーーーッ!!」

 ○宇宙船、去っていく。

 ○見送る合唱(なんだろ? 校歌的なもの)

♪ED

/場面転換 どっかの広場

 ○鳥の音や噴水の音とすこしのガヤ

 ○後ろから車の音

和亀(遠くから)「遊気!」(クラクションの音)

 ○車止まる

和亀「やっぱり遊気だ。こんなところで何してんの?」
遊気「別に」
和亀「すごい荷物だね。あ、そうか。今から旅に出るんだね」

 ○車に乗っているのは、松長、楼華、頭良

松長「遊気く〜ん! おはよー!」
遊気「おう」
楼華「これから、和亀の家で誕生日パーティですのよ」
遊気「誕生日? 誰の」
頭良「もちろん、和亀君のだよ。」
和亀「ねえ、遊気の送別会もする予定だったんだよ。何も言わずに出て行かずに、みんなでさ、わいわいやろうよ」
遊気「……ん……まあ」
和亀「さあ、乗ってよ。」(ドアを開ける和亀)

 ○一瞬迷うが、乗る。

和亀「よし、じゃ……」
楼華「和亀! あたくしの愛車なんですのよ! 傷つけたら承知いたしませんわよ!!」
和亀「分かってる分かってるって。じゃあ、いくよ〜〜〜レッツ……」
全員「DRIVE!!」

 ○発進する。

 ○事故る音と楼華の怒った声

<おわり>

ラベルの解説(文字の大きさに意味はないです(なんか勝手に大きくなる))

言葉ベース
・AIEN≒ヘルズクイーン≒one-way=ルナ=盲目少女と吸血鬼=きゅうけつき

キャラクターベース

・悪役令嬢と神父=あくしん=あくぼく=いじうけ=誤解
・◆=悪役令嬢と猫=あくねこ=ロイジャペア=ターニア=トハ
・超能力者が入院する話=ETK=dr.ソロモン
・横井=VRChatの話
・建築の話=建築家とロボット
・BL2
・ですわけ
・テイマー
・ヒーロー部
・ソラヲトブ(-6なのに-3とくっつくから)
・小牧=オメガバース1=-3=植物ミステリ2=ツマミの話(小牧が低すぎる)

その他

・昼=排卵後=朝=プロゲステロン有り=オキシトシン無し=礒原
・排卵前=プロゲステロン無し=オキシトシン有り=久米
・ちかのこ=けもらいず=サンブライズ=バーチャライズ
・過去=かこ=essay=エッセイ
・photo=構図
・こじ=こじらせ、ス=スキ=スキゾタイパル、強=強迫、境=境界、回=回避、反=反社会、自=自己愛
・みんあつ

ラベルが付いてない記事もあるので検索すると確実