○すっごい豪勢なお屋敷
○田中が和亀に紅茶を差し出す
田中「ぼっちゃま、本日の紅茶はブルーアッサムでございます。レモンの香りを少々加えさせていただきました」
和亀「ご苦労」
○重々しくそれを口に運ぶ和亀
○吹き出す
和亀「あ゛っぢ!!」
田中「も、申し訳有りませんぼっちゃま。すぐにお召し替えを……」
和亀「いやもういいよ。学校遅れるし」
幸「和ー。車出す準備できたわよ」
和亀「はーい、お母様」
○執務室のドアを開ける和亀
和亀「お父様、行って参ります」
正「気をつけて行けよ」
和亀「はい!」
○リムジンで登校する和亀。豪華な学校
田中「いってらっしゃいませ」
生徒「御曹司、おはよー」
生徒2「おはよー御曹司」
和亀「みんな、おはよー」
○田中はリムジンから少し離れて和亀を見送っている。幸はその隙に口にハンカチを当てられ誘拐される。それに気づいた田中は怪訝そうに幸のいない車を見る
田中「……奥様?」
○執務室
正「何!? 幸が消えただと!?」
田中「しばらく待っても一向に姿をお見せにならず、電話も通じない状態で……」
正「まさか……彼女が『ワカメコーポレーション』社長の妻だと知って誰かが……警察だ! 電話を逆探知する準備を!!」
田中「はっ!!」
○テレビ電話が鳴る
正「……もしもし」
アンバー「地上の王・和亀正よ……」
正「お前は……まさか」
アンバー「そう、私は地下都市の王……アンバーだ!! 貴様の妻は預かった。私の目的はただ一つ……その地上から、人間どもを抹殺すること……そしてそのために、軍事会社である貴様の会社を……潰す!! クハハハハ……」
正「幸をどうする気だ!!」
アンバー「連れ戻したくば……会社を倒産させるがよい……すべての武器を処分してな……クククク……アーッハッハッハ!!!」
○電話が切れる
正「クソッ!!」
田中「旦那様!! ここは私が地下に……」
正「……戦争だ……。戦争だ!!!」
○学校
和亀「ん?」
○慌てて校庭を走ってくる田中を見つける
和亀(田中だ……何焦ってんだろ?)
○授業中なのに田中が入り込んでくる
田中「ぼっちゃま!! 今すぐここから逃げるのです!!」
和亀「へ?」
○爆発音と校舎が倒壊する音と生徒たちの悲鳴
和亀「い、一体何が起こってるの!?」
田中「地下都市アンバーと地上の全面戦争が始まったのです!! さあ、我々はこちらに!」
○ヘリコプターで飛ぶ
○和亀の屋敷が倒壊している
和亀「うちが……お父様とお母様は? これからどこ行くの?」
田中「別荘のほうは無事ですから、そこに一時避難致します。それから、決して誰にも和亀家の御曹司だと悟られないようにしてください。旦那様と奥様のことは、後でゆっくりご説明します」
和亀「……分かった。」
○別荘にいる正
和亀「お父様!」
○正に抱き付く和亀。
和亀「お母様が誘拐されたって本当なの!?」
正「……」
和亀「だけどどうしてそれで戦争を起こしちゃうの!? 大人しく会社を倒産させればいいじゃない!! どうしてやめないの!?」
正「和。今やワカメカンパニーは、世界で最も大きな機械製作会社だ。そんな会社が倒産すれば、世の中は混乱し、下の奴らの思う壺だ」
和亀「どうして仲良くできないの!? お母様はどうなっちゃうの!? 嫌だ……嫌だよ、お母様、お母様ーっ!!」
田中「ぼっちゃま……」
正「この島には一つだけ、小さな学校がある。明日からそこに通いなさい」
和亀「え……えええええええっ!?!?」
○翌朝
田中「ぼっちゃま、本日の紅茶はコーデリアグレーでございます。疲れをいやす作用がございますよ」
和亀「ご苦労」
○グッと飲み干すと田中の運転するバイクの後ろに乗って学校まで行く和亀
○オンボロ校舎
和亀「うわ……。」
和亀(こ……こんな所に毎日通うのか……)
斗紋「おっ! 誰だお前? 転校生か? 名前は?」
和亀「あっ僕わか……こ、昆布和だよ」
斗紋「昆布和? 変な名前!!」
夜己「何? 斗紋。誰この子?」
斗紋「転校生だよ。昆布だって」
夜己「へ〜。昆布君ね。よろしく! 私は崔華夜己。ソンナ星人よ!」
<つづく>[newpage]
[chapter:第二話]
ぼーっ
ぼっちゃま、お茶が……
夜己「私たち、ソンナ星ってとこから来たソンナ星人なのよ」
和亀「へー……そういう設定なんだ。じゃ僕はうめ星から来た……」
夜己「ち・が・う!」
和亀「いででででで」
夜己「私たちはホントに宇宙人なの!」
和亀「わ、分かったよ……それで僕に何の用なの?」
夜己「しらばっくれないでよ! あんたでしょ!? 私たちの星から『黄金の王冠』を盗んだのは!」
和亀「へっ?」
夜己「いつまでもシラを切る気なら……こっちにも手があるわ……」
正「何ィ!? 和が誘拐されたァ!?」(茶風林っぽく)
夜己「覚えてなさいよ和亀和!! 今度こそ誘拐してやるからね!!」
<つづく>
結局夜己さんたちは誘拐したり失敗したりを繰り返してロケット団化する
あ、結局黄金の王冠を盗んだのは正です。[newpage]
[chapter:第三話]
如月「初めまして、本日付けで参りました、メイドの如月皐月でございます!」