政治家、官僚、法曹終わりに芸能、隕石とジャンドー警察より偉くなればいいだけの話よ。いらついたからころしたわ。月が綺麗だから散歩
なんとか証拠を掴まなければ…
黒幕はこいつではない!官僚だ!
役人
「まっつんかわいい!!」
「結婚して!!」
彼女は無事オーディションに合格し、アイドルになれたようだ。どこもかしこも「松長瑞穂」の文字で溢れている。
――「今度は左足も?」
あの時の記憶が蘇る。大丈夫だ、彼女は――バラしたりしていない。少なくとも、今の時点では。
もし、このまま、「パンドラ」の正体が割れれば、僕はもう、「ヒーロー」を続けることはできなくなるどころか、「エトワ・ムラカミ」としての人生まで、潰されてしまうことになる。取材、そして町民からの「嘆願」「甘え」を、「僕」という人間が全て抱えることはできない。僕だって、生きるためには金が要るし、そのためには、働かねばならない。寄付などしてくれる人間は、どこにもいない。それは、教会育ちの僕には、よく分かっている。だからこそ、できる時だけ、「パンドラ」という仮面を通して人助けをしている――それが理想の形なのだ。
仕事が終わり、汗を拭きながら上気した体を冷ましていると、真剣な表情で音楽に合わせて振りの練習をしている女の子がいた。
彼女だ。
同じ事務所とはいえ、ここは特撮専門の撮影所だ。彼女がいるのは珍しいかもしれない。
あまり関わらないほうがいいだろうか。いや、しかし、彼女に情を移してもらった方がいい。
――ここは、攻めた方がいい。そういう作戦で行こう。
「オーディション、受かったんだね」
ぱっとイヤホンを外し、明るい屈託のない笑顔を見せる。
「あっ! あの時の!」
「エトワって呼ばれてるよ」
「エトワ? エトワって、夜って意味よね? 素敵なお名前ね!」
「ありがとう、松長さん」
彼女は、きょとんとして、目を丸くしている。
「ど、どうして、あたしの名前…」
「もう、有名人じゃないか」
彼女はかぁっと耳まで赤くなった。有名になるのがそんなに恥ずかしいのだろうか? だとしたら、ちょっと心配な半面、純朴で気の優しい子なのかもしれない。もじもじしている彼女に、僕は聞いた。
「ところで、ここで何しているの?」
「あ、あの、こんど、『怪傑パンドラ』に出演するんです。あたし、パンドラさんとちょっとゆかりがあって…あ、『偽物』のほうですけどね、ファンにはそんなの関係ないって、マネージャーが」
「そうなんだ」
「あの、ところで、エトワさんは、ここでなんのお仕事をされてるんでしょうか…?」
「見ての通り、スーツアクターだよ。パンドラの」
「じ、じゃあ、パンドラのスーツを持って帰って練習したりも…?」
「できるけど…休みの時は家で寝てるよ。きつい仕事だからね。スタントマンみたいなものだし」
「そ…そうだよね」
特撮に出る
せせら笑うような雰囲気も感じられない。ただ純粋に笑みをこぼしているようだ。もしかしてあの時のことなど、忘れたのだろうか…そんなぬるい希望が脳裏をよぎった。
忘れているわけ、ないよなーー。
「あっ、これが今度私の出るシーンの台本なの。」
手がふれるが
スーツ姿のパンドラとの絡みが多い…彼女は『本物』のパンドラを見ている。怪しまれなければいいが…
駆け引きなしに惹かれてしまう自分がいる。「パンドラ」でない時の僕は、人一倍女性に弱い。
じゃあ、今から何か食事でも…
「彼がいなくなったら、ファントムが現れた…」
「ファントムが、殺人……!?」
☆作戦失敗か――?